2005年12月20日 |
農林水産大臣 中川 昭一殿
厚生労働大臣 川崎 二郎殿 |
特定非営利活動法人 東京都地域婦人団体連盟
会長 川島 霞子 |
アメリカ・カナダ産牛肉・内臓等の輸入解禁について |
私共は「アメリカ・カナダ両国のBSE対策が確立するまでは輸入再開は認めない」との立場で国への要望を行なってきました。
このたびの輸入解禁の前提となった食品安全委員会の答申は、輸入依存度の高いわが国の食肉市場で、主にアメリカ産牛肉に係る国内外の利害関係者からの輸入再開圧力攻勢を背景に、農水・厚生両省からの依頼でカナダ産を含めた牛肉等の安全性を評価したものと理解しております。
しかしながら「リスクの差は非常に小さい」としたその内容は、最も重要なアメリカ・カナダ両国の実効性のある飼料規制や、特定危険部位の除去体制・月齢判別の体制などに関する具体的なデータ不足の中で出された、「はじめに結論ありき」の苦し紛れの答申であり、科学的なリスク評価とはいえない政治的結論であったことは明らかです。
本来ならば二ヵ国からの輸入牛肉類のリスク管理を行なうために農水・厚生両省がするべき諮問は、「アメリカ・カナダのBSEリスク管理体制の現状についての評価」でした。にも拘らず輸出国側の措置を仮定して、両国の将来のプログラムの実行に期待せざるを得ない状況のままで、私たち消費者の利益を置き去りにして、今まさにBSE汚染国からの輸入が再開されようとしているわけです。
アメリカ・カナダの輸出プログラムの監視責任を問われる中で、農水・厚生両省では「現地の食肉処理場の調査・査察を行なう」としていますが、米国だけでも約40〜50といわれる食肉加工業者の処理施設が果たして安全性を保ち、プログラム通りに輸出できるかどうかを適正に調査出来るのでしょうか。単なる行政のポーズに過ぎないのではないかとの声は、次第にその大きさを増しています。
ともあれアメリカ・カナダ産牛肉類の輸入再開という緊急事態を目前に控え、私共東京地婦連は下記の表示について早急に実施されるよう、強く要望いたします。なお、表示が行われる迄は、当面二カ国の食肉使用の疑いのあるものは買い控えざるを得ないと考えております。 |
記 |
- 小売店の食肉はもとより、ひき肉や味付肉などの加工肉、さらに外食・中食・加工食品を含めて原材料に含まれる牛肉・内臓等の原産国表示を実施すること。
- 牛肉・内臓等についてはBSEの検査方法の表示を行うこと。
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