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■2011年7月15日付
北方領土返還都民会議 平成23年度通常総会
啓発に力入れ世論を盛り上げる
川島会長が大臣表彰 運動推進に多大な功績
願いつないで千羽鶴 今年もめぐってくるあの日
検証 福祉用具の消費者事故報告会
安易に誤使用と片付けないで
仏壇の表示規約(案)をめぐって 連載 その1
みんなで銭湯に出かけよう
地域ニュース

■北方領土返還都民会議 平成23年度通常総会
 啓発に力入れ世論を盛り上げる
 北方領土の返還を求める都民会議の平成23年度通常総会が6月21日、ホテルフロラシオンで開催されました。5月にはロシアのイワノフ副首相の国後・択捉訪問、韓国議員によるロシアビザによる国後訪問と、ロシア側の攻勢が報道される中で、国内の返還運動の世論を盛り上げていくためにはさらなる民間の努力が必要とされます。総会は啓発に力を入れていく方針と教育者会議の充実や若い世代への啓発や理解を深める活動方針を出しました。終了後は個人会員としても長年の返還運動の活動を続ける水野英子さんと中野三千代さんに、その貢献に対し独立行政法人北方領土問題対策協会から感謝状が贈呈されました。
パネル展の開催など


北方領土の返還を求める都民会議=6月21日
 総会は、谷茂岡東京地婦連会長代行が主催者あいさつを行い、続いて東京都を代表して中山知事本局外務部長があいさつ。
 来賓の小河内閣府北方対策本部審議官は、「元島民が生きているうちに返還」を切実に感じていると述べ、「国の財源の中で、北方領土問題には啓発が重要と予算を増額した」と話しました。
 北方領土問題対策協会の川名事務局長は、「増額された予算は全国キャンペーンや副教材の作成に力を入れていく」と述べ、「ビザなし交流のための建造船も、来年春には竣工する」と紹介しました。
 総会議事は谷茂岡会長代行が議長となり、原案通り採択可決されました。23年度の事業計画は第30回都民大会の開催、若い世代への啓発、理解を深めるための教育者会議の開催と各種支援活動、都民会議が独自に作成したパネル展の開催などの啓発・宣伝を重点においています。

北方領土問題対策協会理事長から感謝状
感謝状を手に中野さん(左)と水野さん
 北方領土問題対策協会理事長の感謝状は、北方領土返還要求運動の推進に貢献し、推奨すべき功績があった個人や団体に贈られるものです。
 過去にも都民会議理事の方々に贈られてきましたが、今回は個人会員の中から、東京地婦連で長年の活動に多大の貢献があったとして水野英子さん、中野三千代さんに贈られました。
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■川島会長が大臣表彰 運動推進に多大な功績
 内閣府では、北方領土返還要求運動の継続・発展と、国民世論の一層の高揚を図るため、北方領土返還要求運動の推進に貢献された方々の表彰を実施しています。
 今年3月の第15回内開府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)表彰の受賞者には、北方領土の返還を求める都民会議会長を務める東京地婦連会長の川島霞子さんが、長年にわたり返還運動に尽力した功績を評価され決定していましたが、3・11の大震災で授賞式も延期になっていました。
 6月17日、やっと北方領土返還要求運動推進功労者等大臣表彰式が内閣総理大臣官邸小ホールで行われ、枝野幸男北方対策担当大臣から賞状と盾を受け取りました。川島会長はあいにく出席できませんでしたが、都民会議事務局と東京地婦連事務局からも随行し、代理としてご子息が受け取りました。おめでとうございます。
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■願いつないで千羽鶴 今年もめぐってくるあの日

つないで つないで 千羽鶴
 今年もまたヒロシマ、ナガサキに原爆が落とされたあの日がめぐってきます。そして今、福島の原発事故は多くの人々に被曝(ばく)の不安をもたらしています。
 東京地婦連は核兵器廃絶、世界の恒久平和を願い今年も折り鶴を折りました。
 4月の「お花見平和のつどい」は震災後の余震や節電のために中止になり、今年の折り鶴は会員が折ったものだけになりましたが、6月30日に全国婦人会館に集い、願いをこめて千羽鶴につなぎました。
 この千羽鶴は、東友会が7月31日に四谷の主婦会館で行う原爆犠牲者慰霊祭・追悼のつどいで献納します。
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■検証 福祉用具の消費者事故報告会
 安易に誤使用と片付けないで
 今年で14回目を迎える全国消団連PLオンブズ会議の報告集会が、「検証 福祉用具の消費者事故」をテーマに、7月1日午後、プラザエフ5階の会議室で開催され、約70人が参加しました。
事故防止に向けて
さまざまな配慮が必要


会場のもよう
 はじめに、国際医療福祉大学大学院講師の東畠弘子さんが、「福祉用具の消費者事故‐‐その防止に向けて」と題し報告しました。
 福祉用具貸与の指定基準では、事故発生時には市町村、利用者の家族、ケアマネジャーなどへの連絡、事故の状況と処置についての記録を「2年間の保管」と義務付けているものの、「事故の定義がされていない、介護保険で事故情報を一元的に管理する仕組みもなく、関係団体が情報収集し、調査報告をまとめているだけ」と指摘しました。
 「利用者は用具の操作を熟知しているわけではなく判断力、理解力の低下した認知症高齢者が相当数含まれる、本人による事故状況の説明が難しい場合があるなど、たくさんのリスク要因がある。福祉用具の事故防止には、利用者の状態把握、モニタリング、利用者の特性にあった製品製造、分かりやすい取り扱い説明書や見守りなど、さまざまな配慮が必要である」と話しました。
 日本福祉用具・生活支援用具協会の清水荘一専務理事は、協会として(1)消安法の重大事故報告の徹底を実施している(2)製品評価技術基盤機構(NITE)の公表資料をもとに、福祉用具事故情報をまとめて公表、加えて安全確保のために基準策定や改定に力を注いでいる‐‐ことを詳しく紹介しました。
 現在、介護ベッドの訴訟を手がけている杉浦英樹弁護士は、介護ベッドに関連する事故が多発している現状の中、ほとんどの事故が使用者の誤使用として片付けられている現在のNITEなどの事故分析に疑問を投げかけました。
 「誤使用を理由に製品の欠陥が否定されるには、その誤使用が合理的に予期される使用・用途からみて著しく逸脱している使用の態様に限られるべきである。製造業者等にとっては予想される誤使用であった場合には、製造物責任法上、合理的に予期される使用の範囲内にあたる」として、「誤使用にはあたらないことになる」と指摘しました。
 最後に切川卓也早稲田大学助教は、NITEの事故事例データベースから抽出した福祉用具の事故事例を分析した結果、「事故原因が不明、調査不能、消費者の誤使用、不注意とされているものが大半を占めるが、詳細に分析していくと同じ要因で事故が起こっていることがわかり、安易に誤使用と片付けるべきではない。製品改良に結び付けていくべきである」と指摘しました。

事例収集の仕組み
事故情報は極力詳細に


パネリストのみなさん
 後半では4人の報告者に加えて、コーディネーターとしてPLオンブズ会議の中村雅人弁護士が加わり、意見交換を行いました。
 この中で東京地婦連の秋元事務局長が、この春とりまとめた「介護福祉用具使用についての調査」結果の中の安全分野に関して、家庭内介護の中で、ヒヤリハッと事例が多いこと、ベッドの隙間を埋める器具一つとっても、認知度が大変に低いことなどを報告しました。
 会場から、現状では「認認介護」といわれる、認知症の人が認知症の人を介護する状況も多く、製品の適正使用はかなりの配慮がなければ困難。介護に参加しているヘルパーなどが、事故報告を行うと自らの責任が問われるかもしれないとちゅうちょする場面もあり、多くの事例を集めるためには、積極的な収集の仕組みが必要と指摘がありました。
 ほかに事業者として「一人ひとり状況の違う利用者を想定して製品ですべて安全確保というのは困難であり、説明や注意喚起で対応すべきものもたくさんある。製品改善につなげるためには誤使用とされているものについても、どういう状況だったのか詳細を知りたい」として、「NITE等の事故情報には極力詳細な情報を掲載してほしい」などの意見も出ました。
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■仏壇の表示規約(案)をめぐって 連載 その1
 お盆を前に、仏壇の「超特価」あるいは「43〜68%引きのような極端な二重価格」ずくめの広告、「激安特売セール」「総ムク材」などと銘打ったチラシを目にした方もいらっしゃると思います。私の手元にあるチラシ数枚の中には「紙貼り、印刷物を紫檀・黒檀として販売している業者がいますので注意してください」と自社の品質表示の正しさを強調する広告もありました。増えてきたインターネット広告でも品質・価格・原産国等について、不十分な表示内容が大半です(インターネットによる販売自体が、適切かどうかも問われますが)。店頭で目立つ「国産」表示や「銘木」表示も私たちには根拠が分かりません。

新聞の折り込み広告から
 このような状況を反映して各地の消費者センターには数々の相談が寄せられています。業界ではこの6月に、仏壇公正取引協議会を立ち上げ「仏壇の表示に関する公正競争規約」案の作成を急いでいます。業界の表示の現状について、仏壇公正取引協議会では、
 (1)販売商品の材質・品質・製造方法・原産国の誤認を招いたり、これらを偽る者がいる
 (2)家具のように家庭用品品質表示法による表示ルールがなく、仏壇にはそもそも表示がなかったり、販売店によって表示内容がバラバラで大きく異なる
 (3)平均単価が数十万円と高額商品であり、需要数は商圏ごとにほぼ一定のため、販売競争は激しくなりがちである。そのため二重価格・品質や原産地(国)の不当表示、これらに類するセールストークが一部で行われていることは否定できない
 (4)表示の状況がバラバラだったり、行われていない状態では、一部の悪質な事業者に対して景品表示法や不正競争防止法に基づき、不当表示行為を摘発しようにも行為を検証できない
 として、仏壇販売における表示ルール「仏壇の表示に関する公正競争規約」を、消費者の意見を聞いて作成する運びになりました。
 仏壇は、消費者には一生に一度あるかないかの商品知識の乏しい買い物です。しかも価格はピンからキリ(〜1000万円ぐらい)まであり、伝統工芸品の唐木仏壇・金仏壇、その類似品、現代風の家具調ありと、幅広い商品ですから、乱戦模様の業界のみならず、消費者にとっても表示ルールは必要です。
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■みんなで銭湯に出かけよう
 「銭湯」の名で親しまれている公衆浴場の入浴料金は「公衆浴場入浴料金統制額」として知事から検討依頼をうけ、社会経済の現状や今後の見通しを踏まえて、都民生活の安定を図る観点から毎年利用者代表の委員も含めた協議会で公衆浴場の入浴料の上限価格が決められます。今年度も3月から審議がはじまり、このほど「統制料金を据え置く」という結論に達し、発表しました。
 お風呂は今や98%が内風呂で、銭湯の利用者は減って廃業する事業者も増え、地域から銭湯が消えている傾向です。
 業界全体はこのような厳しい状況ですから、毎年入浴料金は料金算定をすると値上げが必要となる試算が出されています。
 今年度も試算によると「大人上限料金で現行450円を20円引き上げる必要がある」と出されました。
 しかし、今回の東日本大震災でさらに日本経済も厳しい状況であり、個人の消費も低迷しているなどの社会状況をふまえて、上限価格は据え置くことになりました。
 この価格は平成20年から大人450円、中人180円、小人80円で変わりません。

10枚つづりの割引回数券も

 業界としては、新たな利用者層開拓の努力として、浴場にシャンプーやリンスを置くサービスや銭湯めぐりスタンプラリー、親子で利用ふれあい入浴券、イベント、エコ入浴など工夫を凝らして、地域とのかかわりを深めながら入浴機会の拡大を図っています。
 この夏は電力不足が危惧されています。私たちもたまにはみんなで銭湯に出かけて、電気や水道の消費を抑える手段の一つにするのはどうでしょうか。
 銭湯には10枚つづりの割引回数券もありますから、みなさんで利用するとちょっとお得。家族のコミュニケーションをはかるきっかけにもなりそうです。
 大きなお風呂で、タイル一面に描かれているペンキ絵の富士山を眺めながら、ゆっくりお湯につかり、日頃の疲れを癒やしてください。その後は、どこかで食事やのどをうるおしながら団らんのひとときをお過ごしください。
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■地域ニュース
「3・11銀座」
中央銀座婦人会


 6月20日に平成23年度の総会を開きました。会は速やかに終え、あの3・11の話題になり、それぞれの体験談がはじまりました。
 自宅にいた人は、「近所の安全な家にみんなで集まり、たびたび起きる余震に備えた。不安の中でもみんなが一緒にいると安心した」と話していました。
 その日私は、中央区の女性センター3階の研修室で会議中。ゆらゆらと揺れ、今までにない体験でした。すぐに職員が来て「ここにいるように」と指示があり、20分ほどしてロビーに下り、ニュースをみて東北地方の地震だと知りました。
 友人の息子さんの車で帰宅、心配して訪ねてくれた友人と一緒に、3軒先の高齢者の安否確認に行き、そこで町会長に会いました。住民が少ない街ですが、緊急時にはみんながお互いを気づかう温かさを実感しました。
 地域の避難場所は銀座中学ですが、この日は帰宅難民が来て、食べ物や毛布を利用しましたが、ここは住民のための場所です。日頃の防災訓練で指摘されていた昼間人口をどうするのか、多くの検討課題が見えてきました。東6丁目はわが家を入れて住民は8人ですが、昼間人口は5000人弱と思われます。
 各企業の災害準備が整っていないと困ります。中学に避難した人たちは「マナーが悪く、帰った後の片付けが大変だった」と聞いています。行政、住民、企業がともに、災害に強く安全な街へむけて具体的な取り組みが必要だと思います。
社会を明るくする運動のフェスティバル開催
豊玉婦人会


 7月2日、61回目の社会を明るくする運動フェスティバルが、練馬駅の平成つつじ公園で開かれました。
 例年通りステージとテントに、各関係団体が参加しました。豊玉婦人会がメンバーになっている練馬区更生保護女性会は、パネル展示と刑務製品、手づくり品、不要品バザーなどを行いました。
 刑務品は特に人気があり、毎回リピーターが訪れます。今年で製造終了になるみそは、あっという間に売り切れ、残念がる声が聞かれました=写真。もう一つ最後だったのがピローケースで、縫製も生地もしっかりしていて安く、人気がありました。
 女性会の人たちの元気な声で品物が売れて、楽しいひとときでした。このフェスティバルも3回目となり、少しずつ広がって参加者も増えています。
 ステージでは小学生の太鼓やブラスバンドの演奏、中学生のダンスなどの演技が披露され、それを見学する父母のほほえましい姿もあちこちで見られました。
 社会を明るくする底辺は、家庭だと思います。こうした光景が見られると、フェスティバルをやってよかったと思いました。
 犯罪や非行を防止して、立ち直りを支える地域の力になれるように、みんなで協力していきたいです。
福島県塙町「応援プラン」研修旅行
わか草婦人会


 東日本大震災から4カ月、特に福島県では地震と津波に加え、原発事故と風評被害で厳しい状態です。
 葛飾区は、福島県東白川郡塙町と防災協定を結んでいます。そこで婦人団体(谷茂岡正子会長)では少しでも塙町を応援できるならと消団連へ声をかけ、飾区民限定でバス送迎付き「塙町応援プラン」の研修旅行を企画しました。
 7月7日、産業経済課の森本課長も同行してバスで区役所前を出発です。茨城県ひたちなか市へ入ったとたん道路はガタガタ、ブルーシートに覆われた屋根は軒並み、水郷線の陸橋は落下状態、がれきや大谷石の残骸があちこちに山積みです。常陸太田市にある竜神大吊り橋前で写真におさまり、本州一の長さを持つ歩道橋を、雄大な渓谷美を堪能しながら歩きました=写真。
 「湯遊ランドはなわの宿」の低温サウナで身体をリフレッシュ、夜の宴会は楽しく過ぎました。この宿も3月11日には被災者280人を受け入れ、現在は10人ぐらいの方が避難されているようです。
 翌日、バスは「道の駅はなわ」へ。風評被害でしょうか、野菜は農家の人には申し訳ないほどの安価で売られています。私もキュウリ、ナス、トマト、インゲン、コンニャクなど、たくさん買いました。
 昼食は、那珂湊おさかな市場でおいしいお刺し身を食べて買い物です。この市場も第1波が4.5メートル、大2波が4.9メートルの津波で、1階の商品やケースなど全部流されてしまったそうです。新品のケースには商品が少なく、北海道や九州産のものが並んでいました。早く地場の魚が、多く並ぶようにと思いました。
 被災地の1日も早い復興を、願わずにはいられません。
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