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■2014年2月15日付
北方領土の返還を求める都民大会
〜世論の広がりを強める運動を進めよう〜
二酸化窒素簡易測定結果 全体的に高い数値
公正競争規約に関する消費者と意見交換会
電機商業組合と消費者懇談会
消費税対応など話題に
地域のニュース

■北方領土の返還を求める都民大会
 〜世論の広がりを強める運動を進めよう〜
 32回目「北方領土の返還を求める都民大会」が1月28日、港区のホテルフロラシオン青山で開催されました。いまだ返還されない北方領土について、国境問題や海上保安体制に詳しい山田吉彦東海大学教授が、海洋政策から見た北方領土問題をテーマに記念講演を行い、海に囲まれた日本で北方領土海域の問題にひそむ重要性について話し、海の管理問題を日露交渉に活かす視点を示しました。

2部構成で記念講演

 大会は昨年11月に青少年現地視察に参加した女子高校生二人のオープニングスピーチで始まりました。開会の辞、谷茂岡正子都民会議会長の主催者挨拶、東京都、都議会、内閣府、外務省からの来賓挨拶を受け、運動報告、大会宣言を行い、そのあと都民会議作成の映像資料「北方領土」を会場で投影している間に、第2部の準備をしました。

記念講演の要旨

 山田教授のお話は、地球温暖化で北極の氷が解けはじめた影響で、ロシアの北極海航路を通航する大型の船が増えている現状を紹介し、「今後、択捉島と国後島を隔てる国後水道の重要性が増す」という見解を示しました。
 日本は海に囲まれていますから、「陸の領土以上に、200カイリ(排他的経済水域)によって漁獲はもとより、海洋に眠る資源の開発に注目し、海域管理の重要性が増してくるはず」といいます。
 「北方領土の海域は乱獲や密漁、魚加工の廃棄物で、海が汚染されはじめ、生態系の保全も危なくなってくる。環境の保全問題もあり、この海の管理問題から協力して、海を取りもどすところからはじめたらどうか」とする見方を示し、日露交渉の進展と早期返還を求めました。

現地視察学習会に参加した高校生が報告

 講演の次は昨年11月に北方領土青少年現地視察学習会に参加し、オープニングスピーチをした女子高校生から、報告がありました。
 視察団は11月2日から4日まで、中高校生10人が根室で研修学習を行いました。東京地婦連からも2人の中高生が参加しています。今回報告発表をした2人は、「現地で元島民の体験談や地元高校生との対話を通じて、見て知って理解しただけではいけない、アクションを起こすことが大切」と報告しました。新聞投稿で問題解決を訴え、それぞれ掲載されました。
 次は、都民会議で作成した映像資料を、中学2年生の授業に活用した教育研究者からの報告で、授業の様子をDVDで紹介しました。
 北方領土問題が未解決のまま68年たち、元島民たちも高齢になり、半数に減りました。1世から2世、3世に、問題解決を託さなければならない時代になってきています。若い世代にこの問題を啓発していくため力を入れて、世論の広がりを強める運動を進めていこうと、参加者は決意を新たにして散会しました。

出席者の感想

 北方領土の返還運動に携わり、今年は1月28日の都民会議と2月7日の全国大会に出席しました。
 羽村市婦人会から毎年数人が参加してきましたが、いまだに返還の実現には至っていません。私たちも都民会議をはじめ全国大会、交流会、歯舞昆布の販売など、長年活動に協力しています。
 この活動の一つでもある青少年現地研修に、今年はわが家の高校生の孫が参加しました。北方領土のことや返還運動が長い間続いていることなど、あまり関心がありませんでした。
 2、3回の勉強会に出席して、ロシア軍の侵攻によりロシアの領土になった現実を知り、あらためて北方領土は日本の領土だという気持ちが強くなった気がします。
 11月に3日間の現地視察を終えた高校生がパネルにまとめ、都民会議で発表しました。発表はとてもよかったです。こうした活動を通して、若い人たちが北方領土返還運動に参加し、一日も早く返還が実現することを願っています。

第32回北方領土の返還を求める都民大会で報告する高校生=1月28日 会場内には、現在の島の様子などをパネル展示
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■二酸化窒素簡易測定結果 全体的に高い数値
 大気汚染測定運動東京連絡会は、きれいな空気を取り戻し、健康を守り、住みよい生活環境を次の世代に引き継ぐため、大気中の二酸化窒素(NO)をカプセル簡易測定法で測定している、市民と団体で構成する東京の連絡会組織です。身近なところの空気を実際に測ってみて、どんな所が汚れているか、またきれいになっているのかを自分たちで確かめてみようと、毎年6月と12月に一斉測定を行っています。東京地婦連は1978年結成以来幹事団体として加わりながら、会員の自宅前の道路や幹線道路、また周辺の気になるところを継続して測定してきました。

 2013年12月5日から6日にかけて行った、東京地婦連会員の測定結果を報告します。9区1市の127カ所 (有効測定数125カ所)、測定日の12月5日の気象状況は朝から晴れ、夕方カプセルを取り付ける時も、翌日も朝から夕方まで晴れて、穏やかな2日間でした。ここ数年は改善傾向も見られ横ばいでしたが、今回の測定結果は、残念ながら全体的に高い数値を出しました。

一番高い新宿区内

 もっとも高い数値を出した観測場所は新宿区内で、明治通りと早稲田通りの交差点で0.071ppmと最高記録でした。これは測定結果の判断基準、「0.061ppm以上は、大変汚れている」という範囲になります。この基準が8カ所にも及んでいます。
2番目に高い数値は、練馬区谷原、目白通りの関越高速入口付近で、0.068ppmでした。次に高いところは相変わらず上位にある中央区です。晴海通りの歌舞伎座前と、銀座中央通りの松屋前で同じく0.064ppmでした。葛飾区の場合は例年平均0.022〜0.031ppmで推移していたのですが、今回平均値0.041ppmで最高値が0.064ppmもあり、高い数値になっています。

多摩も汚染進む

 多摩地域の空気を見てみますと、やはり昨年よりも全体的に高くなっていました。また判断基準の「あまり汚れていない」とする測定場所は、残念ながらありませんでした。
「少し汚れている」が北区十条の住宅地にあり、0.022〜0.030ppmで全体からみると低い数値です。このままきれいに維持してほしいと願い、引きつづき監視していきたいと思います。
今回のNOカプセル全都一斉測定結果の報告会は、4月5日に開催される予定です。

二酸化窒素測定結果各区市別一覧

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■公正競争規約に関する消費者と意見交換会
 全国公正取引協議会の、公正競争規約に関する消費者との意見交換会が1月23日、赤坂KSビルで開かれました。公正競争規約は、景品表示法に基づき、個々の商品・サービスごとに設定される業界の自主ルールで、不当な表示や.過大な景品類の提供を禁止するだけでなく、業界の商品特性や取引の実態に即して、具体的にきめ細かく規定することにより、消費者の適正な商品選択に役立てようとするものです。今回対象の規約は、食品のり、首都圏不動産、コーヒー飲料の3種について、各公正取引協議会から規約の運用状況などについて説明を受け、意見交換が行われました。

 食品のり公取協からは、平成22年度から試買検査会を催した結果、アウトサイダー商品の規約違反が見つかり、行政庁へ行政措置の要望を出したことなどの報告がありました。
 消費者からは、「品質を示す規約を定めて正確に分かりやすい表示をしてほしい」などの要望がありました。
 首都圏不動産公取協からは、24年度の不動産広告違反事例報告があり、そのほとんどが不動産情報サイトや自社ホームページなどのインターネット広告によるものであったことから「ポータルサイト広告適正化部会」をスタートさせ、対策を検討しているなどの報告がありました。消費者からは、ダイレクトメールの広告におとり広告があった。高齢者向け住宅広告に文字が小さ過ぎたものがあったなどの指摘がありました。
 コーヒー飲料公取協はこの日急きょ変更参加だったので、私たちは事前に市場チェックができず残念でした。
 消費者に正しい商品選択をしてもらうための公正競争規約は、それぞれの立場の人びとの努力と消費者の協力で、年々良い方向に向かっていると思います。
 次回の意見交換会では、もう少しゆとりのある話し合いの時間を設けていただけたら事前調査も生かされて、よりよいのでないかと思いました。

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■電機商業組合と消費者懇談会
 消費税対応など話題に

 2月5日、全国家電会館で、電機商業組合との消費者懇談会が開かれ、東京地婦連から二人が参加、主催者団体の関山理事長の挨拶、出席者の紹介がありました。
 日本放送協会からケーブルテレビのデジアナ変換サービスは2015年3月で終了すること、引き続き地上デジタル放送を見るには、準備が必要と説明がありました。
 地デジ受信の方法は、(1)現在視聴しているケーブルテレビと契約する方法で、ケーブルのSTB(セットトップボックス・デジタルチューナー)を設置し、今のアナログテレビに接続して視聴する(2)デジタルテレビに買い替える(3)地デジチューナーを購入し、現在使用しているアナログテレビに接続して視聴する ―― の3つです。2台、3台とある場合も、忘れないようにと注意がありました。
 次にスマートライフジャパン推進フォーラムから、「スマートライフジャパンは各家庭で、地域で、日本全体でチームのように一丸となってスマートライフに取り組み、今よりもっとスマート&スマイルな明日を目指すことを目的に設立された」と説明がありました。
 このフォーラムは、家電メーカー、販売店、消費者団体など約240の企業・団体で構成され、小学生に向けても啓蒙活動を行い、先生方にも評価されているとのことでした。
 続いて東京メトロポリタンテレビジョンから、「東京タワーからスカイツリーへと大きな混乱もなく移行できた」と報告がありました。
 東京都電機商業組合加盟店は、高齢者やひとり暮らしの家庭を中心に、家電品の無料安全点検を実施しているそうです。
 この日も家電品無料安全点検巡回実績が報告されましたが、区によっては電機商が組合に入会していないため、末端まで行き渡らずお得意さまだけに限られ、思うようにいかない、最近は高齢者の家の火災も多い。ホームページもあるので、皆さまのご協力をぜひお願いしたいというお話でした。
 最後に消費税の対応について、「消費者として外税か内税どちらがよいか」と質問があり、参加者は「外税を希望」と答えましたが、今まで電機製品は内税だったが組合側も外税がよいと思う、公正取引委員会では外税になりそうだとのことです。

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■地域のニュース

練馬更生保護女性会の新年会に55人/すずしろ会

 更生保護女性会のちょっと遅めの新年会が2月6日に開かれ、55人が集まり、にぎやかでした。
 練馬区社会福祉協議会の部長や練馬少年鑑別所の統括官など、多くの来賓からご挨拶をいただきました。皆さんから「更生保護活動は目立たないけれど、とても大事なことです。ありがとうございます」と、労をねぎらう言葉をいただき、また今年も頑張って活動をしなければと思います。
 懇親会はおいしいお食事タイム=写真=に始まり、余興も飛び出し、この日のためにマジックを練習されたメンバーが楽しませてくれました。唄と三味線演奏など、あっと言う間に楽しい時は過ぎ、記念撮影をしてお開きになりました。
 私たち練馬更生保護女性会は今年度、第4ブロックの当番になっていて、3月まではいつもより行事が多い年となりますが、更生保護女性会の綱領の一節にあるように、知識を求め、自己研さんに励み、明るい社会づくりに頑張りたいと思っています。


新年会/やはた婦人会

 ♪雪やこんこん あられやこんこん
 首都圏は8日の夜から大雪で、一面の銀世界。「ああ、昨日でよかった」と思いました。と申しますのは、大雪の前の7日に35人が出席して、恒例のやはた婦人会の新年会が町会事務所で開かれたからです=写真。
 この日は、皆さんはおしゃれをして来てくださいました。役員はお弁当を用意して、けんちん汁、大根のサラダなど手作りのメニューも加え、そのほかに菓子、アルコール、ウーロン茶、ジュースなど、井戸端会議みたいに、あちらのテーブル、こちらのテーブルで話に花が咲き、いつまでもつきないのです。
 食べては話し、また、食べては話し、笑っては食べ、食べては歌い、皆さんお元気でストレス解消でした。
 3月には福島県の温泉に出かける旅行の話も出て、普段なかなか会えない人たちと食事を楽しみ、とても満ち足りた新年会でした。ああ、7日でラッキーでした。


葛飾区消費者大学/わか草婦人会

 4回目の葛飾区消費者大学連続講座が、1月24日にウイメンズパルで開かれ、谷茂岡会長の挨拶のあと、中西載慶東京農大名誉教授の「日本人の食卓は話題満載」と題した講義がありました=写真。「食」そのものの歴史など、肩の力を抜いた楽しいものでした。
 食に興味を持つのは脳にとっても非常に良い、成熟して良くなるのは酒と人間。江戸時代の本草学の権威、貝原益軒が飲食と気の重要性を養生訓で説き、1972年にNHKが医食同源の考え方を紹介、一気に巷間に広がりました。
 江戸時代、食糧の運搬の中心は舟で、質のよい物資が関東に下(くだ)って来た。半面、関東ものは下(くだ)らないので、いつしか質の優劣を示す言葉に変化したのだという。
 日本は食の種類が豊富で、食卓で同じものを食べる比率は100軒中1・2軒だとか。これはすごい文化だと思いました。江戸の庶民食から昭和・平成の食卓、食品食材など、楽しい講義は続きました。
 最後に元気で快適な生活には適切な食生活、運動、心の健康が不可欠で、心の健康は脳の若さに通じ、脳の鍛錬は「意識、やる気、好奇心」にあり、「話す、笑う、感動する」ことが大切で、笑いは脳の遺伝子を活性化するそうです。
 日常生活に笑いを意識し、いつまでも若い脳でありたいものです。

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