配達記録郵便の廃止に反対する意見書
 今回、郵便事業株式会社から申請された、配達記録郵便の拙速な廃止に反対し、特定記録郵便の新設の先行を要望します。

廃止に反対する理由
 現在、全国の消費生活相談センターにおいて、クーリングオフの申し出をしようとする相談者に対し、配達記録郵便の利用が推奨されています。これは、クーリングオフの意思を書き記した書面が郵便として引き受けられたこと、また、相手先に確実に配達されたことが記録に残ることで、利用者の安心につながるからです。
 今回の案では、配達記録に代わるものとしては、簡易書留を利用するしかなく、その場合には九〇円の大幅な値上げになってしまいます。
 もし、配達記録が廃止され、引き受け記録のみの特定記録郵便によってクーリングオフを申し入れた場合、「受け取っていない」ということを理由に、クーリングオフを拒否する悪質事業者に対し、貴郵便事業会社としての立場を明確にしてほしいと思います。
 そのことが明確になれば、私たちはクーリングオフを特定記録郵便により申し出ることになり、その場合は現在より五〇円の値下げになり、歓迎できることになります。
 特殊取り扱いの収支赤字の厳しい現実は理解しますが、「民営化されても何も変わりません」という約束が、すぐに反故にされることについては納得がいきません。民間運送事業者にないサービスを提供し、競争をすることこそ、郵政民営化にかなう本来のありかたではないでしょうか。
 拙速に配達記録郵便を廃止するのではなく、特定記録郵便をまず新設し、その上でクーリングオフに利用した際の問題点を洗い出し、その結果を踏まえて配達記録郵便の存続について、慎重に検討していただきたいと思います。
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