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■2009年6月15日付 | |||||||||||||
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■東京地婦連2009年度総会 地域の力で人と地球の未来を拓く |
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東京地婦連の二〇〇九年度総会は五月二十二日、全国婦人会館で開催されました。昨年度から掲げている「地域の力で人と地球の未来を拓く」の基本テーマの継続を図りながら、地域の連携を強める活動をすすめていくことになりました。 今年度の事業は昨年度同様ブロック別協議会、指導者研修会で地域活動を活性化させていくことに力を入れます。「平和と環境」の理念を守り、東京という大都会でより安心して安全なくらしができるために、防災対策や高齢者医療問題、地球温暖化問題などについてより関心を高め、戦争の悲惨な時代を生き抜いた世代として、次の世代へ平和の尊さを伝え平和運動に取り組んでいきます。 昨年度は創立六〇周年の節目を迎え、一人ひとりの力が地域の活動を支えてきたことを確認しあいましたが、今年度はさらに一層力を合わせて、他団体との共同運動においても実効あるものにしていくことを誓いました。 |
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総会議事は川島会長を議長に選び、二〇〇八年度事業・決算報告、二〇〇九年度事業・予算案の提案を満場の拍手で承認、可決と進みました。 総合司会、山下書記の進行で、昼食を囲みながら参加者との懇親を深め、夏期観劇会のお知らせや食品に放射線を照射することに反対する署名の呼びかけ、東京大空襲集団訴訟の傍聴報告などがありました。各団体長が、出席会員の紹介を交えながら日ごろの地域活動の報告を行いました。 総会終了の午後は、一〇年が経過した介護保険制度の使いづらい現状の問題について、社会福祉法人多摩同胞会常務理事で特養老人ホームあさひ苑施設長、鈴木恂子さんの記念講演「介護保険をめぐる諸問題について」を聴きました。参加者から、介護認定に疑問を持った経験談や要望が次々と出されました。 |
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■記念講演「介護保険をめぐる諸問題について」 講師 鈴木恂子さん <保険方式で、福祉が切り捨てられてはいないか> |
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介護費用の抑制を意図する国の方針転換 「介護保険サービスが減らされた」と、切実な声がしきりに聞かれる介護保険制度の改正、明日はわが身の問題です。どう変わったのかを、鈴木恂子先生の現場を踏まえた話をうかがいました。 二〇〇六年度から、国は「持続する制度の安定化のために適正化を図る」との名目で認定の仕組みを変え、ケアプランのチェックを厳しくし、代わって介護予防に力を入れだしたこと。要は、介護費用の抑制を意図する国の方針転換を知りました。 介護の手が必要な人に届かない、まさに「保険あってもサービスなし」です。制度創設の理念が問われると、先生は厳しい現状を話されました。 ところで、目下は自立できている「一般高齢者」に分けられるらしい私は、行政の特定健康診査やインフルエンザ予防注射を受けるたびに、二五項目の「基本チェックリスト」に回答させられます。「バスや電車で一人で外出していますか→はい・いいえ」「自分で電話番号を調べて電話がかけられますか→はい・いいえ」等々。 チェックが多い人は地域包括支援センターに相談の上、特定高齢者として機能向上のための訓練教室に「参加できる」とあります。 が、私はその活用度についてかねがね疑問に思っていたところ、私たちが支払う介護保険料の使途はこうしたことの費用のほか、コンピューターのソフト開発や審議会費用などなどにも使われているのが実情で、鈴木先生は「こうした中間的費用の効率化の見直しが必要」と指摘されました。私もこれらこそ抑制すべき、と同感。 多数がベッド待ちする特養ホームの増設はなく、療養病床は減らす。その一方で「住宅」という名のもとに高齢者賃貸住宅を増やすのが今後の国の方針です。 私たちが安心して老いるために改善を求める相手は、介護現場を知る地方自治体ではなく、制度設計を行う大もとの「国」に対してこそ、意見を言うべきではないかと、今日のお話から運動の方向性を学びました。 |
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■平和の花を咲かせましょう 「核兵器は廃絶できる」ピースアクション 今年の訴え |
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つないでつないで東京から平和を〜 核兵器の廃絶と戦争のない平和な世界をめざして東京地婦連と東友会、東京都生協連の三団体による実行委員会主催の「〜つないでつないで 東京から平和を〜ピースアクション」が今年も五月十三日、東京ウイメンズプラザで開催され、一七〇人が参集しました。集会アピールではオバマ米国大統領に対し「核なき世界をめざして演説したプラハ演説を全面的に支持し、強いリーダーシップを発揮され、私たちと共に世界から核兵器を一掃する日まで行動をともにすることを願う」メッセージを採択、届けることにしました。 集会後、表参道を抜け渋谷宮下公園までピースパレードを展開、「平和の花を咲かせましょう」と花の種を、沿道の人々に声をかけながら手渡していきました。通りはにぎやかな昼休み時で、若者や外人観光客がパレードを写真に収め、車から流れる訴えに耳を傾けていました。 |
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平和市長会議を呼びかける 核兵器廃絶に向けた国際合意のNPT(核不拡散条約)が崩壊しかけている中で、広島市は平和市長会議を呼びかけ、国連NGOとして海外との連携を図っています。「加盟都市もここ数年で飛躍的に増加している」と本多さんは紹介しました。 国内には非核都市宣言自治体協議会の活動がありますが、昨年からは連携を強めて平和市長会議に加盟して世界的なキャンペーンに参加できるよう呼びかけ始めました。都内では西東京市、新宿区が加盟しています。 都市とは、都会だけのことではなく日常生活を営む場所を総称した名称、と位置づけています。都市は過去の戦争でもゲルニカ、アウシュビッツ、ヒロシマ、ナガサキなど悲劇の歴史がありすぎます。 都市は市民の一番近い政治的存在として命・財産・福祉を守る責任があり、市民との信頼関係が強いから、二度と悲劇を繰り返さない決意を示すものとして平和市長会議への加盟を呼びかけています。 〇三年十月から始めた核兵器廃絶のための緊急行動の「2020ビジョン」は、中間の一五年までに核兵器禁止条約制定をし、その後の五年間ですべての国が核兵器廃絶をするというものです。 核保有国に対し「都市を攻撃目標にするな」の市民署名活動は国内外で五〇万人の署名を集め、「ヒロシマ・ナガサキ議定書のNPT再検討会議での採択への取り組み」は六〇〇の賛同署名が集まったと報告されています。 五年に一度開催されるNPT再検討会議は、来年二〇一〇年五月です。今年五月四日から十日まで開催された準備委員会NGOセッションでは、核廃絶への大きなチャンスと位置づけ、広島・長崎両市長がオバマ大統領のプラハ演説を支持するスピーチを行いました。 本多さんは「核は絶対悪である」と強調し、「二一世紀は市民の力で解決できる時代である。核兵器廃絶に向けて国際的なうねりを私たちの手でつくれば二〇二〇年までに核兵器は廃絶できる」と呼びかけました。 広島、長崎両市長からは世界恒久平和の実現のため、被爆の実相を世界の人々に伝え、平和を希求する人々と連帯していく内容の熱いメッセージが、それぞれの東京事務所所長から披露されました。 リレートーク 参加団体のリレートークでは、東京生協連の六生協団体のみなさんが、パワーポイントや平和を訴える手話ダンスの紹介など、活動を報告しました。東京地婦連は東京大空襲集団訴訟支援や「お花見平和のつどい」などについて飛田さんが報告しました。 閉会あいさつは、三団体を代表して東京地婦連の水野副会長。その後、手に手に花の種やプラカード、横断幕とにぎやかにピースパレードに出発しました。 |
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■「にんげんをかえせ」東京集会 世界に恥ずかしい被爆者補償の遅れ |
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原爆症認定集団訴訟 訴訟の全面解決を原告全員の救済を 五月十九日、原爆症認定集団訴訟の全面解決に向けて「にんげんをかえせ」東京集会が、平和と労働センターで開催されました。会場に入ると多くの遺影が正面にかかげられ、まるで葬儀場のようです。原爆症と認定されても補償が間に合わず無念の思いで亡くなられた方々の遺影です。「いまこそ訴訟の全面解決と原告全員の救済を」と叫びながらの生き残った原告の方々の悲痛な会でした。 |
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この日は午前九時に弁護士会館集合、行進しながら法廷へ。判決後衆議院第二議員会館で院内集会、三時からは星陵会館にて全国集会です。各党議員の激励のことばが次々ありました。 勝訴した山本英典全国原告団長は、毎年四月、第五福竜丸の傍の東京地婦連「お花見平和のつどい」や五月のピースアクションで、ともに行動している東友会の副会長です。長崎の原爆中心地から4・2キロの被曝のため、「3・5キロ以内」とされた地裁判決では認定が棄却されていました。 当時は爆心地からの距離をもとに被曝放射線量が推定されましたが、機械的すぎると批判があり、厚労省は規準を改めたのです。 山本団長は「原爆被害が広範にあるということが確認されたら、核兵器は使ってはならないということになる」と地裁の法廷で証言しました。今回の高裁判決については、「原爆症認定は、戦争遂行主体だった国が国家補償的措置として行うもの、と指摘した点は画期的だ」と語りました。 六月四日、参議院厚生労働委員会開催の知らせがあり、急きょ傍聴しました。福島みずほ社民党党首は、舛添厚労大臣に「前回の委員会で早期救済を約束したがどうなっているのか」と迫り、大臣は再び約束をしました。 六月九日、国は東京高裁上告を断念し、原爆症の認定基準を見直すことになります。 オバマ米大統領は、プラハで核兵器廃絶実現を提言しました。唯一の被爆国日本政府の被爆者補償の遅れは、世界に恥ずかしいことです。 |
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■放射線食品照射を考える 連載(17) 全国で署名運動を展開中 |
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食品に放射線を照射することに「反対」の声をあげましょう 照射食品反対連絡会は現在、「食品に放射線を照射することに反対します」の署名運動を全国的に展開しています。厚生労働省は内閣府原子力委員会の照射食品推進の圧力を受けて、三菱総合研究所に委託した調査報告書が整えば薬事・食品衛生審議会企画部会へ照射の拡大を諮問する可能性を示唆しています。そこで私たちは食の安全を守るために、「消費者の声なき声」を署名で表すことにしたものです。 |
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放射線の食品への照射は、(1)人の健康を損なうおそれがあります(2)照射された食品の照射線量・回数を調べる方法(検知法)がありません(3)管理・監視ができません。悪用・乱用も起きます(4)食中毒予防には役立ちません(5)食品の質を低下させます(6)原子力業界など一部の利益のために、食品への放射線照射という原子力の商業利用を認めるべきではありません。 すでにお伝えしているように、二〇〇二年には食品に放射線を照射したときにできる2‐アルキルシクロブタノン類の、発ガン性を示す研究結果がでており、その後この結果を否定する実験はなされていません。それ以前にも動物実験では死亡率の増加、生殖器の異常、骨の異常が指摘されています。 消費者にとって、照射食品の慢性毒性試験や発ガン試験など科学的な研究が必要であるにもかかわらず、それらが行われないままで、もしも厚生労働省が食品安全委員会に対し安全性の評価を求めることにでもなれば、二〇〇二年以前の推進側に有利なデータを尺度に評価される可能性が大です。 食品への放射線の照射は消費者にとって不必要で危険です。 ここ二、三年だけでも、大豆イソフラボン、干しシイタケ、パプリカ、マカ、ケール、唐辛子など輸入照射食品が摘発され、新しいところでは寿司だねのシャコの照射も明るみにでています。 照射食品の反対署名にどうぞご協力ください。 |
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■地域ニュース | |||||
わか草婦人会 初夏を感じさせる晴天に恵まれた五月二十日、南綾瀬地区センター多目的ホールで、わか草婦人会の定期総会を開催しました。来賓に地元町会長、副会長、南綾瀬地区センター長、老人会代表を迎え、会員は五十余人が出席、和やかに進められました。 記念品は、環境にやさしい手づくりのエコたわしと、これから利用価値のある麦茶を用意し、みなさんに喜ばれました。 今年度の目標は「地域福祉、青少年育成、地域コミュニケーションの強化と省資源活動」と決まり、会員の協力を得ながら取り組んでいくことになりました。 今年も恒例事業の他に、子育て支援として東綾瀬小の「わくわくチャレンジ広場」に力を入れて、地域のふれあいがますます深まるように活動していきたいと思います。 総会終了後「葛飾区高齢者福祉サービスについて」のテーマで、葛飾区高齢者支援課長のお話を聞きました=写真左上。「介護保険と高齢者保健福祉サービスのご案内」(平成21年度版)の冊子を参考にして、葛飾区で受けられる福祉サービスについて詳しい説明を受けましたが、サービスには必ず「対象となる方」という記述があり、すべてが自由に受けられるわけではないことを痛感しました。 その他に介護予防や介護支援サポーター事業などについても説明があり、「どんなことでも一人で考え込まないで、気軽に相談に来てください」と呼びかけました。私は地域の事業や行政に参加できる、介護予防を必要としない動ける人でありたいと思いました。 都民クラブ 二〇〇九年度総会を五月二十五日、渋谷区消費者センターで開催し、一六人が出席しました=写真右下。議事は満場一致の拍手で無事終了し、昼食は多種類の料理の詰まった「升本」のお弁当に、舌つづみをうちました。 午後は、今年四月の「お花見平和のつどい」で合唱した「青い空は」を楽譜とテープで練習。この「青い空は」は「原爆許すまじ」の代歌として、一般公募で一位となった曲です。 来春の「平和のつどい」には、上手に歌いたいとみんな真剣に練習しました。その後、水野代表の熱唱するシャンソン「時は過ぎていく」と「ラストダンス」をビデオ観賞し、「冷蔵庫から食を考える」「徹底解剖百円ショップ」のビデオを見ました。 家庭の冷蔵庫で忘れられ廃棄される食糧は、世界の飢えた人々の救済に役立つほどの量に達すること、また地産地消につとめ、食生活の見直しなどが世界の食糧事情改善や地球環境の保護にもつながることを学び、「百円ショップ」のビデオから、宣伝費や人権費を削減し、一〇〇円に見合った量にするなどの安さのからくりを知りました。 男女共同参画にむけて地域を問わず、誰でも参加できる「都民クラブ」の活躍を誓い散会しました。 高齢化視野に、今後のあり方話し合い 向友会 五月三十日、向山集会所で向友会の総会を行いました。前日までの雨で足元が悪く、集まりが悪いのではと案じながら、前夜は祈るような気分で眠りに入りましたが、朝には雨も上がりタクシーで、会場には九時半ごろ着きました。 会長と高崎さんが机を並べる準備をしていたので、私はお茶の支度をしました。出席者は一四人でしたが、懐かしい顔がそろってお元気そうな姿を見て、なぜかほっとしました。 会長あいさつのあと、高齢化が進む今後の向友会のあり方などについて、いろいろと話し合いました。その後はお弁当をいただきながら、思い思いの話に花を咲かせ、一時の安らぎを垣間見た思いです。 元気で楽しい余生を過ごしたいと願う心はだれもが一緒だと思います。自分自身を理解して人様に甘えないで、できる限り努力して頭がさびないように体も動かすように考えています。元気でいられることに感謝の念を込めて、夜休む前に手を合わせています。自己管理を十分心において、また元気にお会いできるのを楽しみに頑張ることを誓い合いました。(松岡愛子) |
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