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■2019年1月1日付
平成30年度 全地婦連関東ブロック会議
相模原市地婦連との交流会
2018年度 全地婦連幹部研修会
ニンジンの香に包まれ 現地協議会を開催
地域ニュース


■平成30年度 全地婦連関東ブロック会議
 平成30年度の全地婦連関東ブロック会議は、11月1・2日に長野県長野市のホテルメトロポリタン長野で開かれ、関東甲信越の1都10県1市が参加し、400人余が集いました。参加者の報告です。
【全体会記念講演】
牛に引かれて・・・女性たちの善光寺
講師:善光寺住職 若麻績(わかおみ)享則師(大勧進・天台宗)


 若麻績師はまず「いつの世も、心も体も健康でいたいのが共通の願い。仏さまの教えは、誰しも周囲にやさしく接すると善い光を放ち、自らも健康でいられる。我を忘れて他を利すること。これが、お布施の意味です」と説き、善光寺の縁起、女性の信仰とのつながりなど、興味深いエピソードを紹介されましたが、一部をお伝えします。
 「その昔女人禁制の寺院が多い中で、いつでも誰でもお参りできる善光寺。およそ1400年前の創建以来二人の住職がいて、もう一人は尼寺の大本願・浄土宗の女性上人という、宗派を問わない稀有な二人住職の伝統があること。
 また、錦絵由来の逸話「牛に引かれて善光寺参り」を話されました。
 「小諸に住む信仰心の薄いおばあさんが、ある日布を洗濯して干していると、牛がやってきて角に引っ掛けて走り出してしまった。一大事とばかりに牛を追いかけて、善光寺までやってきたおばあさん、入ったお堂で牛のよだれ文字から仏の導きを感じ、のちに近所の布引観音堂へ行くと、何と観音様に牛にさらわれた布がかかっていたのを見てびっくり。牛は仏さまの化身であると信じ、善光寺への信仰を深めたということです」以上、お話のひとコマでした。
 全体会ではこの他分科会のまとめ等があり、来年の開催県「静岡県地域女性団体連絡協議会」からの挨拶、主催県からのお礼の挨拶で、幕を閉じました。

【分科会の報告】

第1分科会「これからの婦人会〜イクボス・温かボスを進めよう〜」
助言者=長野県副知事 中島恵理さん、全地婦連副会長 外石栄子さん


 長野県は、社会の意思決定段階での女性参画は全国的にみて遅れている。これは男女の固定的役割分担が根強く、男性の子育て、家事、介護などの参加が少ないこと、謙虚な女性が多く、女性側の積極性に欠けるなどが考えられる。
 イクボス・温かボス宣言とは、事業者・管理職などが従業員や部下の仕事と子育て、介護の両立支援を「イクボス・温かボス宣言」として表明、職場におけるワーク・ライフ・バランスや、多様な働き方の推進などに取り組むこと。
 長野県では、なるべく人口を減らさないようにするための取り組みや、人口が減っても、地域が元気でいられるようにする取り組みとして「長野県人口定着・確かな暮らし実現総合戦略」を作成した。
 その総合戦略をつくる会議で、婦人会では産・官・学・民の総力で取り組む「子育て支援」ということで、夫の家事、育児への参加促進が重要とのデータを基に、夫の家事、育児時間が長いほど第2子以降の出生の割合が高くなっていることから、「子育ての社会化」を目指して「子育て支援プラットホーム構築事業」を提案した。この1つに「イクボス・温かボス」があり、これならすぐ取り組めると、県が全面的にバックアップすることになり、官民協働のプロジェクトを立ち上げることができた。
 最後に、若い人が連合婦人会の人たちと何らかのかたちでつながるとよい。地域が元気になるような活動をしてほしいと結ばれ、終了しました。

第2分科会「もっと健康になるために〜実践事業から〜」
助言者=長野県健康福祉部健康増進課企画幹 田中ゆう子さん


 世界一の健康長寿を目指す信州ACEプロジェクトの取り組みを中心に、田中さんの現況報告がありました。
 ACEとは脳卒中などの生活習慣病に効果のあるAction(体を動かす)Check(健診を受ける)Eat(健康に食べる)を意味し、世界一(ACE)の健康長寿を目指す思いを込めたものです。
 単に長生きを追求するのではなく、一人ひとりが生涯にわたり尊厳と生きがいを持ち、その人らしく健やかで幸せに暮らせる、しあわせ健康県実現を目的とし、しあわせな暮らしの基礎となる県民一人ひとりの健康を増進するため、長野県の課題である脳卒中などを予防するための生活習慣の改善に取り組む県民運動を展開しました。
 長野県は長寿県として、全国でも1、2位を争うほどですが、健康長寿県としては決して高くはなく、そこでこれらのプロジェクトが取り組まれるようになりました。
 続いて千曲市の婦人会の宮坂恵子さんより、寝たきりにならないように、1日8000歩を目標に毎日歩いていること。ラジオ体操を子どもたちとしているが、今年は猛暑で中止になり、とても残念だったことなど、報告がありました。
 飯綱町の婦人会の原田秀子さんは、婦人会の取り組みとして、@健康で長生きできるようにA会員の高齢化と減少の問題を報告しました。

第3分科会「今考える平和とは〜各都県市の取り組みから〜」
助言者=全地婦連会長 岩田繁子さん


 全地婦連岩田繁子会長から平和運動の取り組みについて報告がありました。
 まず、長野県婦連が独自制作した、昭和38年開催の原水爆禁止長野県婦人大会の様子を、スライドで見ました。県内外に大きな反響と共鳴を呼び起こし、注目されたそうです。
 埼玉県婦連では、平和・市民5団体として2004年から活動を開始。毎年7月に「埼玉県原爆死没者慰霊式」を開催し、2006年、2011年の「ピースフォーラム」では、吉永小百合さんの原爆詩朗読などが行われました。
 東京地婦連では、戦争を語りつぐDVD「女たちの戦争体験・体験文集」の制作と普及運動の継続。核兵器廃絶と戦争のない世界を願った「ピースアクション」の開催。創立70周年を記念して、東京都江東区の夢の島公園に2本目の桜を植樹し、平和を祈念する運動があります。
 神奈川県婦連では、毎年8月に「平和のつどい」を開催しています。「次世代と共に平和について考える」を趣旨に、体験談を聞いて、婦人会員と小学生がともに学び、考えます。
 川崎市地域女性連絡協議会は、昭和62年に会員35人の戦争体験手記の記録集「生きぬく?戦争体験の記録」を発行。さらに平成4年には、新しく多くの手記を加え、第2集を刊行しました。
 長野県の婦人会会員からは、戦争末期に大変な苦労をされたこと、語り継ぐことが大切との発言がありました。
 広島県、長崎市、沖縄県の婦人会会長からは、平和に対する思いの一文が寄せられ、会場で紹介がありました。
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■相模原市地婦連との交流会
 11月5日、全国婦人会館に、神奈川県相模原市の地域婦人団体連絡協議会の25人が来館され、東京地婦連と交流のひとときを過ごしました。
相婦連と交流会=11月5日
 相婦連は昭和29(1954)年に結成され、創立60周年を超えています。結成以来常に地域に寄り添い、地域社会に根ざした取り組みを続けている婦人団体です。
 今回は指導者研修会の一環として「婦人会活動の活性化と、これからの活動のあり方」というテーマに基づいて東京地婦連との交流会をもち、今後の活動の弾みにしたいという目的で来館されました。
 はじめに谷茂岡会長から「地域によりそれぞれ違いはあるが、婦人会が抱えている??悩みは、どこでも枚挙にいとまがない現状で、日頃から取り組んでいる活動を話し合って少しでも前進できることが見つかるよう、この時間を大切に勉強しましょう」との挨拶があり、相婦連会長石川壽々子さんは「社会の変化に敏感に対応する諸活動にするために、消費生活問題に熱心に取り組んでいる東京地婦連の活動を学び、今後の活動の弾みにさせていただきたい」と来訪の目的を話されました。

地域を思う心はどこも同じ

 次に、東京地婦連から実際の活動を通じて婦人会活動の活性化やあり方について、相婦連からは、学習・文化、調査活動、社会福祉、広報の4委員会が活動を分担推進し、子どもの居場所調査、リサイクルの普及推進活動、20年以上続く日本童謡の会、年1回の総会後に広報紙を作成するなどのお話がありました。
 意見交換では相婦連からの環境への取り組みに対する質問に対して、40年以上続けてきた大気汚染測定運動の取り組みなどを紹介しました。地域活動例に対する質問には、葛飾区のわか草婦人会から、ワクワクチャレンジ広場、消費者展、かつしかFMを使った高齢者向けの啓発活動などを話しました。
 秋の日は短く、すぐ家路に向かわなくてはいけない時間がきてしまいましたが、地域を思う心はどこも皆同じ。これからもそれぞれの地域で、皆の幸せを願って活動を進めましょうと、心を一つにして、帰路のバスを見送りました。
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■2018年度 全地婦連幹部研修会
北方領土問題の研修会
 2018年度全地婦連幹部研修会が、昨年11月28・29日に国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されました。誰もが安心して暮らせる持続可能な社会に向けて実践活動を進めることを目指し、全国から幹部100人が参加しました。
 開会行事に続き、石川一洋NHK解説委員の「日露交渉と共同経済活動について?戦略と課題」の講演で、北方領土問題を学びました。
 次に四国大学短期大学部教授加渡いづみさんの「SDGs(持続可能な開発目標・エシカル消費)について」、徳島県危機管理部消費者くらし安全局次長小椋昇明さんの「新次元の消費者行政・消費者教育の展開」の講演もありました。
 続いてこれからの地域婦人団体のあり方について、アンケート調査の結果報告と8ブロックの代表者の活動報告などがあり、盛りだくさんの研修会でした。
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■ニンジンの香に包まれ 現地協議会を開催
まるあさのニンジン選果場
 11月6日、農畜産業振興機(ALIC)が主催する野菜需給協議会は、現地で生産者と協議するため、4団体から9人の消費者が参加し、千葉県山武郡芝山町に向かいました。
ニンジン選果場とほ場見学

 最初に丸朝園芸農業協同組合(まるあさ)の選果場とニンジンのほ場を見学しました。
 選果場では、稼働中のニンジン洗浄ラインとニンジンをカメラで選別する選果ラインの見事な動きに目を見張り、ニンジンを待ち受ける熟練者たちの袋詰め作業に感心。最終工程の箱の組み立てと箱詰め設備、ベルトコンベアーの素早い運搬作業を、一同はニンジンの香りに包まれて見入りました。
 続いてニンジンのほ場を見学。生産者によれば、こちらでは近くの酪農家から牛ふんを分けてもらい堆肥にして土壌づくりをしているとのこと。ニンジンの葉の鮮やかな緑に、参加者は葉が食品ロスになることに一様に胸を痛めました。
 お会いした生産者は後継者の心配はないそうですが、周辺には雑草の茂る耕作放棄地も見えます。各地で社会問題化しているイノシシなどの獣害については、ハクビシンが出ることがあるとのことでした。
 花き集出荷施設では巨大な専用車を見かけましたが作業は行われず、別室で協議会が開催されました。
 「まるあさ」で平成10年から開始され、継続されているニンジン・トマトの洗浄選果施設は、その日に収穫し組合へ持ち込めば、夜間に家でしていた洗浄等の作業を省力化でき、スムーズに出荷できるため農家に喜ばれているようです。
 またこちらのニンジンは土づくりをした「ミネラル栽培」で、栄養分析結果指数が普通栽培を上回っているため取引価格もよいとのこと。以前はスイカを生産していたが、残念ながら高齢化で重労働が難しくなったという話もありました。
 主催者のALICからは、経営安定対策、緊急対策、Web広報など、さまざまな支援業務について説明がありました。
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■地域ニュース
かつしか 健康・食育フェア
わか草婦人会


 東京都結核予防婦人団体連絡協議会葛飾支部(谷茂岡正子会長)は、11月11日に健康プラザかつしかで開催された「かつしか健康・食育フェア」に参加しました。
 結核のない世界を作るために、葛飾区保健予防課とともに、リーフレット「結核の常識」「遺したいものはそれですか?」などを手渡しながら募金活動を行いました。
 結核予防会では複十字シール運動を展開し、収益金は開発途上国への結核対策支援に活用すること、結核は世界の総人口の4分の1が感染していること、都内では毎年2000人以上が新しく結核患者になっていて、その約半数が70歳以上の高齢者であることなど説明し、募金された方にはシールぼうやのばんそうこうを手渡しました。
 声をかけると近寄ってきた高齢の人は「友人が79歳で結核になった。自分も心配でレントゲン撮影をした。退院したが今も薬を飲んでいる」といいながら、目頭を押さえていました。小学生の男の子は「おばさん、日本の結核を退治してよ」と財布を出し、「これしかない、ごめんなさい」と5円玉を寄付。感銘し、ばんそうこうをあげると喜んでいました。
 青木葛飾区長、議員、保健所職員の皆さんは関心が高く募金をしてくださいましたが、結核は過去の病気と思っている人が多いのか、一般には関心が薄く、話に耳を傾ける人は少ないようでした。
 日本はもちろん、世界の結核をなくすために、これからも複十字シール運動に力を入れていきます。

靖国神社 遊就館へ
都民クラブ


 都民クラブ秋の見学会は、11月22日に靖国神社遊就館を訪ねました。「遊就」とは、高潔な人物に交わり学ぶという意味だそうです。
 靖国神社は戦場に散った御霊を納めているところ、桜の木々に囲まれ隣接している遊就館は、その心を今に伝える貴重な史料館、武器陳列所として開館しました。明治15年までにさかのぼり、集められた収蔵品は15万点、中には絵画や美術品、武具甲冑、武器類など数多く納められています。
 玄関ホールを入ると、そこには太平洋戦争中にタイ、ビルマ(現ミャンマー)間を結び、日本で製造された「泰緬鉄道」のC56型31号機関車が、また満州事変、太平洋戦争で使用された零式艦上戦闘機が並んで展示されていました。大展示室では、人間が操縦し体当たり攻撃する人間魚雷「回天」=写真=が展示されていました。
 100人余の若者が祖国を守らんと散ったとのこと、胸裂ける思いがしました。他にロケット特攻機「桜花」艦上爆撃機「彗星」などの展示や、戦火で曲がった鉄カブト、飯盒(ごう)、眼鏡など、どれもこれも訴える力が余りに大きく、もう頭が壊れてしまいそう。
 館内は広く一部しか周りきれませんでしたが、こんな悲惨な戦争は二度と繰り返してはなりません。愛する祖国や家族のために捧げられた尊い命に直接触れられた1日でした。
 また日本人として忘れてはいけない戦争の歴史を学びました。

北区消費生活フェア
北区千草婦人会


 11月25日、北とぴあホールで、第46回北区消費生活フェア2018が開催され、環境・防災・リサイクル・健康・食・ガス・電気など、消費者団体や協賛団体が日常生活に役立つ情報を発信しました。
 消費者団体では、千草婦人会の「全ての加工食品に原材料の産地表示がされます」をはじめ、他の団体からは「エシカルってなぁに?」「もう一度エコを考えてみましょう」、協賛団体は、王子警察署「特殊詐欺被害防止」、東京都計量検定所「くらしを守る計量制度」、関東電気保安協会「電気を正しく安全に」、東京ガス「ガスをもっと安心・安全・豊かな暮らし」などのパネル展示があり、大人用子ども用のスタンプラリーをやりながら、質問したり答えたりでした。
 お昼には、やはた婦人会の協力で防災食が配られ、休憩コーナーでおいしくいただきました。
 ステージでは出前寄席「狙っています!あなたの家のタンス預金」「詐欺は涙かため息か」、北区ピアニカアンサンブルの演奏、寸劇「エシカルってなぁに?」、着物リフォームファッションショー、南京玉すだれなどのイベントがくり広げられました。
 実習コーナーは牛乳パックの手すきはがきづくり、体験コーナーでは機織りやカーレット、修理コーナーでは、傘、おもちゃの修理、北区リサイクル清掃課は「ごみの減量とみんなのメダルプロジェクト」など、多くの発表があり、大変勉強になった1日でした。

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