2010年度事業計画

基本方針
 「地域の力で人と地球の未来を拓く」この「基本テーマ」を本年の東京地婦連の根本的な活動理念として、2010年の第一歩を踏み出します。
 東京都は、世界的大都市ならではの社会現象、グローバルな社会経済・環境の影響をいち早く受け、そのため、そこにくらす住民の生活もより深刻な困難にさらされております。所得格差の増大、雇用の悪化はもとより、会員の現状も、高齢化・少子化・一人世帯の増加などに直面し、活動も極めて努力を要しているのが実情です。
 しかし、昨年9月歴史的政権交代が行なわれ、国の政策もさまざまな改革がなされつつあります。中でも現政権が重きを置いている「地域主権」の理念は、私ども東京地婦連が常々提唱している「地域の再生」のための活動にも相通じ、困難な中にも一つのはずみとなることと期待しています。
 私たちは防災・高齢者医療・環境問題を中心に活動の具体化をはかり、一人一人が一層成熟した視点を持ち、政治の推進力となり、地域の絆をより強化することをめざします。
 また、戦後65年、戦争体験を持つ人も減少し、戦争体験の風化が憂慮されます。戦争の放棄・人権・言論の自由など人の命とくらしの安全が盛りこまれた現憲法を今まで以上大切に守り、戦争体験の語り部となる活動を続けます。平和あってこその地域であり、世界であることを再認識し、平和・環境・消費者・青少年・男女共同参画・福祉など諸問題に対処し活動します。
さらに志を同じくする他団体との共同運動を強め、実効ある活動にしてまいります。
重点事業
(2010年度テーマ)  「地域の力で人と地球の未来を拓く」
中央集会並びにブロック別協議会
ブロック別協議会を都内2ヶ所で開催 また、その集約の中央集会を年度末に開催する
第56回指導者研修会
各部からの研修課題を取り上げ学習内容を選び調査、学習する
各部活動の充実をはかる
高齢者をめぐる介護・医療制度への取り組み
DVD「二度と戦争はいやだ」(仮題)自主制作
定款及び組織問題の検討
検討委員会を設置
活動及び調査研究
問題によっては実行委員会を設けて推進
実行委員会には関係各部から参加するほか、組織外からの参加を求める
◎ 次の事業を行う
(1)-@ 消費生活及び環境、福祉問題などに関する活動
ア.消費生活にかかわる運動への取り組み
 消費者が真の主権者となるべき消費社会の成立をめざし、地域の力でその利益擁護のための運動を推進する。
 振り込め詐欺に代表される「悪質商法」の根絶に向けて、他団体・行政との協働を図りつつ、被害の未然防止のための啓蒙活動に取り組む。
 消費者の視点で、市場のさまざまな商品に監視の目を向け、不適切な表示・擬装等に対しては、行政に速やかな是正を求める運動を行う。
食の安全に関しては、最近の成型肉による依然として減らない食中毒、トクホや健康食品、照射食品など、安全性への消費者の不安は大きい。しかし一方では、安全な食品を供給しようとする、食品業界の新たな取り組みも各方面で見られる。食糧を海外に頼らず自給率を向上させるためにも、こうした業界の動きに対しては、他団体・担当行政との連携を図りつつ、客観的で正確な情報を把握するための活動に取り組む。
同様に、食品に関する新技術について消費者が求めるのは、まず安全性と適正な表示である。これらを踏まえて、関係者との意見交換等を行うなどの活動も展開していく。

イ.地球環境をまもる運動への取り組み
 地球温暖化防止対策活動として創エネ運動の推進に向けて、最近いろいろ開発されている創エネシステムの見学・研修を行い、消費者としてより身近に深く創エネ運動にたずさわると共に、より徹底した省エネ生活の推進をはかる。
国や自治体及び事業者などによるC0?削減に向けての施策や取り組みに関心を持ち、消費者の立場からその推進状況を見守る。
環境保全に向けての活動として、緑の保全事業・大気汚染測定運動・グリーンコンシューマー運動などに引き続き取り組む。
生活環境を守る視点から、土壌汚染・廃棄物問題及び地域ぐるみで防災に取り組むなど、身近な地域活動を推進する。
*創エネ 太陽光発電や風力発電、バイオマスなどの再生可能な新エネルギーの創出
 
ウ.青少年にかかわる運動への取り組み
 未来を担う青少年が、社会的責任を自覚し、自らの役割を果たしながら、地域中で成長していくことは、地域住民すべての願いである。しかし地域の青少年問題は、社会が大きく移り変わり深刻な状況になっている。青少年による凶悪事件やいじめ、暴力、インターネットを使った事件が多発し、犯罪年齢も低年齢化している。この原因は家庭や学校、地域社会など、広範な領域に渡る影響が絡み合っている。言い換えれば大人社会の問題そのものである。
そこで私たち大人は、地域の青少年が公共心や自立心を培い、個人としての自己を確立し、向上させていけるように支援し、青少年の健やかな成長を阻害するような要因を除去していかなければならない。この視点に立って家庭、学校、地域、企業、団体、行政などと一体となり、青少年の育成に取り組んでいく。
 
エ.地域福祉への取り組み
 福祉制度の改正について関係部署と連携して勉強会を開催する。急速に進行している高齢社会に対応するため、介護、医療、住宅、など地域福祉の諸問題についての学習や福祉施設(ケアステーションなど)の見学などを実施する。最近ますます増える高齢者を狙う悪質商法、「振り込め詐欺」にだまされないよう啓蒙する。また、少子化問題への取り組みとしては子育て支援、児童福祉施設の充実を図るための運動を推進する。
 
オ.平和を築くための運動への取り組み
 戦争の恐ろしさ、むなしさを次の世代に伝える運動を行う。現憲法の重要性を訴え、九条を守る運動を展開する。また北方領土返還要求運動をはじめ、核兵器廃絶、被爆者援護の運動など、他団体と連携して行う。第五福竜丸をシンボルに、東京地婦連植樹の八重紅大島桜の下で「お花見平和のつどい」を毎年開催する(市民8団体による「第五福竜丸から平和を発信する連絡会」が主催)。平和を願い折った折り鶴を千羽鶴につなげ広島・長崎に献納する。ピースアクションなど他団体とも連携して運動する。
 
カ.男女共同参画の推進への取り組み
 東京都内各区市町村での男女平等基本条例の制定に向けて、地域における男女平等の実現をめざす。男女雇用機会均等法・育児休業法・介護休業法の実効ある運用の推進に向けて取り組む。社会全体でワークライフバランス(仕事と生活の調和)を推進し、だれもが生きがいのある地域生活を確立していく。また、ジェンダーフリーの意味の正しい考え方を広め、男女平等の基本的考え方の理解を進める。各地域での実情を話し合い活動に生かす。
 
キ.政治への関心を高める運動への取り組み
 政治への関心を高めるために、現在行なわれている事業仕分けの監視、選挙制度の問題、汚職議員に投票しない運動、企業の政治献金の禁止、天下り防止法の目付役など検証し運動を展開する。社会保障制度の将来像について学習しつつ、公平な税の負担のあり方について検討する。
(1)-A 調査研究、情報の収集提供並びに集会の開催
 大気汚染測定調査、味噌の無添加表示調査、後期高齢者医療制度・改正介護保険制度の問題点の調査研究・情報収集など。福祉介護用リース用品調査。
(2) 地域女性団体の指導者の養成
 ブロック会議、指導者研修会、学習会の開催。
(3) 広報活動並びに機関紙「婦人時報」の発行
 毎月15日発行。大判2ページ。「婦人時報」の購読の推進。
(4) 他団体との連携並びに共同・交流活動
平和運動→北方領土の返還を求める都民会議、平和憲法をまもる市民と団体の会、第五福竜丸から平和を発信する会、東京大空襲訴訟を支援する会などで活動。
消費者運動→東京都消費者月間実行委員会、東京消費者団体連絡センター、生活をまもる都民会議、全国消団連、PLオンブズ会議、照射食品反対連絡会、司法に国民の風を吹かせよう実行委員会等で活動。
環境保全運動→グリーンコンシューマー東京ネット、大気汚染測定東京連絡会。美しい東京を作る都民の会などで活動。
政治への関心を高める運動→ストップ・ザ汚職議員の会で活動。
青少年健全育成運動→サッカーくじに反対する13団体で活動。
健康を守る運動→全国結核予防婦人団体連絡協議会で活動。
(5) 目的に掲げる諸活動の普及啓蒙活動
文化を育てる取り組み→広く文化を育て、特に東京の文化財、史跡等への関心を高める学習・視察、美術の鑑賞等を推進する。観劇会の実施。
健康を守る運動→健康を守るための活動を推進し、生活習慣病、感染症などの予防につとめ、複十字シール募金活動を行う。
(6) その他、法人の目的を達成するための事業
賛助団体の普及。
地婦連が開発した商品「ちふれ化粧品」の普及と頒布。
北方領土返還要求早煮昆布の頒布。
その他。