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■2014年10月15日付
都の防災センター見学
第60回指導者研修会
大気汚染NO2
カプセル測定報告集会
緊急集会
「中国からの食品がかかえる危険性」より
〜その1
長野県上田市婦人会と交流
泉南アスベスト訴訟
最高裁で勝訴
地域ニュース


■都の防災センター見学
 第60回指導者研修会
 第60回指導者研修会が9月18日開催されました。例年宿泊研修でしたが、今年度は災害から東京都民の生命財産を守り、都市機能の維持を図る防災・災害対策の中枢の施設、東京都防災センターの見学をすることになりました。

 当日は10時に、都庁議会棟前都民広場に集合、都民広場で記念撮影をしてから都庁第一本庁舎8・9階の防災センターに向かいました。
 都庁屋上にある防災カメラから、西・東方面、レインボーブリッジ方面の映像が写し出された部屋で、防災についての説明を受けました。
 ここには自家発電設備が設置され、3日間は対応できるようになっているそうです。阪神・淡路大震災や東日本大震災の例から見ても、公助・自助・共助のうち自助・共助が大変役立ったこと、住民によって救助されたとか友人に助けられた例など、日頃からの近所付き合いが大切だということです。
 高齢者が多く住んでいる都営アパートでは、見守りパトロールを行い、自分が高齢になった時、どう助けてもらうかを考えて、温か味のある住民同士の助け合い、そして自助・共助の取り組みを進めていく必要があることを念頭に活動を進めているというお話がありました。
 次に、都議会のPR映像「明日をみつめて」を視聴、都議会の仕事、しくみ、権限等の説明を聞きました。
 続いて都議会のPRコーナーでは、パネルやDVDで紹介、パソコンのクイズもできる所などを見て、議事堂6階窓からの眺望、「都庁舎について」の説明の後、都議会議事堂第15委員会室に入り傍聴席から議場を見学しました。
 都議会は、42の選挙区から選ばれた定数127人の議員で構成され、任期は4年で、国会と同じように会派が中心になって活動を行っています。
 東京都の仕事を進めるのに必要なお金の使い方(予算)や、さまざまな決まり事(東京都の法律である条令)を定めたりします。都議会は年4回(2月・6月・9月・12月)開催される定例会と、特に必要であるときに開かれる臨時会等がこの議場で開かれるそうです。
 12時に見学は終了し、昼食・交流会・定例会会場の京王プラザホテル2階「かがり」に移動、おいしい食事をいただきながら交流会、そして定例会を開催しました。

 以上で今年度の指導者研修会は終了しましたが、防災センターを見学して、30年以内にM7クラスの首都直下地震が起きると言われている昨今、身の安全を最優先に行動することが大切であり、「自助・共助」を念頭に置き、個々の状況に合わせた事前の準備を十分に行うことが重要であることを痛感しました。

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■大気汚染NO2
 カプセル測定報告集会
 6月5日から6日にかけて、大雨に見舞われる中で第74回の一斉測定は行われました。カプセルの取り付けも取り外しも大変な作業でしたが、93団体の協力の結果、東京全体の有効測定数は9469個に上りました。この集計がまとまり、10月4日に渋谷商工会館で報告集会が開かれました。

 報告によれば、地上1・5メートルの測定では全体の平均濃度は荒れ模様の気象状況により、昨年より低い値の0・022ppmでした。
 幹線道路沿いは0・026、地域別平均では、23区内のワーストワンは江東区の0・027、次いで渋谷区と港区の0・026、多摩地域では東村山市の0・027がワーストワン、瑞穂町が0・025ppmで続きました。低めとはいえ多摩中西部に大気汚染は広がっています。
 今回の測定でNO2濃度が最も高い測定点は、台東区千束3丁目30の国際通り沿いの0・072ppm、次いで練馬区高野台3丁目31の笹目通り沿いで0・071を記録しました。
 意見交流の機会には、米国のPM2・5環境基準の改正(年平均値12マイクログラム/立方メートル)について参加者から興味深い報告がありました。それによると、米国環境保護庁(UEPA)は、2012年12月にPM2・5(微小粒子状物資)の環境基準を年平均値12マイクログラム/立方メートルに改正したそうです。米国では大気浄化法で5年ごとの環境基準の見直しが義務づけられており、2007年以降の新たな疫学調査等による科学的な知見にもとづき、同年6月にPM2・5新基準を提案し、その後保健機関や企業との協議、23万件余のパブリックコメントなどを検討した上で改正したものです。
 新基準になり2030年までにPM2・5削減対策が進むと最大で早死者4万人、入院患者3・2万人、費用対効果で9000億円の健康への利益があると予想しています。
 日本では2009年9月のPM2・5の環境基準設定にあたって専門委員会では15マイクログラム、25マイクログラム、15マイクログラム以下を主張する専門委員グループに分かれ、最終的に15マイクログラムという当時の米国並基準に落ち着いた経緯があります。
 今なお13マイクログラムを超え増大する東京都市部のPM2・5による住民の健康被害を根絶するための削減対策及び適正な被害者救済制度確立の立場から、米国の新基準12マイクログラム/立方メートルを視野に入れた最近の科学的知見に基づくPM2・5環境基準の改正が求められています。

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■緊急集会
 「中国からの食品がかかえる危険性」より
 〜その1

 照射食品反対連絡会は10月2日、7月に明るみに出た「上海チキンナゲット事件」をきっかけとした緊急集会を、四谷のプラザエフで開催しました。
 食品の安全性を脅かす、カビの生えた鶏肉の混入したチキンナゲットは、後の調べですでにわが国へ6000トンも輸入され、マクドナルドなどで販売されたことが明らかになりました。 集会は発覚した消費期限切れの屑肉混入事件をきっかけに中国の社会的背景の一端を探り、その影響はひいてはどのように私たちの食卓に及ぶのか、農薬から食品照射問題まで、現地の事情報告を交えて一緒に考えようというものです。東京地婦連からは、犬伏さんと飛田が参加しました。
 最初に中国の農業実態のビデオが上映され、現地の人々の旺盛な食欲を満たす生産現場の様子が紹介されました。集会参加者の目は釘付けです。
 田畑にはゴミが散乱し、除草剤・殺虫剤などの農薬類の空き袋や空きビンが無造作に畑に捨てられている模様。農薬を散布している農民はマスクもせずに、「店の指示通り3種を同時に散布しているが、あの袋(ジクロルホス・殺虫剤)は必ず使わなければならない」という。2倍以上の濃度らしい。
 続いて場面が変わり市場の情景。Gメンがホウレンソウのにおいを嗅ぎ、さらに花のついたキュウリを指して「成長促進剤が使用されている」と説明する。
 一方、中国家庭の台所では、青菜を入念に品定めして購入した消費者が、まずコメの研ぎ汁などで15分洗い、これで農薬を8割以上落とし、野菜洗浄器でさらにオゾンの泡に晒して、計40分かけて洗うという。「手に入る食材に合わせるしかない」と語った姿が心に残る。
 またある湯葉工場では、中国国内でも禁止された工業用の薬剤やゴキブリ殺虫剤を、食感を出すために使用していたという身の毛もよだつ話。
 以上、ビデオのあらましでした。

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■長野県上田市婦人会と交流
 秋日和の昼下がり、全国婦人会館に上田市婦人会の田中晃子会長と会員23人がお見えになりました。谷茂岡会長は抜けられない委員会があり、3人の副会長がお迎えいたしました。
 早朝、バスで上田を発ち、新築の会館でちふれ化粧品の美容講習を受け、午後に会館の研修室で懇談しました。田中会長からご挨拶があり、端山副会長が谷茂岡会長からの挨拶を伝え、アクリル毛糸で編んだたわしとハンカチを上田の皆さんに贈りました。
 次に山下副会長が、東京地婦連の活動報告をしました。新しく完成した会館で本年度の総会が開催され、基本方針は「世代を超えて地域の力」を軸に、明るい社会を目指し、地域に根ざした活動を地道に進める。原発に依存しない新エネルギーの選択、自然災害に対する備え、高齢社会の連帯の強化など、それぞれの事業について具体的に説明しました。私は東京都の男女参画の新たな取り組みのひとつとして、「平成26年度東京都女性活躍推進会議大賞」(知事賞)が贈呈されることなどを報告しました。
 この後のスケジュールは築地市場の見学と聞きましたので、築地市場は江東区豊洲に2、3年後に移転する予定になっていること、これから見学される場外は、みんなが楽しめる場所として築地に残されることなどお話ししました。
 短時間でしたがお互いに心温まるひと時でした。
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■泉南アスベスト訴訟
 最高裁で勝訴

 かつて大阪市泉南地域のアスベスト(石綿)工場で働いていた従業員などが、「肺ガン・中皮腫等の健康被害が出たのは国の対策が遅れたため」として国に集団(1・2陣)で損害賠償を求めていた裁判は、10月9日の最高裁判決で「国の違法性」が認められました。原告勝訴で、「司法」が「行政」の規制の在り方について厳しい判断を示したものです。
 判決は原告の訴えの一つであった「粉じん排気規制は13年遅れた。排気装置の義務化は、アスベストの健康被害が医学的に明らかになり、装置の技術もすでに普及していた1958年には可能だった」という争点を認めました。
 これにより全員にではありませんが、1・2陣の原告団に救済の道が開かれようとしています。
 昨年、風の会「司法に国民の風を吹かせよう」でも東京地婦連、主婦連、都地消連、日本消費者連盟が連名で大阪高裁へ、「アスベストは暮らしに係わる深刻な問題であることから、原告の声に耳を傾けるように」と消費者の要望書を提出した経緯があります。高裁では勝訴したものの、国側が最高裁へ上告していたものです。ようやく私たちの支援が功を奏しました。
 アスベストは高度経済成長期には「魔法の工材」と称讃され、建築資材、防炎カーテン、魚焼きの網、ヘアドライヤー、トースターなど、3000種類もの用途に使われました。2006年には製造が禁止されましたが、今もなお建物の解体工事などで飛散が生じています。
 判決は昨今の社会的状況からも意義深いものです。

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■地域ニュース

長寿のお祝い
わか草婦人会

 秋晴れの9月27日、堀切6丁目町会とわか草婦人会の共催で、敬老の日のお祝いを贈りました。この日は地域のお祭りと重なり12日遅れの敬老の日になりました。
 堀切6丁目町会は葛飾区内でも大きな町会で、70歳以上の方が615人、そのうち今年古希を迎えた方が41人います。
 婦人会からの敬老のお祝いは毎年黄色いおしぼり、町会からのお祝いは、お赤飯とカステラとどら焼きの詰め合わせです=写真。
 これは町会で毎月実施している資源回収(新聞、雑誌、古布、アルミ缶)の収益と葛飾区社会福祉協議会の助成金などを充当させた贈り物です。お祝い品は車に積みきれず、2度3度と往復しました。
 9時出発、私も町会役員と一緒に207人分を担当しました。お盆の上には盛り沢山の品にお祝いの言葉添えて、一軒ずつ回ります。奥の部屋で寝たきりの方、やっと玄関まで歩いて来る方、皆さんお盆の上を見てビックリしながら喜んで受け取ります。私の手を握って離さない方は、もっと話したかったのではないでしょうか。こうした多くの出会いは「老後を安心して暮らしていけるのか」と、複雑な気持ちになりました。
 私も微力ながら地域のため自身のために、できるだけ協力していこうと改めて思ったお祝いの一日でした。

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