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■2009年5月15日付
薬のインターネット販売
常に「安全」の重視を
婦人参政権行使第63周年記念集会
川島さん表彰
北方領土返還運動の功績たたえ
消費者庁設置関連法案
充実した事務局体制が必要
5月消費者月間
消費者新時代消費者が主役
太陽光発電費用
安全性や製品情報の提供を
温暖化中期目標
京都議定書の4%から25%減まで
きれいな空気がほしい
輪が広がる測定運動
電磁界情報センターのその後
ホームページ立ち上げ、情報提供開始
地域ニュース

■薬のインターネット販売
 常に「安全」の重視を
インターネット販売議論は平行線のまま
 舛添厚生労働大臣が、改正薬事法六月施行に向けての施行規則の改正にあたり、「医薬品新販売制度の円滑施行に関する検討会」を二月に設置し、五回の検討会が開催されました。検討会の議題は、(1)薬局・店舗などでは医薬品の購入が困難な場合の対応方策(2)インターネットなどを通じた医薬品販売の在り方‐‐の二つが挙げられています。委員には、省令改正のための検討をしていたメンバーに、ネット販売に賛成の立場をとる団体と学者四人を加え、消費者団体の代表で全国消団連の阿南久事務局長が入りました。
議論が続く「医薬品新販売制度」の円滑実施に関する検討会
医薬品の購入困難者とは?
 最初の二回の検討会は、ネット販売の賛成・反対の立場から、ただ意見を述べているだけで、実際に医薬品の購入困難者とはどういう人々なのか、地域はどこなのかなどについて精査は全くされませんでした。
 三回目に、ようやく厚生労働省から論点が整理され提出されました。これに合わせて議論し、四月十六日に開催された四回目には、本当に医薬品の購入の困難者がいるのであれば、その方々からの声を直接聞こうと、ヒアリングが実施されました。

三つのケースでヒヤリング
 三回目に提出された論点のうち、(1)薬局・店舗などがない離島やへき地に居住する場合(2)薬局・店舗などが存在する都市部に居住しているが、身体などの事情で薬局・店舗などに行けない場合(3)薬局・店舗などでは販売していない医薬品を購入する場合‐‐という三つのケースについて、五人からヒアリングが行われました。
 ▽大学教員 多忙で薬局に行く時間がないが、持病があるので、特定の薬を切らさないようにネットで購入しているとのこと。
 ▽全盲の方 薬局がどこにあるのかも分からないので、ネットの音声読み上げを利用して、薬を購入している。
 ▽伝統薬を飲んでいる方 非常につらい痛みがあり、その場合には薬局へ行くこともできない。
 ▽奄美大島地区地域女性団体連絡協議会の丸田会長 離島にはへき地診療所があるので困っていない。また地域には在宅福祉アドバイザーがいるので、民生委員、ヘルパーらと力を合わせて、障害のある人や高齢者の買い物も援助している(具体的には、買い物に一緒に出かける形)。
 ▽そして、近くの薬局と深い信頼関係をもって、お付き合いをしているという女性(東京都下町在住)。というみなさんでした。
 後半は論点に沿って議論が行われましたが、インターネットの論点の途中で時間切れになりました。全国消団連の阿南さんや薬被連の増山さんは、ネットでの販売ルールなどについて、「楽天やオンラインドラッグ協会は、どれだけ影響力があるのか、ないではないか」と攻め寄りました。「だから、法律で規制してほしい」とオンラインドラッグ協会は発言。楽天の三木谷社長は、「法的責任はないが、努力はしますよ」と言っていました。

厚労省から「経過措置」提案
 四月二十八日に開催された五回目は、続きの議論でした。インターネット販売についての幾つかの論点が出ましたが、相変わらずの平行線のままでした。
 伝統薬といわれる種類の薬の販売を行っている業界からは、「新しい販売方法は模索するが、とても間に合わないので、それまで猶予期間がほしい」。
 オンラインドラッグ協会からも、「これでは零細な薬局がつぶれてしまう。自主的に厳しいルールを守るので、一定期間ネットでの三類以外の医薬品の販売を認めてほしい」と要望が出ました。反対派からは、「猶予期間を認めれば、六月からの改正薬事法の施行に悪影響がある、これまで何をしていたのか」と厳しい意見が出ました。
 そこで、座長から「これまでの過去の検討会では、厳しく意見が対立している場合でも、互いに譲歩しながら一致点を見つけて、報告書をまとめてきたが、今回はあまりにも意見が平行線で、報告書をまとめるのは困難だと考える。そこでこの検討会のとりまとめについては、厚労省にお返ししたい」と発言がありました。
 それを受けて、厚労省から、「六月一日の改正薬事法の完全施行を一カ月後に控え、通信販売が禁止されると、医薬品の購入が困難になると考えられる。離島などの薬局がない地域での通信販売の利用者および特定の漢方薬など通信販売のみで販売が行われていて、六月一日以降、購入が困難になる利用者に限って、代替手段が整うまでの期限付きで、通信販売を認める経過措置をとりたい」
 「しかしそれには省令改正が必要になるので、検討会での議論をまたず、並行してパブリックコメントにかけたい。その結果を次回の検討会にかけて、省令を改正し、六月に間に合わせたい」との考えが口頭で示されました。
 しかし楽天の三木谷社長からも、通信販売に反対している側からも「反対」の意見が表明され、特に検討会にパブリックコメント案が示されなかったことに強い反対意見が出て、連休明けの五月十一日に再度検討会が開催されました。
 厚労省は、薬局等のない離島の居住者及び改正省令の施行前に購入した医薬品を現に継続使用中の者に対してのみ、二類の通信販売を二年間認めるというパブリックコメントの案を提示。検討会委員からは全く支持されないままに、翌十二日から十八日までの極めて短期間の意見募集が始まりました。

経過措置の設定には反対
 消費者団体としては、通信販売のリスクを問題にしてきたわけで、安全策が明確に示されないままに、あたかもいずれ解禁になることを約束したかのような、経過措置の設定には反対です。
 短期間のパブリックコメントになり、ネットで大々的に意見を集められることは当然予想できます。五回にわたる議論の結果で、結論を得ようとせず、問題を先延ばしにする厚労省のやり方は、大変に問題があると思います。
 消費者団体としては、
 (1)利便性はまず安全性が確保されていなければならない。
 (2)購入困難者への対策は、対面販売を原則としている改正薬事法のルールに則って検討するべきである。という意見を出しているところです。
 ビジネスとして医薬品の販売をとらえるのではなく、あくまでも国民の健康を守るために、医薬品販売にかかわる人たちが負う責務を明確にし、常に安全重視を訴えていきたいものです。
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■婦人参政権行使第63周年記念集会
 四月十日、婦人参政権行使六三周年記念集会「議会制民主政治を守り平和・いのち・人権を考えよう」をテーマに、参議院議員会館でパネルディスカッションが開催されました。主催はストップ・ザ・汚職議員の会(日本有権者同盟・東京地婦連・東京YWCA、他四団体と個人で構成)で、東京地婦連からは五人が参加しました。
婦人参政権行使63周年記念集会のパネルディスカッション=4月10日、参議院議員会館
三党から意見聞く
 今年は第四五回衆議院選挙が施行されます。暮らしと政治が直結する選挙にするために、立候補する方々からお話を聞きました。各政党に呼びかけましたが、海江田万里(民主党)、保坂展人(社民党)、佐々木憲昭(日本共産党)の各氏が出席。自民党は欠席でしたが、会場は各政党議員からの発言で熱気あふれるものとなりました。
 コーディネイターの森川文人弁護士から、「一〇〇年に一度の経済危機、ソマリアの海賊問題に自衛隊の派遣、また今回の北朝鮮のミサイル打ち上げを迎撃しようと準備がされ、戦争が始まりそうな雰囲気。一方では、労働者の派遣切り問題などが山積しています」と話しました。
 つぎに海江田さんは「先ず政権交代を訴えたい。社会保障制度の充実。裁判員制度を見直す議論を超党派で進めている」。保坂さんは、「公共事業を請け負う大型企業が与野党に献金する構造はおかしい」と話し、「公共事業をチェックする議員の会を一五年続け追及をしている。国民投票法案については棚上げされ、くすぶり続けていて危険を感じます」と述べました。
 佐々木さんからは、「派遣労働法を立て直す。最低限の生活を保障。金権政治の一掃に取り組む。改憲につながる憲法調査会は必要ない」などの発言がありました。
 会場から「憲法改正のための国民投票法の投票員の名簿を今年度中に提出するよう、自治体の予算に盛り込まれているのは違法ではないか」と質問があり、これに対して佐々木さんは「実は法律ができる前にパンフやリーフレットなどを作っている。国民投票のシステムづくりが先行しているのはおかしい」と話しました。
 最後に水野英子東京地婦連副会長が「情報の公開は正しく行われるべきであり、私たちはそれらにもとづいて判断し、自己責任を果たす国民でありたい」と閉会のあいさつを述べ終わりました。
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■川島さん表彰
 北方領土返還運動の功績たたえ
平成21年度都道府県推進委員会全国会議でみなさんと=4月10日、都道府県会館
 北方領土の返還運動を一〇年以上にわたり推進し、北方領土の返還を求める都民会議の会長を七年以上務めているとして、川島霞子東京地婦連会長に、その貢献と返還活動を推し進めてきた功績をたたえて、独立法人北方領土問題対策協会から表彰状が授与されました。
 北対協は毎年、北方領土返還運動に対する活動に対し表彰状と感謝状を贈呈しています。表彰状は四月十日、都道府県会館において都道府県の推進委員および政府関係者ら約一〇〇人の参加で開催された平成二十一年度都道府県推進委員全国大会会場で、北対協理事長から贈呈されました。おめでとうございました。
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■消費者庁設置関連法案
 充実した事務局体制が必要
 消費者庁設置関連法案・修正案が、衆議院で四月十七日に可決されました。従来の法案では「消費者庁に設置する」とされていた消費者政策委員会が、内閣府におかれることになり、名称も「消費者委員会」に改称され、委員会の権限強化も図られました。
 これは、内閣の中にある消費者庁では、本来の監視組織としての役割を果たせないとして、内閣の外に消費者権利官を置くことを求めていた民主党の意見を取り入れた修正といえます。
 消費者委員会は、消費者庁と同等の機関となって権限が強化され、関係省庁に資料の提出を求められると同時に報告を求める権限が与えられ、首相に対する勧告・建議が規定されました。今回の可決に際しては、二三にものぼる付帯決議がつきました。
・消費者委員会の委員長および委員は、すべて民間から登用するものとし、その年齢・性別などの構成について十分配慮すること。
・初代の消費者委員会の委員の三人について、常勤的に勤めることが可能になるように人選し、財政的な措置も行うこと。またその他の委員についても、委員としての職務に専念できるような人選を行うように努めるものとすること。
・消費者委員会の独立性を担保するため、その事務局については財政上の措置を含めた機能強化を図るとともに、その職員については専任とするよう努めること。事務局職員の任命に当たっては、多様な専門分野にわたる民間からの登用を行うとともに、同委員会の補佐に万全を図ること。
 ほかにも、地方消費生活センターの位置づけ、および人員配置や国の支援のあり方も、三年以内に法改正も含めて全般的に検討、今後三年程度で相談員の配置・処遇などと、適格消費者団体に対する支援のあり方についても検討されることが決まりました。
 現在、法案は参議院に送られ、消費者問題特別委員会で検討中です。消費者委員会を権限通りの組織にするためには、充実した事務局体制が必要です。現在の内閣府の案では、数人の専任職員という案でしかありませんので、そこをどれだけ充実させられるかが、今後の議論にかかっているところです。
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■5月消費者月間
 消費者新時代消費者が主役
 「内閣府は毎年五月を「消費者月間」として、消費者・事業者・行政が一体となり消費者問題に関する啓発・教育などの各種事業を集中的に行っています。今年で二二回目になります。国の消費者月間は、「消費者基本法」改正前の「消費者保護基本法」が施行された二〇周年目の昭和六十三年から、毎年五月を「消費者月間」としました。」
 今年のテーマは「消費者新時代 消費者が主役」です。
 内閣府は食の安全・安心など消費者に大きな不安を与える事件・事故が数多く発生している状況の中で、国民が日々安心して暮らせるようにしていくためにも、これまでの生産者第一の発想から消費者・生活者が主役となった社会への変革が求められており、生産者サイドから消費者・生活者サイドへの視点の転換の象徴となる行政の新組織の創設、地方の消費者行政の再構築などをはじめ、新たな転換期を迎えているとしています
 こうした中で消費者は、自らの権利と責任を主体的に果たす存在として、消費者が主役となる社会の構築に、一層積極的に参加することが期待されるとしています。

 月間にあわせて、消費者問題に長年取り組んだ功績のある民間人に消費者支援功労賞を授与しています。
 飛田恵理子生活環境副部長は、東京都消費者被害救済委員会の委員として消費者の立場から意見を述べてきたことや、食品の安全確保に関する施策についても審議会の審議調査に尽力、東京都の消費者啓発広報誌の企画などに貢献してきたことなどが認められ、東京都から推薦されて表彰を受けることになりました。
 表彰式は五月二十九日に内閣府が開催する「消費者問題国民会議・愛知大会」(会場はウィルあいち)で行われます。消費者、事業者、行政、学界の四者が集まって消費者問題について考える大会です。
 受賞おめでとうございます。
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■太陽光発電費用
 安全性や製品情報の提供を
 わが国はエネルギー自給率が低く、温室効果ガスを削減するためには、太陽光発電などの再生可能な新エネルギーを創り出し、普及・促進させる必要があります。近年のエネルギー政策を見ると、期間限定の補助制度や税制措置により消費者への太陽光発電優遇策を行ったり、二〇〇三年からは電気事業者に対して、新エネルギーを一定量買い取ることを義務付けるRPS制度を導入したものの、システム価格が高いこともあって家庭用の太陽光発電の普及や事業者の積極的な買い取りにはつながらず、優れた技術で世界に先駆けていたはずの太陽光発電は、むしろ普及においては欧米に遅れを取る事態となっています。
 一定量を買い取る日本と異なりドイツ、スペインなどでは、固定価格買取制度が導入されています。これは電気事業者に対して固定価格で、一定の期間太陽光発電によるエネルギーの買い取りを義務付ける制度で、これらの国では太陽光発電の普及拡大に役立ったと言われています。

固定価格による買い取り制度
 そこでわが国も遅ればせながら、固定価格による新たな買い取り制度を検討することになったようで、この制度とセットで国民の費用負担として標準世帯で月額数十円から一〇〇円程度を電気料金に上乗せ、太陽光発電の普及費用に充てようという国の案が出されました。私たちの毎月の電気料金にかかわる内容です。
 固定買い取り価格は、太陽光発電の導入家庭から余剰電力を買い取る現行価格一キロワット二四円の約二倍の四九円、期間は一〇年程度を想定しています。
 固定といっても発電コストの水準に連動させ、買い取り価格は三年から五年の間に一般用のシステム価格を現在の平均二三〇万円から半額程度に下げることを目指して低減させていくそうです。買い取り価格制度の魅力により設置数が増えれば、システムも次第に値が下がると見込んでいるわけです。

安全性や製品情報の提供を
 しかし買取価格のもとになる今のシステム価格そのものが妥当か、品質はもとより工事費用やアフターサービス、訪問販売のあり方についても検証が必要でしょう。安全性やきめ細かい製品情報の提供が求められています。
 本案では、太陽光発電の本格的導入を支えるために欠かせない電力系統の接続安定化や、家庭・電力会社間のエネルギーメーターの設置(スマートメーター化)などハード面は、具体的な指標は示されていません。これも大きな課題です。
 また最大の問題点は、太陽光発電普及費用を受益者負担が原則の公共料金(電気料金)に、広く薄く上乗せする点です。生活にゆとりのない人やシステム価格を見て諦めた人、家の設計上設置できなかったり、集合住宅で願いがかなわなかった消費者からも、全員参加の形で徴収したいとしています。
 これで公平性は保たれるでしょうか。新たな買い取り制度について、国はさまざまな意見に耳を傾けて最善策を見いだすことが大切でしょう。
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■温暖化中期目標
 京都議定書の4%から25%減まで
 地球の気温は確実に上がり続けており、このまま温暖化が進んだら異常気象、生態系の悪化、海面上昇、食糧危機、そして人類の生存の危機が予測されています。日本は京都議定書が定める二〇一三年までの温暖化ガス削減目標(90年比6%減)のためさまざまな努力を積んでいますが、世界は次の削減設定に動き出しています。国際社会では今年十二月までに、京都議定書以降の温室効果ガス削減に向けた国際的な枠組みを設定する検討を重ねています。日本では首相官邸に中期目標検討委員会(福井俊彦前日銀総裁座長)が置かれ、二〇二〇年までの温室効果ガス削減中期目標として六つの選択肢を四月十四日に公表しました。パブリックコメントを五月十六日まで受け付けています。
 最も緩い案は京都議定書削減より4%増から最も厳しい案で25%減。産業界などは経済活動へ影響が出ないとする4%増を求め、環境市民団体などは「もっと厳しく」と求めています。
 (1)案は九〇年比4%増加。これは現状の努力を継続するもので、それでも米国やEUがすでに発表している削減目標と同じレベルに匹敵すると説明。
 (2)案は九〇年比5%減〜1%増。これは先進国全体の排出量を25%減とし、各国の限界削減費用を均等にした場合。
 (3)案は7%減。「長期エネルギー需給見通し」の最大導入ケースを改訂。(太陽光発電買取など最高効率機器を現実的に導入等)した場合。
 (4)(5)案は先進国全体として25〜40%の削減が必要としているIPCCの科学的知見を受けたものになりますが、(4)案は九〇年比8〜17%減で、先進国全体で25%減で、各国のGDP当たりの対策費を均等化した場合。(5)案は九〇年比15%減で、新規導入機器はすべて最高率の機器に、更新機器は買い替え、改修する。

 最後の(6)案はIPCCの求める最低基準25%削減です。そのためには新規・既存すべて最高効率機器に義務付け、炭素への価格付け(炭素税、排出権取引)により経済活動生産量は低下することになり、生産は規制が強化されてストップ、失業者が増え、また機器などの買い替えで家計の負担が増えるなど、経済へは悪影響がでると説明しています。
 環境市民団体は「今回の目標値設定には現状の経済成長を基本に設計されており、温暖化被害の直面に対し正面から検討されていない」と声を上げています。
 私たちは技術革新を受け入れながら省エネ・再生可能なエネルギーの活用で無駄なエネルギーを使わない暮らし方をすすめています。第一次産業の農業・林業で自給率をあげる、自動車交通の見直しなど、脱大量生産・消費、修理やレンタルの工夫など、構造社会の変革を促すことが低炭素型持続可能な社会につながると思います。

 東京地婦連では全地婦連が呼びかけた「確実にCO2を減らせる社会・経済の実現を求めるのなら、二〇二〇年に30%削減の目標値を」と国に求める請願署名活動に取り組み、三月二十日に一四四五筆を届けています。
 次代を担う子どもたちのために、私たちの世代が責任を果たすためには、IPCC最低基準25%削減をベースに制度や仕組みを検討すべきではないでしょうか。
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■きれいな空気がほしい
 輪が広がる測定運動
 東京の空気の汚れを測る第六四回二酸化窒素(NO2)測定が六月四・五日の両日、全都いっせいにに行われます。東京地婦連はこの測定を主催する大気汚染測定運動東京連絡会の結成に参画し、第一回測定から欠かさず身近な地域の道路で汚れを調べてきました。今回も一二区市で二〇〇カプセルを取り付けて測定します。
信頼できる測定の方法
 測定はカプセル簡易法による方法で手軽に行われます。空気を集める補修管はフタ付きのプラスチック容器(内容積5ミリリットル)で、吸収剤を浸み込ませたろ紙を入れ、これをカプセルと呼んでいます。このカプセルを測定したい場所にフタをはずし、しっかりと取り付けます。二四時間経過後にカプセルを取り外し、ふたをして集めます。
 濃度の測り方は、カプセルに発色剤(ザルツマン液)を加えて発色させ、その色の濃さを比色計で測定し、二酸化窒素の濃度を計算します。この方法は操作が比較的簡単で、大掛かりな設備もいらないため、大勢の人がいっせいに取り組むことができるのです。
 必要に応じて幾度かの改良もしていますが、連絡会は約三〇年の簡易式カプセル測定実績があり、測定結果は十分信頼できる方法です。簡単な方法なので、連絡会からグッズを取り寄せ自分たちでカプセル作りも可能です。

輪が広がる測定運動
 自分たちの手でカプセルをつくり、測定値を計算するという体験をしながら、大気汚染について学習できます。学校などでも測定の輪が広がっています。
 東京のNO2濃度はまだまだ改善されているとはいえません。発生源がNO2濃度と相関があるといわれているPM2・5(浮遊粒子状物質で粒子径が2・5リ以下の微小粒子)の問題は、東京大気公害裁判で原告団が強く求め、和解条項の一つになっていました。
 リはルの1000分の1の単位です。環境省はやっとPM2・5の大気環境基準を、今年度中に設定する方針を固めました。PM2・5は喘息、肺がんをはじめとする呼吸器系疾病、循環器系疾病の原因物質であることが明らかになっています。
 連絡会では欧米並みの厳しい基準(WHOでは年平均10マイクログラム/立方メートルを推奨)を求める団体署名に取り組んでいます。東京地婦連でも会員団体に署名を呼びかけました。その発生源の約60%が、ディーゼルエンジンの排気ガスなど自動車関連です。
 日本ではPM2・5の濃度を観測できる施設はまだまだ不足しています。温暖化防止の観点からも、きれいな空気をとりもどすために車中心の社会から抜け出すことが必要です。
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■電磁界情報センターのその後
 ホームページ立ち上げ、情報提供開始
 二〇〇八年十一月に発足した電磁界情報センターは、磁界曝露による健康への影響が正確に伝わることやリスクコミュニケーションなどを目指し、シンポジウムや講演会を各地で主催しました。特にシンポジウムでは、センターの活動内容に幅広い意見を反映させるために、パネリストに電磁波問題を取り上げて活動している市民団体の代表を招くなどの工夫をしたり、消費者から学者に素朴な質問を投げかける形式で、難しい内容をかみくだいて伝える試みなども行いました。
 また、ホームページを立ち上げて、現在作成中の部分もありますができるだけ分かりやすくするよう配慮し、情報提供を開始しています。
 その他国内外の電磁界に関するデータを集め、入手した情報を整理してデータベースとして登録する作業にも着手しています。
 電磁界情報センターは中立性を大切にすること、社会に開かれた組織であることを目指すとともに、世界の情報の紹介も行えるよう東京地婦連としてもその運営に参加しています。
*電磁界(電磁波)についてのお問い合わせは、どうぞ遠慮なく右記までお寄せください。

住所 〒105‐0014 東京都港区芝2‐9‐11 全日電工連会館3階
(財)電気安全環境研究所 電磁界情報センター
電話 03‐5444‐2631
ファクス 03‐5444‐2632
HP http://www.jeic-emf.jp
Eメール jeic@jeic-emf.jp
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■地域ニュース
四万温泉の旅
赤羽やはた婦人会

 今年の旅行は三月十五日・十六日、群馬県の四万温泉やまぐち館に行ってきました。おかみさんがテレビコマーシャルで有名な宿です=写真。料理、設備などは普通。おかみさんを前面に出し、従業員一同でおもてなしをお客さまの接待を心がけているのでしょう。
 今年は三一人が参加、久しぶりにみなさん方にお会いしてとても懐かしかったです(私も歳かな)。途中旧富岡製糸場を見学しました。日本で初めての近代化工場の跡地(世界遺産リストに登録中)、小説「野麦峠」の女工哀史ではないけれど、製糸工場には暗いイメージがありますが、富岡製糸場では、良家の子女が多かったそうです。
 水沢寺ではお参りを済ませたあと、野菜やとろろいも、土産物を、聖酒造では試飲をおいしくいただき、酒かす、お酒などみなさんたくさん買っていました。持てるのかな。でもとても楽しそう。
 前夜の宴会では、カラオケ、民謡踊り、福引など開放感をいっぱい味わって。旅はいいですネ、食事のしたくをしなくていいから。私もその一人。公麿さんのパクリ「なに食べる、きいて今夜もまた同じ」

消費生活展のテーマ決めた
わか草婦人会

 今年の葛飾区消費生活展は十月十・十一日に開催されますが、実行委員会が三月から始まり、四月十七日の第二回実行委員会でテーマを決めました。実行委員会は、今年はモニターの有志の会が加入して消費者団体七団体と行政、事業者が構成しています。
 「食の安全・安心」など消費者に大きな不安を与える事件・事故が数多く発生しています。このような状況の中で、事業者・生活者のサイドからの視点で、行政の援助により私たち消費者は、自らの権利と責任を果たす存在として積極的に取り組んでいます。
 今なぜ高齢者がねらわれるのか、若者の消費生活トラブルなど、また在宅介護と医療の問題、食育、住宅、安全などの問題が提案され、テーマは都合一三案が出されましたが、(1)「未来に伝えることは、…食・エコ・安全」(2)「知っておこう! かしこい消費者術」の二つが最終に残り、正しい情報を知っておく必要があり、正しく心することが大切ということで(2)に決まりました。
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