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■2013年11月15日付
情報の提供、交流に力入れて
くらしフェスタ東京2013
全地婦連関東ブロック会議
風評に負けない被災地支援の研修会
原子力政策大網、原子力委員会はなくなるか
放射線照射ジャガイモ市販品調査から
地域のニュース

■情報の提供、交流に力入れて
くらしフェスタ東京2013
 東京都消費者月間実行委員会は、東京都消費者月間にあたる10月、メインシンポジウムと交流フェスタを新宿区内で開催しました。16日のメインシンポジウムでは、行動する哲学者で知られる萱野稔人さんが「未来につなげる消費行動」の講演とカメリア・トリオのミニコンサートが新宿明治安田生命ホールで開催されました。25・26日の2日間は新宿西口イベント広場で交流フェスタが催され、実行委員会団体に、事業者、行政機関などの協力団体も加えて58団体が出展、都民に「見て、聞いて、話そう〜くらしの情報展」と呼びかけ、情報の提供、交流に力を入れました。3万2000人が来場しました。

メインシンポジウム
「未来につなげる消費行動」


くらしフェスタ東京2013のメインシンポジウムは10月16日、新宿明治安田生命ホールで「未来につなげる消費行動」をテーマに、萱野稔人さんの講演です。


西口イベント広場  環境エリアで展示
「これからのエネルギー」について


くらし交流フェスタでは、5つのエリアに分けて58団体が出展しました。東京地婦連は環境エリアで、「これからのエネルギー」について行ったアンケート調査の結果を「選ぼう わたしたちのエネルギー」としてパネル展示しました。
 アンケート調査の中では「LED照明について詳しく知りたい」との回答が多くあり、これを受けてLED照明の選び方についての情報をパネルに作成して展示しました。

エネルギー問題をパネルに


新宿西口の交流フェスタ

東京地婦連の展示ブース
 あいにく大型台風の接近で心配されましたが、ほぼ昨年同様の人出となりました。メインステージ、セミナーステージ、体験コーナー、各団体の展示コーナーなどが設けられました。私たち東京地婦連は、エネルギー問題のアンケート調査結果をパネルにして展示しました。

 クイズラリーにも参加してパネルの中から解答を探す方式で、解答を探すにはパネルを読んでいただけるのでよかったと思います。また、そこからエネルギーについての調査結果の説明をしたり、LEDの話をしたりしながら、これから先のエネルギー問題に関してもいろいろと考えを聞くことができました。用意していた「婦人時報」も配りました。
 毎年展示の場所が変わっていくのは当然ですが、割り当てられた場所によっては人の流れが少なく、私たちのところでは今年はクイズラリーの解答用紙が残ってしまうほどでした。
 もう一つはセミナーステージですが、とても内容の素晴らしいセミナーを行っているのに、座る人が少ないことがとても残念でした。今後の課題だと思います。


エネルギー問題についてのパネル展示
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■全地婦連関東ブロック会議
 全地婦連関東ブロック会議が10月23・24日の両日、群馬県伊香保町のホテル天坊で開催されました。関東1都6県の東京都、茨城、栃木、埼玉、千葉、神奈川、群馬に加え新潟、山梨、長野、静岡の各県、川崎市の会員など、約300人が参加しました。あいさつに続き、基調講演「地域力による低炭素社会とこれからのライフスタイル」がありました。その後4つの分科会でテーマ別に討議し、意見発表をしました。2日目の記念講演は「心を生かす」。金子みすゞの詩をひもとき、「真の優しさ」を私たちに問いかけるお話でした。

全地婦連の歌を全員で斉唱

講演を聴く会場のみなさん
第1分科会

▽防災とエネルギー問題 助言者=宮地由高・桐生災害支援ボランティアセンター長/中島由美子・榛東村自然エネルギー推進対策室長

 はじめに宮地センター長が災害への備えについて、(1)東日本大震災で取り組んできたこと=炊き出し・泥かき・福島からの避難者支援(2)阪神・淡路大震災や東日本大震災で学んだこと=自分の生命は自ら守る自助の考えが大事。隣近所の人や自治会からの共助もあるが、3日間生き延びられる食料と水の備蓄は特に大事です、と強調しました。
 次に「消防署、警察、自衛隊や行政機関の公助のサービスの内容をしっかり把握しておくこと。一時非難場所はどこか。近くの小学校なのか、公民館か、役場なのか確かめておくことが必要」とのお話でした。
 中島室長は、わが国の年間総発電量は、「2009年の10電力会社の合計年間総発電量は957TWH(テラワット/時)で、原子力発電による発電量は278TWHで総発電量の29%、30%以下である。
 福島県の県民健康管理調査検討委員会の「甲状腺検査の結果概要」によると、平成23年度は35・8%、平成24年度は43・7%と上がってきている。たまり続ける使用済み核燃料棒のことも考えなければならない ―― と、再生可能エネルギー発電の設備の導入状況についてお話がありました。その後8グループに分かれ、「防災について」活発に意見を述べ合いました。

第2分科会

▽高齢社会と少子化対策 助言者=飯塚欣彦・群馬県少子化対策・青少年課長/小此木久美子・桐生大学看護学科教授

 まず飯塚さんは、「組織としてできる少子化対策」として、群馬県の少子化の現状について、「昭和47年以降30年間にわたって夫婦の出生力が安定していたが、平成22年から2人を下回った。また、生涯未婚者は5人に1人で婚姻件数の減少が上昇傾向にある」と話しました。
 小此木さんは「地域で支える高齢者」として、地域を思って人と人とが顔が見える仕事を。「地域力、笑顔力を持って、自分の力を維持し、団体は団体として、個人は個人として地域に力を」と話されました。
 参加者62人が、7グループに分かれて話し合いました。私の第5グループでは婚活、独身男女の仲を取り持つお見合いの世話役おばさんをしている、自己中心的な若い人が多くなってきた、女性の社会進出とともに少子化や育児放棄がでているのではないか、高齢者には安否確認、声かけしながらふれあいをしている、ひとり暮らしの人に食事サービスをしている、民生委員と一緒に地域全体を見守っている―― など、活発な意見が交わされました。
 最後に助言者から、地域の問題として誰かが動かないと事は解決しない。愚痴を言わずもう一歩踏み込んで、婦人会組織として他団体との連携も必要でしょう。自分の健康は自分で、管理も大切とまとめてくださいました。

第3分科会

▽男女共同参画と地域活動 助言者=佐藤博之・前橋市教育委員会教育長/森田勝也・群馬県教育委員会生涯学習課長

 森田さんは学校、地域、家庭の連携が密にとれやすい環境であることが大切です。子どもの学ぶ力になります。各地域に学校支援センターがあり、学校支援ボランティアの協力で子どもや学校を応援する取り組みです。学習の支援や校内の環境整備、読み聞かせ、登下校の見守りなどをしています。
 佐藤さんは、教育長に赴任し5年、中学校の教諭を10年間務めていました。群馬県は雷、空っ風、かかあ天下と言われています。明治時代に富岡製糸が開設され、まゆから糸へ、糸から機織りと女性が働き、力を持っていた。
 時は過ぎ、繊維産業はなくなり、女性は自由な生き方ができ、地域活動をしています。しかし、男女共同参画社会で見ると、議員、教員、職場の管理職はかなり少ないのが現状です。
 グループ討議では、明治の頃は女性が働いたが、家庭で財布は男性が握っていた。今も男性の意識は変わりなく、町会に女性は入れない。
 しかし、若い世代は家事や育児を夫婦でしている。半面、育児休暇など、法的には整備されているが取りにくい現実がある。
 家庭、地域(学校、町会、老人会)の中から、男女共同参画を進める。政策決定の場に女性が参画していく。女性の能力を認めたくない風潮があるが、積極的に手を挙げていくなど、意欲的な発言があり、有意義な分科会でした。

2日目


分科会のようす
 紅葉には少し早く、肌寒い日でしたが、群馬県婦人会の皆さんの心温まるおもてなしを、うれしく思いました。
 1日目の宝田恭之先生の講演は、「たくさんの人とコミュニケーションをはかり、楽しい社会、楽しい生活、楽しい人生をおくれるような社会をつくることが大切で、五感(視覚、味覚、嗅覚、触覚、聴覚)を深く感じ、さらに働かせることが大切」と話されました。
 2日目は酒井大岳・長徳寺住職が、金子みすゞの詩を引用しながら話をされましたが、自分自身に問いかけられたようで、普段は何となく平凡に過ごしている私にとって、感じるものがたくさんありました。笑いあり心に残る話ありで、有意義な時を過ごしました。
 懇親会ではご当地の「八木節」を皆さんで踊るなど、あっという間の2日間でした。最後に災害時には、全地婦連として人と地域のネットワークの連携を強め、行政と一緒に行動することなどを確認し、散会しました。
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■風評に負けない被災地支援の研修会
 東日本大震災から2年半を経過しても、被災地の復興は進んでいません。東京の台所では多くの食材を被災地から賄っていますが、中でも福島県の生産物は原発事故の放射能汚染の風評被害も大きく、敬遠されがちになっています。
 食の安全安心は気になりますが、消費者としてやみくもに避けるのではなく、情報を正しく入手して福島県の食材を利用することは、復興支援にもつながります。
 築地の中央卸売市場にはたくさんの福島県産の物が届きますが、震災以前の状況には戻っていません。そこで東京都中央卸売市場では消費者団体に呼びかけ、11月7日に貸し切りバス2台を仕立てて、「被災地支援研修会」を開催しました。
 福島県の農業総合センターや農産物直売所、コメの全量全袋検査所を見学して、風評被害にも負けず立ち向う生産者の熱意に触れてきました。
 東京地婦連では中央卸売市場審議会や取引市場業務運営委員に消費者代表として出席し、意見を述べています。参加者からの報告です。
バス2台で現地福島へ この目で確かめました


米の全量全袋検査
 私は東日本大震災のとき東北地方に親戚、知人がいたので他人事ではなく、不安を募らせていました。その時点でいち早く羽村市では、宮城県南三陸町を訪れる機会を作りました。
 現状を把握、私たちに何ができるかを考え、市民に呼びかけ支援を始めました。「復興サポート」というグループを立ち上げて、ずっと支援を続けていきます。そんな私は福島の原発被災地の皆さんの思いも考え心を痛めていましたし、中央卸売市場取引業務で意見を述べたりしていましたので、東京地婦連でも多くの参加を呼びかけ、今回は強行軍でしたが6人が日帰りバスツアー見学会に参加しました。
 最初に福島県農業総合センターを見学。ゲルマニウム検査機器、検査作業を視察し、検査態勢などの説明を受けました。検査は食品の検査結果を厳重に判定して、種類別にガイドラインを公表する、とても重要な機関です。
 検体を細かく刻み、ぎっしり詰めて機械にかけるという、他にも混ざらないように神経を使う仕事で、朝の8時から夜の9時まで稼働させます。
 次はJA須賀川岩瀬「西袋31号倉庫」で、お米の生産管理倉庫です。ここでは米の自主全袋検査を行い、市販の流通ルートにのせています。お米の作付けには10アールあたりにセシウムを同化させるカリウム20キログラムを入れることを守るよう指導しています。
 最後に農産物直売所「はたけんぼ」を見学しました。どの見学場所でも働いている人は生き生きと張り切っていて、元気をもらって帰ってきました。
 風評被害に悩み一生懸命検査に励み、安全性を確保しても一向に販売ルートは広がらない。とってもおいしいお米は、消費者が欲しいと思っても手に入れることは困難な状態です。この矛盾はどうしたらよいのでしょうか。
 買い支える気持ちはいっぱいあります。JAの女性部との研修会などを計画し、現地視察をすることでJA同士のつながりで流通が動くのではと考えました。この目で確かめ、行動につながることを信じています。
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■原子力政策大網、原子力委員会はなくなるか
 9月号でお知らせしたように東京地婦連では、消費増税の前に「食品への課税を見直し、山積する課題解決への真摯な取り組みを」要望しましたが、課題の5番目に原子力行政など、「既存省庁のスリム化・廃止(例として、役割を終えた原子力委員会)」を明記しています。
 その後10月10日、国の有識者会議で原子力政策大綱を廃止する内容の報告書をまとめる方針が出され、来年の国会に原子力委員会設置法改正案を提出するとの新聞報道が出ています。
 大綱では食品照射などを含め、原子力利用の幅広い基本方針を決めるわが国の原子力政策を規定していました。原子力委員会の根本が問われており、有識者会議の方針が貫かれれば、私たちの要望が実現する可能性が出てきました。しかし、将来のエネルギー基本計画の行方がどうなるのか今後の情勢を見守る必要があります。
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■放射線照射ジャガイモ市販品調査から
ユータカラヤ東武練馬店が販売事実を認めて謝罪

 照射食品反対連絡会では、今年の端境期にも照射ジャガイモの点検調査を行いましたが、ユータカラヤ東武練馬店内(テナントの青果売場)で士幌農協の照射ジャガイモが売られていたため、販売中止要請を行いました。
 先頃、ユータカラヤを経営する(株)ロピアから、「事実を認め謝罪するとともに、東武練馬店のみならず全売場(直営・テナントともに)にて現状では販売していないことを確認し、今後グループ店舗内にて当該商品の販売を自粛する」との連絡がありました。
 粘り強い運動は流通業界にも静かな影響を与えています。
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■地域のニュース
葛飾区産業フェア/わか草婦人会

 「伝統と先端を伝える町・葛飾」のコンセプトで、第29回葛飾区産業フェアが10月18日から27日まで、テクノプラザ・かつしかで開かれました。
 前半の3日間は工業商業観光展、区内の町工場の先進的な工業技術や製品が集結しました。後半の25日から27日は農業、伝統産業展です。ここに、わか草婦人会も2回目の出展をしました。綿あめやポップコーン、北方領土返還運動のシンボル歯舞昆布を、谷茂岡会長が先頭に立ち販売しました。
 初日の25日には、区内産の野菜で作った天井まで届きそうな大きな野菜宝船が、お客さんを出迎えてくれました。伝統工芸品の展示販売のブースでは、江戸切子や唐木細工など27品目が出展、職人さんが丹精込めて作った小さな雛人形が3000円で販売され、話題になりました。
 葛飾区は伝統産業に資金面で手厚い政策がとられていて、後継者の育成をバックアップしています。区内にこんなに多くの伝統産業が根付いていることに、あらためて素晴らしいと思いました。
 そのほか葛飾区と交流のある他県の物産展示もあり、映画、寅さんの初ロケ地というご縁の天橋立からはまゆ製品が出展され、舞台ではこまどり姉妹の往時そのままの歌声も堪能しました。多くの人に出会い、葛飾区の魅力再発見の産業フェアでした。
暮らしに役立つ北区消費生活展/千草婦人会

 第41回北区消費生活展が、10月27日に北とぴあで開催されました。予定されていた26日は、台風27号で中止になりました。
 環境・防災・リサイクル・健康・食の安全・ガス・電気・金融など、消費者団体や協賛団体が暮らしに役立つ情報の展示をして、各コーナーではスタンプラリーの出題もありました。
 千草婦人会は「循環型社会の形成に向けて」パネル展示をしました。3Rと適正な処分により天然資源の消費を抑制し、環境への負荷をできる限り低減する循環型社会の姿をアピールしました。
 現在ごみとして捨てられているものの中には、再生利用可能なものが多く含まれており、それらをごみとせず、資源として出すことで、ごみ減量とリサイクルの推進を図ることができることから、可燃ごみと不燃ごみの組成について展示しました。
 この日はやはた婦人会の協力で、防災用のお米で作ったおにぎりも参加者に配布されました。
 特設ステージでは南京玉すだれ、着物リフォームのファッションショーなどもあり、来場者も楽しそうでした。今年初めて本物の石でゲームをするカーレット(氷上のカーリング競技ゲームを、手軽にどこでもできる新しいスポーツとして広がりつつある)のコーナーもありました。
 台風も去って好天に恵まれ、来場した大勢の皆さんに、私たちの展示が少しでも参考になったらと思っています。
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