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■2010年1月1日付
東京地婦連のブロック会議2009
地域の力で人と地球の未来を拓く
照射食品拡大反対署名・20万人に迫る国民の声
強い意志を伝える院内集会
葛飾区で地域防災学習会
行政も積極的に参加
第48回消費者大会
東京地婦連も運営委員団体に
講演会「政権交代と憲法」
女性会員でいっぱい
地域ニュース

■東京地婦連のブロック会議2009
 地域の力で人と地球の未来を拓く
日常の暮らしに当てはめて中国の哲学思想を学ぶ
 東京地婦連のブロック会議2009は、全国婦人会館と共催し、城東・郡市ブロックが当番団体になり「地域の力で人と地球の未来を拓く」の基本テーマで11月25日、柴又帝釈天の傍にある川千家で、中国の思想哲学から学ぶ「生活の中からの老子哲学と柴又帝釈天」の学習会と見学会を行いました。老子の教えの人生観を分かりやすく、漢文を示しながら熱を込めて話されたのは、中国の思想哲学に詳しい東京商工会議所葛飾支部会長、信川仁道さんです。70人が参集しました。
東京地婦連ブロック会議2009。講演を聴くみなさん=11月25日、葛飾・川千家
 主催者あいさつは谷茂岡副会長が行い、森本宏葛飾区地域振興部産業経済課長から、来賓あいさつを受けて講演に入りました。
 信川さんは、信川化学工業(株)を経営しています。チェコグラスのようなデラックスなムードを漂わせるカットグラスの、クリスタルな輝きをプラスチックで生み出す研究に長年取り組み、昭和30年代には「ノブカット」として特許をとり新プラスチック製品として普及させました。
 経営の中にも、中国の思想哲学は生きているそうです。信川さんは、老子の文章を若い頃から1000回以上は読み返しており、ほとんど暗記されています。
 83歳のお元気な講師は、地婦連の活動にも理解があり、老子の教えの中から地婦連にふさわしい三つの教え「無用の用」「食母を貴ぶ」「慈愛」について、分かりやすく、日常の暮らしに当てはめながら話されました。

「無用の用」
 「故有之以為利。無之以為用」(すべて形有るものが役に立つのは、形無きものがそれを支える役割を果たしているからだ)無用の有。
 「ノブカット」という形あるものをつくるためには、ガラス、カット、金型、機械、電流とそれぞれは無(形がない)である。しかしどれひとつとして欠けてはいけない。
 毎日の生活でも、台所仕事や暮らしの中でいろいろ工夫をしていることなど、形には見えない(無)が、積み重なって支えとなって形(有)となる。何事も周りをしっかり固めなければならないと教えている。
 「四角い部屋も丸く掃く」という諺も、これは「嫁が部屋をわざと丸く掃いてごみを残し(無)、姑に叱られて素直にきれいにすることで、嫁と姑の関係がよくなる(有)という教えになるのです」と楽しくお話されました。

老子の教えを引いて講演する信川仁道さん
地婦連の歴史に通じる「食母を貴ぶ」
 絶学無憂。唯之興阿。相去幾何。善之興悪。相去何若。(略) 我獨異於人而貴食母。
 (学問をやめてしまえば人生に屈託なし。「ハイ」と答えるのと「アア」と返事するのと、どれほどの違いがあるというのだ。=中略=私だけが変わり者で、乳母なる「母」をじっと大切にしている)
 信川さんはこの「食母を貴ぶの教えは、地婦連の長い活動の歴史を支えてきたみなさんに通じるものがある」といいます。
 「宇宙から、月から地球をながめてみれば、勉強も礼儀もどれほどの違いもない。裕福だろうが貧乏だろうが気にしないし、たいしたことではない。人はハキハキしているが、自分はぐずぐず踏ん切りがつかない。みな有能なのに、自分は愚かで野暮くさく、田舎者だ。しかし自分を生み育てた母親は一番貴く大切にしている。男女変わらず、母親は一番の恩愛の情だと教えている。地婦連の長い活動の歴史をみていると実感させられる」

慈しみをもって
 夫慈。以戦則勝。以守則固。天将救之。以慈衛之。
(天も彼を救おうとし、慈しみをもって守護してくれる)
 老子は思いやりを大切にしていると教えています。「慈を以て之を衛る」とは、思いやりのない生活はない、思いやりをもってやれば必ず自分のところに帰ってくる。人の争いも戦も慈愛の精神で行えば、「守」から「衛」となり、天も味方し永遠に反映する。

女性は天より偉い
 最後に「夫れ唯だ大」への信川さんの解釈は、大変面白いものでした。「夫」という字は素晴らしい。「夫」は天に人が貫いており、天よりも偉くなっている文字。男の名前文字だけでなく「令夫人」という使い方もある。「だから女性は天より偉い」と、漢字の面白味を披露しました。
 老子のあとは、ベンネット式顔面若返り摩擦法を口元で実演披露し、感服。参加者からの感想は、人生の先輩の味わい深い老子論に、むずかしいと思っていたけれど面白く参考になった。実践したいと、たくさんの感謝と満足の感想が寄せられました。
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■照射食品拡大反対署名・20万人に迫る国民の声
 強い意志を伝える院内集会
 東京地婦連も実施した反対署名は、五十余りの団体からなる「照射食品反対連絡会」が力を合わせた結果、19万5409筆に上りました。連絡会では全国の消費者や市民のスパイス類94品目への照射拡大に反対する強い意志を伝えるため12月10日、長妻厚生労働大臣あての署名提出を兼ねて、長妻大臣、福島食品安全委員会担当大臣への要望を行う院内集会を開催しました。順不同になりましたが、午後には民主党の山根副幹事長と面会し、政権政党として私たち約20万の国民の声を国の施策へ反映するように要請しました。
 院内集会には、厚生労働省基準審査課の入江課長補佐、内閣府食品安全委員会情報・緊急時対応酒井課長、民主党の大河原議員、岡本充功・下田敦子議員秘書が出席、連絡会との間で意見交換が行われました。

署名簿を渡すみなさん
意見相次ぐ
 連絡会からは、
 (1)「照射でできるアルキルシクロブタノン類に発がん性はない」と記述するなど、字句訂正では済まない内容の報告書は、再提出されても審議会資料として不適切である
 (2)消費者の意見を聞いてもらうこともよいが、欠陥報告書は受理せず、返還させるべきではないか
 (3)審議会メンバーに偏りがあるので見直しを
 (4)訂正報告書が再提出された場合には、誤った内容が公表された経緯から、どこが、どのような理由で訂正されたのか、透明性を持たせて公表していただきたい
 (5)94品目それぞれの慢性毒性・発ガン性のデータがないままでの審議会任せは問題。事務方はリスク管理をしていただきたい
 (6)規格部会と毒性部会の合同審議が必要ではないか
 (7)消費者のニーズがないことについては、集まった約20万人の反対署名だけでなく、東京都消費者月間の照射食品のミニセミナーで不安そうに足を止める消費者は多かった
 など、相次いで意見が出されました。
 これに対し入江課長補佐からは、(1)調査委託先に訂正をさせている報告書は、再提出されれば握りつぶすことは避けたい。照射拡大を検討する審議会資料の一つになる(2)審議会では消費者からのヒアリングも併せて行う(3)科学的知見・業界や消費者のニーズ・消費者の理解が得られるかを審議していただく(4)原子力委員会の推進の立場とは異なり、厚労省はニュートラル(中立)な立場であるといった趣旨の発言がありました。
 続いて食品安全委員会が先頃公募で採用したことが明らかになった、「アルキルシクロブタノン類を指標とした照射食品の安全性解析」研究(平成21〜23年)についての質疑が行われ、食品安全委員会として、(1)この研究は評価のためではなく、委員会独自に知見を集め、国民に知らせる目的で行われる(2)長期でない発ガン性試験である(3)通常行われる発がん試験方法ではないが、食品安全委員会の判断で採用した(4)厚生労働省からの諮問がなければ、独自の評価は行わない‐‐との酒井課長の回答がありました。

総数で19万5409筆に達した署名簿の一部=09年12月10日現在
署名簿を提出
 連絡会からは、「この試験方法では明確さに欠ける。従来の確定した手法を取るべきではないか」「意味のない追試の研究になるのではないか」「厚生労働省は食品安全委員会の研究結果が出るまで、審議を待ってはいかがか」などの踏み込んだ意見も出ました。
 大河原議員からは、「国民の生の声を受けとめた予算の使い方、研究費の使い方を考えたい」とのコメントがありました。
 要望と質疑応答は締めくくりを迎え、ここで厚生労働省の政務三役に代わって入江課長補佐に、段ボール箱多数に上る「照射食品に反対する署名」のごく一部が手渡され、院内集会は終了しました。

国民の声を施策に反映してほしい
 午後の国会内の民主党への申し入れでは、政権政党として前政権の原子力大綱にしばられることなく、食品衛生法の規制緩和による食品への放射線照射を拡大しないよう、中国訪問中の小沢氏の留守を預かる山根副幹事長に要望しました。
 その後、連絡会として厚生労働省の記者クラブで会見を行い、さまざまな局面への対応に追われた年内の運動を終了しました。
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■葛飾区で地域防災学習会
 行政も積極的に参加
 昨年11月20日、葛飾区婦人団体連合会と共催で、「あたらしい時代の地域防災について」学習会を、葛飾区と東京都エルピーガス協会から担当者を招き、葛飾区ウイメンズパルで行いました。葛飾区の防災課長、女性センターの課長や消費者センター課長、人権推進課長らも出席し、日ごろの備えのために、行政が積極的な参加姿勢を示しました。
11月20日、葛飾区ウイメンズパルで開催された「あたらしい時代の防災学習会」
防災都市づくり進める葛飾区
 葛飾区は平成19年に地域防災計画について修正し、災害に強いまちづくりをめざし、長期的な視野にたった防災都市づくりの推進をしており、東京が被害想定している直下型地震に対応する防災対策強化を図りました。
 まず利谷防災課長が地域防災計画の全体概要を説明し、災害対策の職員体制や災害協定については松本災害係長、防災施設・備蓄品や行政無線、防災活動拠点については角谷施設係長が、家庭での災害対策については宇野津訓練係長がそれぞれ説明するという、熱心な連携で進みました。
 新潟県の十日町市と、自治体の相互応援協定を結んでいます。中越地震が起きたとき、停電で水が使えないことを知り、トラック協会に要請し、すぐさま区の保存飲料水を運びました。
 「ニュースでは葛飾からの水が一番に届いた映像が流れていた。商工会からは調理パン、防災課からは人員派遣など災害現場での実践訓練となったこの出来事は、教訓として大いに生かしていきたい。民間団体との協力では社会福祉協議会との連携で、要援護者の把握。災害時におけるエルピーガスの供給については協定を結んでいる」と報告しました。

新しい時代の防災学習会
家庭での災害対策
 家庭での災害対策では、
 (1)住まいでは建物・塀などの耐震、家具転倒防止、住宅用火災警報器の設置。
 (2)備蓄では食料・飲料水のストック、非常持ち出しの袋の中身、避難所や連絡先。(3)災害が起こったら、まずは生命を優先すること。そして「消火は3分」と天井が分かれ目。(4)確かめ合うことでは、家族・近隣の安否のための日ごろからの地域とのコミュニティー、正確な情報の収集、避難経路。と、具体的な話が次々と出されました。

災害に強いLPガス
 エルピーガス協会からは笠井良明保安担当部長と加藤稔業務課長が出席し、「LPガスガイド」を配布しながら、加藤さんからLPガスの基礎知識の説明があり、「災害に強いこと、阪神・淡路、中越地震でもガスの復旧は早かったこと、避難所でもすぐに使うことができる。個別供給できるLPガスは、都市ガスエリアにおいても災害に備え学校や公共施設、民間事業所で備えておくことが大切であり、備える自治体も増えている」と話しました。
 最後に、谷茂岡東京地婦連副会長から、全地婦連発行の「防災まちづくりチェックシート学習パンフレット」を紹介し、「自宅で確認してみましょう」と呼びかけました。
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■第48回消費者大会
 東京地婦連も運営委員団体に
私たちにできることは何か学習し、運動を強めていく
 第48回全国消費者大会が、11月18・19日の両日開催されました。暮らしをめぐるさまざまな不安が広がる中で、いろいろな課題を抱えながらも、私たちのできることは何かをさぐり、学習しながら、消費者団体として運動を強めていくことを確認しました。18日の会場は新宿・全労済ホール スペースゼロで全体会「消費者の力を結集しよう! み〜んなで安心してくらしたいっ!」が開催され、夕方からは東京地婦連も運営団体となって企画した特別分科会、「平和」「安心してくらせる未来をこどもたちへ〜核兵器と戦争のない世界へ」で、多数の会員も参加しました。翌日の4分科会は会場がそれぞれ分散されていましたが、消費者政策や環境の分科会に参加しました。
アーサー・ビナードさんの講演=特別分科会
特別分科会「平和」
アーサー・ビナードさんの講演
突き動かす力となることで核兵器廃絶に機体するだけではなく、現実に撤退を求め希求したい

 「安心してくらせる未来を子どもたちへ〜核兵器と戦争のない世界へ」は、夕方の5時からはじまりました。
 講演したアーサー・ビナードさんは詩人で、1990年に来日。俳句や短歌も詠み、落語を聴き、書道もたしなむ。言葉の持つ意味や使い方を日本人より的確に理解し、表現して、また使われる方だと感じ入りました。
 「広島の原爆忌は夏の季語ですが」と、歳時記の話題を導入にビナードさんは話し始めました。米国は、「戦争を終わらせるために原爆は正しかった」との公式見解をいつも行っているけれど、振り回されていくと真実が見えなくなる。
 レモネードを連想していた「ラムネ」はビンがラムネ形ならイチゴ味でも、バナナ味でもラムネだった。レモネードだと思って飲んだらびっくりしてしまった体験を引き合いに出して、弾道弾ミサイルは先制攻撃のミサイルであることはみんなが知っているのに、「防衛」というビンにいれて使うとわからなくなる。
 言葉のパッケージに振り回されたり、何度も使っているうちに真実が見えなくなると語りました。
 ラッキードラゴンは子どものころから知っていたが、日本のガイドブックの紹介は被害者のかわいそうな話になっていた。アメリカ人から見れば、こんな国防の実験の場に遭遇して生きて帰れるはずはない、と思っていたから、どうして帰ることができたのか。
 そんな思いがあって「ここが家だ ベンシャーンの第五福竜丸」の絵本の文章は生まれた。この絵本はかわいそうな船と仲間のお話ではない。第五福竜丸は勝利して生き残った乗組員の物語であって、被害を受けながらも力強く生きてきた人たちです。
 「ピカだっ!」と久保山さんはわかっていた。見つかれば完全に消される、だから気づかれないように無線も使わず助けも求めず、どこにも寄らず、焼津に必死に、そしてそーっと帰ってきたのだが。
 乗り越えてきた人たちは大きな魅力を持った人たちだと思う。広島・長崎の被爆者も同じ。勝利した人たちが私たちに語り部となって伝えてくれている。
 歴史は「くりかえす」のではなく「くりかえされる」「自然現象ではない。ボタンを押すのはボクらなのだ。突き動かす力となることで核兵器廃絶に期待するだけではなく、現実に撤退を求め、希求したい」と結びました。
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■講演会「政権交代と憲法」
 女性会員でいっぱい
 先の総選挙で成立した民主党政権が、私たちの暮らしや憲法にどんな変化をもたらすのでしょうか。秋も深まりゆく昨年11月16日、一ツ橋大学教授の渡辺治さんを講師に「政権交代と憲法」と題する講演会が催されました。会場の東京都消費生活総合センターは94人の女性会員でいっぱいでした。政権交代によっても改憲の動きが阻止される保障はなく、改憲論者も含む民主党がどこまで「平和憲法」を守り抜けるのか、そのゆくえに私は強い関心を持って参加しました。
自公政権を追い詰めた国民の怒り・不信
 講演はまず、民主党を勝たせた要因について。自公政治が行った構造改革の矛盾の爆発、それは大別すると、大企業はもうけを拡大するためリストラを行い、一方、国は法人税の減税で優遇、製造業への派遣を認める法改正で安易な派遣切りが増加、地方の地場産業の切り捨て等々の施策の結果、貧困・格差の増大で国民の怒り・不信を買ったこと。
 さらに、改憲問題でも安倍政権が任期中の改憲を公約したことに、危機感を持つ中高年が初めて結束した「九条の会・女性九条の会」の社会運動の全国的な広がりも自公政権を追い詰めた、とも話されました。
 改憲・軍事大国化への懸念が世論と結びついたその効果に、私は思いを新たにしました。
 しかし現状は、一枚岩ではない民主党政権は、頭(執行部)、胴体(地方と新人議員)、手足(中堅国会議員)の三つの構成で動き、これらのどの部分が強くなるかは外部の力、すなわち運動と国民の声で動く。
 政権交代に危機感を持つ財界・アメリカの圧力に対しても運動の力が必要と、とにもかくにも第一歩を踏み出した政権が、第二歩になるか否かは運動次第、と話されました。

私たちの暮らしはどう変わるか
 そして、暮らしはどう変わるのでしょうか。現状は自公政権の膨大な赤字のつけを背負わされて、子ども手当、農家戸別所得補償、公立高校授業料無償化、後期高齢者医療制度の廃止などなど、マニフェストの具体化はがんじがらめ状態。少し長い目で待つくらいの国民の度量の広さも必要ではないかと、私は講師のお話から感じました。
 憲法改正では、民主党の見解は(レジュメの抜粋)「『憲法は国民と共にある』という観点から、現行憲法に足らざる点があれば補い、改めるべき点があれば改めることを、国民のみなさんに責任を持って提案していきます。民主党は2005年秋にまとめた憲法提言をもとに、今後も国民のみなさんとの自由闊達な憲法論議を各地で行い、国民の多くのみなさんが改正を求め、国会内の広範かつ円満な合意形成ができる事項があるかどうか、慎重かつ積極的に検討していきます」との構えです。
 自民党よりは聞く耳を持っているようですが、「アメリカの強烈な圧力、特に沖縄基地問題や新テロ対策特措法延長などは、ただちに現憲法を危うくさせる問題」と説かれました。

圧力と勇気を
 最後にこうした動きに対し、私たちは「観客」であってはならないこと。改憲阻止から平和憲法の実現に向けて、民主党に圧力と勇気を与えることが、今私たちのとるべき行動と結ばれました。
 いまわしい歴史を繰り返さないために、同じ思いの人とつながり、発信し続けることの大切さを深く学びました。
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■地域ニュース
女性たちの軽井沢 堀辰雄と立原道造の周辺
中央銀座会

 昨年11月14日、近代文学が花開いた軽井沢を訪ね、女性の視点から学ぶ中央区女性団体研修会に参加しました。バスは一路関越自動車道を走り、やがて上信越道へ。車窓に見える山々は紅葉し、林は落ち葉に彩られ、芝生は草紅葉に色づき、深まりゆく晩秋が待ち受けていました。
 軽井沢高原文庫は堀辰雄の山小屋、与謝野晶子書斎や有島一郎の別荘が点在しています。軽井沢は西洋的な避暑地、別荘地として多くの作家や詩人たちに愛され、相互に影響し合い、文学作品が生まれた舞台になっています。
 折しも「軽井沢と女性作家たち展」が開催され、与謝野晶子や林芙美子、平林たい子など著名な作家の生原稿、手紙など、力強く美しい筆跡が展示され、その人となりが感じられました。今の作家たちはパソコンで文章を書く時代に変わり、後世にその人柄はどのように伝わるのでしょうか。
 午後は、とりわけこの地を愛した堀辰雄の文学記念館=写真=と、油屋旅館を訪ねました。室生犀星や芥川龍之介に師事し、この地を舞台に作品が生まれています。写真や「風立ちぬ」「美しい村」などの原稿も見られ、若い時に読んだ作品です。
 事前学習では、作家の周辺の女性たちは新しい時代を生き、ロマンチックでハイカラ、裕福な階級の女性たちのようでした。早い日暮れをゆっくり受け止め、静かな一日が過ぎていきました。

安全でおいしい秋野菜品評会
わか草婦人会

 葛飾区東京スマイル農業協同組合の第46回葛飾区秋野菜品評会が、12月4日に開催されました。区民審査委員は公募、倍率3倍で9人が当選、谷茂岡正子葛飾消団連会長が審査委員長となり、私も区民審査員として参加しました。
 今年は雨が多く、天候不順、台風、そして11月1日は木枯らし1号が吹き、一番悪い気候となり、病虫害で悩まされた営農者も多かったようです。
 出品はブランドの小松菜41点、おいしそうなブロッコリーは48点、若い人が喜ぶ西洋野菜のルッコラなど全部で320点が陳列されました。特別賞、優秀賞、優良賞の賞以外から、私たちが選んだ区民賞は6点です。
 「食べてみたい。調理してみたい。作ってみたい」などの視点で小松菜、キャベツ、白菜、カブ、ブロッコリー、ジャガイモを選びました。どの野菜も甲乙つけるのが難しい。日常では見られない新鮮で、色つやのよい高級品ばかり、9人の審査員が妥協するのが大変でした。
 昔は、農地も広く農産物もたくさんできたそうですですが、現在は40ヘクタールと少なくなってしまったそうです。品評会には営農者の世代交代で、若い後継者も賞をたくさん頂いていました。
 これからも葛飾区の農業が発展し、自給率アップ、農薬を最少限に、安全でおいしい野菜を私たち消費者に提供していただきたいと思います。
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