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■2015年6月15日付
世代を超えて地域の力 2015年度東京地婦連総会
中野三千代理事 消費者支援功労者賞受賞
大規模地震の火災原因と対策 その3
地域のニュース


■世代を超えて地域の力 2015年度東京地婦連総会
 東京地婦連の2015年度総会は5月14日に、全国婦人会館2階の会議室で開催されました。今年度は昨年に引きつづき「世代を超えて地域の力」をテーマに、一層地域の連帯を強める活動を進めていきます。総会は2014年度の事業報告、会計報告を承認し、2015年度の事業計画案、予算案も全員の拍手で原案通り可決しました。
2015年度東京地婦連総会=5月14日
 東京地婦連は明るい社会の構築を目指して心を結集し、地域に根ざした活動を地道に進め自然災害に対する備え、原発に依存しない新エネルギーの開発、少子高齢社会における地域の連携など、安心して暮らせる社会づくりの活動方針を可決しました。
 今年の重点事業には、食の安全について「機能性表示食品」制度が間もなく施行されますので、正しい商品の選択が行えるよう市場監視を強めること、地域福祉への取り組みについては昨年6月に成立した「地域医療・介護推進法」で、施設介護から在宅介護へと国の方針が変わりました。このように急速に進行している高齢社会の介護・医療・住宅制度などに、積極的に取り組む活動方針が承認されました。
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■中野三千代理事 消費者支援功労者賞受賞
 羽村婦人会の会長で東京地婦連書記の中野三千代さんは、山口俊一内閣府特命大臣から、5月26日首相官邸で、栄えある消費者支援功労者賞を授与されました。おめでとうございます。
山口担当大臣から表彰を受ける中野三千代さん
 中野さんは、羽村の前会長で東京地婦連副会長を務められた故並木良さんとともに、昭和42年から四ない運動「業者は作らない・売らない、消費者は買わない・食べない」を開始し、国内では他に先がけて豆腐から合成殺菌料AF2を追放し、また地域では発色剤の亜硝酸塩を除去した無添加ハム・ソーセージを開発しました。
 以来これらは学校給食にも取り入れられ、市販品として流通しています。羽村の運動は地域の消費者運動として映画化され、当時はテレビ番組でも取り上げました。
 その後50年には、消費者が自主運営するユニークな町立消費者センターがスタートし、中野さんは平成19年までに通算すると11年間、このセンターの運営に携わりました。事業者を消費者志向へと向かわせ、行政と消費者が協働する仕組みを構築した、その意義は大きいものです。
 中野さんは、現在もくらしの安全の向上に寄与され、住宅の品質確保や表示の適正化、紛争処理による消費者被害の救済、その他JIS規格原案作成などに多数関わっています。
 今回、東京地婦連・全地婦連の推薦で受賞されました。これからもますますのご活躍をお祈りいたします。

羽村の消費者運動

 1963(昭和38)年に婦人学級が開設され、羽村でも募集がありました。早速応募したのですが、これが私の目覚めでした。16のグループができ、テーマ別と地域グループとそれぞれの思いを込めて名を付けたことを、今でも懐かしく思い出します。
 ある時、子どもに雪の上でおしっこをさせたら、雪がオレンジや黄色に染まり、びっくりしたとの話に、みんなが息を飲み、先生に「粉末ジュースを飲ませていませんか」と聞かれてうなずく。「それは食品に使ってもよい、添加物の赤色よ」と言われ、このとき初めて食品添加物という言葉を知りました。

並木良さんとの出会い

 目を見張り耳をそばだて、世間を広く見て考える生活がはじまりました。いろいろと物の見方を気付かせていただいたのは故並木良先生との出会いがあってです。間違いは厳しく指摘し、正しい指導をしてくださいました。発表の時も皆の前でちゅうちょしていると、「勇気を出してやってみなさい」と背中を押してくださいました。この出会いが今自分にある、その幸せを感じています。
 世代交代したばかりの若い豆腐屋さんでしたが、AF2の害をよく説明して「朝作って夕方食べるお豆腐に防腐剤は要らないのでは?」に対し、防腐剤なしの豆腐なんて考えられないという様子に、お茶をすすめて時間を稼ぐ。「うむ、作ってみるか」の一声に、喜びは100%でした。「村の安全豆腐」の誕生です。買い支え対策として、自分たちはもとより、羽村を訪れた人にも買ってもらえるように考え、そこで「業者は作らない、売らない。消費者は食べない、買わない」の四ない運動が始まりました。
 続いて無添加ハム・ソーセージに取り組む。肉の色を美しく見せるために使った発色剤、これに発がん性物質があることを知り、勉強を重ね、立川短大のご指導もあり、実験で添加物の種類を見分け、専門家に意見を聞くと、怖さが募り続けた。業者とともに無添加への努力を続けた。
 「大多摩ハム」の専務がその気になったときはうれしかったが、条件は「一釜作るので、全部買い取ってください。取り扱いは十分気をつけてください。もし、事故が起きたら、うちは倒産の覚悟をしています」に身が引き締まりましたが、製品ができた時の喜びはひとしおでした。
 しかし色が悪いので皆にすすめても、なかなか受け入れられませんでした。真っ赤なウインナーソーセージが出回っている時でしたから――。
 一度食べた人は「とってもおいしい」ということで今に至っています。都や近県の学校給食に使われていて、子どもたちにも人気があります。
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■大規模地震の火災原因と対策 その3

 内閣府・消防庁・経済産業省が連携し開催された「大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会」では、感震ブレーカー等の性能評価の考え方や設置にあたっての留意点等をガイドラインとして作成するとともに、今後の普及方策等についても指針を示しています。
 ガイドラインでは、感震ブレーカーの設置及び作動時におけるポイントを示し、性能評価によってタイプごとに異なる出火予防性能・避難安全等確保機能を、利用者がそれぞれの状況に合わせて選択出来るよう規定しています。
 感震ブレーカーの性能評価項目の、必須項目は出火予防性能として感震遮断性能と予防範囲、避難安全等確保機能は選択項目ですが、避難用の照明確保機能と回線ごとの通電継続接続機能などが評価対象です。
 表示方法は、簡易タイプ・コンセントタイプ・分電盤タイプのいずれについても必須項目は「星の数」で、選択項目は「可」または「‐」など、分かりやすさが基本です。
 電気火災対策の柱として感震ブレーカー等を普及させるためにも、機器は「感震ブレーカー等の性能評価ガイドライン」に適合する第三者の性能評価を受けたものであることが前提になります。たとえば、日本配線システム工業会の自主認証制度や、日本消防設備安全センターの適合認定による消防防災製品等推奨制度などの評価制度です。
 今後日本電気協会の需要設備関係の規程に感震ブレーカーを取り込むことで、広く全国の電気工事関係者を通じての普及も検討されています。

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■地域のニュース
近況報告 やはた婦人会

 森谷会長が逝かれて早くも3年、大黒柱が倒れて最初は大変でしたが、今では鈴木文子会長を先頭に、以前より規模を小さくして、皆さんに負担のかからないような会の運営を行っています。
 婦人会の行事は、1泊の旅行会、新年会、それに体操クラブがあって、毎週木曜日に民謡を踊ってから、ストッレチをしています。
 北区ニュースに呼びかけて、王子、滝野川、桐ケ丘、赤羽台、志茂などからも通って来てくれます。会員は30人を超え最高齢者は86歳、今は五輪音頭を練習しています。私も参加していますが、なかなか体にいいですよ。
 夏には暑気払い、暮れの忘年会、親睦の輪ができて楽しいです。婦人会としては、皆さんそれぞれが、元気で楽しい毎日を送れればいいなと思っています。



26年度定例総会 わか草婦人会

 6月2日南綾瀬地区センターで、わか草婦人会の定例総会が開催されました。谷茂岡会長の挨拶、事業報告、決算報告がありました。
 事業報告では料理講習会、ふれあい広場、地婦連や消団連の事業参加、かつしかFMの出演などの活動が報告されました。事業計画では研修旅行を予定しているので、希望者は申し出てくださいとのことでした。
 町会長さんは、これからも健康に気をつけて町会の行事にご協力くださいと話し、議員からは、今年度から家具の転倒防止器具の取り付けに援助があり、今年度は1000件の予定と、お知らせがありました。
 第2部は須藤祐司嬉泉病院名誉院長の講演「地域医療包括ケアシステムと高齢者民間救急輸送システム」です。地域包括ケアシステム策定の背景には社会保障制度の確立、超高齢社会到来の対応、医療費削減、病床数のさらなる圧縮などが要因になっているそうです。葛飾区内16の病院が連携して、発症から入院、治療後は自宅退院または介護福祉施設への入所までの支援を目標に、安心して在宅医療生活を送れるように活動するそうです。
 先生は、夜は早く寝て、朝日をあびて幸せホルモンのセロトニンを増やして身心ともに元気であることが一番であり、そのためには目標を持ちボランティア等で人を喜ばせること、家族に感謝をすることが大切であると結びました。



加藤さゆりさんを囲んで 都民クラブ

 6月2日に渋谷の消費者センターで2015年度の都民クラブ総会が開かれ、すべての議題が採択され、無事に終了しました。
 昼食をはさみ、午後はこの春、4年間の長野県副知事の任期を終え、東京に帰ってこられた都民クラブ会員の加藤さゆりさんを囲み、お話を聞きました=写真。
 加藤さんの副知事としての初登庁は奇しくも4年前の3・11、東日本大震災の日でした。その翌日新潟県境の栄村で震度6強の直下型地震、豪雨、がけ崩れ、豪雪と続き、昨秋には御嶽山噴火と、まさに自然災害に終始した4年間だったと振り返えられました。
 加藤さんは県内の被災地もよく歩かれたようです。ある避難所でのこと、義援金も集まった、衣類も何とか行き渡ったその時、着替えはあっても洗たくはどうするの、洗濯機が必要と女性の声。平時から考えておかなければいけないことですが、女性の発想には目を見張ります。災害の地でも素晴らしい知恵に巡り合い、災害で疲弊した過疎の村でも、女性の底力をみることができました。
 出先ではよく、長野県婦連の活動に出合ったり、山高しげり先生の記者時代の足跡を見つけたり、松本市では市川房枝先生の語録が掲げられているのを発見、上田市では田中里子さんの同窓生に会われたり、いろんなご縁のつながり、ネットワークがいかに大切かを知り、まいた種は花咲くことを実感されたそうです。ご自身もこの組織に育ったことを誇りに思い、この上もなく幸せ者と締めくくられました。
 戦後70年、昭和23年生まれの地婦連ももうすぐ70歳。ボランティアで志高く、営々と築き上げてきた団体、会員が少し減ったぐらいでひるむことはない、とも励まされました。
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