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■2019年2月15日付
東京地婦連第2回 ブロック会議2018
第37回 北方領土の返還を求める都民大会
二酸化窒素測定結果の報告
第23回 結核予防関係婦人団体中央講習会
公正競争規約をめぐる意見交換会
生団連 ASU・Mo
葛飾区消費者大学 人生100年時代をどう生きるか
地域ニュース


■東京地婦連第2回 ブロック会議2018
 東京地婦連は昨年の12月18日に、第2回ブロック会議2018を開催しました。テーマは「消費税」。秋に予定されている消費税率引上げを目前に、全国婦人会館と共催で渋谷区消費者センターで開かれました。
消費税の軽減税率制度について
 講師=財務省主税局税制第二課消費税第二係 佐野恵一郎さん/消費者庁表示対策課 林麻未さん

第2回ブロック会議「消費税」
=講師は生団連の佐藤聡司さん

 軽減税率制度の対象品目として、食品表示法に規定するおなじみの食品(酒税法に規定する酒類、外食等を除く)が含まれる。
 一方軽減対象外となる範囲は、外食(コンビニ・スーパーのイートイン、飲食設備《テーブル、椅子、カウンター等の飲食に用いられる設備》のある場所において、顧客に飲食させるサービス)、ケータリング・出張料理等(顧客が指定した場所において行う役務を伴う飲食料品の提供)など。ただし有料老人ホーム等での飲食料品の提供、学校給食は含まない。
 以上説明がありました。

消費税について
 講師=国民生活産業・消費者団体連合会理事・事務局長 佐藤聡司さん


 まず、消費税とは、商品やサービスの価格を通じて、納税義務者(事業者)ではなく、消費者が間接的に税を負担する間接税の一つです。
 メリットはすべての消費者の薄く広い負担、デメリットは生活必需品にも等しく課税されること、などがあげられる。
 消費税の導入状況の各国比較について見ると、欧州各国は軒並み20%前後の標準税率を採用する一方、食料品に関しては適用税率を低く設定する国が多い。アジア各国は、中国を除き多くが10%以下の標準税率を採用しているが、食料品に税率をかけない国が目立つ。
 今後必要と見込まれる社会保障費を消費税で賄えるよう試算した場合、すでに不足分が10兆円以上もある中、2040年には消費税率22%への引上げが必要とされる(さらに別途、国債費等の財源確保も必要)。
 軽減税率による収入減や、消費減退の影響を考慮した場合、さらなる税率引上げが必要になる。
 国家財政の不透明さが社会保障等の将来不安につながり、現在の消費抑制を招いていると考えられる。

消費税の勉強会
複雑な軽減税率制度


 はじめに「消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について」財務省主税局税制第二課および消費者庁表示対策課の各担当官から、具体的な説明がありました。
 軽減税率制度とは特定の商品の税率を8%に据え置く制度で、対象品目やテイクアウトとイートインの税率の違い、レシートの表示や価格表示についての説明です。
 対象品目は酒類と外食を除く飲食料品やテイクアウト・宅配等で、私たちがすぐ目にすることになるのはレシートでしょうか。軽減税率対象である旨のマークが商品名の横に付けられ、合計額には税率ごとの合計額も記載される表示方法を図で示されました。
 テイクアウトとイートインについては、両方が出来る店舗では販売する時点で客にイートインかテイクアウトかの意思確認をし、店内で食べるイートインの場合は10%、テイクアウトは8%で、満席の場合には2%分払い過ぎになります。店内での価格表示も両方の税率の違いを明確に示すことになります。
 続いて生団連の佐藤聡司事務局長が「そもそも消費税ってどのような税金?」「財政維持に必要な消費税は何%?」など消費税全般について、国にとって消費税のメリットは安定的な税収入を見込めること、増加する国債費・社会保障費の財源となると説明しました。
 しかし、国家財政の不透明さが社会保障等の将来不安につながり、消費抑制を招いていると考えられることから、「分かりやすい予算・決算」「国家財政の見える化」などを進めるべきだと話されています。

ポイント還元は経産省の所轄

 講演後の質問のうちポイント還元については、経済産業省の所管だとして回答はありませんでした。
 最近コンビニでの業務が複雑化していると新聞紙上で読んだことを思い出しました。イートインのあるコンビニでは販売時に客の意思確認をしなければならない。コンビニには外国人の店員も多い。店員を教育する側も店員も大変だなと思ったことでした。
 増税発足時には消費者だけでなく事業者側も混乱することでしょう。双方ともに賢く乗り切っていきたいものです。
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■第37回 北方領土の返還を求める都民大会
 平成最後の北方領土の返還を求める都民大会が、1月31日に新宿の京王プラザホテルで開催されました。会場に入ると「返還へ世代を超えてつなぐ声」「切り開く返還への道和平の扉」の大きな垂れ幕が目に留まり、返還への思いを強く感じました。
谷茂岡正子都民会議会長
今年で37年目です

 まず、谷茂岡正子会長が、「この会は1983年の設立以来、今年で37年目を迎えました。この間私どもは日本国政府とソ連、そしてロシア政府との交渉を見守りながら活動してきましたが、残念ながら四島返還という私たちの悲願はいまだ果たされておりません。日ロ両国の国民同士が胸襟を開き、信頼関係を持って交流できる日が必ず来ると信じています」と、主催者の挨拶をしました。
 都議会、内閣府、外務省など来賓の挨拶も「早期返還を」「多くの国民が関心を持って粘り強く」とそれぞれに力強いものでした。
 北方領土の早期返還を目指す大会宣言は、決意も新たに全員の拍手で採択されました。

[講 演]重大局面に入った北方領土問題

 講師の拓殖大学海外事情研究所名越健郎教授は、@日ロ首脳会談が難航A14日の外相会談でラブロフ外相が強行姿勢B「2島返還」めぐり攻防Cロシアの高飛車姿勢について、話されました。
 1月22日、25回目の日ロ首脳会談では、平和条約締結交渉については具体的な進展はなかったようです。ロシア国内では北方領土の引き渡しに反対するデモが起きていて、プーチン大統領はデモに配慮して交渉を長期戦で臨む構えなのかと思いました。
 河野外相とラブロフ外相の協議は2月に2回目の協議が行われるようですが、ラブロフ外相は日本が第2次世界大戦の結果を認めることがなければ、他の問題への前進は困難だと主張しているそうです。
 安倍首相は平和条約締結問題について「じっくりとしっかりと」議論し、北方領土については、戦後70年以上残された課題の解決は容易ではないが、早期実現のため着実に、迅速に、進めていくようです。
 そして名越先生は、問題解決には駆け引きや信頼関係だけでなく、世論という要素も考慮する必要があると話されました。
 日ロの現状や今後の見通しなど、分かりやすいお話で、理解することができました。
 元島民の皆さんは、2世3世の時代になってきています。北方領土はわが国固有の領土です。私たちは1日も早く返還が実現することを強く願っています。
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■二酸化窒素測定結果の報告
 空気の汚れを24時間カプセルで調査し、環境を考える取り組みに東京地婦連は1974年から参加しています。
 昨年12月6日から7日にかけて実施した、二酸化窒素の測定調査を報告します。両日とも晴天で風も弱く、空気の滞留は多少あったようです。
 最高値は中央区、葛飾区が0・058PPM、港区の0・053PPMと高く、残念な結果でした。この3区は過去4年間より大幅な上昇でした。空気が乾燥し、滞留の層が厚くなってしまったのか、他に要因があるのかは不明です。
 一方、世田谷区の最高値は0・022PPM、北区でも最高値0・024PPMで、「あまり汚れていない」とされる0・02PPMに近い数値が記録されたのはよかったと思います。
 東京にきれいな空気を保つために、引き続きこの測定調査活動に取り組んでいきます。
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■第23回 結核予防関係婦人団体中央講習会
 2月4・5日に新宿のリーガロイヤルホテル東京で、第23回結核予防関係婦人団体中央講習会が開催され、東京地婦連から2人参加しました。開講式には結核予防会総裁の秋篠宮妃殿下も出席され、記念撮影もありました。
初日は3つの講演

 ・結核の基礎知識とBCGワクチン
 ・あなたにあった医療を提供する
 ・知ってますか?食品の表示―機能性表示食品などを例に
 以上、3つの講演がありました。
 日本の結核患者数は今なお1万6789人、死亡者数は2303人、結核中進国でまん延は欧米の数倍で、罹患率は米国の5倍弱です。
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに低まん延化に向けてさらなる努力中。早期発見早期治療、啓発推進が大切と思いました。
 次にがん研究会の中村祐輔先生からはAI(人工知能)ホスピタルの実用化についてのお話がありました。現場の医療の質を高め、医師、看護師の負担を軽減し、その分患者とのコミュニケーションの時間が増えるように、医療を効率的に行いながら質の向上を図る必要があり、そのためにもAIホスピタルの早期導入の必要性を説きました。またがん研究の最先端のお話や遺伝子情報を用いた治療など、興味深く聴きました。

2日目は班別討議も
班別討議「婦人会活動の活性化」

 たばこ病、COPDについての講演のあと「クロスロードで考える婦人会活動の活性化」の班別討議がありました。
 日本のCOPDの推計患者数と治療患者数のかい離を認知率の向上により早期治療して、健康寿命を延ばす施策の推進を望みます。
 班別討議では、東北、関西、九州の5人で活動の活性化について意見交換している中に、秋篠宮妃殿下も同席されました。
 最後に昨年妃殿下が出席された、オランダでのユニオンの世界会議の映像を通して講演がありました。
 このように2日間の講習会で新たに得た知識も多く、実り多い講習会でした。修了証をいただいて、会場を後にしました。
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■公正競争規約をめぐる意見交換会
 1月23日、ピアノ・電子鍵盤楽器、旅行業、食用塩の公正競争規約の運用についての意見交換会が、全国公正取引協議会連合会で開催されました。その中からお伝えします。
容器等に公正マーク
店頭には会員証


 まず主催した連合会から公正競争規約制度のあらましの説明があり、現在では誇大広告・過大な景品をストップさせるための表示規約は65、景品規約が37あり、該当する商品の容器等には公正マーク、店頭には会員証が表示されていること、違反した場合には課徴金納付制度もあり、偽装表示防止に寄与していることを強調されました。

音表示の電子カタログも

次に鍵盤楽器公正取引協議会からは、昨年6月の規約改正のポイントとして、カタログ表示には印刷物のみならず含めたこと、市場実勢価格や想定価格を比較対照とした二重価格の禁止を明確化したこと、(生産国ではないが)ブランドの強調等で、実質的な生産国が誤認されないように、生産国表示の不当表示を追加したこと、中古品については「再調整」の使用基準緩和と不当表示の追加などが報告されました。音色に関わるだけに難しさを感じました。

年間600件もの相談

 続いて旅行業公取協からは、募集型商品のおよそ97%を扱う会員事業者の、景品・表示規約の運用を行い、全国主要16都市で年2回規約説明会を開催、年間約600件の相談があり消費生活センターを介して回答しているが、7割は会員から寄せられていること。規約違反の疑いがある行為は2018年度については12月迄で11件、警告事案「会長通知」は内2件という話でした。この他にもコンプライアンスセミナー、出前講座などの活動報告がありました。
 改善につながるでしょうか。
 食用塩公取協からは設立からの経緯とともに、規約の概要説明がありました。協議会としての規約順守状況の調査に力を入れ試買検査会の他に、店頭調査・工程調査・品質調査・ホームページ調査を実施。近々食品表示基準の原料原産地表示制度の規定を追加する規約改正を行う予定である、ということでした。会員外の偽装表示が氾濫する現状も気がかりです。

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■生団連 ASU・Mo
 4回目のASU・Moは昨年の12月5日、マルハニチロ株式会社のご協力で「MSC(海のエコラベル)と水産資源の持続性」のテーマで、同社の豊洲フロントで開催されました。
「水産資源の持続性」を考える
MSC認証を学ぶ

 まず、マーケティング部の花島部長が「2018年はヒット商品番付にサバ缶が入りました。身近な水産資源を大切にする取り組みを紹介するので、有意義な時間を」と挨拶されました。次に片野副部長役が、MSCと水産資源の持続性と世界と日本の漁業の比較からサバ、サンマ漁の現状まで説明がありました。
 また「大西洋のマダラの乱獲から数が激減し、東カナダでは4万人以上が失業した」。この失敗を踏まえて作られたMSC認証は、いつまでも魚を食べ続けられるよう、海洋環境や水産資源を守って漁獲された水産物に与えられるラベルです。また養殖の水産物を管理するにはASC(水産養殖管理協議会)組織もあるそうです。北欧と日本の漁業の違いなども聴きました。

マイクロプラスチック汚染と缶詰

 意見交換では、最近海のマイクロプラスチック汚染が取り上げられているが、缶詰の魚は本当に安全なのか、の質問には、「缶詰用の魚は頭部と内蔵を取り除いて加工しているので安心して召し上がってください」との答えでした。
 特に高齢者から「缶詰がなかなか開かない」という声があり、別の容器の開発を、の質問には、缶を開けやすくしたり、パウチ包装の商品も販売しているそうです。
 その後マルハニチロプラザを見学して、商品紹介をしていただきました。参加者は「とても参考になった」「私たちも学んだ情報を発信していかなければ」という声が上がっていました。

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■葛飾区消費者大学 人生100年時代をどう生きるか
 1月25日に葛飾区ウィメンズパルで第4回消費者大学が開講されました。この日のテーマは「人生100年時代をどう生きるか」講師は葛飾区医師会会長の安藤進先生です。はじめに主催者の谷茂岡正子消団連会長の挨拶がありました。
あいさつする谷茂岡会長
講師の安藤進医師
講義の要旨

 まず、代表的な疾患、生活習慣病の特徴と予防治療についてです。
 メタボリックシンドロームに代表され、別名内臓脂肪症候群、血管の中に脂肪が付着し血液の流れを阻害し負担を与える。血管は固くなり、古いゴムタイヤ状に硬く裂けやすくなる。この状態を動脈硬化という。高血圧・高血糖・脂質異常の元凶となり、心臓病の発生は3・5倍、喫煙しているとさらに2倍のリスクとなる。
 健康寿命は血管の硬さで決まり、全身の老化にも影響する。脳梗塞・腎硬化・心筋梗塞は近年死因の3割を占める。なかでも大動脈瘤の破裂は象が胸の上に乗っているかのような猛烈な痛みだという。
 高脂肪食と運動不足が原因、過剰エネルギーが体内に蓄積された結果で、目安は腹囲。男性85センチメートル以上、女性90センチメートル以上。1センチでなんと1キロ増に。
 予防策はまず健康診断。受けっ放しは無意味です。
 食事は緑黄色野菜、豆、青魚の摂取、運動は適度に持続し無理はしない。良い睡眠、笑い、趣味を持つ。漫然と間食、飲食をしない。ながら食いNG!寝る前2時間の飲食は、全てエネルギーとして体内に蓄積される。
 先生は「毎日の生活習慣が自らの健康を作ります。努力することを身をもって知る人は強い」と結ばれました。
 けだし至言。自分にもっと厳しくしなければと猛省しました。

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■地域ニュース
1年生と一緒に昔あそび
わか草婦人会


 葛飾区の放課後子ども事業ワクワクチャレンジを、わか草婦人会が足立区の東綾瀬小学校でやっています。
 先生から「今年も昔あそびを教えてほしい」と話があり、1年生に1月17日の朝から教えることになりました。
 めんこ、あやとり、おはじき、お手玉、けん玉、ことばあそびに分かれ、1グループに10人ほどの子どもたちが来て、10分たつと次のグループが来ます。
 私はあやとりを教えましたが、親指も人差し指も分からない子どもたちにどうやったら分かってもらえるか悩みながらの10分間はあっという間です。どのグループにもできる子が何人かいたので、友達に教えてくれるように頼みました。
 おはじき担当の黒崎さんは、「『おはじききれい。ダイヤモンドみたい』といいながら、握りしめている子どもが多く、教えるのが大変だった」と。膝に乗ってくる子どもたちが何人もいて大変だったと話した人もいました。
 子どもの頃にはやっていたのに、今になって子どもたちに教えるのは難しいものだと思いましたが、それでも楽しくあっという間の1時間でした。次はもっと楽しく教えられるようにしたいと思っています。
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