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■2015年9月15日付
くらしフェスタ東京2015 もっと広げようコミュニケーションの輪
複十字シール運動にご協力を 結核予防会と都を表敬訪問
女性が輝くまち 東京シンポジウム
2016年度東京都予算 7団体名で都に要望書提
マイナンバー(社会保障・税番号)制度 全国婦人会館で研修講座
北方四島ビザなし交流訪問の旅…(2)


■くらしフェスタ東京2015 もっと広げようコミュニケーションの輪
 10月は東京都消費者月間です。東京都消費者月間実行委員会が主催するくらしフェスタ東京2015は、「もっと広げようコミュニケーションの輪‐未来につなげる消費者行動―」をメインテーマに、都内各地で講演会や交流会などを催し、消費者の権利を高めていきます。
未来につなげる消費者行動

 今年の月間は東京地婦連の山下陽枝副会長が実行委員長として総合企画に加わり、積極的に取り組んでいます。
 新宿駅西口広場のイベントコーナーで毎年開かれる「見て、聞いて、話そう! 交流フェスタ」は10月9日(金)と10日(土)の10時〜17時の予定です。「暮らし」「環境」「消費者被害防止」「食」「安全対策」の5つのエリアで、消費者団体、企業、行政がパネル展示、販売、ゲームなどを行います。各エリアには楽しく学べるクイズラリーなどもあり、参加者にはオリジナルノベルティを用意しています。
 アトラクションステージでは、消費者被害防止コント、健康体操、歌や演奏などがあります。
 東京地婦連は、暮らしエリアで「在宅医療問題」の展示を行います。国は医療費削減のため、在宅医療・介護の推進とともに「かかりつけ医」制度の普及と定着の必要性を提唱しています。いざという時に、気軽に相談できる「かかりつけ医」を持っていると安心ですが、現実はどうでしょうか。実態調査を通して、在宅医療・介護の役割を担ってくれる「かかりつけ医」制度の充実について来場者とともに考えます。
 メインシンポジウムとミニコンサートは10月28日(水)13時30分から新宿明治安田生命ホールでロバート キャンベルさんに聞く、「日本人が気づかないニッポン」です。
 終了後は「想いをつむぐ歌」で、市川恵美さん(ソプラノ)と安田裕樹さん(ピアノ)のミニコンサートがあります。
 公開セミナー「私だけは騙されない…?」は、11月12日(木)13時30分から、飯田橋の東京都消費生活総合センター17階教室で開催されます。講師はノンフィクション作家の大山眞人さんです。
 後を絶たない消費者被害。人はなぜだまされるのかを、豊富な経験とともに話していただきます。
 地域会場企画では、各地域の消費者団体メンバーが中心になってイベントを企画しています。

〈多摩会場〉
 多摩から発信!〜食の未来を考えよう
 講演会「食のリスクって何だろう?〜どう読んで どう選ぶ」
 紙芝居「懐かしい自転車紙芝居」と多摩産品の直売など
 日時:10月23日(金)10時〜15時
 場所:東京都多摩消費生活センター

〈大田会場〉
 講演会「子供たちを地域で見守るために」
 日時:11月16日(月)13時30〜15時30分
 場所:大田区消費者生活センター

〈八王子会場〉
 講演会「これだけは知っておきたい食品表示のポイント」
 日時:11月27日(金)14時〜16時
 場所:八王子生涯教育学習センター(クリエイトホール)

東京のがんばる農業応援企画

 応援バスツアー(東京都農業経営者クラブ・東京都農業会議共催)
 11月20日(金)武蔵野市(産地見学と交流会)
 募集人数40人。往復はがきで申し込みが必要です。応募期間は10月9日(金)〜11月9日(月)まで

食と農セミナー

 講演会と農業者・消費者交流会
 日時:12月2日(水)14時〜16時30分
 講演「都市農業をもっと元気に〜楽しく、食べて健康!」講師は料理研究家枝元なほみさん。会場は中野サンプラザ13階コスモルーム
 皆さんの積極的な参加をお待ちしています。
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■複十字シール運動にご協力を 結核予防会と都を表敬訪問
複十字シール運動にご協力をお願いします
 結核予防の普及・啓発を図るため、公益財団法人結核予防会は8月1日から12月31日まで全国一斉に複十字シール運動を行っています。
 9月7日東京地婦連は、谷茂岡会長に山下、端山、大北副会長が、東京都結核予防会石館敬三理事と一緒に東京都社会福祉保健局の笹井敬子技監を訪問、今年度のシール募金の趣旨を伝え、各自治体も結核予防について都民に伝え、結核予防について一層の協力をお願いしました。
 9月26日には、新宿歌舞伎町の東京都健康プラザハイジアで複十字シールキャンペーンを行います。募金額に応じてシールや封筒を手渡し、「みんなの力で結核や肺がんをなくすために」と周知しています。
 これらの募金は、開発途上国への結核対策援助費や結核予防の広報や教育資材、結核の研究調査など、結核制圧のために使われます。結核は日本でもまだまだ主要な感染症で高齢者の感染増加、集団感染や院内感染の多発など多くの問題を抱えています。
 11月には、関東甲信越地域の結核予防婦人団体幹部研修が埼玉県で開催される予定です。復十字シール運動に皆さまのご協力をお願いいたします。
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■女性が輝くまち 東京シンポジウム
 国が主催する「女性が輝く社会に向けた国際シンポジウム」と連携して、8月31日に東京都庁第一本庁舎大会議場で女性が輝くまち・東京シンポジウムが開催されました。

 舛添要一都知事の挨拶に始まり、基調講演はデボラ・ギリスさん(カタリスト プレジデント兼最高経営責任者)の「東京への期待〜女性の活躍推進に向けて」でした。
 デボラさんは、「東京都は女性の活躍の支援をしている。日本の女性は学識の水準は高いが、社会的な地位は低いのではないか。国の経済を強化するには男女共同で働き、自信を持ちチャレンジしてください」と話しました。
 知事とデボラさんの短い対談では、知事は「女性が仕事を続ける。あるいは家でもできるようにする。男性の考え方も変えていく」。デボラさんは、「地域や職場で保育所が必要。職場の文化を変える」と話されました。
 パネルディスカッションは「女性の活躍と働き方の見直し、今、東京ができること」。大和証券グループ本社会長の鈴木茂晴さん、国際ジャーナリストのドラ・トーザンさん、モーハウス代表の光畑由佳さん、舛添都知事の4人のパネリストにコーディネーターは日経BPヒット総合研修所長麓幸子さんで行われました。
 女性のさらなる躍進について鈴木さんは、「社員がワークライフバランスを目指すが、働き方や暮らし方が男性には描きにくい。ライフイベントとして結婚・出産などすべての社員が3歳まで育児休暇が利用できる。女性の管理職、支店長は増えている。17時退社を女性が働きやすくするために決めたが、守りにくい。女性の活躍はトップダウンで進める」
 光畑さんは「授乳用の洋服を作って、外出や会議に自由に出られるようにした。母だけでなく皆で働く」
 ドラさんは「フランスでは、男女関係なく社会的役割が果たせ、働く女性が増え出産率も上がった。女性も男性も働き、オフとオンがはっきりしてオフは自分のために使う。家事サービスは週4回頼める」
 知事は「男性も育児や介護ができるようにしたい」などと、多角的な発言があり、明日に継げていきたいものです。ロビーにはPRブースがあり参考になりました。

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■2016年度東京都予算 7団体名で都に要望書提出
山本消費生活部長(左)へ要望書を手渡す橋本事務局長
 谷茂岡会長が代表委員を務める東京消費者団体連絡センターでは、2016年度の東京都予算に関する要望書を、7団体連名で8月28日に東京都へ提出、9月4日には都議会の「東京・生活者ネット」「日本共産党」へ、8日には都議会「公明党」「自由民主党」「民主党」に提出しました。
 安全・安心な消費生活を推進する施策の充実と強化を求める要望は、来年度の東京都予算にかかわる次のような内容を骨子としています。
 (1)高齢者被害の増加を受け、悪質な事業者への対応強化のために実施される「高齢者の見守りネットワーク作り」では、区市町村の福祉分野などとの連携を活かしてほしい(2)消費者教育については、学校教育の現場、消費者団体等との積極的な連携を(3)集団的消費者被害回復訴訟制度(2016年12月施行予定)の周知とともに、推進役の特定適格消費者団体への財政的支援には「消費生活条例」の規定を活用してほしい(4)消費者がどこでも相談し救済を受けられるように、地域格差をなくし質の向上を図るため、センターオブセンターとしての「東京都消費生活総合センター」機能の強化を図ってほしい(5)東京都消費者月間事業の充実・発展と、消費者団体との協働や活動支援の推進を(6)地方の消費者行政が活用しやすい財政支援を、国に働きかけてほしい(7)食の安全・安心確保のための施策として食中毒・放射性物質・輸入食品などへの検査の充実と事業者への監視指導の強化を。食物アレルギーについての総合的な対策と、表示の徹底や適正化を。情報の共有化やリスクコミュニケーションの推進を(8)機能性表示食品を含む健康食品の表示・安全性・販売方法等への監視と情報提供を。
 この他、オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止の取り組み、首都直下地震対策・自然災害対策の推進、再生可能エネルギーの本格的導入と原子力に依存しない都市エネルギー施策の推進、東日本大震災復興支援などの要望も含まれています。
 8月28日の東京都への要望には東京地婦連からは、大北副会長、高須さん、飛田が出席しました。最初に連絡センターの橋本事務局長が山本消費生活部長に要望書を手渡し、部長はじめ7人の職員からは「オリンピック・パラリンピックに向けた長期ビジョンに則り、限られた予算を生かせるように、高齢者の見守りなどの施策を、チェックを行いつつ実施したい」旨の回答がありました。

東京・生活者ネットワークと日本共産党を訪問

 9月4日、2016年度の東京都予算に関する要望のため、東京地婦連の3人を含め11人で都議会の東京・生活者ネットワークと日本共産党を訪問しました。
 東京・生活者ネットワークでは、女性都議が対応してくださいました。
 連絡センター事務局長が2016年度の東京都予算について、安全・安心な消費生活を推進する施策が充実・強化されるための要望を説明しましが、熱心に聞いてくださいました。出席団体から質問・要望などを含めた懇談もあり、約束の40分を終了しました。
 日本共産党では男女2人の都議と事務局が対応、最初に議員から都の財政について「編成をしっかりやっていきたい」というお話がありました。連絡センター事務局長の説明後、各団体からの質問・要望を聞いていただき、約束の時間は50分でした。
 東京地婦連からは飛田さんが、暮らしの基礎となる来年度の消費者行政予算の拡大・充実、悪質な事業者への対応強化、高齢者の見守り対策、団体・組織に対する活動支援などについて発言、そして他の団体からもそれぞれ発言があり、正午に終了しました。
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■マイナンバー(社会保障・税番号)制度 全国婦人会館で研修講座
国民一人ひとりが持つ12桁の個人番号

講師の板倉陽一郎弁護士
 9月2日に全国婦人会館でマイナンバー制度の研修講座が開かれました。講師はひかり総合法律事務所の板倉陽一郎弁護士です。
 マイナンバー制度は、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平・公正な社会を実現する社会基盤となる制度です。
 10月から12月にかけて私たちに、マイナンバーの通知とともに、「個人番号カード交付申請書」が送られてきます。氏名、住所などは印刷されていますから、それに写真を添付して署名または捺印をして返送すれば申請完了です。
 来年1月から各自治体が、交付準備ができた通知書を送付します。市区町村の窓口で、本人確認の上カードが交付されます。
 1月から、社会保障(年金・労働・医療・福祉)、税(税務当局に提出する申請書届書)、災害対策(被災者生活再建支援金の支援、被災者台帳の作成事務)の分野で利用されます。
 この他、厚生年金の裁定請求の際に年金事務所にマイナンバーを提供します。証券会社や保険会社はマイナンバーの提供を受け、法定調書等に記載します。勤務先ではマイナンバーの提供を受け源泉徴収票等に記載します。納税や金のやり取りに必要です。有効期間は、子どもは5年、大人は10年です。
 カードは表面に氏名、住所、年齢、性別、写真を記載し、個人番号は裏面に記載します。裏面をコピーできるのは、行政機関や雇用主など、法令に規定されたものに限定されます。
 マイナンバーの安心・安全が確保できるか、個人情報が漏えいするのではないかと心配されます。制度として保護措置は行うようですが、過去の年金の件からも、ほんとうに信じられるでしょうか。
 この新たな制度を学習会等で学び、新聞などで情報を得ていくことが必要では、ないでしょうか。
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■北方四島ビザなし交流訪問の旅…(2)
 国後の海岸を後に私たちは、真新しい、ロシア正教の教会に案内され、近くの小さな商店にも立ち寄りました。歳月を重ねたビザなし訪問の証しでしょうか、棚に見慣れた胡麻ドレッシングが1本だけありました。商店を後にした私たちは、土埃に覆われたトヨタの中古車に分乗して七夕飾りの「友好の家」の交流会へと向かい、国後訪問の慌ただしい日程を終えました。
アイヌの存在を示す等身大の展示
択捉島の子ども芸術学校へ

 択捉島での交流に先立ち、女性の行政長が「新しい関係を築くために、日本庭園を造り、将来ロシア人の手でさらに大きくすること、能面師を招いて日本文化への理解を深めること、昨年相談した2つが実現でき、児玉団長に感謝します」と挨拶されました。
 続いて元島民の児玉泰子団長が「皆さまとの信頼は、24年前からの訪問で培われ、かつての日本家屋の郵便局も保存に努めていただきましたが、最近解体されました。将来の再建を願い計測はしてあります。長い間の皆さまのお力添えに感謝します」
 「今回は領土問題が改善されて笑顔で受け入れられる結果がほしいのと、もっと仲良くするために、一緒に汗を流す2つの企画を立てました。
 24年間のおつきあいといえば、例えるなら子どもから成人にということで、択捉の方に、よき日本文化を理解していただくために2分野のマイスターを紹介します」と訪問の目的を伝え、5人の文化交流専門家(能面師3人、庭師2人)を紹介し、午前の部能面師の舞台に引き継がれました。
 新企画の1つ、この「住民との交流会」の会場は子ども芸術学校です。別のフロアにはミニ博物館が併設され、アイヌとのつながりを示す展示もありました。
 こちらに集まった住民は大人と子どもを合わせて65人に上りました。私たち一行が加わり、会場は満杯です。入口には私たちを歓迎する塩とパン(太陽を表す丸い形)とクッキー、お茶も用意されています。
 舞台上では能面作りと代表的な般若など5点の能面展示、能に関する講話が同時に進められ、大勢の子どもたちは能面作りの周りを取り囲んで、静かに見入っています。
 意見交換では、会場の大人たちから人の心を表現する能面の奥の深さ、能の演者の思いを表現する能面師の苦労などについて質問が相次ぎ、能面体験にも行列ができるなど、文化交流は昼過ぎまで大盛況でした。
完成した5メートル四方の日本庭園
 午後は日本庭園を造る手伝いです。2人の庭師を中心に若手の団員と、40人の択捉島の協力者たちによって、すでに作業は開始されていました。5メートル四方の土地の約半分には、現地で調達したナナカマド、エゾマツ、ミズナラ、ハマナス、クマザサ、コケなどを丘状に植え込んでロシア大陸を表し、残りは石庭で北海道の一部、北方領土四島を岩と小石で表現しようという計画です。
 小石を選別し水やりを手伝うなど、現地の子どもも参加して一緒に心地よい汗を流しました。
 参加者一同の協力で、日本庭園は完成しました。庭師から手入れのコツの説明があり、双方のお礼の挨拶と笑顔いっぱいの記念撮影で、2つ目の新しい企画も無事終了しました。

ホームビジットへ

 5日朝の寂しい紗那墓地のお墓参りでは、戦争で引き裂かれた家族を思いました。
 若いママと息子のホームビジット先では、一緒にビンゴゲームで遊び、近所では戦前の紗那寺の仏像らしき座像を見つけました。
 夕食交流会の後、択捉から国後を経て6日の午後根室に戻りましたが、北方領土への旅は、返還への道筋を思い巡らす、貴重な機会となりました。
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