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■2014年6月15日付
世代を超えて地域の力
2014年度東京地婦連総会
ピースパレード
核軍縮を訴えるアピールを採択
サ高住にご用心
「標準に達せず」43・5%
消費者と都市ガスの自由化問題 その(2)
阿南消費者庁長官
地域ニュース


■世代を超えて地域の力
 2014年度東京地婦連総会
 2014年度の東京地婦連総会は5月16日、新しく完成した全国婦人会館2階の会議室で開催されました。今年度の基本方針は「世代を超えて地域の力」と、新しいテーマを定めました。東京地婦連は明るい社会の構築を目指して心を結集し、地域に根ざした活動を地道に進め、自然災害に対する備え、原発に依存しない新エネルギー利用の選択、少子高齢化における地域での連帯など、安心して暮らせる社会づくりの取り組みの活動方針を可決しました。同時に行われた役員改選では、谷茂岡正子会長の継続が決まりました。

 総会は大北恭子書記理事の司会で始まり、2013年度事業報告は中野書記理事、決算報告を荻生会計理事が報告、牛木、藤田監事から監査報告を受け、承認されました。2014年度事業計画案は山下副会長から、同予算案は端山副会長からそれぞれ提案され、満場の拍手で承認、可決されました。つぎに宮原総務部長から定款変更案についての、提案がありました。
 主な変更は住所地番、新たに個人会員制度を導入するため、正会員の構成に個人を加える説明のあと、変更条文の第2条(住所)、第4条(文字校正)、第6、7条(構成)、第9条(資格喪失)、第13条(役員種別)、第15条(文字校正)、第25条(総会定足数)を読み上げたのち、全員の拍手で可決されました。
 休憩をはさみ、任期満了による理事選任を行い、会長には谷茂岡正子理事の継続を承認。谷茂岡会長から提案があり、5人の理事継続と、高梨洋子、高須光代、宮原恵子、飛田恵理子、鈴木文子は新任として選任の提案があり、11人の理事が全員の拍手で承認されました。
 投票により三役役員が選ばれ、新役員として大北理事が副会長に、飛田理事は書記、高須理事が会計に入りました。
 ▽新体制
・理事(会長)=谷茂岡正子
・理事(副会長)=山下陽枝、端山純子、大北恭子
・理事(書記)=中野三千代、飛田恵理子、
・理事(会計)=荻生万寿子、高須光代
・理事=高梨洋子、黒崎照子、宮原恵子、鈴木文子
・監事=牛木満江、藤田静江
・顧問=川島霞子

⇒2014年度事業計画

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■ピースパレード
 核軍縮を訴えるアピールを採択
花の種を手渡しながら表参道を行く

2014 ピースアクション in TOKYO
 東京地婦連は2005年被爆60周年を機に、東京都生協連の呼びかけに応えて、東友会と共に実行委員会をつくり、核兵器の廃絶と戦争のない平和な世界を願って、5月19日、ウィメンズプラザを会場に240人余が参集し、ピースアクション in TOKYO&ピースパレードを開催しました。
 今回は10回目の節目なので、東京の区市町村に私たちが働きかけ、みんなで築いてきた平和な東京を確認するために、都内にある平和の祈念像やモニュメントを調べて映像にまとめて紹介し、東京から平和をつないでいく思いを強くしました。
 tomocaさんの優しいオーボエの調べで、オープニングです。
 メイン企画の「語りつぐみんなで築く平和な東京」は、3団体の会員たちが昨年の秋から冬にかけて撮影してきた写真やコメントをもとに検討し、東友会の村田未知子さんが台本を作りました。
 東京大空襲を生き残った浅草寺のイチョウ、70年近く過ぎた今も米軍の機銃掃射の跡が残る多摩地域の日立航空機の変電所跡の建物など、18の市と区にある平和のモニュメントや「非核宣言」の碑などを解説し、東京都生協連の3人の組合員がナレーションを担当してこれらの映像を紹介しました。
 今年も広島市長、長崎市長からメッセージが寄せられ、東京事務所長が披露しました。
 参加団体のリレートークでは東京地婦連は、6月25日に予定されている「集団的自衛権行使は必要か」の学習会へ参加を宮原恵子さんが呼びかけました。

核軍縮を訴えるアピールを採択
 参加者全員が拍手で採択したアピールは、原爆投下によってヒロシマ、ナガサキの被爆者は70年近くたった今も苦しんでおり、放射能汚染の健康リスクは子や孫にも及ぶことを考えれば「未来の一人ひとりの人生を変えてしまう核兵器の保有国はこのことを直視すべき」「日本は核軍縮を先頭にたって進めるべき」と訴えています。
 さらに政府は、「特定秘密保護法」「集団的自衛権」「武器輸出三原則の見直し」など、戦争をする国になろうとしていることに警鐘を鳴らし、「私たちは、自由な暮らしと命を守るためには何をすべきかを考え、行動し、東京から核兵器廃絶と平和運動を世界にアピールしていこう」と結び集会は終了しました。
 集会後は、会場から表参道を抜けて渋谷まで「平和の花を咲かせましょう」と沿道の人たちに花の種を手渡し、平和をアピールしながら、パレードしました。

平成26年度第1回理事会
・通常総会の開催

 1.理事会
 日 時/7月8日(火)午後1時30分〜2時15分
 場 所/ホテルフロラシオン青山2階「梅」
 2.総 会
 日 時/7月8日(火)午後2時30分〜4時
 場 所/ホテルフロラシオン青山1階「はごろも」
 
北方領土の返還を求める都民会議
   会長 谷茂岡正子

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■サ高住にご用心
 「標準に達せず」43・5%

 サ高住(サービス付き高齢者住宅)は、2011年10月にお目見えしました。待機者のあふれる特別養護老人ホーム(特養)や、高額な入居一時金のかかる介護付き有料老人ホームと違い、手頃さと自由が魅力とされている住まいで、介護は別途依頼する仕組みです。
 高齢者居住の安定確保を目指しており、制度の発足後、雨後のたけのこのように増加の一途をたどっています。ついのすみかになるだけに、見過ごせません。
 先ごろ業界団体からの委託で、高齢者住宅研究所(大阪市)が実施した「サ高住についてのアンケート調査」の日経の記事(抜粋)によると、2012年末までに(地域で)登録された2055物件へアンケートを送付し、依頼したすべての資料(契約書・説明書など)を入手できた647物件を対象として、集計を取りまとめたものです。

 かぎのない住戸も
 記事によれば、大部分は基準を満たしているものの、車いすの人が使いにくい台所や、住戸に鍵がなかったケースもありました。「標準に達せず」の「C」「D」評価が、合計で4割を超え43・5%でした。
 ここでいう「標準的」とは、目安となる99項目を数値化し集計した結果で、(1)住まいとしての条件は80%以上(2)安心・安全を確保するためのサービス(3)生活の自由度はいずれも50%以上(4)尊厳の保障が60%以上の、(1)〜(4)をすべて満たした場合とされています。
 回答の内訳では、優良とされた「A」は95物件で14・7%、標準的な「B」は270物件で41・7%、標準未満「C」が261物件で40・3%でした。
 以上の評価と別に一方的な契約解除を規約に含む問題の「D」が21物件、3・2%といった内容です。特に認知症などを理由に、事業者が一方的に解除できるとしているケースは、法的にも疑問の残るものでした。

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■消費者と都市ガスの自由化問題 その(2)
 公共料金としての規制がある家庭・商店などが使用する小口の場合、207の事業者のうち販売シェアのおよそ7割を東京ガスなど大手数社が占めているものの、資源エネルギー庁によれば、事業者のうち赤字経営は32、債務超過が14あるという状況です。
 都市ガスを供給するために、一定以上の人口密度や産業集積のある地域に敷設されたガス導管は全国土の5%、人口減少や高齢化によって都市ガス利用者の密度が減少しており、ガス管の利用効率が低下しています。LPガスとの競合、オール電化の影響も背景にあるようです。
 過去20年間の家庭向けエネルギー消費量の推移を見ると、都市ガスの場合18〜19%、横ばいで利用者件数は2500万前後です。
 エネルギー専門紙によれば、新規参入者の中でガスの販売量の最も多いのが関西電力で、電力各社はガス事業の自由化に大いに期待し、規制緩和を求めています。
 第2位はJX日鉱日石エネルギー、こちらは石油会社です。
 ガスが自由化されれば、小口の消費量が伸びない中で、他のエネルギー大手などからの参入が相次ぎそうな気配です。新規参入者は既存の事業者のガス導管を利用するために「宅送料金」を別途支払うことになります。
 次回は、消費者には料金と同様に大切な安定供給・保安責任の問題について考えたいと思います。
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■阿南消費者庁長官

 5月31日、葛飾区のウィメンズパルで、阿南久消費者庁長官を迎えて消費者の日特別講演会が開催されました。講演に先立ち、消費者庁から葛飾区消費者団体連合会(谷茂岡正子会長)が、「ベスト消費者サポーター章」を受章しました。立派な盾と表彰状が会長に授与されました。消費者行政の進展に寄与し環境、エネルギー、食育、リサイクル、福祉など、消費生活全般の事業の貢献が顕著であることが受章理由です。谷茂岡会長の半世紀にわたる消費者運動の結実であることは、誰もが認めるところです。

草の根の消費者庁長官
 この日は東京都金融広報委員会から「金融学習特別推進地区」として事業を委嘱され、委嘱式も青木克徳区長出席のもとで行われました。
 積極的に現場へ出向く行動派
 講演会には国会議員や地元の区議会議員も駆けつけ、盛会でした。阿南長官は消費者団体出身の、いわば草の根長官です。それだけにフットワークは軽く、積極的に現場に出向き、平成24年の就任以降、すでに42自治体を訪問、講演会も58回を超えているそうです。
 消費者行政は幅が広くて深く、人のいる所、生活している所、すべてに問題は散在しているのだと認識させられました。
 記憶に新しいところではカネボウの美白化粧品で、白斑ができてしまった悲惨な事例、一流ホテルによるメニューの虚偽表示問題もマスコミをにぎわしました。
 消費者を守る熱意が伝わる
 長官は、「この問題で消費者庁は大きな試練に立たされたが、やるべき指令塔の何かが見えて、強くなった。今後は食品などの不当表示には課徴金を科す仕組みを導入したい」考えを示し、消費者を守る熱意が伝わってくる会でした。
 最後は子どもを事故から守るテーマソング「おしえてね アブナイカモ」を自ら歌って踊りながら披露し、あたたかい人柄がダイレクトに伝わってきて感激し、○○庁という固いイメージは払拭され、私たち消費者のための役所だと心強く感じました。

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■地域のニュース

2014年度総会/都民クラブ

 渋谷区消費者センターで5月13日、都民クラブの2014度総会を開催しました。出席者は12人。事業・決算・監査報告など総会議事は滞りなく進み、懸案の役員改選に入ると、活発な意見が飛び交いました。
 一昨年、任期途中で亡くなった水野代表の残りの任期1年を、代表代行として務めてきた高梨洋子さんが、高齢と自宅から渋谷までが遠距離であることを理由に辞意を表明していたからです。
 若い人への世代交代も望まれましたが、出席者の熱意で高梨さんが代表に就任。東京地婦連の中央委員に飛田恵理子さんが就任されるなど、他の役員にも異動がありました。会員総数は29人ですが、みんなで協力して会を盛り立てていこうとの気合は十分と見受けられた討論でした。
 会計からは、「会費納入率100%で、会員の協力を感謝する」とのうれしい報告もありました。一方、当クラブの活動資金となるちふれ化粧品が、消費増税によって、その分が収入減になるという厳しい現実の説明もありました。
 散会後希望者は、新築成った全国婦人会館の東京地婦連の事務局をのぞいて、それぞれ帰路につきました。

25年度総会/わか草婦人会

 梅雨入り間近な6月4日、南綾瀬地区センターで平成25年度の定期総会を開きました=写真。
 谷茂岡会長のあいさつ、事業・決算報告と議事は進み、26年度の事業計画案は研修旅行・料理講習会・町会と共催のふれあい広場・もちつき大会・老人会食・子育て支援事業で放課後のわくわくチャレンジ活動・FM放送出演・葛飾消費生活展・地婦連・消団連事業参加など盛りだくさんでしたが、皆さんの承認で無事に終了しました。
 続いて来賓の町会長のあいさつ、区議会議員の「ベスト消費者サポーター章おめでとうございます」の声で、会場から一斉に拍手がおこりました。葛飾区消費者団体連合会の代表で、会長が授与されたことを知らない人が多く、驚いていました。
 2部は青木克徳区長が、平成26年度の葛飾区の取り組みについて話しました。
 (1)葛飾区には「こち亀」「キャプテン翼」「寅さん」のキャラクターがあり、これらを活かした観光まちづくり
 (2)認可認証保育所の増加による待機児童ゼロを目指した子育て環境の整備支援
 (3)こどもの体力向上プロジェクトの推進
 (4)運動を習慣化して元気な高齢者を増やす
 (5)特別養護老人ホームの整備支援など、福祉と健康について時代の変化に対応した取り組みに安心しました。
 「老後」に向かう私たちに、参考になるお話しでした。

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