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■2015年4月15日付
くらしフェスタ東京2014 テーマは在宅介護医療問題
お花見平和のつどい2015
大規模地震の火災原因と対策 感震ブレーカーとは〈1〉
被災産地支援研修会 福島県いわき市小名浜魚市場訪問
地域ニュース


■くらしフェスタ東京2014 テーマは在宅介護医療問題
在宅介護の医療問題について
青井禮子先生の講演
東京地婦連中央集会

 3月16日、全国婦人会館と共催で、「在宅介護医療問題」について東京地婦連の中央集会が飯田橋の都消費生活総合センターで開かれました。
 谷茂岡会長の主催者あいさつに続いて第1部のパート1では、葛飾区の水元ふれあいの家施設見学後に勉強した、青井禮子江戸川病院名誉院長のお話から「在宅福祉の現状と課題」について中野理事の発表、パート2「終のすみかを選ぶとき」高梨理事のアンケート調査結果の報告、端山副会長は「終のすみかを選ぶ時、後悔しない契約について」村千鶴子弁護士のお話をまとめ、それぞれ発表しました。
 第2部は、在宅介護の医療問題について、水元ふれあいの家でおなじみになった青井禮子先生に再び講演をお願いしました。2時間にも及ぶお話から、そのあらましをまとめました。
 75歳以上の人口は2025年頃までは急速に上昇すると、人口問題研究所は発表しています。団塊の世代が後期高齢者となるまで人口と医療費はふくらみ続け、後期高齢者医療保険もパンク寸前です。
 健康寿命と平均寿命の差は男性9・1年、女性は12・7年、つまり介護状態や寝たきりになる期間は10年くらいあることを意味しています。
 健康寿命とは日常生活に制限のない期間をいいます。私たち一人ひとりが食事に気を配り、禁煙、適度な運動、良質の睡眠をとることなど、生活の見直しで医療費を抑えることができるし、それは健康寿命を延ばすことにもつながります、と指摘されました。
 今、生活習慣病は死亡割合の約6割を占め、疾病構造は感染症から生活習慣病へと変化、関連疾患にかかる医療費は医科診療医療費の3割を占めます。
 高齢者医療費を抑えるためには医療機関を上手に受診すること、日常的な病気の治療にはまず、近くで何でも相談できるかかりつけ医を持ちましょう。また、緊急でもないのに休日や夜間に受診したり、重複受診をすることも医療費の増加につながります。老人が救急車を独占することも考えものです。
 最後に増加し続ける認知症高齢者の国の政策、施設医療、介護から在宅医療、介護の推進に当っての課題については、地域における医療介護の関係機関の連携が重要ですが、現状では訪問診療を提供している医療機関の数も十分とはいえないし、連携も十分とれていないと結ばれました。
 医療、介護の現場から、また老々介護の体験も交えて、気さくなお人柄がにじみ出たお話でした。認知症を隠さず閉じ込めず、地域の人びとのやさしい見守りで支えることの大切さが大きいテーマとして、見えてきました。
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■お花見平和のつどい2015
 なくそう核兵器、つないでつないで東京から平和を、をテーマに、お花見平和のつどい2015が4月4日都立夢の島公園 第五福竜丸展示館で開催され160人が参加しました。東京地婦連が植樹した八重紅大島桜も満開でしたが、あいにくの小雨模様で、会場は展示館内になりました。
東京地婦連が植えた八重紅大島桜=4月9日撮影、第五福竜丸展示館提供
 オープニングは、お花見平和合唱団と参加者で「花」の合唱、続いて端山副会長の開会宣言。
 最初は、東友会の「被爆70年とヒバクシャの今」の証言。語りとビデオの上映がありました。第五福竜丸平和協会から「いま第五福竜丸のエンジンは」のお話があり、大変詳しい説明で勉強になりました。
 お昼のピースミュージックでは、松島よしおさんと仲間たちの演奏を聞きながら、楽しく食事をしました。
 午後は、「ヒロシマ・ナガサキ70年に際して」と題し、共催団体からの発言があり、生協連、原水協、都地消連、主婦連、青年団、そして東京地婦連からは大北副会長が発言し、さらに東京地婦連が制作した「女たちの戦争体験」の文集とDVDの宣伝を、また東京地婦連担当の祈り鶴コーナーでも飛田書記が、ビデオの上映と販売をしました。故稲葉良子さんのご子息も参加され、ご協力をいただき、大きな成果でした。
 次にNPT再検討会議への横断幕の紹介が東友会から、続いて会場の参加者の発言がありました。
 最後に端山副会長が祈り鶴コーナーの報告、都地消連の閉会の挨拶、「青い空は」をみんなで合唱し、終了しました。
 被爆70年の今年、核兵器の廃絶と戦争のない平和な世界をめざして開催されたお花見平和のつどい2015は、大変意義ある集会でした。
福竜丸船底下の折り鶴コーナー お花見平和合奏団の「花」

*  *  *

DVD「女性たちの戦争体験」
 東京地婦連は若い世代に戦争体験を語り継ぐために、「女たちの戦争体験」を40分のDVDに収録し、その映像とともに「あなたに伝えたい私の戦争体験」文集を制作しました。これらは二度と戦争を繰り返してはならないという、命のメッセージです。今こそ平和学習の教材として、皆さんに活用していただきたいと願っています。
 「在庫あり」です。どうぞ東京地婦連事務局まで声をかけてください。
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■大規模地震の火災原因と対策 感震ブレーカーとは〈1〉
 平成25年12月に国が想定した首都直下地震の推計によれば、火災による被害は最大で焼失約43万棟、死者約1万6000人という甚大なものでした。特に木造住宅密集市街地における同時多発延焼火災等の危険性が指摘され、人的・物的被害を軽減する対策の一つに感震ブレーカーの普及も挙がりました。これを受けて内閣府は、感震ブレーカー等の性能評価、普及方策等をめぐる検討会を開催し「大規模地震時の電気火災の発生抑制方策の検討と推進について」と題する報告書を取りまとめ、3月31日に公表しました。消防庁、経済産業省とも連携して作成された内容について、そのあらましを連載で紹介します。

火災の発生状況

 近年では生活様式の変化から、大規模地震時の火災には電気に起因するものが多く、阪神・淡路大震災では61%、東日本大震災では65%に上ります(いずれも出火原因が確認された火災に占める割合です)。

電気火災の特徴

 住まいでは(1)地震の激しい揺れで衣類はじめ可燃物が落下・転倒し、電気ストーブ・電気コンロ等のヒーターに接触して着火する(2)白熱灯の電気スタンドなどが落下・転倒し可燃物に着火する(3)観賞魚用水槽が転倒し、飛び出たヒーターが可燃物に接触して着火する、あるいは(4)室内のコンセントに水槽の水がかかり出火する(5)家内配線の損傷やコードの断線等による出火などがあります。
 これ以外に変圧器等の過熱による火災も発生する可能性があります。

感震ブレーカー等の役割

 大きな地震の時は、「ブレーカーを落として(切って)避難するように」といわれていますが、身の安全を確保するだけでその余裕がない場合や、外出して不在の場合もあります。
 また、大きな揺れの直後で、住まいの十分な安全確認ができない場合、あたり一帯が停電になり安全確認ができない状況のまま避難するような場合も、ブレーカーは入ったままです。
 地震の多いわが国は高齢社会で、電気火災への対応が難しい世帯も少なくない昨今です。このような時に一定の揺れを感知して自動的に通電を遮断するのが、感震ブレーカーで、電気による(1)〜(5)の出火を抑制するのが主な役割です。

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■被災産地支援研修会 福島県いわき市小名浜魚市場訪問
 3月10日、都庁を朝8時過ぎに出発、バス2台で54人が参加しました。小名浜魚市場に着くと会議室で地元テレビ局の取材があり、福島県漁協・水産試験場から説明を受けました。
現地の取り組み

小名浜魚市場会議室で研修
 4年前の3月11日に発生した東日本大震災と津波で、甚大な被害を受けた。福島第一原発からは汚染水が流出し操業停止に。4月に入り、県の魚介類のモニタリングがはじまり、漁業者などから操業再開が要望されたが実施できなかった。
 試験操業で、県が24000件のモニタリングを行い、放射能の影響が明らかになった。魚種により影響がほとんどないもの、時間の経過により低下するものがある。魚種を限定し小規模の操業と販売を試験的に実施した。この計画は、段階を経て慎重に協議された。協議会は漁業者代表、消費者、流通関係の代表、有識者、行政機関などで構成。
 放射能検査態勢は、50ベクレル/キログラムを自主基準とし、研修を受けた漁業職員が検査を行う。当初、魚は3種類だったが、最近は増えている。販売(出荷)状況は、県内はもとより築地や仙台と拡大しているが震災前の数%。価格は前と変わらない。
 これからの課題は、出荷対象種の拡大を希望(一部制限の指示がある)。漁獲量が増加すると売れ残りが懸念される。本格操業に向け、検査機器や検査員の不足も課題となっている。

意見交換

Q漁業従事者の給料はどうか
A東京電力が賠償する

Qストロンチウムは調査しているか
A国が行う(数値は少ない)

Q試験操業の魚の検査をすると鮮度は落ちないか
A検査は、30分でできるので鮮度は落ちない

いわき市漁協検査室で
Q「風評被害」という言葉は、使わない方がよいなど、熱心な発言がありました。
 隣の仮設の検査施設も視察し、説明を受けました。
 昼食は、小名浜で水揚げされた魚の料理をおいしくいただき、向かいの魚市場「いわき・ラ・ラ・ミュウ」で、カレイや塩干物など買い、楽しいひと時でした。
 この店には地震後に2・5メートルの津波が来たと聞きました。2階には災害時の様子が展示してあり、多くの物が失われたことが実感できます。
 新たな市場も4月にオープンします。現地の視察で、集荷される食品は検査されるので安心なことが分かり、実りの多い見学会でした。
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■地域ニュース
先端技術館を見学 都民クラブ

ワカマルくん
 3月6日、港区北青山にある、TEPIA先端技術館(運営=一般財団法人 高度技術社会推進協会)に行きました。
 テクノロジースタジオ、テクノロジーラボなど4つのコーナーがあり、宇宙・自然科学・建設・エネルギー・機械などさまざまな分野の先端技術が展示されています。体験コーナーもあります。
 最近方々で活躍している「ワカマル」という、人の動作を研究し顔を認識できるロボット=写真=や、「パロ」という名のセラピー用ぬいぐるみロボット犬などが展示されていました。特にパロは、3年保証で42万円というかなりのお値段ですが、声をかけたりなでたりすると可愛い動きを見せる、介護用ロボットです。
 今後受注が増えればもう少し安くなるとは思いますが、高齢社会で活躍する場も増えるのではないかと、期待する声も出ていました。
 医療分野はまさに日進月歩。開発途中の医療関連の機器なども展示されていましたが、病気の早期発見につながる可能性大と、期待されています。実際、治療や手術に役立ち、私たちが医療内容を知り、選択することにつながる技術などの展示は、私たちの未来を見据えた“希望”という言葉で象徴されるものではないかと思いました。
 子ども連れの見学者も多いと聞きましたが、ご存じない方も、一度訪問されてみてはいかがでしょうか。現在展示替えで休館していますが、4月22日の開館予定です。

消費生活センター開設40周年 羽村市婦人会

 3月17日、羽村市消費生活センターの開設40周年記念式典が生涯学習センターのゆとろぎ大ホールで開かれました=写真。関係行政やともに歩んだ団体、元運営委員、市民のみなさんなど、ホールいっぱいの人と盛大に祝いました。関わりを持てたうれしさをかみしめました。「一人の百歩より百人の一歩」と言われた並木良さんの言葉を思い出し、実感しました。
 昭和50年3月羽村町消費者センター開設。当時、まだ町だった羽村に町立として全国で5番目にセンターが誕生したのは、「食の安全」への揺るぎない信念をもった羽村の主婦の力強い活躍があったからでしょう。
 開設当初から消費者センターの運営は、行政主体ではなく住民が全面的に行うという先駆的で特色あるものでした。時代と共に消費生活をめぐる問題は大きく変化していきますが、今も変わることなく市民の手に運営を任せている行政の寛大さに、市民として感謝いたします。
 主婦の目覚めは1958年頃から、全国的に婦人学級を推進していく動きがあり、羽村町婦人会にも婦人学級が開設されました。どんなことかも理解できずに集まり、16の学級グループができました。「話し合い学習」との説明を聞き、身の回りの問題を話しているうちに食品添加物の学習。西多摩生活の科学教室の開設。はむら生活学校スタート。羽村町婦人会の中に「はむら四ない生活学校」生まれる。合成殺菌料抜きの「はむら安全とうふ」が実現(1970)。このような素地があったのです。
 活動拠点ができた私たちは「ごみ問題への取り組み」(1984〜2001)「マイバッグ運動の展開」(2002〜2007)「持続可能な社会をともに考える」(2008〜2013)「循環型有機農業を実践している霧里農場を見学」「AF2を入れない豆腐づくり」の座談会を開催、エネルギーをもう一度見直そう〜みんなにやさしいエネルギーを〜消費生活展(2014〜)など、活動は続いています。
 中村委員長の「賢い消費者たれ!」を胸に、そして未来へ。

27年も続いている老人給食会 わか草婦人会

 3月27日、月に一度の老人給食会が堀切六丁目町会会館で開かれました。参加者は28人、メニューはお彼岸にちなんで、あんこ、ごま、きな粉の3色おはぎ、茶わん蒸し、五目煮、酢ばす、お新香など、お料理屋さんにも引けを取らない盛りだくさんのメニューです。ひとり暮らしの人を対象とした給食会ですから、皆さん大喜びしていました。
 ご近所とはいえ寒い日が続き一堂に会するのは久しぶりなのでしょう、食べながら会話もはずみ、話の花も満開になりました。
 皆で食べる効用は胃袋だけでなく、心も満たされるのでしょう。人と人の絆が再認識されている昨今ですが、婦人会では27年も前から毎月欠かさず開催しています。
 今月は社会福祉協議会の担当者が視察に見え、試食もされました。[飾区の婦人会で給食会が行われているのはわか草婦人会だけだそうで、平成元年から続いていると聞き、感心されていました。
 今後とも老人給食会が地域の絆の要となって続くように、頑張っていこうと思っています。
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