婦人時報は年間購読料2000円(送料込み)です。購読希望の方メールで申込できます。

 
■2009年3月15日付
08年度ブロック会議
よりよい地域医療をめざして
東京大空襲訴訟2周年
人間回復をめざす大集会
放射線食品照射を考える 連載O
乾燥ケール粉末に放射線照射
プラスチックに関する消費者懇談会開く
まず発生抑制から3R推進を
一般用医薬品のネット販売 第1回検討会
安全と利便性で意見対立
消費者行政を考えるシンポジウム
全国消団連主催で意見交換
シチリア島旅行記
文明の十字路に立つ
地域ニュース

■08年度ブロック会議
 よりよい地域医療をめざして
東京都の取り組み学習会
療養ベッド増やす 国の基準を超える計画

 「よりよい地域医療をめざして〜東京都の取り組み」の学習会を二月十二日、都消費生活総合センターで開催しました。急速な少子高齢化社会が進み、ライフスタイルも多様化し、医療の連携もさまざまな対応ときめ細かさが要求されるようになりました。東京都は医療計画を見直し、良質な医療提供体制を確立しようと東京都保健医療計画の改定を行いました。講師には福祉保健局参事の大久保さつきさんを招き、学習と意見交換を行いました。(1)国の病床削減の方針とは逆に、療養病床では増やす計画を立てていること(2)四大疾病では先進的な医療連携の構築を図っていること(3)減少する医療従事者には独自の奨学金や補助金で支援していく─など、国の基準を超える東京都の計画が示されました。
08年度ブロック会議学習会=2月12日、東京都消費生活総合センター
あいさつする川島会長 講師の大久保さつきさん
退院後のフォローに課題
 今回のブロック会議の当番は、城東ブロック・中央城南ブロックです。司会進行を大北恭子さん(中央銀座会)と端山純子さん(上北沢婦人会)、受け付けをわか草婦人会([飾区)が受け持ちました。全国婦人会館との共催事業とし、東京都消費者月間事業の協賛事業に申請し、広く都民にも参加を呼びかけました。
 大久保参事がまず、日本人の主な死因に挙げられるがん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の四つの疾病の医療連携体制について、救急医療、災害医療、へき地医療、周産期医療、小児医療の五事業の取り組みを詳しく説明しました。
 意見交換では、今回のブロック会議のために都内九市区の行政と医師会にアンケート調査をした結果(別掲)を出し合いながら、参加者からの老老介護の実態や苦労、転院や入院日数が減る中で、連携の形は整っていても退院後のフォローは実際にはスムーズにいっていないと実感しているとの声が上がり、在宅医療の不安などが語られました。
 老老介護など介護力の少ないところに、行政はもっと手を差し伸べてほしい。身近な区市町村や地域の民間団体や婦人会からの支援、人と人の関係がつなぐご近所の力が連携していくことも必要。
 みんなの心が安らぐ医療・介護体制を築くには、医療を受ける側からよりよい地域医療を確保していくために、今後も関心を持って声を上げていくこと、地域の行政、医師会、住民代表の参加による医療連携が図れる意見交換の場が必要と話し合いました。

「医療は都民に直結」
 医療機関が提供する治療、サービスなどの「医療機能情報」を知って医療機関を選択できるよう、国は都道府県に対し分かりやすい情報提供をするよう定めています。
 東京都は「ひまわり」(24時間電話対応、ホームページ)を開設して、医療機関や救急医療体制について相談案内をしています。
 資料として今回講師が用意したパンフレット「知って安心 暮らしの中の医療情報ナビ」(シニア編)は子育て世代編、中・高年編もあり、「ひまわり」には内容をアニメーション形式とテキスト形式でアップされており、新たに助産所、脳卒中関連情報もアップしました。
 大久保さんは講演で、「これをぜひ利用して、医師とのコミュニケーションや診察を受けるときの参考にしてほしい」と話し、最後に「医療は都民に直結していると実感している。都民の切実な思いが役所に届いていると感じている。少しずつではあるが頑張っていきますから、協力してほしい。在宅医療のすそ野を広げることに、医者も住民ももっと協力し合うことが必要で、これからはかかりつけの医師同士の、横の連絡ができるとよいと考えている」と結びました。


知って安心
暮らしの中の医療情報ナビ

アドレス:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/inavi
携帯:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/inavi/k/


東京都医療機関
案内サービス「ひまわり」

アドレス:http://www.himawari.metro.tokyo.jp/
携帯:http://www.himawari.metro.tokyo.jp/kt/

アンケート調査の質問項目
 調査の質問項目は四つ。
 (1)「地域医療について住民と行政や医師会、関係団体との意見交換の場がありますか」には、行政と医師会の会合はどこも定期的に「ある」で、情報の共有化が図られているようです。住民へは医療や健康についての啓発活動にとどまっているようでした。地域住民代表を加えた会合は、[飾区が「持っている」とありました。
 (2)「開業医・大病院との連携の仕組みはあるか」については「ある」が多く、「できつつある」いう回答も見られました。
 (3)「往診の現状」は把握しているところは少なく、限られた医師、患者の状況などで行っている様子がうかがえました。
 (4)「小児科と産科医が十分確保されているか」には、中央区が「小児科は十分確保」と回答、「医師会は確保されているとするが、行政は十分ではないと見ている」との回答がいくつかあり、総体としては十分とはいえないようです。
 産科はあっても分娩できる医院は一カ所、二カ所という回答もあり、新宿区で産科のある病院は八カ所、お産可能な有床診療所が17カ所というのが目を引きました。羽村市では産科病院は三カ所で分娩可能な所はは一カ所の回答でした。北区では分娩可能は一カ所、助産所二カ所。
 アンケート調査は練馬、杉並、中央、世田谷、新宿、目黒、[飾、北の各区と羽村市の九カ所に出向いたり、電話などで実施しました。
▲back
■東京大空襲訴訟2周年
 人間回復をめざす大集会
反戦の誓い新たに…
 東京大空襲訴訟二周年。人間回復をめざす大集会が、三月十日、浅草公会堂で一一〇〇人を超える市民が集まって開催されました。原告団は「一九四五年、東京は戦場だった。私たちの戦後はまだ終わっていない。この思いを一人でも多くの人につなげていきたい」と訴え、「世論を喚起し、歴史に残る公正な判決を求めていく」アピールを読みあげ、会場からの熱気あふれる拍手で採択しました。
原告団を代表してあいさつする星野弘団長=3月10日、浅草公会堂
 海の向こうではいまだ戦火は絶えることなく、多くの市民の命が奪われ、町や市民生活の場が戦場となっています。ナパーム弾、クライスター爆弾など無差別空爆は国際法に違反すると非難されています。六四年前、東京でもB52の焼夷弾で同じことが起こっていたのです。
 軍人や軍属は恩給で国家補償がなされても、町や村が戦場になってそこに暮らす人々が亡くなり傷ついても、なんの補償もありません。
 国は「戦争の損害は国民が等しく受忍すべき」と主張し、責任を回避しています。国の謝罪と補償を求めるだけでなく、この裁判は戦争の悲惨さ、不条理、実相を明らかにして、世界中の戦争をなくすために起こした訴訟です。

過去を学び未来へつなぐ
 「語りつぐことは戦争の惨禍を正しく認識することであり、過去を学び、未来へつなぐ。知っていることを伝え、知らないなら学ぼう」と体験者証言を続ける早乙女勝元さんのお話に、歴史としてではなく追体験として感じ、「いつか来た道」に逆戻りしない反戦の誓いを新たにする集会でした。
▲back
■放射線食品照射を考える 連載O
 乾燥ケール粉末に放射線照射
 食品への放射線照射は、士幌農協の馬鈴薯に端境期のみ例外的に認められていますが、その他への照射は食品衛生法で禁止されています。照射食品の安全性への不安は、科学的には払拭されていません。
 厚生労働省は私たち照射食品反対連絡会のさまざまな運動もあり、〇五年六月に完璧とはいえないものの放射線照射の検知法を定め、疑わしいものについて照射の有無を確認するようになったほか、〇八年三月からは監視指導計画に基づく輸入食品のモニタリング検査を実施し、照射された中国産の赤唐辛子、乾燥椎茸、ドイツからのパプリカなどの積み戻しや廃棄を行ってきました。
 二月十八日には中国産の乾燥ケール粉末にも照射されていることが検知されたため、厚労省は各検疫所に次のような内容の通達を出しました。
 (1)このケールを輸入したエーペック貿易の取引先である中国の食品会社から輸入届け出があった場合は、貨物を保留の上放射線照射の有無について自主検査を行うよう指導すること
 (2)その業者以外の製造者については、国内の輸入者に対して引き続き指導をお願いする
 野菜不足を解消しようとケール粉末などの青汁を飲んでいる人たちも多い昨今ですが、輸入されたものの中には、このような照射食品があります。くれぐれも用心することが必要です。
 機能性だけを強調しがちな健康食品ですが、ケール以外にも照射マカや照射大豆イソフラボンなど、これまでも食品としての安全性に問題のあるものがかなり出回っています。
 習慣的に利用する前に、必要かどうか、原料はどんなものかしっかりと見極めましょう。

〈参 考〉
品 名 乾燥ケール粉末
輸出国 中華人民共和国
製造者 QINGDAO ITO FOOD CO.,LTD.
検査結果 放射線照射検知(製造・加工・調理基準不適合)
検疫所 大阪検疫所(届出受付番号=第61016002921号1欄)
輸入者 (株)エーペック貿易
(厚労省資料)
▲back
■プラスチックに関する消費者懇談会開く
アイデアや工夫でまず発生抑制から3R推進を
ごみはまだまだ減らせる

 事業者団体のプラスチック容器包装リサイクル協議会が呼びかけて、プラスチックに関する消費者団体との懇談会が二月二十三日に開催され、東京地婦連から二人が出席しました。
 ペットボトル、缶、アルミ、紙など、容器包装リサイクルにかかわる八つの業界団体は「3R(リデュース、リユース、リサイクル)推進団体連絡会議」を組織し、二〇〇四年度を基準年度、二〇一〇年度を目標年度とする3Rの数値目標・取り組み目標の自主行動計画を推進しており、プラスチック容器包装リサイクル協議会も積極的に参画し、実践行動しています。
 その一環として事業者活動の3Rの取り組み成果の事例集を継続発刊しています。消費者はじめ多くの人に積極的に紹介して共有し、3Rの推進につなげたいと紹介がありました。
 この事例集によると、ちょっとしたアイデアや工夫でずいぶん節約できることが分かり、感心しました。しかし、まだまだごみを減らす工夫の余地はありそうです。事業者の頑張りをさらに期待したいです。
▲back
■一般用医薬品のネット販売 第1回検討会
 安全と利便性で意見対立
問題への理解広げる努力も必要
薬には大きなリスクも伴う

 二月二十四日、「第一回医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」が開催されました。改正薬事法の六月施行にあたり省令改正が行われた際に、一般用医薬品のインターネット販売が三類だけに限定されると、医薬品が買えなくなって大変困るというパブリックコメントが多数寄せられたのを受け、舛添厚労大臣が検討会を設置したものです。委員には省令改正のための検討をしていた前の検討会のメンバーに、インターネットでの医薬品の販売継続を求めている慶應義塾大学総合政策学部の国領教授、日本オンドラッグ協会後藤理事長、楽天(株)三木谷代表取締役会長兼社長、全国伝統薬連絡協議会の綾部さんが加わりました。消費者団体代表には全国消団連の阿南事務局長が参加しています。
 まず舛添大臣が、医薬品の販売は「安全第一」であることを強調しながら、「パブリックコメントに寄せられた、ネットで薬を買えなくなったら大変という声を受けて、国民すべてに安全に薬を届ける方策について、この検討会での闊達な議論をもとに、国民的な議論を巻き起こしてほしい」とあいさつしました。
 各委員の紹介後、事前に意見書や資料を出していた委員が、その説明をしました。「これまで議論は十分に尽くされている」「いや、不足だ」「ネットでの販売方法についてきちんと議論すべきだ」と意見は対立しました。ここまでは舛添大臣も参加していました。
 このあとはそれぞれの意見に対し、フリーで意見交換。阿南さんから「そもそもこの検討会の検討事項が明確ではないのでは」と、指摘がありました。
 後藤委員、三木谷委員からは、「一般用医薬品のインターネット販売における安全策(業界ルール案)について、説明をしたい」と申し入れがありましたが、「その前に」ということで、「大臣から話があった、ネットで薬が買えないと大変という人たちの中には、困難と不可能があり、近くに薬局や薬店がなくて薬が買えない人(離島や山間部など地域的な問題など)をどうすればよいか、議論すべきではないか」という声などがあがりました。
 置き薬の団体からは「私たちが離島や山間地をフォローしたい」との意見表明もありましたが、それが本当に可能なのかも、検討すべき課題になりました。
 また、増山さんや自治体から出ている委員、薬剤師協会、OTC薬を作っている製薬メーカーの団体、置き薬の協会などからは、「ネットでの薬の販売では、安全性が確保できないのではないか」との指摘がありました。
 議論百出のうちに時間切れとなり、結局、三木谷さんたちの案は説明されないままになりました。「なんで説明させてくれないんだ! 結論ありきか。なんで、ネットだけいじめるんだ」と、三木谷さんが声を荒げる場面もありました。
 第二回の検討会は、三月十二日です。この日の検討会を取り上げた多くのテレビ報道では、「安全はもちろん大切だが、利便性も」という視点で、三木谷社長の主張が目立ちました。
 一般用医薬品とはいえ、薬には大きなリスクが伴っていることをもっと私たちが多くの人に知らせ、この問題への理解を広げる努力が必要だと痛感します。

議員連盟も発足
53人が名を連ねる

 三月五日には自民党に、「医薬品のネット販売に関する議員連盟(会長=尾辻秀久元厚生労働大臣)」が設立されました。設立時で五三人が名を連ね、医薬品の安全にはたいへん見識のある議員ばかりで、今後の運動の強い味方です。ともに運動を広げて、医薬品に対する正しい知識をもって、専門家の助言のもと、購入する消費者を一人でも多く増やしましょう。
▲back
■消費者行政を考えるシンポジウム
地方行政充実強化視野に
一元化消費者行政見すえ全国消団連主催で意見交換

 全国消団連は二月二十一日、「都道府県の消費者行政を考えるシンポジウム2009」を開催しました。地方行政の財源が厳しくなる中で、消費者行政が後回しになり、予算も年々減額していく流れを二〇〇一年から毎年全国の都道府県消費者行政担当部署に対し消費者行政調査を行っています。〇八年度は国で検討している「一元化消費者行政」のあり方議論を考慮し、「週四日以上の消費生活相談窓口を開いているか」「PIO‐NET末端を導入しているか」「苦情処理委員会や特定商取引にかかる職務分担」「登録している消費生活相談員の資格取得状況」「消費者行政本課が所管する法令一覧」などについて設問し、従来の消費者行政関係予算の調査とともに行いました。
消費者行政を考えるシンポジウム
 シンポジウムでは今回の報告書から見えてきた地方消費者行政の現状と問題点について共有し、これからの地方行政の充実強化について意見を交換しました。

消費者団体からも事業提案を
 この調査に最初からかかわっている池本誠司弁護士は、「活性化交付金は制約があるが、やり方によってはできる事業もあるから、消費者団体からも事業の提案をしていこう。地方活性化生活臨時交付金や地方交付税の活用の期待もあるが、どちらも自治体で地方消費者行政の拡充・強化政策がなされていないと、配分が景気対策にまわされ消費者行政の独自財源に確保できないことが予想される。各自治体の首長や県議会に働きかけが必要」と呼びかけました。
▲back
■シチリア島旅行記
 文明の十字路に立つ
ギリシャ劇場と3326メートルのエトナ山。火山なので標高は変化する=タオルミーナ
アチレアーナのカーニバルはねぶたのような山車のパレード=手前は筆者
文化遺産の島
 ローマ空港からシチリア島東端のカターニャへは、七五分のフライトです。島随一の保養地タオルミーナへ。ここの観光の目玉は、紀元前三世紀に建造されたギリシャ劇場の遺跡。
 丘の天然の窪みを利用して階段状に観客席が巡り、正面の舞台には円柱がそびえ、その間からは紺碧のイオニア海と日本の富士山にも似たエトナ山の雪を被った雄姿が広がる、まさに絶景でした。
 シチリア島は紀元前からギリシャの植民地になり、のちにカルタゴによる破壊を受け、その後ローマ、ビザンチン、イスラム、ノルマン、ドイツ、フランス、スペインと、ありとあらゆる国家の支配を受けました。しかし彼らはそれぞれの文化を残したので、複雑に融合した文化遺産がたくさん残っています。

カーニバル
 翌日は南へ三〇分くらいの所にあるアチレアーレで、カーニバルを見物しました。宗教儀式として始まったカーニバルは、イタリア三大カーニバルにも数えられる盛大なもの。
 新聞紙などの再生紙を利用した張り子の山車や、生花で作った山車が次つぎとねり歩くパレードです。頭にチョウのような飾りを付けた観客や奇妙ないでたちの人びと。子どもたちが鳴らす紙鉄砲の音。日本の夏祭りのような騒ぎに、年を忘れ楽しみました。
 この日の宿のカルタジローネは、マヨルカ焼きで有名な陶器のまち。焼き物の装飾がいたるところで見られます。市庁舎広場から教会にかけて一直線に延びている一四二段の色鮮やかな階段の前に立ち、「せっかくここまで来たのだから」と、無理を承知で登りました。

ギリシャ神殿群
 バスで南へ移動。いよいよギリシャ神殿が立ち並ぶアグリジェントへ。海から数キロにわたってせり上がる斜面に、古代ギリシャの神殿群が集中し、神殿から神殿へと歩く道には、いまが盛りのアーモンドの白い花が、旅人を迎えてくれました。「一九九八年世界遺産に登録」とありました。
 そして州都パレルモへ。このまちは一〇〇〇年前、支配したアラブ人によってでき、一八世紀の大地震後にバロックのまちとして生まれ変わったとのこと。有名なクアットロ・カンテイの広場に面した建物は、その角が弧を描くように丸く削られ、各壁面に三段ずつの装飾。一番下には四季を表す噴水、二段目は歴代スペイン王の彫像、三段目はまちの守護聖女たちが私を見下ろしている、さながらバロック建築の展示場のようでした。
 また、ノルマン王が建設したパラティーナ礼拝堂の金色に輝くモザイクの豪華さは、パレルモ最大の遺産とか。近くにはシチリア・ノルマン洋式で建てられたカテドラーレがあり、少し離れたところには、一九世紀に建てた新古典様式の、客席数三二〇〇のマッシモ劇場。本当に文明の十字路でした。
 私が旅した二月は観光のオフ・シーズン。ルネッサンス様式のプレトーリア広場の噴水は水が出ていなかったし、あちこちの教会は扉を閉め、博物館は修復中。でも観光客は少なく、ゆっくり見学でき、しかも暑くないけれど寒い(シチリアは四月になると42度とか)。どっちがよいのか、結論はでませんでした。
▲back
■地域ニュース
鴻巣びっくりひな祭りへ
わか草婦人会

 三月六日、この日は朝から雨で残念でしたが、埼玉県鴻巣市のびっくりひな祭りへバスで見学に行きました=写真。
 市役所に着いたとたん、「ウワッー」の声が一斉に。テレビや新聞で報道されているように、一四〇〇体のピラミッドひな壇は「日本一高いひな壇」と認定されたそうで、すばらしいものでした。
 ひな人形には、生まれた女の子が健やかにやさしい女性に育つようにと、親の願いが込められています。災いが降りかからないように、幸福を得られるようにと温かい思いを込めて飾るそうです。高さ五・七四メートル、二六段のピラミッドでした。
 鴻巣フラワーセンターにも寄りましたが、2002年に、東日本最大級の花卉(き)市場として開設されたもので、内部の見学もできました。
 花鉢が安く、パンジー、スイセン、サクラソウなどがとてもきれいでした。雨でなかったらたくさんお土産が買えたのに……。昼食は市場経営の食堂で海鮮丼、築地から朝仕入れた新鮮な魚介類で、値段も安くおいしくいただきました。
 久しぶりで吉見百穴も通りましたが、まだ畑が多く青々としていて、旬のもので暮らせる気もしてうらやましく思いました。
▲back