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■2015年3月15日付
第2回東京地婦連ブロック会議
高齢者施設の契約問題を学ぶ
結核予防婦人団体中央講習会
4つの講演会で深く学ぶ
浜松市の生産者と交流 ―現地協議会開催
プラスチックに関して消費者団体との懇談会
二酸化窒素測定結果区市別一覧
地域ニュース


■第2回東京地婦連ブロック会議
 高齢者施設の契約問題を学ぶ
挨拶する谷茂岡会長(右)
 2月19日、全国婦人会館と共催でブロック会議を開催しました。今年の課題は高齢者問題で、第1回は「特別養護老人ホーム水元ふれあいの家」を見学、訪問診療を担う医師から在宅介護の現状を学びました。今回(第2回)は、「終のすみかを選ぶとき、ここが大切! 後悔しない契約を学ぶ」をテーマに、民間の高齢者施設の選び方を、講師の村千鶴子弁護士から学びました。講演の前には、「あなたが望む終のすみかとは」のアンケート調査の結果報告も行いました。会場は全国婦人会館、参加者は約30人、概要の報告です。
講師の村千鶴子弁護士
 人生の最期は自宅で迎えたいと思っていても、諸事情で施設に入らなくてはならない人が増えています。しかも、特養ホームの空きを待っている時間がないために、多額な費用が必要な民間の高齢者施設へ入居せざるを得ない現実に加え、契約その他のトラブルが後を断ちません。
 そこで今回は長年被害者救済に携わっている弁護士の村千鶴子さんに、終のすみかを選ぶ時に大切な、後悔しない契約について、講演をお願いしました。その概要です。
 終のすみかを選ぶとき、介護サービスの受け方ひとつとっても、それぞれの施設に違いがあるように、各種サービスの内容も異なっている。後々のトラブルを回避するには、次のようなポイントをチェックし、不明な点は事業者に問い合わせ、できるだけ多くの施設を比較検討してほしい。

(1)経営母体はしっかりしているか⇒不動産登記簿謄本の抵当権設定登記を確認しよう
(2)立地や周辺の環境⇒高齢者が住みやすいか
(3)居室や共用設備とその費用
(4)契約に含まれるサービス内容⇒家事・食事・生活支援・健康管理・介護等の確認およびマンパワーはどうか
(5)費用の確認↓住まいとしての利用対価・サービス利用料等の確認
(6)クーリングオフ制度の3カ月ルールはあるか。一日当たりの利用料は
(7)中途退去の場合の精算方法の確認
(8)退去事由の確認⇒終身介護付きでも医療が必要になった場合等、途中退去はあり得る。判断は誰がするのか等について、しっかり確認検討しておき、契約に当たっては、入居金について、目的・償却方法・解約時や死亡時の取り扱いについて確認するとともに、月額利用料の内容と返還規定、追加請求の有無などを十分調査することが大切であると話されました。胸が痛むトラブルの数々、お話しを聞いていて契約前のチェックの大切さをつくづく感じました。
 私も体力・気力のあるうちに、安心できる施設を選ぶための慎重なチェックを始めようと思っています。

アンケート調査報告

「あなたが望む終のすみかとは」
 調査方法 東京都消費者月間行事会場(新宿駅西口広場)で一般消費者を対象に、昨年10月10日〜11日の2日間実施

回答者総数 302人(男性125人、女性177人)
年代別 20〜30歳代16人5・2%、40〜50歳代95人31・5%、60歳以上191人63・3%

 設問は「あなたが安心して人生の最期を迎えたいと思う場所は、次のうちどの場所でしょうか。『希望』の場所にシールを1枚貼ってください」だけです。
 会場の壁に掲げた質問表の希望する場所に、自分で丸いシール(男性は青、女性は赤)を貼ってもらう方式で行いました。質問が1つだけのせいか、立ち止まって気楽に回答していく姿が目立ちました。
 結果は、1位「自宅」62・6%、2位「サービス付き高齢者向け住宅」10・9%、3位「わからない」9・0%、4位「民間の有料老人ホーム」5・3%、5位「子どもと同居できる場所」4・6%、6位「公的な介護付き老人ホーム(特養)4・3%、7位「医療施設(病院の療養ベットなど)3・3%でした。
 希望の最多は「自宅」で、図らずも施設介護から在宅介護へとシフトした国の方針に添う結果となりましたが、老々介護の厳しい現実を支える地域差のない国の施策の充実が切望されます。
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■結核予防婦人団体中央講習会
 4つの講演会で深く学ぶ
 2月9日・10日に大手町KKRホテルで開かれた第19回結核予防婦人団体中央講習会に出席しました。開講式、写真撮影の後、4つの講演を聴きました。そのまとめです。
(1) 「結核という病気について」患者さんから学んだこと、複十字病院佐々木結花先生の外来診療の現場からのお話
(2)  「ワクチンで子どもを守ろう」BCG接種について結核予防会、森亨先生。かつて結核は怖い病気でした。啄木や子規が若くして命を落とした過去から年月を重ね、私たちはツベルクリン反応やBCG接種で守られ、その上栄養状態、環境、衛生問題の改善、医学の発達で結核は恐れられる病気ではなくなりました。
(3) 肺の生活習慣病「COPDって知っていますか」結核予防会工藤翔二先生のお話
(4)  「喫煙及び受動喫煙の有害性について」中央内科クリニック院長村松弘康先生のお話、以上ををまとめて報告します。
 増え続けている怖い病気COPDは、別名「タバコ病」日本語では「慢性閉塞性肺疾患」と言います。肺気腫や慢性気管支炎もこれに含まれています。
 90%以上が喫煙者という病気ですが、非喫煙者もタバコの煙を吸い込むことでCOPDの危険に直面します。咳、痰、息切れなどの症状ではじまり、異常を感じた時は重症というのも特徴です。きつい咳が慢性化し呼吸不全が進むと、自宅でも酸素吸入が必要となります。呼吸するのに多くのエネルギーを必要とし、栄養をとり込む力が弱くなり、進行を一層早めます。
 「タバコ病」「受動喫煙」の有害性をお分かりになりましたか。何をか言わん私は夫を昨秋、COPDで亡くしました。五十数年の喫煙を許した自分を責め、胸しめつけられる思いで受講いたしました。10分間の休憩をはさんでのハードな講演会でしたが、得るものが多い充実の一日でした。
 始まってすぐに、秋篠悦子宮妃殿下と記念撮影後、講演が始まりました。
 結核という病気については知っているつもりでしたが、いまだ世界的な感染症で、1年間に世界で900万人の発症があり、日本でも年間2万人の発症者がいるということでツベルクリン反応を小学生の時に受け、一度BCGをしただけで陽性になった私は今まで結核のことはあまり考えませんでした。
 治療して治った友だちをみてきていたので、早期に受診することが大事だと思いました。いろいろと講義を受けましたが、一番印象深かかったのが「COPD(たばこ病)」でした。
 病院の壁にポスターが貼ってあるのは見たことがありますが、肺が黒くなるだけかと思っていたら慢性の咳や痰、息切れで呼吸不全を起こす病気で栄養が取れなくなり、ガリガリにやせて死を迎えるこわい病気で、息子の1人がたばこを吸っているので、止めてもらいたいと思いました。何歳になっても止めるのに遅すぎることはないということでした。
 喫煙や受動喫煙の有害性を伝えていかなければと思い、福本さんのご主人がこの病気だったということで、休憩中も夜もお話を聞いて講義だけでは分からない恐い病気だと痛感しました。
 翌日は班別討議で「クロスロードで考える婦人活動の活性化」ということで、阪神・淡路大震災のときの実話がもとになった教材で、進路を決すべき「岐路」、「分かれ道」を意味するそうで題が出され、イエスかノーを選び、なぜそれを選んだのかを自分の言葉で説明します。すると例えばイエスを選んでも一人ひとり状況が違うことが分かります。2時間以上話し合っていたのですが、秋篠宮妃殿下が各テーブルを回って、「こういう話し合いをしました」と発表すると「そうですよね」などと話され、意外と言っては失礼かもしれませんが庶民的なのでびっくりしました。
 最後に妃殿下の講演を聴き、しっかりと勉強されていることに感動し、修了証をいただき、お昼に解散となりました。1泊2日でしたが、たくさんの知識を詰め込んで帰路につきました。
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■浜松市の生産者と交流 ―現地協議会開催
 農畜産業振興機構主催の「野菜需給協議会」は2月25日、収穫後貯蔵せずに国内でいち早く出荷する新たまねぎの産地、静岡県浜松市で開催され、全地婦連から1人、東京地婦連からは端山副会長と飛田が出席しました。会場は、JAとぴあ浜松西営農センターです。
旬を迎えた新たまねぎ
(写真提供=野菜需給協議会)

 6人の生産者を交えた協議には、学識経験者・消費者団体・青果物小売団体・農林水産省など、22人が参加しました。
 主催者は、「野菜需給協議会では、野菜の生産・供給などの課題を協議し、今後の見通しを伝えており、新たまねぎなど多品目を率先して栽培しているこちらの、生の情報を聞かせていただきたい」と開会の挨拶。
 最初にJA静岡から「静岡は東西を大消費地に挟まれている。また温暖な気候と豊かな自然に恵まれ、お茶、セルリー・チンゲンサイ、たまねぎなどの野菜類、ミカンをはじめ多種類に及ぶ果物、ガーベラなど花き類等の全国でも有数の生産地となっている」と県の特色について、県産品満載のカタログ「食材の王国」の紹介を兼ねて報告がありました。
 地元のJAとぴあ浜松のメンバーやたまねぎ生産者は「組合の合併後20年を迎えるが、高齢化で組合員が減少してきたため、平成18年にプロジェクトを立ちあげた。浜松市は、温暖で農業用水にも恵まれ、技術アドバイザー制度も導入している」「新たまねぎ、セルリーなどは自家採種を行って栽培している」「1〜3月出荷の新たまねぎの場合、ここは砂地なので雨が浸透し栽培に適している」「耕作放棄地をJAが中間保存し貸し出すが、新たまねぎ用地など、借り手が多く足りない」「売上は合併後減ってはいるが、施設物(花き)や葉ネギなどでは、後継者が増えている」「とぴあ青年部では、仲間作りの養成塾・園芸教室などを開催してきた。昨今では、JA・ファーマーズマーケットはじめ大田市場などへも出荷している」「水害で赤字になっても多品目出荷を継続してきたことで、収益が30%も伸びた」など、台風の通り道、浜松ならではの生産者の苦労話を交えての報告でした。
 質疑応答では子どもの農業体験・食育・省エネ栽培の工夫も話題に上りました。
 その後、隣接する出荷場の様子を見学しましたが、ここでは真空予冷による鮮度保持が行われていました。たまねぎのほ場では、無雑作に捨てられた規格外品に目がとまり、消費者からは「もったいない」の声とともに、「加工食品にしたり、スライスして冷凍食品にしては」などのアイデアも出されて、活発に交流できました。
 最後に立ち寄ったJAの直売所「ファーマーズマーケット」は明るくて品ぞろえも多く、出荷する品目と農家の多さがうかがえました。

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■プラスチックに関して消費者団体との懇談会
身近なプラスチック製品
 日本プラスチック工業連盟主催の消費者団体との懇談会が、5年ぶりに3月3日に開催されました。
 小野寺専務理事の挨拶のあとに、プラスチックのイメージ調査から見えてくること、中学1年生の理科学習でプラスチック授業は始まる、プラスチックを正しく理解するために、冊子「食用プラスチック容器包装の利点」の紹介などについて説明があり、その間にプラスチックシートの成形の実演も行われました。
 その後、8団体18人の消費者団体から意見と質問が出されました。例えば(1)最近ボトル本体が強化され薄く軽くなっているがキャップを開ける時、本体から飲み物がこぼれて高齢者には扱いにくい(2)耐熱プラスチックの加熱の仕方が難しい。取り扱いの表示があるとよい ―― などがあげられました。主催者が事業団体なので、答えを出すのは難しいところもあるようでした。
 最後にプラスチックのゴミについて。海洋に流れ出たプラスチックはなかなか回収できず、油脂などのついたものを食べての害、腐らないプラスチックは紫外線に弱く、劣化して砕けマイクロプラスチックとなって海へ溶け出し、食物連鎖の問題が心配ですと話されていました。リサイクルを忘れず、プラスチックをゴミにしないことだと思います。
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■二酸化窒素測定結果区市別一覧
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■地域ニュース
保健所と交流会 わか草婦人会

 2月20日葛飾区保健所と「食の安全安心にかかる意見交流会」を健康プラザかつしかで開きました。
 保健所から食中毒の特徴や予防方法などの説明がありました。平成26年の病因物質別食中毒の発生状況の第1位はカンピロバクター、続いてノロウイルス、アニサキス、サルモネラの順で発生しているそうです。
 カンピロバクターの特徴は、鶏などの消化管にいる菌で少量でも食中毒を発生させ、熱に弱いのが特徴、生で食べることが中毒に関与しているようです。
 肉を食べるのが悪いわけでなく、肉は良質なたんぱく源でもあり、十分加熱してバランスよく食事に取り入れることだと思います。
 次にノロウイルス食中毒は、乾燥する冬場に多発、カキや二枚貝の内臓に蓄積し非常に感染力が強く、少量のウイルスが体内に入っただけで感染し、人の腸管内で増殖、患者のふん便には1グラム当たり1億個ものウイルスが含まれているそうで、数グラムで世界中が汚染されてしまうそうです。予防のポイントは、十分な加熱と手洗いが感染予防の基本です。また、調理器具やおう吐物などの洗浄消毒は次亜塩素酸ナトリウムを使用すること、これ以外にないようです。
 私は、カキや貝類が大好きですが、今まで食中毒など他人事と思っていましたが、胸にズシンとこたえました。
 谷茂岡会長からは「食中毒防止のために、保健所の監視や指導を徹底してほしい」と要望が出ました。
 「菌をつけない、菌を増やさない、菌を殺す」を心して安心した食生活を送りたいと思います。
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