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■2012年4月15日付
お花見平和のつどい
核のない未来に向かって
学習会 金子勝さんに聞こう話そう、原発のこと!(その2)
放射線食品照射を考える
新しい「原子力政策大綱」に食品への放射線照射を入れないで
消費者行政の取り組み報告・交流会
私たちが住んでいるまちが もっと暮らしやすくなるように
工場見学と表示研修会
食の安心・安全を考える
南三陸町を訪ねて
年数はかかるが、復興に希望がもてる
放射性物質(放射性ヨウ素)に対する浄水器ろ材の除去
低減性能試験に関する報告
地域ニュース

■お花見平和のつどい 核のない未来に向かって
語り継ぎ、心合わせて平和へ

 都内の桜の開花宣言がやっと出て、4月7日に「お花見平和のつどい2012」が第五福竜丸展示館前広場で開かれました。昨年は東日本大震災の直後で中止になったつどいですが、7分咲きの八重紅大島桜の樹は11年たってしっかり大地に根を張り、さらに成長して私たちを迎えてくれました。今年のつどいは「あの日」を背負って生き、伝え、人間としてのたたかいを歩む戦争の被害者、証言者の声に耳を傾け、語り継ぎ、心を合わせて平和へ、希望のあしたへつなげようという構成で行いました。
八重紅大島桜を囲んで広がった平和の輪
愛犬「アカ」を語る福本さん
お花見合唱団の「花」
折り鶴と販売の報告
証言と映像でつづる「あの日から今」

 午前中は館内で証言と映像でつづる「あの日から今」。午後はエンジンの前でピースミュージックを楽しみながらお花見し、あしたへの希望をもとめて、団体からの活動報告を行いました。
 まず東京地婦連の端山さんが、「今日は平和への熱い思いを込めて過ごしましょう」と、開会宣言の呼びかけを行いました。午前中は館内で証言と映像でつづる「あの日から今」。
 戦時下のくらし(東京地婦連)、人類最初の核戦争から生きて(東友会)、第五福竜丸平和の航海(第五福竜丸平和協会)を発表しました。
 戦時下のくらしでは東京地婦連が制作した作文集「あなたに伝えたい私の戦争体験」から、女学生だった水野英子さんが、体育館が軍需工場に代わり勤労奉仕をした理不尽さや、竹やり訓練に翻弄されたことや大爆音におびえたことなどを証言しました。敗戦から67年たった今も、当時隠されていた事実や情報が出てきています。悲惨で恐ろしい戦争体験証言は、これからも戦争を知らない世代へ語り継ぎ、正しく情報を共有し戦争反対をしなければと訴えました。
 福本悦子さんは小学生で親と離れ、祖父母のいる雪国の疎開先での暮らしについて証言しました。ある日兵隊さんがやってきて、近所の人が小旗を振る中で、日の丸を背負って連れて行かれた愛犬アカのことは忘れられない、アカの消息や話題には誰も触れてはいけない雰囲気がただよっていたと語りました。
 あの戦争は一体何だったのでしょうかと、むなしい思いが消えない胸の内を語りながら、愛犬まで戦争に取られていった体験を、子や孫に証言していきたいと話しました。

人間と核兵器は共存できない

 東友会は、広島・長崎の被爆者たちが証言し、「核兵器を作るのも使うのも人間、それをやめさせるのも人間。人間と核兵器は共存させてはいけません」と訴えました。
 第五福竜丸平和協会は水爆実験の生き証人、第五福竜丸のことを展示館ボラティアの皆さんが群読形式で、保存の動きや展示館を訪れた修学旅行の生徒や親子の感想やメッセージを紹介しました。「ビキニのことも、福島のこともみんなの心に重く受け止められていることが伝わってくる。知らない人には心から告げよう。忘れかけている人には、そっと思い起こさせよう。第五福竜丸は核のない未来に向かって航海中です」と結びました。

最近の活動報告も・・・

 そのあとは、ナレーションとともに構成団体の平和活動の写真を映像で映し出しました。館内では最後にお花見合唱団のリードで「花」を歌い、館外のエンジン前広場に出てお花見弁当を広げました。
 加藤ひろあきさんのピースミュージックに耳を傾けながら、少し肌寒い桜の木の下で、なごやかに談笑が弾みました。東京地婦連の折り鶴コーナーでは、一生懸命鶴を折りました。
 エンジンの前では第五福竜丸から平和を発信する連絡会の構成団体が最近の活動報告を行い、東京地婦連の稲葉さんが大きな声で、折り鶴コーナーや販売コーナーの報告をしました。お花見最後のイベントは、全員で、平和な世界を望む心を一つにして「青い空は」を歌って解散しました。
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■学習会 金子勝さんに聞こう話そう、原発のこと!(その2)
本質的な選択肢はどこにあるのか

 3月8日プラザエフで、金子勝慶大教授を講師に迎えて消費者団体主催の学習会が開催されました。3月号に掲載した〈その1〉では「電気料金値上げ問題の背景」には大口ユーザーの燃料費負担分もあるが、むしろ安全性が担保できない不良債権「原発」そのものの維持負担分が大きいと指摘された冒頭の部分を紹介しました。今回〈その2〉では講演の続きの部分、もう一つのポイントである「原発再稼働問題」についてお伝えします。
脱原発への選択肢

 参考までに、停止中の関西電力「大飯原発3、4号機」の再稼働をめぐる最近の国の動きを見ますと、4月9日のニュースは、野田総理、藤村官房長官、枝野産業経済大臣、細野原発事故担当大臣は「関西電力が提出した安全対策の工程表が、政府の新たな安全基準におおむね適合していると判断した」と報じています。
 そして、「重要なことなので、週内に関係閣僚会議を開き、大飯原発の運転再開の必要性について最終的な判断を行う」としています。
 国の原発再稼働の条件の一つが、にわか仕立ての暫定基準による安全対策の実施計画の工程表提出であり、「定期点検で停止していた大飯原発の安全性が確保できた」ということとは根本的に異なります。
 原発事故への不安を抱く国民や、近隣自治体の意思に背いて、政府は安易な再稼働への道を探り始めたというわけです。
 このような昨今の状況に留意しつつ、金子先生のレジュメ「原発という不良債権処理問題」の中から、脱原発への選択肢について抜粋して報告します。

原発再稼働をどう考える?

 東電改革問題には、次の3つの条件を同時に満たさなければならない。第1は経営責任と貸し手責任を問うことである。第2は、原発事故被災者を救済する賠償費用や、除染費用を最大限捻出することである。そして第3は、東電処理を将来の前向きな電力改革と結びつけていくことである。
 東電および財務省によるズルズル国有化路線は、3つの条件のいずれも満たさない。ツケの先送りは、90年代の不良債権処理問題の二の舞となり、「失われた30年」をもたらすだけだ。
 では、東電を破綻整理したらどうだろうか。これが、責任問題という観点からは最もすっきりしている。だが、4兆4000億円に及ぶ電力債は、電気事業法37条で優先弁済が決まっている。破綻整理をしても、この部分が優先的にとられてしまうので、第2の賠償費用・除染費用の捻出は困難になる。
 そう考えると、経営責任と貸し手責任を問うとともに、発送電分離を行い、資産売却と原子力予算の組み替えという方式が、今のところ最も望ましい。
 だが、それでも即時脱原発か漸進的脱原発かという選択肢が残る。原発廃止の速度を速めれば速めるほど、原発=不良債権処理のコストがかさむという矛盾を直視しなければならない。
 まず、即時原発廃止の場合、電力各社が持つ原発を不良債権と考えると、その処理のために一定の国民負担が生ずる。銀行の貸し手責任を問いつつ、税金によって東電の事故処理費用・賠償費用・除染費用を負担することが求められる。だが、この点について十分に踏み込んだ議論はない。
 一方、漸進的脱原発をとった場合、賠償費用・除染費用に関する国民負担は急激に生じないが、一定の原発を再稼働させる以上、安全性をどう確保するかという問題が発生する。この場合、現行のストレステストによって、なし崩しの原発再稼働は許されない。
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■放射線食品照射を考える
 新しい「原子力政策大綱」に食品への放射線照射を入れないで
 内閣府原子力委員会では、新しい原子力政策大綱の審議を進めています。
 照射食品反対連絡会では、2月の原子力委員会委員会長宛てに加えて、3月には新大綱策定会議構成員に向けても、3項目の申し入れを文書で行いました。
 その概要は、
 (1)照射食品の危険性を示すデータはあるが、それを否定できるデータはないので、前大綱の照射食品についての記述は削除すること
 (2)食品衛生法11条で、食品への放射線照射は(原則的に)禁止されている。法に従い照射と照射食品の販売を一切やめることを明記すること
 (3)今後原子力委員会は照射食品の推進を行わない旨を、新原子力政策大綱に明記すること
 以上の3点です。
 なお、現在ジャガイモの端境期(2月〜5月)に当たっており、例外的に認められている、照射されたジャガイモが店先に並んでいないかを点検中です。袋入りで照射表示のあるものを見かけたら、発見日と店名を東京地婦連までお知らせください。
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■消費者行政の取り組み報告・交流会
私たちが住んでいるまちが もっと暮らしやすくなるように
市民と行政の連携の輪広がる

 09年の消費者庁発足以来、地方消費者行政の充実・強化にも力点が置かれるようになりました。そこで私たちの住んでいるまちがもっと暮らしやすくなるようにと、東京消費者団体連絡センターは2010年度から東京の区市町村消費者行政調査に取り組みはじめました。2年目となる「2011年度東京の区市町村消費者行政の取り組み報告・交流会」が3月28日、東京都生協連会館で開催され、86人の参加がありました。
53区市町村にアンケート調査、回収率は100%

 東京都の消費者行政のさらなる活性化を求めて、連絡センターと東京都生協連が調査連絡会を作り、53区市町村にアンケート調査を郵送とメールで実施し、100%の回収をしました。その後、すべての区市町村と、「消費者行政との懇談会」を行うことができました。
 全体のアンケート結果から見えてきたことは、2011年度の消費者行政予算は自主財源での前年比は拮抗している自治体が多くみられましたが、活性化基金を使う予算が最終年度のためと思われますが、増加した自治体が多い結果がでていました。

消費者展など連携協働事業

 取り組み内容は、消費者啓発・教育では学校現場では昨年と変わらない様子でしたが、消費者啓発の担当員は90%強の自治体に配置がありました。消費者相談窓口の利用時間の延長も増えていました。消費者団体との連携協働事業は80%以上の自治体で取り組まれており、やはり消費者展が最多でした。
 国への財政支援の要望も強く、消費者団体や市民との協働の必要性や重要の声は多い結果となっていました。
 それぞれの地域で行った消費者行政担当者との懇談会では、消費者団体からの初めて参加したメンバーも多く、消費者行政や消費者被害の実態を知る機会となったという声が多くありました。
 活動の中で行政と協力していく方法を考える機会となり、地域での生協や消費者団体との連携の輪が広がったと報告されました。

板橋区の「くらしサポート隊」
発表用のフォーマット
行政からの報告も

 行政からの報告では板橋区消費者センターから、消費者リーダー養成講座の修了者で結成している「くらしのサポート隊」が消費者センターと協働して、区内のイベントや公衆浴場などを会場に、悪質商法被害防止をテーマにした寸劇やクイズ、歌などを行っており、実演つきで披露しました。
 八王子市消費生活センターは「消費生活トラブルにあう前に!」のリーフレットを広報紙と一緒に全戸に配布したこと、消費生活基本計画の策定に取り組んでいることなどが報告されました。
 消費者団体からは中央区、杉並区、昭島市での懇談会の様子がそれぞれの責任消費者団体から報告されました。
 最後は参加者がグループにわかれてワークショップを行って、今後の課題や取り組みについて意見を交換し次年度の調査に役立てていくことになりました。
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■工場見学と表示研修会 食の安心・安全を考える
消費者と事業者が同じ立場で考えることが大切

 3月30日に「食の安全・安心財団」が主催する工場見学と表示研修会があり、東京地婦連から2人参加しました。
工場見学
無添加の豆腐一丁寄せ製法

 工場見学は栃木県日光市の太子食品工業へ。青森県に本社がある豆腐、納豆のメーカーです。
 この会社は技術、伝統、自然と融合し総合品質管理体制で、HACCPシステムを導入して無添加に取り組み、水、大豆、にがりだけで作る栄養、風味、うま味も逃さない「一丁寄せ製法」の豆腐を人の手に一切触れないクリーン製法で、賞味期間も長い13日を実現した商品を出荷しています。
 説明を聞いてから、機械で自動的に流れて豆腐ができ上がる工程を見学し、昼食時には作りたての豆腐、ゆば、豆乳などを試食しました。

基調講演

 基調講演は「食品表示制度の動向と食品事業のコンプライアンス」です。食品業界の信頼性向上自主行動計画や5つの基本原則など、食品の表示は消費者との約束。守れない約束はしてはいけない。食と放射能、遺伝子組み換えは絶対に表示すべきである、と話されました。
 「ニチレイフーズ冷凍食品の原料原産地表示」については、冷凍食品の原料原産地表示は、東京都消費生活条例によっても品質表示に関する表示の指定に基づく調理冷凍食品を製造している。
 表示の特徴として原材料規格証明書による原産地管理、データベースにより情報を一元管理、二次元バーコードの利用やホームページ、電話などにより情報案内をしている。
 「原料原産地表示について〜消費生活アドバイザーの視点」では、食の安全性は原料原産地表示で判断できるか、消費者と事業者が一緒に考える機会は重要。表示で何を知りたいのか、何を伝えたいのか、原料原産地や表示で何が分かるのか、安全な食品を買いたい、売りたい、食の安全性への思いは消費者と事業者で共有である。
 この研修会に参加して、食の安全・安心は消費者と事業者がまず同じ立場で考えること。私たちが必要とする安全・安心を守るためにも、正確で分かりやすい情報の提供、表示をしてほしいと思いました。
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■南三陸町を訪ねて
 年数はかかるが、復興に希望がもてる
忘れないで支援を続けよう

 羽村市消費生活センターの運営委員が、被災地の宮城県本吉郡南三陸町を訪れたのは3月初旬のことでした。災害の爪跡も厳しく残っている状態で、女性たちは命は助かったもののすべてを失い、「何もないが、何かしたい」と模索している頃でした。その時に鍋帽子や傘の布で作った袋などをお土産に持って行ったのです。これらを提案して、どんな支援ができるかと考えながら、羽村に帰ってきました。
まだ、こんなありさま
11月に種付けし、4メートルに成長したワカメ。
刈り取ったワカメは海水でゆでる。
テントの中でワカメの茎を取り除く
ミシンを贈ろう

 「ミシンがあれば…」の言葉が耳から離れません。古いものはオーバーホールして使えるように、生地はなるべく多くと、忙しい仲間が時間を割いて、材料を集めました。
 3月28日から30日まで車で出かけ、以前と同様波伝谷地区と切曾木地区へ行きました。28日は波伝谷地区へ。仮設住宅の集会所で待っていた人たちに会いましたが、喜びと感激が伝わり、再び訪れたことで誠意と信頼感を認め合えたすばらしさを実感しました。ミシン2台、ロックミシン1台、傘の布で袋を、鍋帽子を作る布と木綿綿、ミシン糸、重りなどを届けました。
 切曾木地区は夜の会合でした。道路から仮設住宅までの道は街灯1本という暗闇の中、路肩を外さないように運転、行程は不安と恐怖に満ちていました。到着するとみなさん、大歓迎でした。
 この地区ではフクロウのぬいぐるみを作っていて、化繊毛糸のたわしも手がけていました。私たちはお手玉枕を勧めました。ここにはミシン2台とロックミシン1台、生地、そばがらも用意しました。
 みなさん、とっても明るい、それにはわけがありました。昨年11月に種付けしたワカメが4メートルに成長し、刈り取りの最盛期でした。
 男性がワカメを刈り取り海水でゆでる。それを洗い脱水して塩をからませ、隣のビニールテントへ。テントの中では女性たちが茎を取り、長さをそろえて出荷です。
 浜は活気に満ちていました。これからカキ、ホタテ、ホッキと、「年数はかかるが、少しずつ希望が持てる」と漁師は語る。ここで安食のルートにのり買い支えることができました。
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■放射性物質(放射性ヨウ素)に対する浄水器ろ材の除去低減性能試験に関する報告
 東日本大震災が発生し原子力発電所で事故が起こり、放射性物質が飛散し水道水に混入する事態となり、消費者はもちろん報道関係からも浄水器の対応能力について多くの問い合わせがありました。
「市販の浄水器では放射性ヨウ素を除去できるとは言い難い」

 こうした状況に鑑み、浄水器協会として、放射性ヨウ素に関する正確な情報を業界や市場に発信するため、国内外の研究機関、試験機関と提携し、客観的な浄水性能を評価する試験方法を検討しました。また、浄水器規格等の国際的な認証機関であるNSF(アメリカの認証機関)と連携した検討を進めました。
 浄水器協会によれば、「現在市販の浄水器では放射性ヨウ素を除去できるとは言い難い」としています。
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■地域のニュース
谷茂岡会長の米寿を祝う
わか草婦人会


 3月24日大安の佳き日、谷茂岡会長の米寿を祝う会がテクノプラザ大ホールで盛大に開催されました。
 通常女性が開くこの種の会合では、趣味同好の範ちゅうでという規模ですが、この日お祝いに駆けつけたのは総勢200人余り。衆参国会議員はもとより、都区議会議員、区長、行政、病院、教育、商工会議所、各種消費者団体など、多士済済がにぎやかに集いました=写真。
 わか草婦人会から贈った88本の黄色いバラの花束をはじめ、地婦連、町会、団体など、数え切れない花また花で壇上は華やかに埋まりました。さすがに[飾区のみならず東京中を舞台に活動を展開されている会長です。いわずもがなに、その実力を内外に示された結果になりました。
 おいしい食事をいただきながら、楽しい歓談の花もあちらこちらに咲きました。顧みれば会長の活動のきっかけは、ご主人の「君もそろそろ外で活動を!」の一言だったとうかがったことがあります。それから50年余、その間の実績をここに尽くすのは至難です。
 夕刻定時になると子どもたちに帰宅を促すアナウンスが区内に流れますが、これなども会長の実績の一端です。一道に徹してこられたその信念の強さと行動力には、ただ敬服するばかりです。
 しかも会長は剛腕の闘士というよりは周りに人を温かく包み込んでしまう天賦のカリスマ性のようなものがあり、その人間味豊かな人格が、これだけ多くの人を惹きつけ長きにわたって引っ張ってこられた要因ではないでしょうか。
 先哲の言葉に「蒼蠅驥尾に付して千里を致す」とあります。私も谷茂岡会長という駿馬の尾に付いて千里を渡りたいと願っています。会長はこの「米寿を祝う会」を機に、さらなる縦横の活躍をされることと思います。
富士山を見に行こう
やはた婦人会


 今年の旅行は「富士山を見に行こう」ということになり、3月30・31日に28人で富士山温泉鐘山苑に行ってきました。この宿は2万坪もあり、お庭もお風呂も最高です。

 富士の山 夢に見るほど
 果報なれ 路銀もいらず
 くたびれもせず

 江戸時代の川柳です。
 今、私は湯船につかりながら富士山を眺めています。ぜいたくな露天風呂です。
 凛とした富士、雄大な富士、裾野を見渡せ、遮るものが何もない。こんな美しい山はほかにない。思わず両手を合わせて拝んでしまう。みなさん、感嘆の声をあげていました。日本人に生まれてよかった。
 高校生の頃、富士吉田口(1合目)から登りました。50年も前です。その頃はバスも通っていないし、でも登りました。お鉢まわりをして、ジュースを飲んだのを覚えています。須走で下山しました。還暦を迎え、また登りました。バスで5合目まで行き、それから登ったのですが、8合目でダウン。そこで泊まりました。荷物持ちの息子は山頂まで行きました。
 湯船から富士山を眺めて、昔のことを思い出していました。宿の料理も太鼓ショーもよかつた、何も言うことはありません。翌日は雨に降られ、バスの中で乾杯ばかりしていました。
エンディングノートを
中央銀座会


 中央区女性団体研修会が3月3日、区役所大会議室で開かれ、参加しました。講師はファイナンシャルプランナーの安田まゆみさんです。以下、その要旨です。
 日本は高齢社会が進み、2025年には介護を必要とする認知症の高齢者は10人に1人になります。そこで残りの生涯を自分らしく生きていくためには資金、健康状態、家族、友人などさまざまなものが必要です。現状を把握し、財産管理、介護、終末医療、葬儀の方法や身の回りの物の始末、預貯金や資産の相続などまとめて書き残します。これが生前整理になります。今話題の「エンディングノート」です。
 実践では、(1)気がかりのことややり残している大切なことを書き出す(2)エンディングメッセージでは、財産管理方法、死後の身の回り品の処分、感謝の気持ちを伝えたい人へのメッセージ(3)自分のプロフィルなど‐‐たくさんあります。
 安田さんの講演は暗く湿っぽい内容ですが、90人を超える参加者は明るく楽しく、笑い声も出る雰囲気になり、実りのある会になりました。
 しかし、この記事を書いていると、必要なことと思いながらも「私はここにいない」と考えると寂しくなります。けれどこうして生きていられるのは家族の助けがあり、日々の友人たちとの豊かな交流や支えがあると思い、勉強だけでなく実際にノートに書き込み「人生設計」して、みなさんに感謝しなければと実感しました。
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