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■2013年1月1日付
年頭のごあいさつ
下町のぬくもり伝えて
東京地連指導者研修会 テーマはエネルギー問題
カードの危ない話 消費者被害に遭わないために
 ブロック会議2012 in かつしか
地域ニュース

■年頭のごあいさつ
小さな運動、地味な活動 みんなのちからの輪が大切です
希望を持って前向きに

特定非営利活動法人 東京都地域婦人団体連盟
 会長 谷茂岡正子

 新春を迎えお慶び申し上げます。昨年は関東ブロック会議を担当し、無事盛況裏に終了することができました。意義ある任務を果たせたこと、ご参加の皆さまに心より感謝しお礼申し上げます。
 さて、百年に一度の未曾有の大災害、内外で自然災害が頻発し、政府の方針が明確でないまま、新しい年を迎えてしまいました。
 私たちは心をひきしめ、今年こそ、希望に満ちた一年になるよう期待しましょう。
 東京地婦連は「地域の力で未来を拓く」をテーマに、暮らしを見つめ直し、今までの活動を踏まえ、多岐にわたる生活の問題を解決するために努力しています。

大切な地域のつながり
 東日本大震災で得た教訓、地域のつながりの大切さはますます増してきています。私たち地婦連が、その中心で活動していくことの重要性を十分に認識しながら、組織の拡大、若い会員の獲得、幅広い年齢層の会員の声をどう活動に反映させていくかなど、課題は山積みだと認識しています。
 今回の関東ブロック会議では、エネルギー問題、北方領土返還運動、消費者問題を取り上げました。原発や新しいエネルギーへの取り組みや領土問題、暮らしを脅かす悪質商法との戦いなど、大変に関心の高い問題でした。
 エネルギー問題は、基本原則は生命の尊重、環境・社会・経済の持続可能性、今後は「環境・社会・経済の持続可能性」を最上位にパラダイム転換を考えなければいけない、難しい問題です。皆さまと意見交換しながら、関東地区の地婦連としての結束を固めていくことができれば幸いです。
 昨年5月に、消費者支援功労者表彰で内閣総理大臣表彰を東京地婦連が受けました。地味な活動をしている私たちがいただけたことは初めてです。図らずも私が代表で謝辞を述べました。
 その時の総理は祝辞で、「すべての人は消費者です。社会で生活している限り、さまざまな消費者問題に直面する。いま消費者行政の司令塔となる消費者庁が発足した。消費者の立場にたって、消費者行政の基礎づくりを加速させているが、消費者が主役となる社会実現のためには行政だけでなく、消費者団体や皆さんが連携を深めて、住民の輪、地域の輪を拡げることが大切だ」と話し、痛感いたしました。
 私は小さな運動、地味な活動、みんなの力の輪が大切なので、生きている限り、寝たきりにならないためにも、少しでも希望を持って前向きな生活をしようと思っています。
 国の消費者政策の監視をしながら、今年も頑張っていきましょう。
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■下町のぬくもり伝えて
 子どもの成長を祝い、季節に合わせてつくる行事体験は、日本の伝統文化や世代間交流を深めます。人のぬくもりや温かさ、地域に残るお正月を迎える年末風景 ―― 子ども夢基金助成事業では「親子でつくろう! 季節の味 in 家庭のキッチン ― 行事食編」を製作中です。

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■東京地連指導者研修会 テーマはエネルギー問題
 今年度の指導者研修会は昨年11月21・22日に、栃木県日光市の鬼怒川温泉で開かれました。上野に集合した参加者20人は、バスで日光に向けて出発しました。順調に走り、宇都宮から日光への自動車道路周辺は、まるで私たちを歓迎するように見事な紅葉で、思わず歓声があがりました。日光東照宮の門前で昼食をとり、会場の鬼怒川温泉ホテルへ向かいました。
テーマはエネルギー問題=11月21日
 研修テーマは「エネルギー問題について」。司会は谷茂岡会長です。全員から多くの意見が出ました。例えば、(1)地産地消のエネルギーを(2)人が歩くとできるエネルギーを、電気に変える技術を進めてほしい(3)省エネ学習を小学生から ―― などです。

 その結果、省エネの生活を見直し、原発の問題からもう一度考える一つの方法として、「アンケートをとって東京地婦連の考え方を決めていく」と決議され、担当は生活環境部と消費経済部に決まりました。続く定例会では伝達事項などがあり、午後の日程は滞りなく終わりました。
 夜は、お楽しみの夕食と懇親会です。おいしい食事とおしゃべり、そしてカラオケで和やかなひとときを過ごしました。その後有志で、関東ブロック会議の時に記念品として参加者に配られたカードケースの作り方を、やはた婦人会の鈴木文子さんに教えていただきました。それぞれ満足する物が出来上がり、よいお土産になりました。材料から道具類まで準備してくださって、感謝しています。

自宅に着くまでが研修 ―― 合言葉に


みんなでカードケース作り

恒例、朝のラジオ体操
 翌日は朝7時に、研修会恒例のラジオ体操。朝食後ホテルを出て、道の駅矢板で地場産の野菜などを買って、那須烏山市の龍門の滝と太平寺を見学しました。ちょうどお腹もすいた頃、益子の窯元で昼食、買い物をして、予定どおり上野に到着しました。「家に着くまでが研修」を合言葉に、みなさん、無事に帰宅しました。
 今回の研修旅行は、関東ブロック会議の慰労会も兼ねて行われました。日程はゆったり、そして無事故で楽しく、しっかり研修した1泊2日でした。

参加者の声

「原発ゼロ」で夕刻まで話し合い

 1泊2日で、鬼怒川観光ホテルで開かれた指導者研修会に参加しました。上野をバスで出発し、右にスカイツリー、左に隅田川、そして高層ビルを眺めながら、車中にはおしゃべりの花がいっぱい咲きました。
 気づくと周りの景色は一変し、雄大な山々が広がっていました。「昼食は日光」とのことで一般道に下りましたが、好天に恵まれ紅葉の美しかったこと、歓声があがりました。
 ホテルに着き、4時から会議です。関東ブロック会議の反省や、私たちには難しく思える「原発ゼロ」にするには、どんな代替エネルギーがあるのか、私たちの身近でできることはどんなことかなど、5時過ぎまで話し合いは続きました。
 夜の懇親会も楽しく、名刺入れの講習会もよかったです。何よりも今回は、行程もバスもゆったりで、みなさんとも仲良くでき、有意義な研修会でした。
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■カードの危ない話 消費者被害に遭わないために
 ブロック会議2012 in かつしか
 今年度のブロック会議2012は、第1弾として城東・郡市・中央城南地域の役員が担当となって12月4日、葛飾区ウイメンズパルで「消費者被害に遭わないために〜カードの危ない話」をテーマに、日本貸金業協会から講師を招き、開催しました。一般財団法人全国婦人会館と共催です。消費者月間事業の協賛も受け、消費者被害の現状とクレジットカードのトラブルや多重債務者の救済の難しさについて学習しました。
ローンカードはすべて借金


カードで消費者被害に遭わないために

谷茂岡会長の挨拶
 谷茂岡東京地婦連会長のあいさつの後、来賓の青木葛飾区長からあいさつを受け、日本貸金業協会の遠藤清一企画調査部長と島貫正人貸金業相談・紛争解決センター部長から、お話を聴きました。
 今やカード社会、財布の中はカードだらけ、持っていない人はないでしょう。しかし、ローンカードは2者間の契約、クレジットカードは3者間の契約で、これらはすべて借金なのです。
 割引きやポイントがたまるなどの特典はありますが、どの借金がどれだけ減っているか分かりにくい。最近は支払い明細にリボルリング(クレジットカードやキャッシングサービスの月間利用限度枠を設定し、毎月一定額か一定比率で返済する方式)のあまい誘いが入っていて、惑わされます。そうして借金をしているという感覚が、薄れてきます。お金を借りたら利息を払って返済するのは当然。この観念を意識することです。
 また、悪質業者の被害に遭わないために、甘いキャッチフレーズやうまい話はまず疑ってみること、カードの貸し借りは絶対にしない、明細書や利用の控えは保管して不審な点は確認すること、気づいたらすぐ相談するように。
 もし、悪質商法の被害に遭ったら、(1)家族と話し合う(2)クーリング・オフ制度を利用する(3)相談機関や警察に相談する――こと。
 多重債務者の増加は、深刻な社会問題になっています。2006年12月に改正貸金業法が成立・公布され、総量規制や上限金利の引き下げなど、10年6月に完全施行されました。
 カードは身近なもので、参加者の感想もたくさんありました。
 「バッグに入っているカードもスキミングされることがあると分かり、バッグの取り扱いにも気を付けよう」「カードのサインも自分流のサインを考えたい」
 「具体的な事例で分かりやすかった」「多重債務やヤミ金は縁のないものと思っていたが、苦しんでいる人が多いのに驚いた」「便利なカードの使い過ぎに改めて気をつけよう」「カードを正しく使うことの大切さを、小中学校の授業で、ぜひお願いしたい」などでした。
 この学習でカードの持つ便利さや怖さを知り、自分自身をしっかり見て意思表示をはっきりすることの大切さを学ぶことができました。
 「ノー」と言える自分になることも大切ですが、地域で婦人会や消費者団体のネットワークを生かし、多重債務やトラブルで困ったときの生活再建の支援のカウンセリングを行う、紛争解決窓口の周知が必要だと思いました。
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■地域ニュース
檜原村を訪ねて 中央銀座会

 中央区女性団体研修会と檜原村の女性たちとの交流会が、11月20日に檜原村で開かれました。
 2006年に、区は広域的な地球温暖化対策として、檜原村に「中央区の森」をつくり、森林保全と間伐材の有効利用、炭焼きなど子どもたちの体験学習が行われています。東京都海外視察団でご一緒した友人が活動している村でもあり、ご縁のあるところです。
 村の総合福祉施設やすらぎの里で温かく迎えていただき、交流会ははじまりました。江戸時代から現在に至る村の貴重なお話を、八田野教育長からうかがい、地元を愛する姿勢が感じられました。
 続いて双方の女性たちから活動の取り組みが発表され、相互理解が深まりました。橋本旅館の楽しい食事会では、地域の暮らしなどについて会話も弾みました。
 このような交流会が初めて開かれ、本当によかったと話されています。村の文化協会のコーラスグループ「ファー・モニーイ」は、素晴らしく心に響きました。最後に再会を誓い、「四季の歌」を歌いました。
 帰路には川合玉堂美術館で絵画を鑑賞、秋川渓谷の鮮やかな紅葉が心に残る一日でした。

餅つき大会 わか草婦人会

 12月9日に町内の餅つき大会があり、婦人会も全面的に協力しました=写真。
 前夜に40キロのもち米を16の鍋に分けて水を張り、アズキは一斗缶で購入して、砂糖を加え、つや出しします。
 きな粉1キロ、ノリ100帖、申し込み者は250人、当日の参加者も見込んで300人分を用意し、町会から50人、わか草婦人会から20人の態勢で臨みました。谷茂岡会長の提案で、箸休めにカブとキュウリの一夜漬けをたっぷり用意しました。
 恒例の餅つき大会ですが、今年は東京地婦連の事業として、桜映画社の「親子でつくろう季節の味in家庭のキッチン 行事食編」の製作に協力しました。
 町会会館の前庭では、午前9時過ぎからペッタン、ペッタンと杵の音が響き、子どもたちの歓声と大きなカメラも動く中で、緊張気味の餅つき大会でした。
 都会の家庭では滅多に見られなくなった餅つきに、子どもたちは大喜び、「おばさん。しょうゆの餅、メッチャおいしかったよ」「あら、よかったね。たくさん食べてね」などと、何気ない会話に行事食の継承のカギが潜んでいるのだと思うと、地域のお母さんである婦人会の役割は重要だと、あらためて痛感しました。
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