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■2017年2月15日付
第35回 北方領土の返還を求める都民大会
公正競争規約をめぐる懇談会
冬の二酸化窒素測定から
地域ニュース
葛飾区消費者大学連続講座


■第35回 北方領土の返還を求める都民大会
北方領土の返還を求める都民大会=1月31日
 1月31日に新宿の京王プラザホテルで、北方領土の返還を求める都民大会が開催されました。都民会議は北方領土の返還を実現するために都民世論の啓発を図ってきましたが、北方四島の返還が未だかなわぬ現在、早期返還を求める都民の固い決意を内外に表明し、都民世論の盛り上げを図るため開催しました。
 都民会議議長の谷茂岡正子東京地婦連会長は、「私たちは日本国政府とソ連そしてロシア政府との交渉を見守りながら活動してきましたが、残念ながら四島返還という私たちの悲願はいまだ果たされておりません。日ロ両国の国民同士が、本当に胸襟を開き、信頼関係を持って交流できる日が必ず来ることを信じて、私たちの運動を進めていかなければならないと、あらためて感じています」と挨拶しました。
 続いて東京都、東京都議会、内閣府、外務省、北対協からの来賓挨拶を受け、運動報告、大会宣言を採択しました。

参加者の報告

 北方領土の返還を求める都民大会第2部では島桂一さん、宮崎宏明さんの講演を聞きました。

外務省欧州局日露経済
室長島 桂一さん


 2016年12月15日にロシアのプーチン大統領が、安倍総理の故郷山口県を訪問するにあたり、4月から東京やモスクワで16回の事前の打ち合わせや会談が開催された。
 9月2日・3日には安倍総理は東方経済フォーラムが開催されたウラジオストクでプーチン大統領と会談、21日にはニューヨークで国連総会が開催され、日ロの外務大臣らが打ち合わせをした。頻繁に打ち合わせを重ねることで、個人的な関係がよくなることが望ましいと考えます。

東京都中央区立佃中学
校校長宮崎宏明さん


 現地(根室訪問)視察学習会の報告です。昨年8月21日から23日に、中学校の先生12人、東京都政策企画局外務部管理課から1人の計13人が参加しました。
 羽田空港で結団式をし、中標津空港に到着。北方四島交流センターにバスで移動中に、北方領土問題について映像資料で学習する。
 北方四島交流センター(ニホロ会館)で、説明委員から島の歴史などを聞き、元島民の得能宏さん(語り部)からは、島の特色や戦時中ソ連侵攻の様子、樺太への抑留、北方領土占領などの体験談と、自身がモデルとなった映画「ジョバンニの島」の映像を通して後世に伝えたいという話を聞いた。
 地元の教員2人から講義があり、北川先生はプロジェクターでの紹介。吉田先生は、生徒への北方領土問題の意識調査で、この問題の大切さを伝えている。また、地元の青年会議所の人が東京で啓発活動をしている。
 翌日は納沙布岬・北方館へ向かうバスの中で「ジョバンニの島」のDVDを見て、当時の様子が分かった。納沙布岬に着くと、そこからは、貝殻島がすぐそこによく見えた。
 館長の小田島さんの北方領土に関する説明を聴く。中標津空港へのバスの中で各自が感想を話し合い、これからは中学生へ向けて、北方領土問題を伝えていく必要があることを再確認した。
 以上が講演要旨です。
 私自身は十数年前に「ビザなし交流」で色丹島、択捉島を訪れました。今も一緒に参加した3人とは年賀状を通じて交流しています。四島が返還され、ともに喜べる日がくることを信じて――。

(大北恭子)

若い世代に正しく伝えていくこと

会場ではパネル展示も
 北方領土返還を求める運動はさまざまな機会を重ねてきましたが、今なお北方四島返還は不透明です。
 早期返還の願いを胸にバッジを付け、葛飾区から森岡総務係長をはじめ私たち10人が参加しました。
 主催者の谷茂岡会長の挨拶では返還の思いが力強く聞こえました。北方領土の返還実現への大会宣言は、会場全体割れんばかりの大きな拍手で採択されました。
 講演会は外務省欧州局室長の島桂一さんの「最近の日ロ関係について」。安倍首相とプーチン大統領との会談が昨年は4回行われたそうです。北方領土問題の解決を含む日露平和条約の締結交渉8項目の協力プランを首相は提出、プーチ
ン大統領から高い評価の賛意が表明されたと話されました。
 12月の会談では北方四島での共同経済活動の協議開始は合意されたそうです。しかし、領土返還に向けた目に見える前進はなかったように思いました。ロシアでは来年大統領選をひかえているためではないでしょうか。
 安倍首相は今年も首脳会談を重ね1日も早く返還に力を入れていただきたいと思います。
 佃中学校長の宮崎宏明先生の「現地視察学習会(根室訪問)実施報告」では、先生が北方領土に関心を持ち子どもたちに北方領土問題を正しく伝えていくこと、身近に感じてもらうことはとてもよいことだと思います。
 これからは特に若い世代への北方領土問題啓発をしっかりと行い、教育していくことが必要になっていくと思います。

(黒崎照子)

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■公正競争規約をめぐる懇談会
 1月19日に赤坂で、消費者団体とマーガリン、ビール、出版物小売業の業界団体との懇談会が開催されました。当日、担当行政の消費者庁、公正取引委員会、東京都もオブザーバーとして同席しました。
 東京地婦連からは、谷茂岡会長他2名が出席し、マーガリン公正取引協議会に対しては、「有害性が指摘され欧米で使用禁止など規制の進むトランス脂肪酸について、市販のマーガリンそのものの品質を問うとともに、トランス脂肪酸の表示を必要表示事項とする」ように求めました。
 さらにビール公取協には、過剰な消費を促す景品付き販売やテレビCMの規制を、出版物小売業公取協には、昨今の若者をターゲットにした雑誌類に見られる過剰な景品の問題などについて、改善を要請しました。
(飛田恵理子)
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■冬の二酸化窒素測定から
 昨年12月1日から2日にかけて実施した、東京全域の大気汚染測定カプセル調査のうち、東京地婦連が担当した結果のあらましを報告いたします。
 両日とも風のない晴天であったため、空気が滞留して所によっては深刻な汚染状況でした。
 最も高い地点は練馬区谷原5丁目で0・106ppm、これに北区赤羽台3丁目の0・062ppm、港区南青山5丁目の0・053ppm、以上3地点がワースト3、幹線道路の交差点などです。
 平均値も8区のうち全区で汚染の目安の0・021を上回りました。平均値の最高は練馬区の0・056ppm、最低は世田谷区で0・023ppmでした。
 東京都は2015年3月にぜん息患者の医療費助成制度の新規認定を終了していますが、環境省の調査では、自動車排ガスとぜん息発症の関連が認められています。
 重ねて微小粒子状物質PM2・5の汚染の懸念もあることから、東京の大気汚染対策とともに、全国的な医療費助成も大切でしょう。
 気になる測定結果でした。


測定結果の判断基準
0.02ppm以下=あまり汚れていない   0.021〜0.04ppm=少し汚れている
0.041〜0.06ppm=汚れている      0.06ppm以上=たいへん汚れている

(飛田恵理子)
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■地域ニュース
食品ロスも話題に
千草婦人会


 インフルエンザが流行っている時なので心配でしたが、1月13日に北とぴあ17階の山海亭で新年会を開きました。全員元気で出席され、富士山の見える会場で楽しいひとときを過ごしました。
 昨年行われた消費生活フェア2016について話し合いました。「消費者被害救済委員会による救済制度について」をテーマにパネル展示をしましたが、内容が難しかったのか、質問が少なかったようです。次はもっと身近なテーマがよいのではないか、などの意見も出ました。
 最近、食品ロスを福祉に活用する運動が盛んになっていることから、その仕組みについて勉強してみたらどうかという話も出ました。家庭から出される生ごみの中にも、手つかずの廃棄食品が2割もあるそうですが、その一方で貧困が大きな社会問題になっています。毎日の食事にも事欠く人たちが増えています。
 フードバンクでは、安全に食べられるのに箱が壊れたりして販売できない食品を廃棄せずに企業などから寄贈してもらい、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供しています。
 家にある食品の余っているものを、どこにどう寄付したらよいのか、このフードバンクの活動を通して自分たちの暮らしを考え、私たちに何ができるかを勉強するのもよいのではないか、などの話も出ていました。

(山下陽枝)

新年顔合わせ会
わか草婦人会


 1月19日に綾瀬の江戸一で、わか草婦人会と地元堀切六丁目町会の合同新年会を開催しました。
 町会長に続き谷茂岡会長は挨拶で、「2月10日に婦人会主催で、消費者被害防止の出前講座を地元でするので、皆さんも誘い合って参加してください」と話しました。最近オレオレ詐欺などが増えて、被害者は60から70代の女性が多いそうで、その未然防止対策として消費生活センターと話し合って決まったものです。
 新年会は区長をはじめ多くの来賓をお迎えし、町内の2つの小学校のPTAの役員や地域の銀行からも見えて、ともに親睦をはかりました。
 町会の役員の皆さんとは話す機会はありますが、普段あまり出席されない人も参加して、カラオケなどで楽しみいろいろな話ができました。
 今までは婦人会独自で新年会を開いていましたが、会員も年を重ね、老々介護などで欠席者も多くなりました。今年は町会と合同で開催しましたから、町内の役員の皆さんとも交流でき、楽しいひとときを過ごしました。

(藤田静江)

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■葛飾区消費者大学連続講座

食の安全の裏話

 消費者問題研究所の垣田達哉さんを講師に迎えて、第5回葛飾区消費者大学連続講座「食の安全の裏話〜テレビでは話せない〜」が、1月27日に開かれました。
 あるテレビ番組の意識調査によると、食の安全を揺るがす事件第1位は、食品への異物混入です。実体は食品にビニールやプラスチック、毛髪、金属、虫(ハエ、ゴキブリ、クモ)、歯などの異物混入です。なんと気持ちのわるいことでしょう。
 誰もが安心して食べられるように、食の安心・安全を確保してほしいものです。
 そのほか塩分糖分の過剰摂取や、食品添加物や原材料の危険性(色素、着色料、トランス脂肪酸〔水素添加油脂〕など)人体に影響を及ぼす食品が出回っています。
 私たちは生涯にわたって、大事な食を監視していきましょう。
(白井恵子)
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