2009年6月29日 |
各政党 様 |
日頃、国民のために御奮闘、誠にありがとうございます。
さて、衆議院の任期も残すところ少なくなり、解散総選挙も取り沙汰されている今、国民はどの党が国民の生活を守ってくれるのか、注目しています。就中、私たち消費者団体は食品安全行政をどのように指導していただけるのか、ということに強い関心を抱いております。
現在厚生労働省で、「体細胞クローン家畜」と「照射食品」の導入が検討されておりますが、私たち消費者の目から見ますと、さまざまな不安を残しています(下記)。どちらも国内に強い導入要望もなく、必要性においても疑問が持たれるものです。
私たちは、この間、米国産牛肉輸入再開をはじめ、食の安全に関わるさまざまな案件が外圧によって発生し、消費者の安全・安心を求める声を無視して進められることを見てきました。
来たる衆議院選挙にあたって、貴党がマニフェストに食品安全行政の強化を取り上げ、これらの件に関する私たちの不安を受け止めていただければ幸いです。御検討のほど、お願いいたします。 |
記
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1, |
体細胞クローン家畜について
食品安全委員会が導入を可とする答申を出しましたが、現在の技術では代理母牛に移植された体細胞クローン卵のうち、9割以上が流産、死産、生後直後死しています。食品安全委員会が安全の根拠としたデータは1頭から数頭の体細胞クローン牛について調べられたものに過ぎません。こうした不完全で不安定な技術で作られ、安全性も十分に確認されていないクローン家畜の実用化について、私たちは大変不安を覚えております。
またクローン技術は、発生途中で多くの胚・胎仔・新生仔が死に至るだけでなく、多くの代理母動物に死亡を伴う大きな危険をもたらすもので、「動物福祉」の精神に反するものと私たちは考えます。十分な安全性評価もないままに、すでに導入されてしまっている受精卵クローン牛に関して、表示が義務付けられていないことから、体細胞クローンも表示されないで、食卓に上る可能性が高くなっています。 |
2, |
照射食品について
現在食品衛生法で原則として禁止され、例外的に馬鈴薯の芽止めだけに許可されている食品の放射線照射を、香辛料など他の食品の殺菌・殺虫についても許可しようとする動きがあります。原子力委員会から食品照射拡大を促す報告書を受けた厚生労働省は、業界などのニーズを外注調査して、今、食品安全委員会に諮問しようとしています。
照射食品の安全性に関する原子力委員会の報告書は、発癌性が疑われる照射食品の生成物「アルキルシクロブタノン」について、十分な安全性データのないままに安全との評価を下しています。動物実験などで照射食品に毒性が認められたという報告に関しても、改めて検証することもなく、試験法に問題があったと決めつけているだけです。
食品業界も積極的に照射原料を使いたいという声が強いということではなく、私たち消費者も放射線照射以外の方法(過熱蒸気殺菌)で殺菌された香辛料に不満を持っているわけでもありません。食品照射に対する消費者の不安を押し切ってまで、必要性の感じられない食品照射の拡大が図られようとしていることに、私たちは疑問を感じています。 |
以上 |
要請団体
主婦連合会
生活協同組合パルシステム東京
大地を守る会
東京都地域消費者団体連絡会(問い合わせ中)
特定非営利活動法人 東京都地域婦人団体連盟
特定非営利活動法人 日本消費者連盟
日本有機農業研究会
フォーラム平和・人権・環境 |