婦人時報は年間購読料2000円(送料込み)です。購読希望の方メールで申込できます。
 
■2014年1月15日付
介護保険制度はどう変わる
〜社会保障改革の動きの中で〜
3月1日ビキニ・第五福竜丸被ばく60年記念のつどい
国の新たな「エネルギー基本計画(案)」への疑問
アスベスト問題とは? その3
ワンワールド・プロジェクト
地域のニュース

■介護保険制度はどう変わる
〜社会保障改革の動きの中で〜
 東京地婦連は「地域の力で人と地球の未来を拓く」をメインテーマに掲げながら、消費者問題、高齢者問題、男女共同参画、平和、環境などさまざまな課題をテーマにブロック会議を開催しています。

東京地婦連ブロック会議2013 パートUご案内

 昨年政府は、「社会保障制度改革国民会議報告書〜確かな社会保障を将来世代に伝えるための道筋〜」を発表し、税の一体化をはかった社会保障全般の改革を進めていこうとしています。
 介護保険制度改正では要支援者のサービスカット、利用者負担の引き上げと合わせながらも介護保険料の低所得者負担軽減も一部出されています。
 しかし高齢世帯にとっては4月からの消費税増税もはじまり、家計は圧迫されていきます。
 住み慣れた地域で安心して命と暮らしを守るために、社会保障制度改革の動きの中で安心の医療や介護を求めるために、学習しながら皆さんとご一緒に考えてみたいと思います。
 万障お繰り合わせて、多数ご参加ください。
 参加希望者は事務局まで申し込みください。

日 時/2月27日(木)午後 1時30分〜3時30分
会 場/東京都消費生活総合センター17階教室1・2
主 催/特定非営利活動法人東京都地域婦人団体連盟。一般財団法人全国婦人会館
テーマ/「介護保険制度はどう変わる〜安心の医療・介護を求めて」
講 師/前沢淑子・中央社会保障推進協議会事務局次長

▲back
■3月1日 ビキニ第五福竜丸被ばく60年記念のつどい

 私たちはいまも核の時代に生きています。
 ビキニ事件 ―― 第五福竜丸をはじめとするたくさんの船と生きものが死の灰を浴び、放射能の危険を警告しました。
 被ばくから半年後、無線長の久保山愛吉さんが幼い娘たちを遺して亡くなり、原水爆への怒りと不安は、たくさんの署名として積み上げられました。原子マグロ、放射能雨、死の灰は流行語となり、雨にあたると髪が抜ける、と子どもたちは走って帰宅したものです。
 あれから60年。いまなお地球上には1万7000発の核兵器が存在し、原発事故による収束困難な汚染は続いています。
 震災以来私たちは、この国は、と「大きな主語」で語ることで、小さいけれど大切なものが、少しずつないがしろにされることも、体験しました。
 それならばあえてもっと大きな視座と発想で、現在と未来を読み解いていく必要があるように感じるのです。絶望を希望に転換するために…。
 天文学者の池内了さんは、そんな過去と現在を重ねながら宇宙的視座で読み解き、未来に対する責任を問いかけます。そしてピアニストの三宅榛名さんは、第五福竜丸の核なき未来への航海を奏でます。
 60年目のビキニデー、3月1日に集いましょう。

・日 時/3月1日(土)14:00開演(開場13:30)
・場 所/日本青年館(新宿区霞ヶ丘7)
・内 容/記念コンサート出演=三宅榛名(ピアノ)
・記念講演/池内 了
・入場料/2000円
ご希望の方は事務局へご連絡ください。

▲back
■国の新たな「エネルギー基本計画(案)」への疑問

 東日本大震災後のエネルギー問題について、国はエネルギー基本計画について議論を進めています。前政権時に閣議決定され表明されていた「原発ゼロを目指す」との方針は、現安倍政権では「ゼロペース」を見直すと表明し、2013年3月から新しい枠組みの議論を進めていました。
 経済産業省・総合エネルギー調査会基本政策分科会は、昨年12月「エネルギー基本計画」の素案をまとめました。この素案を策定した、基本政策分科会メンバー15人のうち消費者、市民の代弁者は3人で(団体2、学識経験者1人)少数派、他の委員は原発維持・推進のカラーが濃いメンバーで構成されているといえます。
 12月6日示された事務局素案「エネルギー基本計画への意見(案)」は、その後1回の審議で取りまとめられる予定です。事務局案の段階で、1月6日締め切りでパブリットコメントを募集しました。そして福島や各地での意見聴取もなく、都知事選の結果を見てから、閣議決定したい、としています。
 国民の多くは原発ゼロを目指す声が今も多数を占めていますが、広範な国民の声を十分に反映する機会もないままで進められる原子力政策や、核燃料サイクル政策に多くの問題点が残ります。
 東京地婦連では今回は、団体としてコメントを出すことはできませんでしたが、あらゆる機会を通して、地域で暮らす原点からエネルギー問題について声を上げていく必要があると思います。以下、生活環境部の見解です。

エネルギー基本計画 生活環境部の見解

 昨年12月に取りまとめられた本案によれば、エネルギー政策の基本的視点は「安全性を前提とした上で、エネルギーの安定供給を第一とし、最小の経済負担で実現する。あわせて環境負荷を可能な限り抑制する」としており、「原発依存度については、省エネルギー・再生可能エネルギーの導入や、火力発電所の効率化などにより、可能な限り低減させる」としながらも、「原子力を重要なベース電源」と位置づけています。
 計画というには目安となる数値が示されず、あいまいな内容であり、基本計画(案)を作成した審議会の委員構成から見ても、NPOなど幅広い国民の声が反映されていないため、暮らしの視点が欠如しています。
 また、重要な箇所で新しいデータを採用していないなど、疑問点があります。

原子力は次の世代に遺せない電源

 原子力は万一の場合に、あまりにも長期にわたり過酷な事態を生じ、人々の生活を破壊すると共に賠償などの膨大なコスト負担を消費者に強いる電源です。安全神話の問題、それに加えて地震列島であることから、到底次の世代に遺せない電源でしょう。捨て場のない大量の廃棄物処理問題も深刻です。
 国には迅速な「原子力エネルギーの終焉計画」を国民に明示する責務があったのではないでしょうか。にもかかわらず本案では原発を重要なベース電源と見なし、20世紀から続く道への回帰を示したに過ぎません。電源の構成比率も記載されず、とても原発を減らす計画とはいえない内容です。

描かれていない未来像

 昨今、環境負荷の低い再生可能エネルギーの導入が全国各地で急ピッチに進められています。地球温暖化対策としてもエネルギーの自給率向上を図るためにも、今後電力システム改革と並行する形で「再生可能エネルギーの地産地消」を飛躍的に推進する必要があります。
 本案では分散型エネルギーシステムの有効性については触れながら、再生可能エネルギーの地産地消の進捗状況などの新しいデータの記述がありません。
 また各地の「小規模電源」の安全を担保しつつ、活用に弾みをつけるさまざまなインフラづくり、例えば太陽光発電の中古の集合住宅への導入、送配電の系統連携を図りやすくする、将来消費者がエネルギー事業者を選択できるような情報提供の仕組みづくりなどが必要ですが、具体的な未来像が描かれていません。
 火力への依存度を低減し、化石燃料の調達コストや消費量など発電コストを少しでも抑制するためには、高経年化した火力発電設備について、早急に「廃止計画」を定め高効率の火力発電設備へと転換する施策が不可欠ですが、道筋を示していません。

原子力に頼らない国民の静かな決意

 東京地婦連が昨年3月に実施した「これからのエネルギー問題について」の意識調査によれば、消費者は計画停電以来、以前にも増して省エネに心がけて毎日のエネルギーのむだ使いを再チェックし、エアコン・冷蔵庫などを省エネタイプに替え、照明ではLEDへの交換をはじめています。
 さらに「消費電力の見える化」にも関心を寄せ、家庭での「創エネ」や「蓄電」についても、できるところから取り組みをスタートしています。
 国民の「原子力に依存しなくても済むように」と願う静かな決意に支えられ、省エネが定着してきた現状の把握こそエネルギー計画立案の原点ではないでしょうか。

▲back
■アスベスト問題とは?(3)

泉南アスベスト第2陣訴訟判決、国は上告へ

 かつて大阪市泉南地域に集中していたアスベスト(石綿)関係の元工場従業員らが、「中皮腫などの健康被害が出たのは、国の対策が遅れたためだ」として国に集団で損害賠償を求めていた裁判(第2陣)の判決が昨年12月25日、大阪高等裁判所(二審)で出ました。

大阪高裁 国に損害賠償を命じる

 原告はおよそ7億円の賠償を求めたのに対して、山下郁夫裁判長は、一審では国の責任を「3分の1」とした判決を上回り、「2分の1」として3億4000万円の賠償を命じました。
二審では、(1)1958年頃には中皮腫などについて「アスベストの粉じんを吸引することで発症する」との医学的知見が確立していた(2)粉じんの除去装置の設置を、国が1971年になるまで義務づけなかったことは著しく合理性を欠く(3)工場の粉じん濃度規制が欧米に比べて10年以上遅れたこと、さらに(4)防塵マスク着用の義務化が遅れたことなど、予防対策についても国の責任を認め、国が直接的に責任を負うことを明確にした点で、画期的と評価されました。
しかし2011年の第1陣の大阪高裁判決では国の責任を否定しており、現在最高裁で争われていることを理由に、田村厚生労働相は第1陣と第2陣では判決があまりにも異なることを指摘して、今回の判決を不服として1月7日に最高裁に上告したものです。
風の会でも、先頃東京地婦連、主婦連、都地消連、日本消費者連盟の連名で消費者の立場から、大阪高裁に対し、要望書を提出したいきさつがあります。せっかく国の賠償責任が認められたのも、つかの間、最高裁へ上告という残念な結果となりました。

▲back
■ワンワールド・プロジェクト

東日本大震災被災地のがん患者にケア用品を届ける

 東日本大震災被災地のがん患者さんにケア用品を届けようと、2011年4月に始まったワンワールド・プロジェクト。「婦人時報」でも貴重な紙面をお借りして、ご協力をお願いしてきました。昨年11月11日から15日には第8次支援物資募集を行って、カツラ47点、タオル帽子など300点近くを全国から寄付していただきました。ありがとうございました。

全国から集まった第8次支援物資

 いつもボランティアのみなさんが大活躍の仕分け作業ですが、今回は発起人メンバーの乳がんサバイバーが3人もそろって交代で参加できました。
 その一人であるNPO法人がんサポートかごしま理事長の三好さんは、折しも作業後に岩手県釜石市と大船渡市を訪問予定で、帽子やあったかグッズを「サンタさん」として持参してくれました。
 被災した沿岸地区や仮設住宅をまわって話をうかがい、「まだまだ普通の生活には戻っていない」と実感したそうです。ケア用品が足りないという、震災直後の状況こそなくなったものの、ボランティアの数も減って、「忘れられることが悲しい」という声もあったと報告を受けました。
 プロジェクトはこの春で丸3年を迎えます。夏ごろをめどに活動を終えようかとも考えていましたが、細々とでももうしばらく支援を続けていこうと思っています。

4月に第9次募集

 笑顔に励まされる皆さんがいる限り今しばらく活動を続けていきます

 具体的な活動内容はまだ検討中ですが、4月には第9次募集を行う予定です。
 また、8次募集の直後、企業から177点のカツラを寄付していただく幸運にも恵まれました。カツラの半数近くはすでに東北に送り、残りは要望があり次第送付できるように保管してあります。
 東北を思って協力くださる方、ケア用品を受け取って喜ぶ患者さん、こうした笑顔に励まされる医療者の皆さんがいる限り、今しばらく活動を続けてまいります。
 またのご協力をお願いいたします。

ホームページ:http://oneworldpro.jugem.jp/
ワンワールド・プロジェクト事務局代表 寺田真由美

▲back
■地域のニュース
餅つき大会/わか草婦人会

 12月22日は、堀切町会会館で餅つきでした。町会役員、青年部、婦人会など、合わせて70人態勢。前夜には新潟などから取り寄せた400人分の餅米をとぎ、あんこを煮込み、お新香のカブを刻んだり、婦人会は準備に追われました。
 今回は青年部が大勢応援に来たので、次つぎとつき上がります。青木区長もきねを持ってペッタン、ペッタン。子どもたちのついた餅には臼の破片が入っていますが、「力いっぱいついたよ」2階では私たちがつき上がった餅をあんこ、きな粉、のりのセットに手際よく仕上げます。400人分は、あっという間に消えていきました=写真。
 暮れの忙しい中でしたが、日本の伝統行事に子どもたちと一緒に参加・協力できたことに感謝しています。
▲back