二〇〇九年度事業計画

基本方針
 2009年度東京地婦連の「基本テーマ」は昨年にひきつづき「地域の力で人と地球の未来を拓く」と決定、新年度の第一歩を踏みだします。
 テーマに含まれた「平和と環境」の理念を守るためには、何よりも地域の生活者である会員一人ひとりの意識の向上と行動力こそが最も重要で、その力を育てる役割は東京地婦連として大きな使命であります。
 大都市である東京都は、地域の変貌・会員の高齢化・少子化・一人世帯の増加などに直面しています。とりわけ昨年からの世界的な経済不況の波は雇用の悪化、所得格差の増大など社会不安が顕著になっております。
 これからは様々な方策で地域の再生をはかることが焦眉の急と考えます。防災・高齢者医療・環境問題を中心に、地域の連携を強める運動を進めてまいります。
 また戦後64年、戦争体験を持つ人も減少しその風化が憂慮されます。私たちが守り続けてきた現憲法は、戦争の放棄、人権・言論の自由など、いのちとくらしの安全が盛りこまれています。平和あってこその地域であり、世界であることを再認識し、平和・環境を中心に据えて、福祉、消費者、青少年、男女共同参画の諸問題に対処し活動します。
 さらに志を同じくする他団体との共同運動を強め、実効ある活動をしてまいります。
重点事業
地域の力で人と地球の未来を拓く
中央集会ならびにブロック別協議会
ブロック別研究協議会を都内2カ所で開催、またその集約の中央集会を年度末に開催する
第55回指導者研修会
地域社会が活きいきするよう、社会で起きている様々な課題をとりあげ研修や調査を行う
各部活動の充実をはかる
高齢者をめぐる介護・医療制度問題への取り組み
DVD「二度と戦争はいやだ」(仮題)自主制作
定款及び組織問題の検討
検討委員会を設置
活動及び調査研究
問題によっては実行委員会を設けて推進。実行委員会には関係各部から参加するほか、組織外からの参加を求める。
○次の事業を行う
(1)-@ 消費生活及び環境、福祉問題などに関する活動
ア.消費生活にかかわる運動への取り組み
 「消費者の権利」を行使し、消費者利益の擁護および増進のための運動を推進する。消費者行政の一元化が図られるよう、より機能する組織の構築に向け提案を行っていく。
 多発している振り込め詐欺に代表される「悪質商法」に対して、他団体・行政との協働を図りつつ、地域活動を通して被害の未然防止に取り組む。
 食の安全に関しては食品の偽装・表示偽装・事故米の流通など、消費者の不安が尽きない事件が多発する現状を踏まえ、輸入食品などの安全確保、自給率の向上をめざし、行政に対して実効性のある施策と速やかなリスクコミュニケーションの確立を求める運動を推進する。
 高齢者配慮型の「物づくり」や「売り方」について、消費者の意見を把握し関連業界に提案、製品づくりや、サービスを提供させる行為に反映させていく。
 
イ.環境をまもる運動への取り組み
 地球温暖化防止対策活動として省エネ生活・創エネ運動の推進、緑の保全事業、大気汚染測定運動など環境保全に向けての活動に取り組む。循環型社会構築をめざす地域活動としてグリーンコンシューマー運動の推進や土壌汚染・廃棄物問題への取り組みなど、身近な地域活動を推進する。生活環境を守る視点からも防災、災害支援などに取り組む。
 *創エネ 太陽光発電や風力発電、バイオマスなどの再生可能な新エネルギーの創出
 
ウ.青少年にかかわる運動への取り組み
 情報化、国際化、消費社会化が急速に進む中で、青少年を取り巻く環境は大きく変化し、さまざまな問題が叫ばれている。青少年に最も悪い影響を与えるのは有害環境である。各種メディア、インターネット上の違法・有害情報対策や、酒・タバコの未成年者に対する販売防止など環境浄化に取り組む。また青少年の成長を支援するには大人自身の意識改革が必要である。
 規範意識の見直しや、次世代育成への自覚を促す運動に取り組む。さらに青少年の成長には家庭・学校だけでなく地域の協力が不可欠である。住民や各種団体、関係機関と連携して青少年にとって居心地の良いコミュニティーづくりに取り組む。
 
エ.地域福祉への取り組み
 福祉制度の改正について関係部署と連携して勉強会を開催する。急速に進行した高齢社会に対応するため、介護、医療、住宅、年金など地域福祉の諸問題についての学習や福祉施設の見学を実施する。最近多くなった高齢者を狙う悪質商法、「振り込め詐欺」などにだまされないよう啓蒙する。また、子育て支援や児童福祉施設の充実を図るための運動を推進する。
 
オ.平和を築くための運動への取り組み
 現憲法の重要性、戦争の恐ろしさ、むなしさを伝え、特に九条を守る運動を展開する。また北方領土返還要求運動をはじめ、核兵器廃絶、被爆者援護の運動など、他団体と連携して行う。第五福竜丸をシンボルに、東京地婦連植樹の八重紅大島桜の下で「お花見平和のつどい」を毎年開催する(市民8団体による「第五福竜丸から平和を発信する連絡会」が主催)。平和を願い折った折り鶴を千羽鶴につなげ広島・長崎に献納する。ピースアクションなど他団体とも連携して運動する。
 
カ.男女共同参画の推進への取り組み
 東京都内各区市町村での男女平等基本条例の制定に向けて、地域における男女平等の実現をめざす。男女雇用機会均等法・育児休業法・介護休業法の実効ある運用の推進に向けて取り組む。社会全体でワークライフバランス(仕事と生活の調和)を推進し、だれもが生きがいのある地域生活を確立していく。また、ジェンダーフリーの意味の正しい考え方を広め、男女平等の基本的考え方の理解を進める。
 
キ.政治への関心を高める運動への取り組み
 政治への関心を高めるために、汚職議員に投票しない運動、公共事業への政治家関与の監視、企業の政治献金の禁止、天下り防止法の実現の運動を展開する。社会保障制度の将来像について学習しつつ、公平な税の負担のあり方について検討する。
(1)-A 調査研究、情報の収集提供並びに集会の開催
 大気汚染測定調査、味噌の無添加表示調査、後期高齢者医療制度・改正介護保険制度の問題点の調査研究・情報収集など。
(2)-A 地域女性団体の指導者の養成
 ブロック会議、指導者研修会、学習会の開催。
(3) 広報活動並びに機関紙「婦人時報」の発行
 毎月15日発行。大判2ページ。「婦人時報」の購読の推進。
(4) 他団体との連携並びに共同・交流活動
平和運動→北方領土の返還を求める都民会議、平和憲法をまもる市民と団体の会、第五福竜丸から平和を発信する会、東京大空襲訴訟を支援する会などで活動。
消費者運動→東京都消費者月間実行委員会、東京消費者団体連絡センター、生活をまもる都民会議、全国消団連、PLオンブズ会議、照射食品反対連絡会、司法に国民の風を吹かせよう実行委員会等で活動。
環境保全運動→グリーンコンシューマー東京ネット、美しい東京を作る都民の会などで活動。
青少年健全育成運動→サッカーくじに反対する13団体で活動。
健康を守る運動→全国結核予防婦人団体連絡協議会で活動。
(5) 目的に掲げる諸活動の普及啓蒙活動
文化を育てる取り組み→広く文化を育て、特に東京の文化財、史跡等への関心を高める学習・視察、美術の鑑賞等を推進する。観劇会の実施。
健康を守る運動→健康を守るための活動を推進し、生活習慣病、感染症などの予防につとめ、複十字シール募金活動を行う。
(6) その他、法人の目的を達成するための事業
賛助員・賛助団体制度の普及。
地婦連が開発した商品「ちふれ化粧品」の普及と頒布。
北方領土返還要求早煮昆布の頒布。
その他。