この度、特定非営利活動法人東京都地域婦人団体連盟(会長 川島 霞子)、東京大学大学院 教授 長谷部 恭男、ネット教育アナリスト 尾花 紀子、一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(代表理事 堀部 政男 一橋大学名誉教授)、一般社団法人ECネットワーク(理事 沢田 登志子・同 原田 由里)、社団法人電気通信事業者協会(会長 小野寺 正)、社団法人テレコムサービス協会(会長 中尾 哲雄)、社団法人日本インターネットプロバイダー協会(会長 渡辺 武経)、一般社団法人モバイル・コンテンツ・フォーラム(代表理事 小川 善美)及び特定非営利活動法人CANVAS(理事長 川原 正人)は、東京都の青少年健全育成条例改正案(以下「本条例改正案」)には、憲法の保障する表現の自由、通信の秘密を侵害するおそれがあるばかりか、「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(以下「青少年インターネット環境整備法」)」と齟齬する事項もあるため憲法94条でいう「法律の範囲内」での条例制定とはいえず、法秩序の統一性を損なうおそれがあることに懸念を表明するとともに、インターネット利用環境に地方行政が不当な制限を加えることにより、家庭や学校及び民間団体で現在進められている自主的な取組を後退させることになるため、反対意見を表明いたします。
条例改正にあたっては最低限以下の事項が守られるべきであると考えております。
(1) |
言論及び表現活動に対し、都をはじめとする公権力による恣意的な関与がなされない条例とすべきこと。 |
(2) |
多様な目的や機能をもった民間の組織や活動が認められる条例とすべきこと。 |
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利用者及び事業者が多様な基準から選択できる権利が保障される条例とすべきこと。 |
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憲法や青少年インターネット環境整備法等の法律の範囲内での条例改正とすべきこと。 |
青少年の保護と健全な育成を実効性あるものとするためには、自主的な取組みを行う民間の組織と政府・地方自治体の公的機関や保護者・学校・地域等との連携が必要不可欠であります。
しかしながら、条例をはじめとした法規制だけが一律に強化される場合は、民間の自主的な取組みを萎縮させるとともに、大多数の青少年の健全な利用をも規制することになり、青少年を保護しつつ健全な育成を進めるというバランスをとった施策に悪影響を与える結果となってしまいます。
青少年は、我が国が目指しているIT立国を先導できる貴重なリテラシーを身につけた日本の将来を担う重要な宝であります。青少年の将来に責任をもつ親の世代にできることは、実社会と同様に青少年がネットを安心・安全に利用できるセーフティネットを多様な価値観を維持しつつ整備し、年齢に応じて自己の判断能力を身につけられる環境を目指すべきであると考えます。
条例改正案に対する具体的な懸念点は別紙のとおり示させていただきますので、条例改正の審議にあたっては、民間の自主的な取組みを最大限尊重した上で条例改正の必要性の有無も考慮した慎重な審議がなされることを重ねてお願い申し上げます。
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