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■2009年8月15日付
核兵器のない世界を
平和の尊さ 戦争のむなしさ
平和への想い新たに
東京大空襲訴訟の勝利をめざす―日本の戦後処理を問う集会
私の想い
戦争と向き合い、その意義を問う
放射線食品照射を考える
重大な局面迎える 食卓に忍び寄る放射線
ベターリビングと意見交換
BL部品の推進、お客様相談の充実を図っていきたい
地域ニュース

■核兵器のない世界を
平和の尊さ 戦争のむなしさ
若い世代に体感してほしい
平和への願いをつなぐ千羽鶴献納

 7月26日、東友会が主催する東海寺(品川区)で開催された原爆犠牲者慰霊祭・追悼のつどいに、核兵器のない世界を願い、東京地婦連でつないだ千羽鶴を献納しました。東海寺の千羽鶴は慰霊祭のあと広島、長崎へ東友会のみなさんの手によって届けられました。
 4月の「お花見平和のつどい」前後から、会員たちが地域や自宅でそれぞれ平和への祈りをこめて折りはじめた鶴が、東京地婦連の事務局に届けられます。
 6月4日、全国婦人会館会議室で端山さんや稲葉さんの世話役で十数人が集まって、一本一本核兵器廃絶の願いをこめてつなぎました。
 オバマ米大統領のプラハ演説は、核兵器廃絶への流れに力を与えています。次々と勝訴する原爆症認定集団訴訟の判決の前に6日、国はやっと原告全員救済の解決に応じる確認書に調印しました。
 戦時中を生き抜いた
 体験記録集制作へ
 戦争は、国民にとって巻き込まれた災いであります。二度と戦禍を蒙ることのない、世界の平和のために、平和憲法を守る、運動をしていきます。若い世代に平和の尊さ、戦争の空しさを体感してもらいたいという思いで、「二度と戦争はいやだ」と声を上げ、東京地婦連では戦時中を生き抜いた体験を記録し、残していく活動をはじめます。
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■平和への想い新たに
東京大空襲訴訟の勝利をめざす―日本の戦後処理を問う集会
 8月1日、台東区民会館で「東京大空襲訴訟の勝利をめざす‐日本の戦後処理を問う」集会があり、東京地婦連からも2人が参加しました。暑い日にもかかわらず会場には300人以上が参加して満席でした。戦争体験を風化させないために、「日本の戦後処理を問う」と題するこの集会は、原爆被害者をはじめ各界の有識者が、問題を明らかにし平和への想いを新たにしていきます。
 藤森研朝日新聞記者は、「戦争自体が悪である。国連憲章にもとづき九条を指針として行動すべきだ。戦争はどんな理由をつけても悪であることはまちがいない」。田中熙己日本原水爆被団協事務局長は、「憲法の主権は私たちにあり、憲法を政府に守らせるのは私たちだ」
 その後自由発言があり、豊村原告団副団長が「3月10日に家族を亡くした上、自分は低空飛行のB29機銃掃射で、右手を失った。64年間片手の生活、また傷口の痛みに耐えてきたが、国からは何の補償もなかった」と声を振りしぼって叫んでいました。アジア・太平洋戦争が終結し64年が経過した今も、戦後処理が終わっていません。国際的に恥ずかしいことです。
参加者のみなさん
 5月21日には、東京地裁で第10回東京大空襲集団訴訟口頭弁論があり、傍聴しました。弁護団の意見陳述の後、星野弘原告団団長、城森満副団長の陳述があり、悲惨さに涙するばかりです。
 城森副団長は「3月10日の空襲では、学童疎開中で私と妹は助かった。家は焼け、両親と弟は死んでしまった。孤児にとって失った一番大切なものは、両親の愛だった。病気で苦しんだ時、なぜ助けに来てくれないのと死んだ母に語りかけたが、答えはなかった。愛を引き裂いた罪は大きい。その後のいじめや虐待などは、自然災害ではなく戦争による人災だ。このような苦しみを受けつづけた原告放置は、もう許されない。英断をお願いしたい」

必ず勝訴を

 その後星野団長は団長の被害ばかりではなく、他の原告の方々の例を述べ「民間人は受忍せよと政府は言っていたが、国際的にも日本の戦後処理は異質だ。主要国は、一律に差別なく補償、救済をしている。公正な判決をお願いしたい」と述べました。
 原爆症訴訟では勝訴が続いています。東京大空襲訴訟も必ず勝訴を勝ちとらなければなりません。
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■私の想い
戦争と向き合い、その意義を問う
 この手記は、40年前の婦人時報(昭和44年7月15日号)に亡夫・高梨三郎が寄稿させていただいた「あのこと・このこと」の一編です。敗戦を知る世代が減り、また年を経るごとに当時の混濁した世相も悲劇も忘れ去られつつあります。私は懐古ではなく、敗戦で蒙った庶民のぎりぎりの耐乏生活から、「これが戦争だ」とあらためて戦争と向き合い、その意義を問うのです。手前みそで恐縮ですが、敗戦当時の暮らしをうかがい知るその一文を引用させていただきます。(T・Y)
 《闇肉、闇酒、闇のお米で生きているおかた、欲に目がくらみ、配給の食糧で生きているやつは栄養失調で目がくらむ。へへのんきだね。 石田一松のんき節》
 24年前の、八月十五日がめぐってくる。
 敗戦による窮乏生活=二合一勺の米さえ配給が遅れ闇米を買う努力なしでは生きられなかった。
 二合一勺(約300グラム)のめしは、一食茶碗に一膳と少しの量だ。野菜は一日75グラム、魚は四日に一度の配給で鰯一匹程度だった。
 住む家さえない世帯は、全国で420万から450万世帯にのぼった。全国都市の家屋約三割が空襲で焼けたからである。
 悪性インフレの進行。お金の価値は毎日低下。46(昭和21)年に政府は新円を発行した。サラリーマンなら、すべて1カ月500円。この耐乏生活がインフレを阻止するならば、というのが当時の民衆の気持ちだった。
 各家庭の家計は毎月赤字、朝はスイトンかおかゆの代用。娯楽費も衣料費もなしで食費が給料の90%を占めた。
 戦災、強制疎開、引き揚げなど、どこも一軒に何世帯もが雑居し、食い物をめぐってのトラブル、反感、別離など、戦中戦後の数年間は、民衆には地獄の生活だった。
 この地獄からはい上がってきた民衆の歴史は、どんなことでも生きるのだという「生活の力」が支えとなっている。しかし民衆の流した血は大きかった。=八月十五日=過去があって現在があるように、バラ色の未来を創っていくためには過去のそれを現在の出発点とすべきではないのだろうか。(T・S)
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■放射線食品照射を考える
重大な局面迎える 食卓に忍び寄る放射線
 かねて厚生労働省が三菱総合研究所に委託、国への提出時期等について照射食品反対連絡会も再三問い合わせていた「食品への放射線照射についての科学的知見のとりまとめ業務報告書」(以下三菱総研の報告書)が、6月に厚生労働省のホームページ上に公開されました。報告書の公開を受けて7月9日、私たちは参議院議員会館で厚労省との意見交換会を開催、国の姿勢を問いただしました。
ジャガイモは一部認められています。このほかにも玉ネギ、セロリ、人参など94品目に照射の拡大されるおそれが…
 三菱総研の報告書は、平成17年の国の「原子力大綱」の方針と、18年に内閣府原子力委員会照射食品専門部会から出された、香辛料等へ放射線照射の拡大を求める内容の「報告」を受けた厚生労働省が、平成19年に食品への放射線照射についての科学的知見等についての取りまとめを行うよう三菱総研に委託したものです。
 厚生労働省は、この報告書をもとに照射食品について薬事食品衛生審議会に諮問するとしており、このほど次回の審議会(日時は未定)で照射食品を取り上げることが明らかになりましたので、事態の推移を報告します。

厚生労働省との意見交換会の経過

 三菱総研の報告書をめぐる意見交換会への厚生労働省側の出席者は、基準審査課の西島課長補佐と内海係長、監視安全課の日田専門官で、まず連絡会から報告書の誤りや問題点について指摘し、このままで薬事食品衛生審議会に諮ることは不適切であることから、報告書の訂正を要請するとともに、照射食品の発ガン性についての新たな実験が必要との見解を表明しています。

厚労省へ提出された三菱総研の報告書の主な問題点

 特にリスクについての誤った記述部分については、この報告書の信頼性が問われる内容です。
 報告書では食品に放射線を照射したときにできるシクロブタノンという化学物質を、「発ガン物質としては働かないものの、発ガン促進作用がある」としていますが、報告書が引用した文献には元々ラットの結腸ガンについて、その化学物質それ自体が「発ガン物質として働かない」という実験データはなく、ほかの発ガン物質と一緒に、えさとしてラットに与えた場合の「発ガン促進作用があること」のみを裏付ける実験報告であることが、照射食品反対連絡会の調べで明らかになっています。
 一番重要な発ガン性にかかわる点について「発ガン物質としては働かないものの」とした記述が誤っているわけです。
 また各国の規制およびその運用状況についても、5年前の食品安全委員会や2年前の日本原子力研究開発機構の調査報告書よりも統計資料などが古く、大切な情報の欠落も目立っています。
 例えばドイツでは、照射食品は国内での販売が禁止されていることなどに触れていません。照射食品の安全性を懸念する消費者運動の歴史や、違法照射ベビーフード事件の有罪判決、近年多発している輸入照射食品の食品衛生法違反事例などにも全く触れておらず、照射に使われる放射性物質の管理問題についても何も書かれていません
 このほかにも問題点の見られる委託報告書がそのまま受理されて、審議会資料として使われることは極めて不適切であり、首をかしげざるを得ないことです。
 意見交換会では、厚生労働省からは「この報告書が出たのでいずれ審議を行うが、原子力委員会のように有用性を認める立場とは異なる」という趣旨の発言があったものの、報告書の誤りについては何も言及しませんでした。
 照射食品反対連絡会からは、「どうしても審議会で取り上げるのなら、反対の立場の意見を表明する機会を設けてほしい」と念を押し、厚生労働省側はこれについては明瞭ではないものの同意の姿勢を示し、当日は散会しました。

とうとう審議会で照射食品を取り上げることに……
 その後国の動きに注目していたところ、7月30日の原子力産業新聞の紙面に、「7月23日、薬事食品衛生審議会の食品規格部会が開催され、次回会合から食品照射について検討する方針であること」を部会長が告げ、厚生労働省は「三菱総研の報告書を委員に配布し、今後(照射食品に関連する)事業者の関係する省庁や、照射に関して意見のある団体などの意見を聞くことも必要」としている。「次回日程は未定」との記事が掲載されました。

反対署名運動の輪を東京から全国へ
 いよいよ照射食品反対運動は、これからが正念場です。私たちの食卓から発ガンのリスクを少しでも減らさなければならないわが国で、リスク管理を行うはずの厚生労働省が、危害要因を増やすことになりかねない照射食品について、審議会で取り上げようとしています。
 食の安全が脅かされる事態を、消費者の力で阻止するためにも、照射食品反対連絡会では反対署名運動を8月の第1次集約以降も引き続き全国的に拡大、継続します。どうぞさらなるご協力をお願いいたします。東京地婦連では、東京都消費者月間のイベントなどでも、照射食品の問題を取り上げる予定です。
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■ベターリビングと意見交換
BL部品の推進、お客様相談の充実を図っていきたい
ミニ講演会も
 7月16日、BL認定を行う(財)ベターリビングと意見交換会を行いました。BL側はBL製品にかかわる事業者の、お客様相談部担当者が出席し、取り扱いや手入れについてわかりやすいミニ講演を行って意見交換に入りました。
ベターリビングと意見交換会。ミニ講演会も分かりやすい=7月16日
 木材で住環境をつくる(株)ウッドワンは、「木は再生が可能な資源であり、無垢材、合板、チップなど丸太から枝、端材まで無駄がなく100%利用できる。しかし退色や変色など木材の性質の良しあしを十分理解して利用してほしい」。
 ドアクローザーや錠前の美和ロック(株)は、「かぎやかぎ穴の清掃について」、キッチンバス工業会からは、消費者からの問い合わせをQ&A方式の冊子にまとめた紹介がありました。
 出席者からは自宅のドアやキッチン水回り、浴室などのトラブル事例や修理の話題が出され、住み慣れた住居で使い慣れた生活を送るためには互換性を意識した部品や製品の確保、定期的に点検していく仕組みの必要性などが述べられました。
 ベターリビングでは「住宅のトレーサビリティ、リフォームにおけるBL部品の推進、お客様相談の充実を図っていきたい」と話しています。
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■地域ニュース
社会を明るくする運動フェスティバルに参加
練馬婦人連盟

 梅雨があけ、庭のヒマワリが元気に咲いている今日この頃です。私たち練馬婦人連盟は練馬区更正保護女性会(練馬更女)に加盟して、さまざまな行事に参加協力をしております。
 7月25日には、恒例の練馬区社会を明るくする運動のフェスティバルに参加しました。平成つつじヶ丘公園の会場では、ステージショー・模擬店・アートバルーンなど、大変にぎやかでした。練馬更女では活動資金にもなるため刑務製品、手作り品などを出品してバザーを行いながら、犯罪や非行のない明るい社会を築こうとする社明運動の理解を推し進めました。
 手づくり品は、会員の中尾さんが作品指導。今回は残り毛糸を使って編んだアクリルたわしや、おしゃれマフラーなど出品。中尾さんは年間を通して婦人会活動の合間をみては、時間をつくりながら作品を編んでいます。
 私もお役に立てばと友人たちに声をかけ、家にあるものなど出品し、協力しています。バザーは10月に開かれる練馬区民祭りでも行います。

19年の実績積むふれあいひろば
わか草婦人会

 夏休みに入った7月18日の土曜の夕方4時、例年開催している「街のふれあいひろば」を町内会、婦人会共催で開催しました。おそろいの黄色いTシャツで、朝から集合。町内会の男性役員は、6尺・9尺テントを10カ所ほど張っていきます。私たちは昼食のカレーライスを50人分くらいつくり、作業するみなさんに振る舞い、いつも「おいしい」と喜ばれています。
 婦人会は広場で、JAが運んできた、朝採れたての地元野菜売りを行います。枝豆は約30キロをゆで、氷で冷やして販売。袋につめて、ゆで方、食べ方を知らない若い人たちに丁寧に説明しながらですから、商売は大変だと思いました。
 でも「おいしい」と喜んでくださるのでほっとしています。ほかにも、綿アメ、ポップコーン、ラムネも販売。ラムネは1本150円ですが、ビンを返せば50円戻すデポジット制です。
 4時半からは始まる近隣の小・中学校3校の音楽演奏の楽器は、役員たちが事前に運び込みです。夜の街は電気もついてにぎやかになり、子どもたちは浴衣を着たり、友人と連れ立ってやってきました=写真。
 スイカ割り、金魚すくい、ヨーヨーなど、どれでも50円券1枚で参加できます。PTAは焼きそば、若者たちは焼きイカ、ゲームコーナーを開き、商売人は参加できません。普段顔も知らない老若男女が集まって、子どもたちは一夜を楽しく過ごせることが計画通りすすみ喜び合いました。
 子どもたちは、親へのおみやげに野菜や枝豆を買っています。わくチャレで顔見知りの子どもたちが「おばさんたちがんばれ」と声をかけてくれました。
 こうした光景は今の社会情勢の中では、素晴らしいことだと痛感し、感動しました。新しく出来たこの通りを「ふれ合い通り」として開通させて、町会と婦人会が共催してはじめたお祭りに、区長や議長も参加してはや19年がたち、年々にぎやかに定着しています。
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