婦人時報は年間購読料2000円(送料込み)です。購読希望の方メールで申込できます。

 
■2011年6月15日付
今だからこそ 活かす活動を ― 2011年度東京地婦連総会
地域の力で人と地球の未来を拓く
2011ピースアクション
東京から平和を ― 核兵器廃絶へ
義援金のお礼と報告
国民生活センターの在り方の見直し
国民の近いところにあり続けることが大切
2R推進 ― 容器包装リサイクル法の改正
災害等緊急時の通信手段確保で検討会 ― 総務省
被災地のがん患者にケア用品を
地域ニュース

■今だからこそ 活かす活動を ― 2011年度東京地婦連総会
 地域の力で人と地球の未来を拓く
 2011年度東京地婦連総会は5月16日、全国婦人会館で開催されました。3・11東日本大震災によって私たちのくらしは、大きな変化が現れています。今年度の基本方針には、この大災害からの教訓を得て高齢者、医療、地域の連帯、環境、安全・安心を深く考え、基本テーマ「地域の力で人と地球の未来を拓く」をいまだからこそ、活かす活動が必要であることを認識し、4年目の継続を決めました。重点事業にはブロック会議の開催や高齢者をめぐる介護・医療制度への取り組みなど従来の事業に加えて、「戦争を語りつぐ」DVD・作文集の普及を推進しながら平和運動への取り組み、災害時の婦人会の役割についても力を注いでいくことになりました。
全議案を可決承認

 総会では川島会長が欠席のため、総合司会の山下書記が会長あいさつを代読しました。総会の成立を確認し、議長を図ったところ谷茂岡副会長が指名され、議事が進行されました。
 2010年度事業報告は端山書記、決算報告を中野会計、監査報告を牛木監事がそれぞれ行いました。決算は事業収入の落ち込みもあり、大変厳しいものとなりましたが、承認されました。
 2011年度事業計画案は水野副会長から、同予算案は森谷副会長からそれぞれ提案され、可決されました。
 総会終了後は昼食をはさみ、参加者全員で3・11大震災の「あの日、何をし、何を感じたか」感想を述べ合いながら、被災地の復旧・復興への支援や当面の節電などへ思いをめぐらせました。会員の減少、高齢化の中で活動資金も厳しくなり、予算案の立案には大変苦労が伴いました。
 これからも地婦連活動を継続させていくためには、大都会の中で地域の絆を大切にし、人と人とのつながりを築きあげてきた活動の経験を活かして、全員一丸となり、取り組む必要を感じました。閉会あいさつは水野副会長が行いました。

2011年度事業計画
1 基本方針
 「地域の力で人と地球の未来を拓く」この「基本テーマ」を本年の東京地婦連の根本的な活動理念として、2011年の第一歩を踏み出します。
 この度の1000年に一度と云う未曾有の大災害(東日本大震災)に際し、私共は自然の大きな脅威に対し、なすすべもなく、立ちすくむ思いでした。不幸にも亡くなられた多くの方々のご冥福を切にお祈りし、ご遺族の皆様に深く哀悼の詞をささげます。又、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
 私たちはこの時、今だからこそ、この大災害から大きな教訓を得て、高齢者・医療・地域の連帯・環境・安心安全を深く考え、適切な活動を進める時であると思います。
 具体的には、災害弱者の地域での把握(ロードマップ作り)、避難誘導のあり方、すみやかで正確な情報の伝達方法、ボランティアの育成、避難所の情報、これ等の提言、推進など、地婦連ならではの活動ではないでしょうか。
 今回、原発神話が崩壊し、世界的な事故として各国も注目しています。残念なことですが、これも原発に頼りすぎたエネルギー政策に冷水をあびせました。基本的に反対を表明していた東京地婦連としては、これを機に、抜本的な見直しをはかり、再生可能な自然エネルギーの開発に力を入れてほしいものです。この際は、核兵器廃絶と平和こそ人の生きる道であることを広く国内はもとより世界に呼びかけるチャンスにしたいものです。
 日本のこれからの歩みを世界が注目しています。「日本の回復力と不屈の精神に、気高さや勇気を見出している。まもなく世界はそれを目の当たりにするだろう」(アメリカ、ニューヨーク・タイムズ)。私たち東京地婦連は、未来に大いなる希望を見いだし、新しい地域づくりの実現に尽力しましょう。

2 重点事業
(2011年度テーマ)  「地域の力で人と地球の未来を拓く」
中央集会並びにブロック別協議会
ブロック別協議会を都内2ヶ所で開催
また、その集約の中央集会を年度末に開催する
第57回指導者研修会
地域社会が活力を持つための研修として、災害時の地域婦人会としての責任・役割について等をテーマに9月実施予定。
各部活動の充実をはかる
東日本大震災による諸問題への対応
高齢者をめぐる介護・医療制度への取り組み
DVDと体験文集「戦争を語りつぐ」の普及
活動及び調査
問題によっては実行委員会を設けて推進実行委員会には関係各部から参加するほか、組織外からの参加を求める
▲back
■2011ピースアクション
 東京から平和を ― 核兵器廃絶へ

会場のもよう
 5月23日、東京ウィメンズプラザホールで東京地婦連、東京都生協連、東友会を構成団体とする実行委員会主催、日本生協連協賛による「2011ピースアクション in TOKYO」が開催され、「核兵器の廃絶と戦争のない平和な世界をめざして〜つないでつないで 東京から平和を〜」を訴えて206人が集いました。実行委員会では戦争を知らない世代が多くなった今、「あの日を語り継ぐ」を今回のテーマにしようと準備してきました。今回の東日本大震災で引き起こされた地震、津波、原発事故、風評被害が戦争体験者、原爆被害者の66年前のあの日と重なり合っていました。巨大地震が襲った炎が津波の上に乗って町を襲う有り様や、がれきの山と化した町の映像、さらに人の手で引き起こされた原発風評被害は被爆者や空襲被害者を「あの日」に引き戻しました。証言朗読は明日へのメッセージとなって参加者に深い感銘を与え、平和を願う核兵器廃絶への思いを一層強くしました。
 オープニングのピースコンサートはイングリッシュ・ハンドベルの演奏です。
 メインの集団証言の台本とスライドは、東友会の記録と東京地婦連の「戦争を語りつぐ」の作文集から実行委員会が作成しました。証言には東京地婦連、東友会、朗読は戦後生まれの生協組合員が担当しました。
 東京地婦連の山下さんは国民学校2年の時に北区で何度も空襲を受けたこと、父を残し奥多摩に母と疎開をしていた時は、自宅周辺に火柱が上がると心配で胸が張りさけそうだったと証言、「大震災でも大切な肉親を亡くした人たちの姿をみていると、当時のことを思い出し他人ごととは思えない」と語りました。
 朗読は当時女学生だった川島霞子さんがつづった作文、不自由な生活が知らず知らずの間に忍び寄り、いつのまにか事変から戦争になっていった恐ろしさから始まり、中村悦子さんが練馬の自宅で受けた、東京大空襲の消えない記憶が朗読されました。
 福本悦子さんの作文は、愛犬「アカ」が終戦の前の年に、首に赤いネッカチーフを巻いて肩から日の丸を背負い、軍用犬として日の丸の小旗の中を出征した話を、戦後生まれの人が朗読しました。「孫と千羽鶴を折りながら聞かせています」と福本さん。
 広島と長崎の東京事務所からは広島市長、長崎市長からのメッセージが披露されました。
 参加団体のリレートークでは水野副会長が「戦争を語りつぐDVD・作文集は戦争を知らない、若い世代や平和を考えるグループなどで、ぜひ活用していただきたい」と呼びかけました。
 最後に、「東日本大震災では、被災地や被災された方々を応援するメッセージや義援金が世界中から寄せられています。人類はお互いを思いやるという心の術を持っています。軍事力にたよらなくても平和は作れるという確信のもと、今こそ私たちは世界中の平和を願う多くの人々と手を携え、核兵器や戦争ない平和な世界を目指して一層連携し、行動していくことを強く宣言いたします」と、平和アピールを採択し閉会しました。


イングリッシュ・ハンドベルの演奏

山下陽枝さんの証言
▲back
■義援金のお礼と報告
 東京地婦連が、会員などを中心に募金をよびかけていた東日本大震災の義援金は、77万7440円集まりました。
 全額を5月25日に、全地婦連へ届けました。ありがとうございました。
 全地婦連は5月24日の理事会で、23日の時点で35団体から8127万921円の募金が寄せられていると報告しています。
▲back
■国民生活センターの在り方の見直し
 国民の近いところにあり続けることが大切
 このほど「国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース中間整理」に対する意見募集が行われ、東京地婦連からも左記の意見を提出しました。
 この中間整理は5月13日に公表され、その後東京、福岡の2カ所で公開ヒアリングが行われました。しかし、発言時間は1人3分に限られ、1度発言したら2度目は許されません。
 次々に出された意見に対し、消費者庁の福嶋長官がいろいろと回答されるのですが、質問を曲解したものであったり、まっすぐな回答ではなく、都合のよいところを切り取った発言だったりで、いわゆる意見交換とは程遠いものでした。
 国民生活センターの野々山理事長も回答していましたが、あたかも中間整理案を是認しているかのようなニュアンスも感じられ、参加者は大いに失望してしまいました。
 今回のタスクフォースは、そもそも消費者庁および消費者委員会設置法附則3項に基づいて消費者庁、消費者委員会、国民生活センターを含めた消費者行政の機能強化のための議論をするべきところを、2者の内部だけでの議論を始めたところに、大きな問題があると思います。このパブリックコメントの後、タスクフォースが開かれ、あっという間に結論がまとまるのではないかと、私たちは心配しています。
 いずれにしても法改正が必要であり、国会を巻き込んだ議論になることは必須なのですが、この不安定な政局の中で、みんなの気持ちがよそにいっているうちに、さっと改正法案が成立ということにならないように、目を光らせていかなければなりません。
▲back
■2R推進 ― 容器包装リサイクル法の改正
 昨年、東京地婦連では2R(リデュース=まず減らす、リユース=くり返し使う)を促進する署名運動に協力しましたが、署名を呼びかけた「容器包装の3Rを進める全国ネットワーク」は5月30日、衆議院第2議員会館で「3・11後の省エネ・省資源ライフスタイルを考え、2Rを進めるための検討会議」を開催、集まった署名を出席した議員に手渡しました。
 検討会議では奈良県生駒市の山下真市長が、生駒市のごみ処理基本計画を見直し「捨てることをやめて、循環型社会の構築をめざす」ことを打ち出して、2R促進や自販機削減などの取り組みの実践報告もしました。
 基調講演では石川県立大教授の高月紘さんが3・11後の2R促進に向けて、ペンネームのハイムーン(高月)作のイラストを使い、「大量リサイクルの社会ではなくシンプルライフをしよう、清掃施設づくりのようなハードではなく、ソフトに人が核になるエコ生活で省資源・省エネ型社会へ向かおう」と話しました。
 署名に賛同した団体から発言が続きました。東京地婦連も発言を求められ、「長年行ってきたごみ減量運動や自動販売機撤去運動を行ってきた」ことなどを紹介しました。
 自治体は税金でリサイクル(収集・選別・保管)し、リサイクル業者に渡しています。ごみの高止まりは一向に改善されません。容器包装を減らすことがまず先決で、その働きかけが弱いためです。
 3・11大震災で原発の安全神話は崩れ、ライフスタイルを見直す動きが広がっています。リデュース(減らす)、リユース(くり返し使う)の2Rの推進は、今の私たちにさらにその実感を与えています。
 2Rを推進する容器包装リサイクル法の改正が早く望まれます。国会審議が進まない中ですが、この法改正は遅滞なく進めてほしいものです。
▲back
■災害等緊急時の通信手段確保で検討会 ― 総務省
 東日本大震災で、東京でも全く携帯電話がかからない状況が続き、大変不安な思いをしました。被災地ではなおのこと、重要なライフラインが途絶して、救助を求めたくてもそれができなかった状態は長く続きました。総務省は緊急事態における通信手段の確保の在り方を検討するため、「大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方に関する検討会」を、4月に立ち上げました。
 開催の経緯には、通信インフラは国民生活や産業経済活動に必要不可欠な基盤であり、災害発生時等に緊急通報・安否確認等に係る通信や警察・防災通信などの基本的な重要通信を確保することは、国民の生命・財産の安全や国家機能の維持に不可欠です。
 総務省では、このような重要性を有する通信インフラが東日本大震災で、広範囲に輻輳や通信途絶などの状態が生じたことを踏まえ、(1)被災した通信インフラ復旧のために直ちに取り組むべき事項(2)今後同様の緊急事態の発生に備えて、現行システムや技術を前提として取り組むべき事項(3)技術革新を踏まえて取り組むべき事項‐‐など、緊急事態における通信手段の確保の在り方について検討することを目的として、「大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方に関する検討会を開催します」としています。
 構成員は総合通信基盤局長を座長に、電気通信事業部長と電波部長が副座長、有識者構成員として技術系の大学の先生2人、あとは事業者構成員として、17法人が名を連ねています。
 確かに技術的に通信を確保していくという検討は大切ですが、安否確認のあり方や家族との連絡の取り方など、ユーザー側の意見が実は大切なのではないかと思います。
 ユーザーを置き去りにして政府と事業者、学者だけで本当に緊急時の通信確保が現実にできるでしょうか。東京のような人口密集地帯だけれど、隣の人のことはよく知らないというところ、今回の被災地のように、範囲は広いけれど、一つ一つの集落では密接な人間関係があるところ、遠く離れた親族知人の安否確認をしたい人、それぞれの心に沿った通信手段の確保こそ大切ですし、ユーザーとして何を優先すべきか、何を我慢するべきかもきちんと討議しておくべきです。利用者の意見反映の機会をぜひ、作っていただきたいものです。
▲back
■被災地のがん患者にケア用品を
 6月10日現在、プロジェクトから19カ所の病院にかつら約1450点、帽子約3600点を発送しました。これらの支援品は、送付先の病院施設からの提供を基本に、希望するがん患者のみなさんに無償で使っていただくものです。
 手入れ法が分からない人も多いようなので、発送したかつらと一緒に、ボランティアスタッフ(ボランティアスタッフの患者である美容師の指導により、同じ患者のグラフィックデザイナーが協力)が作成した、「かつらのお手入れ方法」((1)ブラッシング(2)シャンプーの泡立て(3)押し洗い&すすぎ&トリートメント(4)タオルドライ(5)自然乾燥&ブラッシング)を同封しました。
 また、ボランティアスタッフの写真とメッセージを添えて、被災地の病院にニュースレターと一緒に送りました。
 徐々に現地の患者さんの手に渡っているようで、プロジェクトには送付先からお礼のメールや報告が届いています。岩手の病院からは、来院時にターバンをつけていた患者さんがかつらを手にされ、「見違える姿に家族が驚く」と喜んでいた様子です。
 仙台市の沿岸地区からは、「抗がん剤治療を始めたばかりでしたが、津波で何もかもなくし、避難所では毛が抜けるので髪も洗わずにいました。病院でかつらとブラジャーをもらえるなんて…」と、涙ながらのお話なども寄せられています。
 福島の病院では院内の美容院や病院に入っているかつらメーカーにも協力をお願いし、フィッティングを兼ねた配布相談会を開いています。今後も月1回のペースで続けるそうです。6月にはその配布相談会に、プロジェクトメンバーも行くことになっています。
*詳細はこちらのHPへ。
▲back
■地域ニュース
都民クラブ―11年度総会開く

 都民クラブの総会が5月19日、全国婦人会館で開かれました=写真。はじめに水野代表から、ご主人の葬儀参列に対して謝辞がありました。
 10年度の事業・決算・監査報告が承認され、今年度の検討課題として、「会員名簿の掲載についてはプライバシーに十分配慮し、各自注意する」ことを了承しました。
 事業計画では東京地婦連主催の行事に参加・協力を了承、研修行事では美術館見学の希望や「ためしてガッテン」に協力、水野代表のご実家、千葉県神崎町の寺田酒蔵店見学などが候補になりました。
 これらの中から担当者が資料を取り寄せて、みんなが楽しめる目的地を決めます。
 今回金子監査が健康上の理由で退任、犬伏瑠璃子さんが後任に就きました。
 昼食後の懇談はやはり大震災の話で、今後も長い支援が必要と認識、会員から10万円の義援金が集まり、全地婦連事務局に託しました。
 午後は戦争体験を伝える「戦争を語りつぐ」のDVDを観て「若い世代へ語り継ぎ、伝えていこう」と話し合い、和やかな雰囲気のなか閉会しました。
わか草婦人会―23年度総会

 晴天に恵まれた5月26日、平成23年度の総会を開きました。毎年総会には手づくりの記念品が用意されますが、今年はカラフルなエコたわしでした。「どの色がいいかしら」と、皆さんは楽しそうに選んでいました。
 谷茂岡会長のあいさつのあと、22年度の事業・決算報告がありました。老人給食、料理講習会、子育て支援事業のワクチャレ、祭礼、[飾元気野菜地産地消への協力、区消費者展、地婦連、消団連の事業参加など、わか草婦人会の多岐にわたる活動に、あらためて目を見張る思いです。
 2部は青木[飾区長の講演です。3月11日の未曾有の震災に対する区の対応について、次のように話されました。
 (1)当日は区内の小中学校75施設を開放して、1000人余の帰宅困難者を受け入れた(2)災害時協力を締結している県に迅速に救援物資(毛布、ストーブ、レスキューキッチン)などを搬送(3)金町浄水場の放射性物質検出時には、保育園や乳児のいる家庭などに8日間、区の備蓄ペットボトルを支給(4)4月下旬には区長自ら被災地に飛び、雄勝町などの避難所を視察、9000万円余の義援金を寄託
 今後の課題として、大洪水時の浸水対策として高層建物の所有者と避難協定を進めていること、原発事故による区民の不安と要望に応え、23区で初めて放射線量測定を決定したことなど、危機管理に俊敏に対応されている区長に、安心感を抱きました。
 総会は出席者も例年より多く、盛況のうちに終了しました。
▲back