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■2015年7月15日付
北方領土の返還を求める都民会議 通常総会
全地婦連関東ブロック会議
北方四島ビザなし交流訪問の旅…(1)
みんなでつくろう!消費者が主役の社会!
 消費者月間シンポジウム
照射食品をめぐり厚労省と意見交換
地域のニュース


■北方領土の返還を求める都民会議 通常総会
 平成27年度北方領土の返還を求める都民会議の総会が、6月29日にアジュール竹芝で開催されました。今年度も都民会議は、日本固有の領土である北方四島の領土問題の早期解決と平和条約締結のために国への働きかけ、世論の喚起を促す活動に取り組む事業計画などを実施する予定で、総会議事は満場一致で承認されました。
谷茂岡正子都民会議会長
 谷茂岡正子北方領土の返還を求める都民会議会長は「今年は戦後70年、北方領土がロシアに占領されてから70年という大きな節目の年です。この間、未だ日ロ間で平和条約が締結されていないことは両国の首脳が言及しているとおり、異常な事態です。昨今のウクライナをめぐる国際情勢の中で、安倍首相はプーチン大統領の年内訪日を実現するために、難しいかじ取りを迫られていますが、こうした状況であるからこそ、北方領土交渉を後押しする国民の盛り上がりがこれまで以上に大切です。都民会議はこれまで、さまざまな事業に取り組んできましたが、元島民の平均年齢は79歳を超え、島民2世、3世の時代になりつつあります。若い世代へ、北方領土の問題をしっかりと教育あるいは啓発していくことが、今後ますます必要になるでしょう。皆さんと力を合わせ、四島(しま)が還る日まで頑張って取り組みましょう」と力強く挨拶しました。
 来賓の内閣府北方対策本部の山本茂樹審議官は「北方領土は一度も外国の領土になったことのない、祖先から受け継いできた島です。元島民は平均年齢80歳になろうとしています。10回の首脳会談を重ねており、難しい状況ですが一日も早い返還のため、若い世代の教育実施、啓発などに取り組んでいきたい」と挨拶しました。
 独立行政法人北方領土問題対策協会の荒川研理事長は、「今年度は特に、若年層の北方領土現地視察、北方領土の隣接地域の根室で、返還運動などの教育を中心とした青年層に対する啓発を行います。政府の外交交渉を、これまで以上に後押しすることが大切です」と話しました。
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■全地婦連関東ブロック会議
 平成27年度全地婦連関東ブロック会議は6月24日・25日に新潟市新発田市の月岡温泉で開かれました。テーマは「心豊かな地域社会をめざした婦人会活動ハート to ハート 心の絆を結ぼう」。関東圏の婦人会が一堂に集い、魅力ある婦人会のきっかけづくりにしたいと考えます。3・11以降はエネルギーや防災への関心が高まり、どんなエネルギーを選択し、どう暮らすかを考える機会にしたいという趣旨で開催しました。山梨、新潟、長野、静岡、千葉、茨城、埼玉、群馬、神奈川、栃木の各県に東京都と川崎市が参加しました。
東京地婦連からは13人が参加
 1日目は開会行事で、柿沼トミ子会長、新潟県婦連外石栄子理事長の挨拶、新潟県知事の祝辞等がありました。
 続いて柿沼会長が「これからの婦人会―地域の力」の提案発表があり、その後3グループで交流会が行われました。
 2日目は意見交換会の報告で始まりましたが、高齢化が進み、若い会員が加入しない、役員の引き受け手がいない、活動資金が少ない、などの意見が出ました。
 しかし、実際の活動報告もありました。高齢者施設で実施している掃除や防災訓練、コーラスや盆踊り。地域活動では小学生の交通安全、婚活の取り組み、みそ作り、ゴキブリ団子作りなど。
 会員同士のつながりができて楽しい。PTAに呼び掛ける時は土日にする。まず、魅力ある会の活動を。地域の行政に働き掛けるなど、これからの活動に活かしていきましょう。
 講演会は「エネルギーの今を考える〜母娘で語る・暮らし・エネルギー・地域防災〜」。神津カンナさん、中村メイコさん母娘の講演と対談がありました

北方博物館などを見学

 1日目は意見交換会と観光組に分かれて7人で北方文化博物館、豪農の館の見学をしました。明治時代に建てられ敷地8800坪、建物は1200坪、繁栄をうかがえる美術品などが展示されていました。中でも三楽亭という3角形の小さな書院兼茶室があり、菱形の畳のめずらしい建物がありました。
 2日目は全体会、前日の意見交換会の報告に続いて、神津カンナさんのエネルギーについて、山崎直子さんから聞いたという、宇宙から深海のお話。宇宙飛行士になるには24時間を2週間監視された中で生活し、次にジグソーパズルを共同で、さらに計算問題をする。これらは狭い宇宙船で生活する上で必要なことだそうです。
 深海で生物は生態系によって性転換するなど、興味深いお話でした。これらの中から、どこから見るかで考え方が違うこと、自分の物差しで考え、自分で決めることの大切さを話されました。
 中村メイコさんは、夫婦仲良しの秘訣を。同じ寝室、互いに気持ちを悪くさせない、普段着はおしゃれに気を配っているそうです。
 元気に老いるには片付けること、腹八分目と運動をすること、生活は前向きに、人には寛大に、2人のお話はとても楽しく反省させられました。

自分で「片付け」を

海津カンナさん(左)と中村メイコさん
 初めに前日の意見交換会の報告があり、婦人会の高齢化、会員減、若い人が少ない、運営費のことなど、切実な問題だと痛感しました。
 講演は作家の神津カンナさんが「エネルギーの今を考える〜母娘で語る・暮らし・エネルギー・地域防災〜」について。宇宙飛行士の山崎直子さんと対談したときの訓練の話、太陽光が届かない深海の話、太陽光発電のごみ処理問題など、全然違う視点から物事を見ると「私たちが当たり前に思っていることが当たり前でなくなる」と。
 続いて神津さんの母親、女優の中村メイコさんとの対談に入りました。歌い続けて早くにエネルギーを使いすぎて亡くなった美空ひばりさんのこと、2歳半から語り続け、今なお語り続けているご自身のことなどを話されました。
 老いていく私たちがやることは、「片付け」。自分でもなかなか出来ない片付けを子や孫に始末させたら大変迷惑。だから体が動くうちに、少しずつ自分のモノを片付けておくことが大人として必要。中村さんは結婚して58年、家庭と仕事の両立はすごいと思いました。
 エネルギーは暮らしや経済の根底にあるものだから、さまざまな分野からアプローチして、その時々の大事な問題を取り上げ、生活者の視点・立場から分かりやすく話していただき、有意義で楽しく、素晴らしい母娘の対談でした。
 処分出来ないでいる物を抱えている私も、人生の終わり支度をそろそろ始めなければと改めて考えさせられました。
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■北方四島ビザなし交流訪問の旅…(1)
 7月1日から6日にかけて、「ビザなし北方領土四島交流訪問事業」が行われ、全地婦連からは2人(東京都、川崎市)が参加しました。この事業は独立行政法人「北方領土問題対策協会」(北体協)が実施し、北方領土返還要求運動連絡協議会(北連協)が運営に携わり24年になります。四島交流の目的は領土問題が解決するまでの間、在住ロシア人との相互理解の増進を図り、問題解決に寄与することです。今回は北海道から沖縄まで全国から65人が参加し、国後島、択捉島の2島へ「入域」しました。
根室港のエトピリカ号に番号順に乗船

 1日の夕方に事務手続きを終えて、7月2日、ニホロの北方四島交流センターで結団式と生態系についての講演、元島民の当時の話、ロシア語会話などの事前研修の後、バスで根室港のエトピリカ号へと向かいました。団長の児玉泰子さんから出発の挨拶があり、名簿番号順に乗船です。
 夕食後天気は快晴で、夕焼けの美しさにデッキの一同は見とれました。
 3日、入域手続後「国後島」へ上陸、代表者グループ23人の一人として「行政府」を訪問、女性の地区議会副議長から国後島の人口は1万人余り、平均年齢が34歳と聞いて目を丸くし、日本での大使館勤務経験のあるサハリン州政府代表(男性)からは学校・住宅新築、エネルギー、道路などインフラ整備に取り組んでいるとの説明がありました。

役所の正面には巨大なレーニン象
海岸清掃後は漂着物の話

 質疑応答では、藤田幸久参議院議員の「200カイリ のサケ・マスの一部の漁の禁止はロシア漁業への影響はないか」の問いに「将来の世代に資源を残すためだ。技術協力はしたい」と回答がありました。秋葉賢也衆議院議員からは、「採算が合わないとの訴えがある。激変緩和が大切になる」また「これからは若者の交流が必要だ」との意見が出されました。
 道路は舗装の最中で、湯気が立っていました。行政府のテーブル上には日の丸とロシアの小旗とともに、韓国製のミネラルウオーターが置かれていたこと、帰り際ふと階段に目をやるとプーチン大統領の写真が貼られ、役所の正面には巨大なレーニンの胸像がこちらを見据えていたのが印象的でした。
 漂流物調査班の私たち25人は乗用車などに分乗し、舗装されていない部分が多い悪路をもうもうと土煙を上げながら、隊列を組んで材木岩方面の海岸へと向かいました。ダンプカーとたびたびすれ違い、怖い思いをしました。
 7、8年継続されている定点調査は、50メートル幅の海岸で人工物を拾う作業です。韓国のアナゴ漁の仕掛け、ペットボトル、漁業用ロープ、網の破片など、たちまち5袋ほど収集、小城北大名誉教授から、海流の行き止まりのこの地点の漂着物の説明がありました。
 快晴に恵まれて、知床半島がはっきりと確認できます。海岸一帯にもハマナスが咲き複雑な思いに駆られました。

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■みんなでつくろう!消費者が主役の社会!
 消費者月間シンポジウム
 5月25日イイノホールで、消費者月間シンポジウムが、「みんなでつくろう!消費者が主役の社会!」を統一テーマに開催されました。
中野三千代さん=右=と大北副会長
 山口俊二担当大臣の挨拶に続いて、基調講演は野村豊弘学習院大学名誉教授の「消費者の展望‐個人的な経験から考える」。先生は国民生活審議会に参加し消費者契約約款の規制、審議会報告書による事業者の自主的改定を行い、フランス、ベルギー、イギリス、ドイツに留学して約款規制調査をしました。
 約款取引の実態は、訪問販売、自動車売買における価格条項。消費者団体の役割では、雑誌、契約ひな型の販売。消費者問題では、行政の役割、事業者には消費者問題に理解を求め、製造物責任法の対応。消費者・消費者団体は自立し、財政的に独立、法的能力を持つ。
 紛争解決の仕組みでは、裁判外の紛争解決機関の利用・各機関の利用・各機関の解決能力とその限界・行政機関、自業者(苦情処理窓口)消費者団体、中立第三者機関などがあると消費問題について講演されました。
 続くパネルディスカッションは「みんなでつくろう!消費者が主役の社会」。パネリストは伊東香織倉敷市長、河野康子一般社会法人消費者団体連絡事務局長、坂倉忠夫公益社団法人消費者関連専門会議理事長、山本隆司東京大学大学院法学政治学研究科教授。コーディネーターは坂東久美子消費者庁長官です。
 河野さんは、自らが考え、学び、行動する、電気の自由化については原発よりは、自然エネルギーを選ぶ。坂倉さんは、みんなで消費者問題に関わりつくりあげていく。地域の学校、教育委員会に自社製品をとおして教育を行う。山本さんは、消費者の目線を入れ、環境に優しい社会をつくる。ワーキンググループをつくり、行政、消費者、事業者が協力し議論をする場が必要。伊東さんは、消費者問題を学び地域の人々に伝える。マイバッグ運動、廃油の石けん作り、高齢者の見守り、生活困難者の自立などの活動。皆さんから学んだことを社会でどう生かすか、正しい情報を正確に伝える。出前講座で高校生に契約について教育を。若い人の参加をなど、発言がありました。
 最後に中野三千代さんら消費者支援功労賞の被表彰者が登壇し、紹介がありました。
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■照射食品をめぐり厚労省と意見交換
 照射食品反対連絡会は6月8日四谷のプラザエフで、2年ぶりに厚生労働省との意見交換会を開催し、最近の各方面の動きを中心に率直な意見交換を行いました。厚労省からは医薬食品局食品安全部基準審査課の中園課長補佐、新井衛生専門官、吉原食品規格専門官他1名、監視安全課輸入食品安全対策室からは森山輸出国査察専門官が出席し、連絡会側は世話人など11人が応対しました。その概要を報告します。
 (1)食品安全委員会、原子力委員会、スパイス協会から厚労省へスパイスへの放射線照射推進の働きかけは、その後ない
 (2)牛の生レバーを禁止した2012年以降に要望があり、放射線照射の殺菌効果の試験研究を続けている。条件によっては効果があるものもあるが、品質や有害物質の発生についてさらに検討している。連絡会から指摘のあった誘導放射能やシクロブタノンについては、必要があれば今後調査研究を検討する
 (3)輸入食品の場合、輸入時の報告書を見て放射線照射の有無をチェックし、一定数を抽出しモニタリング調査を実施している。特に重点国を決めていないが動向は考慮している。昨年は606件検査を行ったが、違反はなかった。見つかれば相手国に通報しホームページに掲載する。書類で1件違反が見つかった
 (4)TPP交渉で照射に関する情報はない。世界貿易機関(WTO)の協定でも照射についての基準は決まっていない
 以上ポイントのみお伝えしました。
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■地域のニュース
ふれあい大運動会 わか草婦人会

 5月31日、7町会の地域ふれあい大運動会が南綾瀬小学校で開催されました。5月は8月より紫外線が強いそうで、太陽がギラギラ照りつける格好の運動会日和でした。
 久しぶりに校庭に入り芝生を踏みしめると、ふと東日本大震災の“当時”がよみがえってきました。あの年は芝生には放射線が堆積しやすいとの懸念から、運動会は中止となったのです。あれから4年、私たちをとり巻く日常は一見何事もなかったかのように過ぎていきました。しかし被災地では今もって何一つ日常が戻ってはいないのだということを、決して忘れてはいけないと、改めて思いました。
 運動会は全員の準備体操から始まり、徒競走、玉入れと順調に進み、60歳以上のスプーンレースでは全力で走るわけではないのに、スプーン上のピンポン玉が落ちやしないかと見てる方もかなりの緊張感、どうにかゴールして走者もホッとしていました。
 最後は運動会の花形地域対抗リレー、今年は成人に小学生1名を混ぜるという地域ならではの演出が光りました。終了後は婦人会が用意したカレーライスと漬け物が疲れた体を癒やし、今年もひとつの地域行事が無事終了しました。
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