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■2016年1月15日付
地域の力で未来を拓く 東京地婦連ブロック会議2015
食品への軽減税率をめぐって(1)
東京都卸売審議会 豊洲市場は11月7日開場
2電力・ガスの小売自由化競争は公正か
繊技協「消費者情報フォーラム」から
地域ニュース


■地域の力で未来を拓く 東京地婦連ブロック会議2015
 東京地婦連では「地域の力で未来を拓く」をテーマに、さまざまな課題に取り組んでいます。その一環として一般財団法人全国婦人会館と共催で「東京地婦連ブロック会議2015」を12月10日に開催しました。高齢者・平和問題をテーマに、介護付き有料老人ホーム「舞浜倶楽部・新浦安フォーラム」の施設見学とセミナー、戦後70周年を機に平和を祈念する「民立民営東京大空襲・戦災資料センター」の見学とビデオ鑑賞をしました。
介護付き有料老人ホーム 舞浜倶楽部見学記

スウェーデンの楽器「ブンネ・メソット」
 12月10日、参加者を乗せた大型観光バスは早朝の上野駅を出発、目的地の千葉県浦安市に向かい、1時間弱で、(株)舞浜倶楽部に到着しました。
 ロシアのエルミタージュ美術館を模した外観は、一般的な老人ホームと異なってそのモダンさがとても印象的でした。丁重なお迎えを受けて入館、まず、薬液のうがいと手洗いを済ませてから研修センター室で、ホームの理念“スウェーデンケア”を中心に概要をうかがいました。
 ここには現在75人が入居し、平均年齢89歳、自立の人は4人、要介護2と3が一番多く、90歳以上が23人。女性8に対し男性2の割合だそうです。
 私が最も感銘を受けたのは、このホームでは居室をわが家として人生の最後を迎えられる「看取りケア」を実践していることでした。従って、看護は24時間態勢、医療の依存度や介護の必要度が高い場合でも受け入れているなど、介護の質の高さです。
 昨今は病気になると提携病院に入院させ、退院したら自分の居室がない、看取りケアをしない老人ホームが多いと聞いているので、このホームの福祉の理念には学ぶ点が多いと感じました。
 また、スウェーデンケアの手法として例えば、ストレスのない個々に合わせたおむつやパットを用いる排泄ケア、人が人を抱える介護は禁止(介護用具が充実している)などです。個室や入浴場、食事室などの見学後は、初めて見る琴のようなスウエーデンの楽器「ブンネ・メソット」の演奏を体験。伴奏を習得したところで「たき火」を合唱しました。また、痛みの緩和や睡眠の改善効果があるという、タッチケアの体験もしました。
 心残りだったのは、現場で働く介護・看護士や入居者との対話ができなかったことです。
 ともあれ、次の見学先に向かう車中で見た入居料金表には、私の財布とは到底折り合いが付け難い額に思わずため息。しかし、国の施策が在宅介護へとシフトした今、やむなく有料の施設へと需要は高まるでしょう。優良な選択肢が増えることは高齢社会に必要なこと、との思いに至った見学会でした。

平和を願い語り継ぐ 東京大空襲・戦災資料センター見学

 江東区北砂にある戦災資料センターは、「未来へと語り継ぐ戦争の惨禍と、平和への願い」「知っているなら伝えよう、知らないなら学ぼう」をモットーに平和を願う人たちの交流・学びの場として設立されたそうです。
 終戦の年の1945(昭和20)年3月10日、B29による東京下町爆撃の映像を見ました。アメリカ空軍の父といわれたヘンリー・アーノルド大将がカーチス・ルメイ少将に日本空爆を命じ、軍需工場の爆撃をやめ一般市民無差別都市爆撃を計画。墨田、江東、台東の下町を深夜0時から約2時間300機のB29が飛来し低空から夜間爆撃、被災者は100万人以上、死者は約10万人にも及びました。
 犠牲者があちこちに横たわっている様子、死体の山、私は思わず目を反らしてしまいました。焼野原となった下町の風景は残酷さがあらわになり戦争の恐ろしさを物語る映像でした。
 壁面には空襲を描いた絵や写真と並んで、焼け焦げた子どもの着物、焼夷弾の模型、東京大空襲被災地図、体験者の手記などが展示されていました。パネルを見た谷茂岡会長は「葛飾区のお花茶屋に高射砲があったので、堀切にも大分焼夷弾を落とされたが、ほとんどが不発で、犠牲者も少なく済んだのよ」と話しました。私の夫も足立区千住から小学校4年生の秋に学童疎開で長野県湯田中の旅館へ。その留守中に家を焼失したことを時折話します。
 会場の説明者がとても上手で皆で聞き入り、戦争を知らない人でもここで話を聞くと、戦争の恐ろしさが伝わると思いました。
 多くの犠牲者も戦争の恐ろしさ、平和の大切さをいつまでも伝えてほしいと望んでいると思います。私はもっと知りたくなり「東京大空襲を歩く」の本を購入し、センターを後にしました。
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■食品への軽減税率をめぐって(1)
 東京地婦連は2013年と2014年の2回、与党の各税調会長に対して「消費税増税を行う前に、食品への課税を見直すとともに、議員の定数削減、政党助成金の国庫への返納、放置されたままの国の施設の売却、省庁のスリム化などを実施すること」の要望書を提出した経緯があります。
身を切る改革なしの増税

 しかしながら政府は私たちの意に反し、身を切る改革のないままで2014年4月には食品を含めて、5%から8%へと増税しました。
 思い返すと2014年度は3%上乗せされた消費増税に加えて、デフレ脱却政策による円安誘導や原料価格の高騰で物価は上がり、貧富の格差は拡大し景気は低迷し続けました。
 そのような社会的背景に加えて、与党は2014年12月の衆議院議員選挙戦に勝利するために、意図的に10%への決定を先送りにしてきたものとみられます。
 選挙も終わった昨年3月31日、世の中の景気は変わらない中で国会では15年10月予定であった10%への増税をさらに延期する一方、「景気条項を削除し、2017年4月に消費税を原則10%に増税すること」を、正式に決定しました。

食品への軽減税率とは名ばかり

 「10%に移行する時に食品への軽減税率を検討する」としてきた政府与党間の意見調整は春ごろから長期にわたって、2015年12月の中旬まで綱引きが続きましたが、私たちの要望書にある「食品に課税すること自体を見直すこと」とは全く異なり、現状維持の8%のままでした。
 残念ながら国民の暮らしや世論調査の結果はそっちのけで、財源論はじめ参議院議員選挙を見据えて与党支持者の声や、税率の違いの紛らわしさ、事務的な煩雑さを強調する財務省や流通業界の圧力、低所得者への逆進性に異を唱える「有識者」の声などに、耳を傾けそのまま増税を見直ししたに過ぎません。

外食と酒類を除く食品は8%留まりに

 因みに諸外国の低所得者への逆進性対策としての食品への軽減税率は、イギリス、カナダは0%と最も低く、フランス5・5%、ドイツ7%というように、ヨーロッパを中心に広く導入されています。しかも数字だけを比較すると8%のわが国は高めです。
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■東京都卸売審議会 豊洲市場は11月7日開場
 東京都卸売審議会が12月14日に開かれました。議題の中心は豊洲市場の移転にかかわるものです。
 少子高齢化の進行と単身世帯の増加で、1人当たりの食料消費の減少が見られます。また、消費者のニーズが多様化し、外食・中食が増加し、食の安全・安心に対する意識が向上しています。
 生鮮食料品の生産は、農・漁業の従業者の減少や高齢化が進み、生産力は低下していますが、一方で産地の大型化もみられます。地域では専門小売店の減少と並行して、量販店のシェアが拡大しています。
 中央卸売市場は、市場外流通の増大、産地との直接取引の増加(市場を経由しない加工品や輸入品など)、取扱数量の減少があります。
 新市場は多様化するニーズに的確に対応し、市場の健全化が進められてきました。

豊洲市場の概要

 豊洲市場の整備について次のことが示されました。
 名称=東京都中央卸売市場豊洲市場。所在地=東京都江東区豊洲6丁目6番地1号。主な施設=水産卸売場棟、豊洲6丁目6番地2号。水産仲卸売場棟、豊洲6丁目5番地1号。青果棟、豊洲6丁目3番地1号。開場日=平成28年11月7日(月)(築地市場の移転のため11月3日(木)〜6日(日)の4日間を休市とする)。
 築地市場から豊洲市場への移転に伴い、必要となる条例の改正が行われ、その1つに使用料が挙げられます。
 新市場は生鮮食料品が中心になるので、消費者、生産者、事業者の多様なニーズに応じるには、ハード・ソフトの両面から機能の強化を進め、市場の活性化を図り、食の安心・安全への期待に対応していく方向です。新卸売場などの新たな取り組みは低温化で、その施設を取り入れるための費用を加味した新たな使用料を設定することになります。
 新たな使用料価格は一月1平方メートルにつき従来の価格+205円となります。新たな利用料は低温卸売業者売場使用料、低温荷さばき場使用料として現行545円から750円に、低温作業使用料として1409円から1614円へと設定されています。それ以外の施設は当面、現行利用料を維持することになりますが、都民としては加算した金額が消費者に上乗せされるのではと費用の出所がどうなるのか心配しています。
 豊洲市場は食の安心・安全を守るために、進化した設備が導入されているので楽しみです。ぜひ、見学したいです。
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■電力・ガスの小売自由化競争は公正か
 新年早々、新電力をはじめとするエネルギー事業者により、消費者の囲い込みが展開されていますが、消費者はどう対処すべきでしょうか。電力の家庭など低圧部門の自由化は4月から、ガスの自由化は2017年4月からスタートします。
広告・宣伝費はツケ回しに

 派手なテレビコマーシャル、インターネット広告、新聞の全面広告、折り込みチラシ、駅前の宣伝用物品の配布、訪問セールス、ダイレクトメールなど、これらのコストはやがて電気料金に上乗せされ、消費者にツケが回ってきます。

広告に惑わされないために

 このチャンスを逃すまいとする、事業者本位の家庭のエネルギーシェア争奪戦のペースにまき込まれないためには、あわてずに事業者からの情報内容を比較することが大切です。
 そもそも家庭用(低圧)のエネルギー自由化の背景の一つには、「電気料金の透明性確保」があります。低圧部門の電気料金にすでに自由化済みの産業部門や電源立地地域のためのコスト等が転嫁されていたといわれることから、料金の内訳の開示が求められていたものです。
 また、供給される電力の電源の構成を理解した上で事業者と契約したい消費者には、「電源構成のあらまし表示」がされているかがチェックポイントになります。

こんな表示・文言にご用心

 「今ならお得」「セットでお得」「○○円も安くなります」と契約を急がせたり、「ポイント」サービスを行う手法、安さを強調する表示には、根拠があいまいな場合があります。

その他の重要なポイント

(1)わが家の使用状況に合った料金メニューがあるか
(2)いらない契約も含まれる、抱き合わせ販売ではないか
(3)契約期間はどれくらいか
(4)消費者から期間内に契約解除する場合、ペナルティーはないか
(5)電気の安定的な供給や安全確保の体制はどうなっているか
(6)緊急連絡先は近くにあるか(7)個人情報漏えい防止への対策は、などです。

その場で契約しない

 電力の自由化は4月から。ガスの自由化は来年のことですから、事業者が出そろったわけではなく、急ぐ必要はありません。
 まずわが家の現状をしっかりと把握し、事業者の姿勢など消費者として知りたい点について情報収集を行い、その場での契約はしないことです。
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■繊技協「消費者情報フォーラム」から
 一般社団法人繊維評価技術協議会(略称繊技協)は12月17日、メルパルク東京で業務の概要とともに、SEKマーク(機能加工繊維製品認証マーク)表示制度の新たな展開などについて説明を行い、併せて消費者、流通業界、繊維の専門家などと意見交換を行いました。説明の骨子をお伝えします。
繊維の抗ウイルス加工とは

 新たにスタートした抗ウイルス加工は、2015年の4月から認証を開始しました。この加工の特徴は「繊維製品に付着した特定のウイルスの数を減少させて清潔に保つ」とされていて、繊技協を中心に国際標準化が行われ、2014年に試験方法がISOの国際標準として発行されているものです。
 試験対象となったのは、インフルエンザウイルスとネコカリシウイルスとされ、ISOの数値を評価基準としており、これにより繊技協の抗ウイルス加工マーク制度は発足したものです。
 市販製品はこれからですが、身近なマスクなどが加工の対象になりそうです。マークは黄色の縁取りの黒い十字にSEKと描かれていて、マークの下に抗ウイルス加工と表示されます。
ただしインフルエンザにはさまざまなウイルスがありますので、この加工によって、直ちにかかった病気の治療や予防ができるわけではありません。
 繊技協は医薬品医療機器等法・景品表示法などに抵触しないよう、消費者が誤認しがちな使用効果について事業者に対して抗ウイルス加工マークの注意表示を行うことを指導しています。
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■地域ニュース
いも掘りに当選 わか草婦人会

 葛飾区の「ふれあいレクリエーション農園」は農業者が栽培管理を行って大切に育てた生産物を、区民に収穫の喜びを知ってもらうためのものです。9月に募集があり、私は初めて当選しました。人気もあり、2倍以上の応募者があったそうです。
 10月に東金町の若林さつまいも農園に行き、「紅あずま」のいも掘りをしました。手伝いの人と一緒に土に親しんで、若返りました。
 株(根)によって、収穫量は異なり、日当たりのよいところでは大きなものが取れ、たくさんなっている株に当たると子どものようにみんな笑顔になりました。思ったより汚れることなく良い土で、気持ち良かったです。たくさんとれて、お世話になった人や友人におすそ分けもできました。
 このように農園では、時季に応じてトマト、ジャガイモ、枝豆、さつまいも、ネギなどがあります。提供・協力された農園の皆さんに感謝。また行政にも、よい企画を立てていただき感謝しています。自分で収穫したさつまいもは、大事に食べています。
 一人でも多くの子どもたち、特に田舎に知人のない子に経験させて、収穫の喜びを味わってもらいたいと思いました。
秋野菜品評会 わか草婦人会

 昨秋10月5日、葛飾区の野菜品評会が区民公募、団体公募の9人で開催されました。普段、お店で見られない新鮮な色も形もよい整ったものばかりでした。素晴らしいと思うものは、専門の審査員が選んだ通りでした。
 私たち区民審査員は、賞にもれた人の中から買って見たい、食べて見たい、調理してみたいもの6点を選びました=写真。応募者は野菜に関心のある人ばかりで、6点選ぶのは大変でした。
 小松菜は葛飾産でよいものばかりでした。キュウリは賞からもれても、適当な大きさ、太さで漬け物にしても、生でもおいしそう。白菜は小ぶりだけれど柔らかそう。大根は太さ、長さが使い易いこと、これからおでん、鍋ものに。珍しい赤大根、おでん大根という名もありました。ニンジンは大きさもよく、煮もの料理に使いやすいなど理由をつけて、区民賞として選びました。こんなに地場野菜が作られているとは知らなかったと、皆さんも言っていました。
 表彰式では谷茂岡会長が審査員代表で講評し、「今後も安心安全な野菜をたくさん作って、家庭に送ってください」と締めくくりました。ある区議は「消費者の皆さんの考えが聞けてよかった」「さすが上手でしたよ」と言われ、私たちもうれしく思いました。
暮れの料理教室 わか草婦人会

 12月16日、葛飾ウィメンズパルで料理教室を開催、暮れの気忙しい中を20人が参加しました。
 稲川貴美子さんの指導で、まず食品の栄養について学び、それから料理実習です。この日のメニューは「竜田揚げ丼」「春巻きの簡単アップルパイ」「中華スープ」「タラモサラダ」の4品です。
 なかでもアップルパイはリンゴのスライスと一緒にクリームチーズを春巻きの皮で包んで揚げ、粉砂糖とニッキをかけただけとは思えぬおいしさで、甘味をおさえて、素敵な1品でした。中華スープは、即席めんをくだいて添付のスープで味付けしたもので、手軽にできました。
 いつも手をかけた品ばかりではなく、たまにはこういう手抜き料理もよいなと思い、講師の稲川さんに感謝して閉会しました。
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