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■2016年1月1日付 | |||||||||||
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■年頭のごあいさつ 会長 谷茂岡正子 | ||
新春を迎えお慶び申し上げます。月日のたつのは早いもので、戦後70年の節目の年もあっという間に過ぎてしまいました。 私たち東京地婦連は「世代を超えて地域の力」をテーマに、明るい社会の構築を目指して活動してきました。特に少子高齢化、人口減少社会、そして地域社会における連帯意識の希薄化など、多くの課題を抱えております。こうした状況下にあって、誰もが安心して健やかに暮らせる安全な地域社会を築くためには、人と人との交流の輪を積極的に広げていくとともに、それぞれのコミュニティー同士の連携を強めていくことが必要だと思います。年齢に関係なく、できることは力を出し合い、若い人に伝承していくことが大切であると強く感じています。 また、消費者を取りまく環境も大きく変化し、消費者トラブルや消費者被害も多大になっています。私たちは組織力を生かして、平和で安全な地域社会の創造に取り組んでいます。婦人会の強みである行動力、組織力など、地域からの信頼を生かし、情報や提言活動を積極的に推進していきたいと思っております。それには健康でなければなりません。昨年は食品表示をめぐって大きな制度変更がありました。新しい食品表示法が施行され、栄養成分の表示義務化をはじめ新食品表示基準に、今後は注意をはらわなければなりません。実施は「法施行後5年」となっておりますので、それまでは猶予期間となります。新しい制度の表示に注意しながら、バランスの良い食生活が原点です。 最近、認知症の人が多くなっています。心の健康が第一だと思います。この社会情勢の厳しい中、一人でも消費者被害が少なくなるよう、私たちはゲート・キーパー(心の門番、心のサポーター)になりましょう。 |
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■迎春 本年もよろしくお願いします 〜役員の今年の抱負〜 |
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消費者の権利を守る活動を 副会長 山下陽枝 昨年も食品表示偽装、商品の不当勧誘、高齢者の契約トラブルなど消費者問題がたくさん発生しました。 今年も地域で起こるいろいろな消費者問題に取り組み、消費者の権利を守り、誰もが安心して暮らせる社会にしていけるよう頑張りたいと思います。 住みよい社会の構築をめざして 副会長 端山純子 東京地婦連は「ついのすみか」「かかりつけ医」の往診の有無などについて意識・実態調査を行いました。 今年は調査からの問題点をふまえて、住みよい社会の構築をめざして一段と踏み込んだ活動に取り組みたいと思っています。 小さな活動も大切に 副会長 大北恭子 平和で安心安全な街も今年で71年目に入ります。平和を続けるのは一人ひとりの知恵と決意で存続していきます。 小さな活動でも仲間が増えれば大きく広がっていきます。 こころあらたに 書記 中野三千代 ねがい ひとつぶの 麦とならばや いのちこそ 土にゆだねて ちよろずの かてと生きなん 水きよき 多摩の岸辺に われらただ ひとつをねがう このねがい(作詞/並木良 曲/村上太郎)を私たちの会歌として、長年歌い続け心の支えとしてきました。 昨年12月に会も終わりとなり、この詩の素朴さを私の基本として、こころあらたに生きたい。 68年の歩みを誇りに 書記 飛田恵理子 全地婦連・全国婦人会館・ちふれ化粧品の生みの親であり、消費者運動はじめ幅広い分野で男女共同参画社会の基礎を築いた山高先生と諸先輩、68年の東京地婦連の歩みは私の誇りです。 新年も一歩でも進めたいものです。 もっと政治に関心を 会計 荻生万寿子 兼ねてから案じていた「安保法」が成立してしまいました。「安保法成立」という大見出しの新聞を見たときの絶望感は私だけではないと思います。 その後今まで政治に無関心だった若い世代が「反対」を唱え、国会議事堂周辺をデモしたニュースに少し希望が湧いてきました。政治に無関心な国民が日本を危うくする事実を、周りの人びとに呼びかけていきたいものです。 福島を風化させずに 会計 須光代 年の初めは、凛とした空気の中に何か清すがしいものを感じます。今年も健康に気をつけて一年を過ごそうと思っています。 そして、原発事故から五年目を迎える福島の人たちを、今年も応援していきます。福島を風化させないために―。 世界平和を願って 総務・経済部長 宮原恵子 各部の取り組みが少しでも活動しやすいよう、微力ながら協力をしていきたいと思っています。 今年は超高齢社会、消費増税、さらに平和問題など、活動を続けていきたいと思います。そして何よりも、世界の平和を願っています。 世の矛盾に声を 生活環境部長 梨洋子 今年は申(さる)年。「見猿、聞か猿、言わ猿」ならぬ「見て、聞いて、言う」に心がけ、主君のS三くんが鬼が島は右と言ったら左を向き、社会と常につながり、世の中の矛盾に声を上げる、そんな消費者になりたい。これが年女の私の抱負です。 思いやりの心を 社会福祉部長 黒崎照子 紛らわしい社会の中、健やかに暮らせる地域社会を築くために、地婦連の特色を生かし人の輪と思いやりの心を大切に、地域の絆を深めながら安全、安心な暮らしができるよう微力ながら取り組んでいきたいと思います。 子を戦に巻き込まない 文化・青少年部長 鈴木文子 昨年は災害が多く、また国の方針も大きく変わった年であったように思います。 わが家では家族が増えて、にぎやかになりました。子どもたちが戦争に巻き込まれない世の中になるように願います。 年頭に寄せて 政治部長 福本悦子 憲法九条を持っていたら武器などいらないと信じていたのに、安保法の成立はもう取り返しがつかない思いです。 被爆国故に、言えることはたくさんあります。今年もめげず「核廃絶」、「不戦の誓い」を声高に叫ぼうではありませんか。農業に取り組み、収穫した野菜は利用者から大変好評とのことでした。
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■第61回指導者研修会 マイナンバー制度の概要を学ぶ | ||
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東京地婦連では昨年の11月11日、第61回指導者研修会で「マイナンバー制度の概要について」をテーマに、行政側から制度についての説明を受け、そのメリット、デメリットなどを学びました。 | ||
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■2015年度全地婦連幹部研修会 | ||
2015年度全地婦連幹部研修会が昨年11月19日・20日に、国立女性教育会館(埼玉県嵐山町)で開催され、東京地婦連からは大北副会長と飛田理事(書記)が出席しました。「地方創生について」、「環境に役立つ紙おむつのリサイクルの推進」についての講演があり、その後北方領土問題研修会が行われました。そのうち2つの報告です。 | ||
講師は内閣府まち・ひと・しごと創生本部しごと創生本部事務局地方創生総括官補佐村知子さんです。 佐村さんは、将来的にみて日本の人口の減少が考えられる原因は、未婚率の上昇・夫婦の子どもの数が少ないことを挙げ、「国民希望出生率」として一定の仮定に基づく計算で行うと、概ね1・8程度となります。2060年の人口は、希望的数値として1億人にしたいと考えています。 現状は人口減少に歯止めがかかっていない、特に東京一極集中が加速している。地方経済と都市経済で格差が存在している。 その解決策としての地方創生の取り組みは、(1)地方に仕事を作り安心して、働けるように(2)人材の地方還流。地方へ新しい人の流れをつくる。生涯活躍のまち構想の推進。政府関係機関の移転(3)若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる。地域アプローチによる少子化対策。働き方改革(4)時代に合った地域をつくり、安心な暮らしを守るとともに、地域と地域を連稀する。小さな拠点をつくる、コンパクトシティを形成する。東京圏問題の対応を行う。地方の主体的な取り組みへ多様な支援。 事例として石川県の加賀温泉郷では、女性観光PR。よろづや観光は、温泉地で働く女性たちが駅で迎える動画をネットで公開しています。 なぜ、女性の活躍が重要か?わが国では、人口減少、超高齢化、少子化が進行しています。女性は日本の最大の潜在力といえます。女性の労働力の増加により国力がレベルアップしていきます。女性の職場生活と家庭生活の両立には、環境整備が不可欠です。女性に働く力がついてくる時期と出産が重なるので、祖父母の子育ての手助けが求められます。地域での応援も重要になります。 地方創生は、人口減少をいかに克服していくか、国の取り組みになっています。各地方が若い世代や女性たちに「戻って来たい・住み続けたい」場所に組み立てていくことを求められます。 佐村さんは地方創生には女性の活躍が期待されていますと話されました。 国後島・択捉島訪問事業に参加して 指導者研修会報告 北方領土返還に向けて民間でできることは何か、2島訪問で新たに気づいたこととして以下の5点について提案報告をしました。現地で津波の避難表示を見たことから(1)4島への地震・津波対策への協力関係の構築(2)紗那寺の仏像はじめ4島のかつての文化財、民俗学の調査を実施する(3)共に汗を流して造った北方領土を表す日本庭園を、択捉島と同じ設計で、残りの3島にそれぞれの住民と一緒に造る(4)七、八年の実績がある国後島の漂流物の定点調査を継続し、国内外でその分析情報を共有する(5)4島で植物、生物多様性の調査を実施し、国内外で情報を共有する。 |
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■地域ニュース | ||
北区消費生活展 千草婦人会 11月29日に北とぴあで、第43回北区消費生活展が開催されました。 一昨年まで地下の展示ホールだった会場が13階の飛鳥ホールに移り、消費生活フェア2015私たちのくらしinきたくをテーマに、消費者団体7、協賛団体9、北区1の参加団体により、環境・防災・防犯・リサイクル・健康・食・ガス・電気など、日常生活に役立つ情報を発信し、前回より多くの参加者で大盛況でした。 千草婦人会は「機能性表示食品について」をテーマにパネルを展示しました。「機能性表示食品」は、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品とは異なる新しい食品の機能性表示制度で、事業者の責任において科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品であり、昨年4月に施行されました。 スタンプラリーで回ってくる人たちからもいろいろな質問があり、展示をよく見ているなとうれしく思いました。 ステージイベントでは「昔ながらの紙芝居と消費者被害防止紙芝居」「南京玉簾」「着物リフォームファッションショー」「消費者被害防止寸劇」「ロコモ体操」などが、実習コーナーでは「おもちゃの修理」「傘の修理」「機織り体験」「牛乳パックで紙漉きはがき作り」「小物アクセサリー作り」「世界初のカーレット」など、それぞれ賑わっていました。 やはた婦人会のご協力で防災食が用意され、休憩コーナーで試食することもできました。富士山や秩父連山の見える会場で、楽しい1日を過ごしました。 こころの健康 わか草婦人会 葛飾区消費者大学連続講座が12月3日、ウィメンズパルで「こころの健康」をテーマに開かれた。 今回はサプライズで4人の東京医科大生から、各分野の身近な疾病について発表があった。内容はマイコプラズマ、花粉症、骨粗しょう症など。マイコプラズマを含む感染症、肺炎、ノロウイルス、インフルエンザは予防接種が有効手段であること、中でもマイコプラズマは耐性菌の増加により現在の有効薬はミノマイシンのみである。非常によく効くが副作用として頭が割れるような頭痛が起こると聴き怖く感じた。予防はうがい、手洗い、マスクの着用とオーソドックス。本格的な寒さに向かう折、参考になった。 「こころの健康」は葛飾保健所保健予防課の小池梨花先生の講義=写真=から。先生は精神科医で日本うつ病学会評議員でもある。 まずゲートキーパー、これは「門番」の意で、こころのサポーターである。こころの不調、自殺に傾く人のサインに気づき対応する人でその役割は(1)気づき。いつもあることがない時、ないことがある時がポイント(2)傾聴の大切さ。相手の話をひたすら聴く。「私はそうは思わない」などのジャッジや否定はしない(3)相手が興奮状態にある時はひたすらスローペースに持っていき、心の平穏を保てるようにする(4)根拠のない助言、励ましは控える(5)つなげる(傾聴し様子をみて専門職につなげ、見守りを続ける)など。 こころの健康のためにはまずオタワ憲章で示された健康を達成する条件、住居、教育、食、収入など、人間として生活する最低保障が必要である。 日本の自殺率は先進国の中でロシアに次いで2位と報告されており、社会的貧困がその背景にあるのではないか。こころの病には投薬療法だけでなく認知療法が併用されることが有効だという。その人の考え方のパターン(くせ)を知り、その思考を自動的に修正し、気分を変えるというもの。このくせを認知のゆがみという(1)一般化のし過ぎ、挨拶したのに返ってこなかった。私は皆に嫌われている(2)レッテル貼り、やっぱり私はダメ人間と自分でマイナスのレッテルを貼ってしまう(3)結論の飛躍、根拠なく、いきなりネガティブな結論を出してしまう(4)失敗を誇大視し、成功はまぐれだと過小評価する―など。修正するにはロールプレーが有効とのことだが、今回は省略し、先生と参加者のQ&Aで、認知のゆがみの修正方法の一端を紹介された。 いつ誰がなってもおかしくないこころの病、とても参考になり有益な講義でした。 |
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