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■2010年8月15日付
7・17放射線照射食品反対集会 照射を許さない意思表示 
今年も千羽鶴を献納 「核廃絶・再び被爆者を作らせない」誓いを込めて
複十字シール運動はじまる 複十字シール運動は目的が明確な募金です
消費者行政の活性化と充実を図る行政調査 53区市町村を訪問し懇談
地球温暖化対策の学習会
介護保険制度の基礎知識と上手な使い方を学ぶ
みんなで減らそうかつしかのごみ ごみ減量シンポジウムに参加して
地域ニュース

■7・17放射線照射食品反対集会
  照射を許さない意思表示
80人が参加した7・17反対集会
 オーストラリアで放射線照射されたキャットフードを食べた猫に、異常が発生したり、死亡する事故が続きました。照射食品反対連絡会ではこの事実を重く受け止め、被害者のタニヤ・カミングさんを日本に招き、7月17日、主婦会館の会議室で「7・17放射線照射食品反対集会」を開催しました。会場は80人の参加者で文字通り熱気に包まれた夏の集会になり、東京地婦連からも9人が参加しました。集会では、連絡会が提案する「照射キャットフードは人類への警告である」の声明を採択し、最後に代表世話人を務める飛田恵理子生活環境部長は閉会あいさつで「運動の輪を広げ、原子力委員会に対して食品への照射を許さないよう、意思表示をしていこう」と締めくくりました。
猫に異常発生、死亡も

照射フードで病気になったタニアさんの愛猫
補助具をつけた「コレット」
照射禁止を訴えて活動してきたタニア・カミングさんと通訳の佐久間さん
閉会のあいさつをする飛田生活環境部長
 7月17日の放射線照射食品反対集会では、オーストラリアから招いた、タニヤ・カミングさんの愛猫コレットをめぐる悲しみと怒りの体験談と、それをきっかけにした消費者運動の歩み、とりわけ2009年6月には豪州政府が輸入キャットフードへの照射を禁止させるに至った、という貴重な経験について同時通訳を介してうかがいました。
 100匹以上のオーストラリアの猫たちを襲った、照射キャットフードによる歩行困難などの神経症状の悲劇からは、照射食品が過去の実験で明らかな「発がん促進作用」のみならず、「神経系統へのダメージ」まで発生させたという重大な事実を学びました。
 私たちの抱いていた照射食品の危険性への不安は、猫たちの犠牲で立証されたといっても過言ではありません。続いて食品照射ネットワーク代表の里見宏さんからは、国内の動きなど重要なポイントについてうかがいました。

照射普及に意欲
原子力委員会

 わが国の原子力委員会の最近の動きを見ると、7月6日に平成23年度の原子力関係経費見積りの基本方針を発表しています。
 それによれば「放射線利用の拡大には、安全性や有用性について国民との相互理解活動が重要であることから、利用内容や成果に関する市民との対話の機会を増やすとともに、データに誰でもアクセスできるようにデータの公開のあり方について検討するべきである。国際社会の動向に比較して範囲が限定されている食品照射に関しては、科学的合理的議論を引き続き推進していく」と相変わらず食品照射の普及に意欲を示しています。
 また9月21日まで意見を募集中の、新たな「原子力大綱」(案)でも同様の記述が見られます。今後私たちは、本案についても意見を提出する必要がありそうです。

2010年7月17日

「7・17放射線照射食品反対集会」の声明
照射キャットフード事件は人類への警告である

 照射食品反対連絡会
 代表世話人 和田 正江(主婦連合会)
    同    飛田恵理子(東京都地域婦人団体連盟)
    同    富山 洋子(日本消費者連盟)
    同    里見  宏(食品照射ネットワーク)

 私たちは、オーストラリアで飼い猫が放射線照射されたキャットフードを食べて、脳神経障害を起こしたことから、同国で照射ペットフードに反対して運動を進めてきたタニヤ・カミングさんを招いて「放射線照射食品反対集会」を開きました。
 オーストラリアでは、海外からの新しい菌の侵入を防ぐため、政府は輸入ペットフードへの照射を義務付けてきました。しかし、照射キャットフードを食べた猫が致命的な神経障害を引き起こす事件が2008年から報告されてきました。そのため、豪州政府は2009年6月に、輸入キャットフードへの放射線照射をやめるよう命じました。
 この事件はまさに、日本で水俣病の水銀被害をこうむった猫が最初に死んでいった事件を彷彿させます。そして、もし照射食品が許可され広く消費されるようになったとき、人類へ及ぼす危険性を予見しています。
 すでに、食品に放射線が照射されたときにできる2‐アルキルシクロブタノン類には強い発がん増強作用がわかっていますが、いまだに慢性・発がん性実験もされていません。これらの事実は生命の維持に欠かせない食物に放射線を照射することが誤りであることを明白にしています。
 私たちは、原子力委員会が食品に放射線を照射する活動をやめるよう求めます。また、多額の税金を使いズサンな報告書を作成させ、厚生労働省に無駄な委託調査費を使わせた原子力委員会に対して、その責任を厳しく追及します。本日の集会にあたり、私たちは全国の消費者の皆様に、照射食品に反対する運動を粘り強く続けていくことを呼びかけます
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■今年も千羽鶴を献納
 「核廃絶・再び被爆者を作らせない」誓いを込めて
  「核廃絶と再び被爆者を作らせない、戦争をさせない」誓いをこめ8月1日、東友会が主催する第46回東京都原爆慰霊祭・追悼のつどいに今年も千羽鶴を献納しました。
 第五福竜丸展示館前広場で行った「お花見平和のつどい」から折り始め、各団体からもたくさん事務局に届きました。
 6月22日、役員が全国婦人会館に集まり、願いを込めながら千羽鶴につなげる作業をしました=写真。
 65回目となる今年の原爆忌には、バン・ギムン国連事務総長が8月5日に長崎を訪れて被爆者と面会し、翌6日の広島平和式に参列しました。
 また、アメリカのルース駐日大使、英仏両国からは臨時代理大使がそれぞれ初参列、過去最多の74カ国の代表が集いました。核廃絶に向けて、一歩前進を願っています。
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■複十字シール運動はじまる
  複十字シール運動は目的が明確な募金です
今年の緑十字シール。デザインは安野光雄さん

 今年の複十字シール運動が、8月からはじまりました。複十字シール運動は結核制圧の募金活動と、募金媒体である複十字シールを使うことで、人びとの健康と幸せを願う気持ちを伝えるという二つの意味があります。
 複十字シールは1903年、一人のデンマークの郵便局員が、まん延していた結核について、郵便物に誰でも買える手ごろな値段のシールを張ってもらい、その収益で子どものための結核診療所を作れないかと考えました。これが発端となって運動が世界中に広まり、今では世界80カ国でこの運動が行われています。 益金は、途上国の結核対策にも使われています。どうぞご協力ください。

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■消費者行政の活性化と充実を図る行政調査
  53区市町村を訪問し懇談
 住んでいる町の消費者行政は、どのようになっているのでしょうか、消費者行政活性化基金は有効に使われているでしょうか。消費者行政の活性化と充実を図るため、東京消費者団体連絡センター、東京都生協連消費者行政連絡会が共同して、島しょ部を除く都内の53区市町村に対して消費者行政調査をはじめました。取り組みにあたり、区市町村の消費者行政担当者を地元の消費者団体、生協が中心になって訪問し、行政との連携や参画の様子を情報交換しながら、私たちの住むまちづくりに役立てていこうと、6月、7月で実行しました。出かけ先の日程はそれぞれの地域の団体が責任者団体となって、行政担当者と日程を調整し、訪問日を決めました。
 東京地婦連のメンバーも練馬区を皮切りに握飾区、千代田区、港区、目黒区、渋谷区、中央区、杉並区、東村山市、調布市の訪問に加わって、地域活動の連携を強めました。北区と羽村市は都合がつかず、参加できませんでした。
 訪問先では、活性化基金の活用による区市町村プログラムや消費者センターで力を入れていること、困っていることなどを意見交換しました。
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■地球温暖化対策の学習会
 全国消団連による環境問題に関する学習会が連続して開催されました。7月29日は、政府が6月18日に閣議決定したエネルギー基本計画「2030年に向けたエネルギー政策について‐新たなエネルギー基本計画の策定について」を、経済産業省資源エネルギー庁の笹路健情報企画課長より説明を受け、意見を交換しました。7月30日は、東京都のすすめるキャップ&トレード型の排出権取引について学習しました。
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■介護保険制度の基礎知識と上手な使い方を学ぶ
 東京地婦連では、今年度の事業計画で「高齢者をめぐる介護・医療制度への取り組み」を挙げています。介護保険制度は、3年に1度の見直しがされます。現在は要介護1〜5になると身体介護や生活支援の介護サービスが受けられます。要介護にならない要支援1や2の認定者は、要介護にならないようにするための介護予防サービスや、福祉サービスが受けられます。
 住み慣れた地域を離れずに暮らすために在宅支援・介護には、介護福祉用具レンタルサービス(貸与)や住宅改修にも介護保険は利用できます。
 しかし、「ベッドを借り付属品も諸々合わせると意外と高い利用金で驚いた」「住宅にスロープをつけたが、自由に業者を選べなかった」「自治体が業者を指定する時、入札しているのだろうか」「カタログはたくさんあるが、介護保険適用を隠れみのに高い料金設定になってはいないか」など、疑問を感じ、レンタルサービス料金の実態に関心を寄せています。
 そこで事前準備学習会として7月27日、在宅介護サービスを提供する「スマイルケア練馬」の介護支援専門員で介護福祉士(ケアマネジャー)の安西直美さんを招き、練馬区発行の「すぐわかる介護保険」を教材に、介護保険制度の基礎知識と現場からの上手な使い方について学びました。
 上手に介護サービスを利用するには、利用者の状態にあった選び方をサポートできる、信頼できるケアマネジャーの必要性を強く感じ、情報をよく聞きだし、福祉用具の相談員の助言も参考にして業者を選ぶことが大切とわかり、今後の調査の参考にしていくことになりました。
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■みんなで減らそうかつしかのごみ
  ごみ減量シンポジウムに参加して
ゴミを減らし限りある資材を有効に活用するためには、私たちに何ができるでしょうか=中央が谷茂岡正子リサイクル
 7月6日、かつしかシンフォニーヒルズで、ごみ減量シンポジウムが2部構成で開かれました。1部は講演会、2部は区のリサイクル清掃審議会委員を中心にしたパネルディスカッションでした。谷茂岡会長も委員の1人として登壇しました。
 1部の講師は北野大明治大学教授。テレビのコメンテーターとしてもおなじみです。
 地球の温度15度が、ここ100年で0・74度上昇、それは人間の平均体温に換算すると、2度以上上がったことになり、“だるい”状態であることが分かりました。
 その主な原因となっている、ごみの日常廃棄物が5000万トン、産業廃棄物に至っては1000億5000万トン、そこで排出されるCO2の量がなんと12億トンだそうです。
 処理代も国民1人当たりの負担額が1万6000円、全国トータルで2兆円もの額になることを知り、ごみ問題が待ったなしのがけっぷちにあると理解できました。難しい地球環境について、分かりやすく話してくださいました。

 2部のテーマは「できることから始めよう ごみ減量」。環境カウンセラーの崎田裕子さんが、コーディネーターです。
 谷茂岡委員は、ごみ分別を徹底的に指導した。現在は過剰包装をなくすよう行政、区民、事業者で取り組んでいる。それには交流を持つ機会を作り、発生抑制について考える。消費者も「ノー」といえる意識改革が重要と、生活者として地域の様子を話しました。
 ごみ有料化問題にも触れ、はじめに有料化ありきに、苦言を呈しました。
 ほかのパネリストからもごみの発生抑制に関して、食べ残し、雑誌、紙ごみ対策などについて活発に意見が交わされ、時間が足りなかったような気もしました。
 私もごみを意識して、減量に取り組んでいこうと思いました。
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■地域ニュース
お酢を利かせて 真夏の老人会食会
わか草婦人会

 連日猛暑の日本列島、外出するのも苦痛なほどですが、8月2日に堀切6丁目町会会館で、老人会食会を開きました。
 月1回の会食会ですが、6月に行う予定が谷茂岡会長の入院や諸々の行事と重なり、お休みしていた代わりの会食会となりました。
 連日の暑さなので、当日はさっぱりした食事と栄養を考え、お酢を利かせた五目寿司。旬の枝豆も細かく切って入れました。コロッケとマカロニサラダやキュウリ、ショウガを入れたモズクの酢の物、甘栗入りの白玉ぜんざいです=写真。
 五目寿司のニンジンは小さく千切り、ゴボウは笹がきと、高齢者の口に合うように気を遣った準備です。
全品手作りなので、朝9時にはお米をとぎ開始、正午までみなさん汗だくで働き通しです。
 老人会食会を始めたのは、今から19年前。急速な高齢社会になった平成3年4月から地域活動の一環として、70歳以上のひとり暮らしの人を対象に、月に1回7品目くらいの懐石式の手作り料理です。50人ぐらいの参加者なので、私たちは当番制で8人ずつ担当します。
 昼近くなると暑い中、お年寄りが集まって来ます。谷茂岡会長のあいさつの後、全員でいただきます。あちこちで「おいしい」「どう作ったの」などと、和気あいあいのうちに完食です。食後のデザートは冷たいスイカです。
 「おいしかった」と喜んで帰るお年寄りの笑顔を見ると、私たちの疲れも忘れます。
生ごみは宝だ
羽村市婦人会


 昨年11月の消費者展で「資源Cをめざして」をテーマに、燃やせるごみの減量と生ごみを堆肥化しようと「生ごみは宝だ」をアピールしました。
 その後の反響は大きく、私たちは講習会を2回行って約30人の仲間もできました。集まって体験談や疑問、自慢話などで盛り上がりました。
 そこで大きな動きにしたいと行政に働きかけ、蕨と戸田市の生ごみ処理場と久喜宮代衛生組合を7月26日に訪問しました=写真。
 蕨と戸田市は家庭の生ごみを資源に変える目的で「リサイクルフラワーセンター」と呼び、専用生ごみバケツで持ち込むと花苗と交換する方法で、3Rを提唱して資源化を進めていました。
 久喜宮代衛生組合は平成9年度厚生大臣から「クリーンリサイクルタウン」に選定され「げんりょう(原料・減量)化大作戦」を実施、徹底した分別と堆肥化の推進で21年度は40・3%のリサイクル率でした。生ごみと菌床の攪拌をくり返して積み置きし、6カ月間熟成させる方法です。シルバー人材、身障者の働く場として花苗を育て配布しています。
 このような前向きに活動している市を見学したことは私たちのところも実現の一歩が見えてくるのかと希望を持ちつつ新しい仲間が続いていくことを願っています。
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