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■2013年1月15日付
きれいな空気を取り戻そう
 住みよい生活環境を次の世代に引き継ぐ
国政選挙へ向けて 各団体がリレートーク
 9条フェスタ市民ネットの会
食品安全委員会の隠ぺい体質
 黒で塗りつぶされていた照射食品安全性解析報告書
電力設備周辺の磁界測定結果を公表
ワンワールド・プロジェクト
 物資の提供に加え、心のサポートに重点
地域ニュース

■きれいな空気を取り戻そう
 住みよい生活環境を次の世代に引き継ぐ

第70回大気汚染全都一斉測定
11区1市124カ所で東京地婦連会員が測定

 大気汚染測定運動東京連絡会は1976年から、都内の団体や個人のネットワークが参加して、きれいな空気を取り戻し、住みよい生活環境を次の世代に引く継ぐためにと、大気汚染測定調査を6月と12月行っています。東京地婦連は立ち上げの時から、幹事団体として加わりながら会員の自宅前の道路や、周辺の気になる所を継続して測定してきました。昨年12月6日から7日にかけて、11区1市の124カ所(有効測定数115カ所)で行った測定結果をお伝えします。
0.056PPM(汚れている)が2カ所

 測定日の6日〜7日は晴れでしたが、6日の夕方はやや強い北風も吹きました。翌日はあまり風は吹いておらず、空気は乾燥していました。115カ所の中で、一番高い数値を出したところは2カ所あって、0.056ppm(判断基準=汚れている)でした。
 1つは毎回高い数値が出る新宿区内で、明治通りと早稲田通りの交差点の幹線道路にありました。ここで毎回調査している会員からも「車の往来が激しい」と感想が届いていましたが、「やはり」という数値が出ていました。
 もう1カ所は練馬区の住宅地道路。測定者から「豊島園から目白通りの幹線道路に出るために使われる迂回路になっています」と報告がありました。次に高い数値を出したのは、相変わらず中央区にあり、晴海通りの幹線道路の0.043ppm(判断基準=汚れている)でした。
 23区と比べ、多摩地域の空気はまだ数値が低いといわれていましたが、その差はだんだん縮まっており、羽村市での平均値は0.027ppmの「少し汚れている」です。最高値の0.043ppm(五ノ神3丁目の幹線道路)は、中央区の晴海通りの幹線道路での測定値と同じでした。
 判断基準の「あまり汚れていない」とする測定場所が、世田谷区上北沢地域の中にありました。有効測定数は5カ所ですが最高0.019ppm、最低0.018ppmと低い数値です。維持される環境を望みます。
 これまでは、全都的にNO平均値は表のように推移していますが、ここ数年間は改善傾向がみられますが引き続き監視しましょう。
 今回の第70回全都一斉測定調査の全都報告会は、4月初めに開催される予定です。

ぜん息医療費助成制度後退の懸念も

 大気汚染東京連絡会では、この調査を活用しながら行政や国に対し、ジーゼル車排ガスの規制など改善の要望をし、東京大気汚染公害裁判を支援し、成果は2008年8月からぜん息医療費助成制度が開始されることになりましたが、5年目になる今年は制度の見直しがあり、後退が危ぶまれています。
 環境省は「排気ガスを吸う量が増えると喘息になる可能性は高まる」と因果関係を認めています。
 身近な空気の汚れをを調べ、自分たちで確かめ、きれいな空気を取り戻しましょう。

判断基準
 ▽0.020ppm以下=あまり汚れていない。
 ▽0.021〜0.040ppm=少し汚れている。
 ▽0.041〜0.060ppm=汚れている。
 ▽0.061ppm以上=大変汚れている。

 国の環境基準は、「人の健康の保護および生活環境を保全するための維持すべき濃度」として、1978年に「0.040ppmから0.060ppmのゾーン内またはそれ以下」と、以前の0.020ppmより高い値に定めています。
 最近は、この環境基準以下のところで生活していても、ぜん息などの呼吸器の病気にかかる患者が多いことが報告され、見直しが必要とされています。
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■国政選挙へ向けて 各団体がリレートーク
 9条フェスタ市民ネットの会

平和憲法と原発を中心に

まず、投票に行こう。大井町駅きゅりあん前で呼びかけ=12月13日
 9条フェスタ市民ネットの会は昨年暮れの12月11日に新宿駅南口で、13日にJR大井町駅中央口きゅりあん前で、16日の衆議院議員総選挙の投票日に向けて、「投票に行こう! 原発はいらない! いのちとくらしを守り、戦争への道に反対する候補者を応援しよう!」と、街頭で呼びかけチラシを配りました。夕方の駅前は、立候補者の選挙演説ラッシュ、場所を確保しながら各団体のリレートークで、道行く人に訴えました。
平和で安心して暮らすために あなたの1票を大切に

 東京地婦連は「私たち国民の、唯一意思表示できる大切な1票です。まず、投票に行きましょう。長きにわたる政権のもとで『安全神話』を振りまいてきた結果は、取り返しのつかない放射能汚染被害をもたらし、大勢の被災者が苦しんでいることです。さらに大飯原発を再稼働し、輸出までしています。平和で安心して暮らせる国を、任せられる人に投票しましょう」などと、各団体のリレートークで訴えました。
 12月16日、選挙は終わり、投票率は59.32%と、憲政史上最低という結果でした。どうぞあなたの1票を、大切にしてください。

9条フェスタ市民ネットは「ストップ・ザ・汚職議員の会」と「憲法9条・世界へ未来へ連絡会」などで構成する市民ネットです。
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■食品安全委員会の隠ぺい体質
 黒で塗りつぶされていた照射食品安全性解析報告
 照射食品反対連絡会は、昨年12月6日に民主党の大河原雅子議員、食品安全委員会、厚生労働省の出席を得て、院内集会を開催しました。その背景ですが食品安全委員会が「自ら評価」のための研究として、平成21〜23年度に大阪府立大の古田雅一さんに「アルキルシクロブタノン類を指標とした照射食品の安全性解析」について委託した報告書が、24年の8月下旬になっても情報公開されなかったことに端を発します。
 私たちは8月28日付文書で、前の内閣府特命大臣の松原仁氏宛てに「食品安全委員会へ情報公開の申し入れ」を行うとともに、国会議員にもこれらが照射食品の安全性にかかわるデータであることを伝えました。
 食品照射ネットワーク(里見宏代表)の調べでは、国会議員の大河原雅子さんが資料請求したところ、提出された報告書は六部236ページから成り立っているもので、そのうち半分以上の127ページ(53.8%)が黒塗りされていました。
 前文などを除いた「結果」部分が、ほぼ全部黒塗り。特に動物を使った有害性の実験は84.2%が塗りつぶされていました。
 一番塗りつぶしが少ないのは、放射線による生成物の定量法で、2.4%が塗りつぶされていました。しかし、この研究はすでに厚労省が分析法を定めており、この研究自体に研究費を出す必要がなかった内容と考えられます。食品安全委員会は黒塗りの理由を、「学会誌等に公表するまでという研究者の意向」と説明しています。
 内部では6月28日に調整会議が開かれ、7月23日に「食品健康影響評価技術研究課題の事後評価結果について」が、食品安全委員会の委員長に提出されました。これまでの異常があるという実験を否定した内容です。この報告書の結論は「有用な研究である」と、評価されていました。
 そこで「なぜ報告書の中心となる実験結果のデータ部分が黒塗りなのか」関係者に尋ねるために、院内集会を開催したものです。
 食品安全委員会は黒塗りの理由として、古田氏が「公表は学会誌などに発表してから…」と言っていることのみを挙げました。
 東京地婦連から「実験結果そのものは厚生労働省など外部の関係者には公表したのか」と問いただすと、厚生労働省からは「報告書の概要のみしか知らない。実験結果のデータ部分は見ていない」という不可解な回答でした。
 「定例会で黒塗り問題を報告すると、出席者はあきれて、目を丸くしていた」「私は今日の集会の内容を帰って伝えるが、食品安全委員会内部の人しかデータを見ていないのであれば、黒塗り部分の改ざんがあり得ることになる」「食品安全委員会は委託調査の報告書を公表しないままで、有用な研究と評価するならば、本来の役割から道を踏み外しているとしか言いようがない」と述べました。
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■電力設備周辺の磁界測定結果を公表
 昨年の8月から10月にかけて、国は2011年10月に導入した電力設備から発生する磁界規制値(国際非電離放射線防護委員会の規制値)200マイクロテスラに基づき、JIS規格(C1910)に準拠した3次元磁界測定器を使い、国際規格(IEC62110)に準じた測定方法で、全国5カ所で磁界測定を行い、その結果を12月に開催された電磁界の健康影響に関するシンポジウムで公表しました。
 対象となったのは送電線(地中を含む)、配電線、変電所、路上変圧器、ケーブル立ち上がり箇所をはじめ、人の往来の多い箇所、住居への引き込み線なども電磁界の理解を深めるために測定範囲に含まれます。
 設備周辺の磁界について、距離や時間による変化を測定した箇所も中にはあります。基本的には高さ3点と3点の平均、距離は20センチ離れた位置が原則です。
 詳細は次回にお伝えしますが、全体的にはいずれの測定結果も規制値に比べ十分に低い値で、電力設備からの距離が離れるほど、磁界は小さくなっているのが特徴です。
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■ワンワールド・プロジェクト
 物資の提供に加え、心のサポートに重点

2年目の活動報告

 東日本大震災から、1年10カ月が過ぎました。大震災直後から取り組んだ、ワンワールド・プロジェクト。2年目を迎えた2012年度は「物資の提供」による支援に加えて、心のサポートに重点をおいた活動を展開したいと、取り組んできました。
支援物資の募集・提供

 医療用カツラやケア帽子など、がん患者さん向けの支援物資を募集し、各病院へ送付。たくさんのご協力をいただきました。
▽第5次=7月2日〜6日
▽第6次=11月5日〜9日

帽子を作ってしゃべろう会(仮称)の開催準備

 物資を送っている病院で、ケア帽子の作り方を学びながら、患者さんがおしゃべりできるようなサロン的な集まりの開催準備を進め、地元のタオル帽子の会の方の指導で、タオル帽子づくりに参加しました。
 東京でも2回、ボランティアの皆さんと「タオル帽子作りにチャレンジの会」を開き、実際にタオル帽子を作成しました。支援物資の募集の際に、タオル帽子作成用のタオルも募集しました。

その他

 7月には、ウイッグメーカー(株式会社アデランス)の協賛を得て、「お手入れ支援サービス」がスタートしました。
 ワンワールド・プロジェクトからカツラの提供を受けた方のウィッグを対象に、同社東北6県の15店舗で、12年7月1日〜14年6月30日までの期間中、ウィッグのお手入れなどのサービスを、通常価格の半額で受けられます。

関連情報

 ワンワールド・プロジェクトの支援物資受け入れ先のひとつ、福島県立医科大が「FUKUSHIMA いのちの最前線 東日本大震災の活動記録集」と題して、震災後の記録を本にまとめました。
 ワンワールド・プロジェクトについても本の中で触れ、その電子ブック版はホームページ上で公開されています。
http://www.fmu.ac.jp/univ/chiiki/dbook.html

◇  ◇  ◇
 昨年、事務局スタッフが、岩手、宮城、福島の病院に行ってきました。東北各地でも「復興」と「自立」に向けた動きが進んでいるようです。
 しかし、まだまだ震災の爪痕が残る中、プロジェクトの取り組みをとおして東北のがん患者さんのためにと、お心遣いをしてくださる方がいて、患者さん、医療者の皆さんの力強い後押しになっていることを実感してきました。
 3月には、震災から丸2年を迎えます。少しでも力になれればと、活動を続けています。第7次は5月に行う予定です。
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■地域ニュース
お楽しみ会 わか草婦人会

 暮れの12月25日に南綾瀬地区センターで、「東綾瀬小学校わくわくチャレンジけやきの子(地域の有志とわか草婦人会が担当して、放課後の子どもたちを見守る事業)のクリスマスお楽しみ会」を開きました。
 集まった子どもたちは60人、行政、学校、地域の議員などの来賓とともに、大勢でにぎやかな会になりました。
 例年のように手品の先生の演技を見て、全員でロープを使った手品を私たち婦人会が指導しました。すぐに覚えてニッコリする子、友だちにも教えてうれしそうです。
 続いてボードゲーム=写真。このゲームは私たちの消費生活展40周年と握飾区政施行80周年の記念事業として制作。区の地図を入れ、地域、生活、環境、安全をテーマに小学生向けの消費者教育用体験型すごろくです。
 7グループに分かれてゲーム開始、さいころを振って止まった所で「環境」のカードを引き「ゴミの分別はしっかりやろう」と大きな声で読む子、「ぼくはいつも手伝って、ぶんべつしてるよ」とか、「自転車の二人乗りはやめよう」に、すかさず「おまえ、二人乗りするなよ」と言う子。「地域」カードでは「堀切菖蒲園で花を見ていたので1つ戻る」など、ゲームに会話が弾み、楽しみながら育んでいる様子をうれしく思いました。
 あっという間に時間は過ぎてしまいましたが、参加賞や記念品を手に子どもたちは満面の笑み。この会は私たちスタッフの寄付で毎年開いていますが、子どもたちの育成のために、まだまだ協力し、続けていきたいと思います。
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