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■2019年8月15日付
令和元年度 北方領土の返還を求める都民会議総会
廃棄物埋立処分場 海と陸からの見学
都予算要望のヒアリング
2020年度東京都予算に関する要望@
二酸化窒素測定結果報告
食品照射 国と意見交換会
地域ニュース


■令和元年度 北方領土の返還を求める都民会議総会
北方領土の返還を求める都民会議総会=7月2日
 7月2日、北方領土の返還を求める都民会議総会が新宿の京王プラザホテルで開催されました。
 今年度も都民会議は、日本固有の領土である北方四島の領土問題の早期解決と平和条約締結のために国への働きかけ、世論の喚起を促す活動に取り組む事業計画などを提案し、総会議事は満場一致で承認されました。
 谷茂岡正子都民会議会長からは、「2018年11月にシンガポールで行われた日ロ首脳会談において日ソ共同宣言を基礎に、平和条約締結交渉を加速することが合意されたが、その後は進んでいない。今年G20サミットの際に行われた日ロ首脳会談においても目立った進展はみられなかった。元島民の方がたの平均年齢は84歳を超えている。若い世代、次世代へ積極的に働きかけ、北方領土問題をしっかり教育、啓発していくことがますます重要である。皆さまと力を合わせ頑張りましょう」と力強い主催者挨拶がありました。以下、参加者の報告です。
総会に参加して

 谷茂岡会長からの挨拶の後、内閣府審議官の松林博己氏からは、「返還はわが国の悲願。島民の方の高齢化に伴いこれからは次代の若者にいかに継承していくかが課題。26回目の日ロ交渉でも具体的に案件は進んでいないのが実情。順調に思える時でも一気にゴールに繋げることは極めて困難なこと。交渉の基盤を作りあげることがいかに難しいことか。一気にゴールの機運を盛り上げたいが、これが至難中の至難である。加えて今回は国会議員の不適切な行動があり、元島民の心情を深く踏みにじってしまった。領土問題は当事者2国間で解決できるものではなく、諸外国の情勢が微妙に絡み合うもの。今は逆風の時と考えている。こういう時には特に若い人の参加を」と裾野を広げる必要性を強調されていました。
 続いて議事に入り、平成30年度の事業報告が蓮池攻事務局長からあり、「事業のなかで特に力を入れてきたのが後継の青少年の育成。青少年が実際に現地を視察し、元島民と話をしてもらうことが返還運動を継承してもらえる有効な方法と確信し事業を推進している」と説明。北方領土青少年等現地視察事業に30年度は2回、教育者の現地研修会も2回実施したとの報告があり、青少年現地視察事業の詳細報告が、視察の様子を撮影した写真とともにありました。
 続いて令和元年度の事業計画案に移り、前年度と同様青少年の継承に力を入れるべく、啓発宣伝活動の実施、都内の教員による根室訪問等領土問題の解決促進に取り組む骨子案が示され、了承されました。予算案も可決し、通常総会は終了しました。

北方領土の「ロシア化」を懸念

 主催者の谷茂岡会長からは「安倍首相とプーチン大統領との首脳会談は何度かあったが、四島(しま)の返還の実現まではいかず残念」、来賓の挨拶にも「返還の風も止まってしまったが、2国間だけの問題ではなく、国際情勢が絡んでいる」との発言がありました。主人は20数年前に、北方領土ビザなし訪問団に都職員として同行しましたが、その頃はまだ開発されていない手つかずの自然が残されていたと語っていました。その後2人で四島(しま)返還を求める都民会議・全国大会に参加し、パネル展の見学や応援をしてきました。主人も今は車イス生活になってしまい参加出来ませんが、私は毎年欠かさずに出席しています。都民会議大会も37回目となり、以前と比べると年々元気がなくなり寂しく感じてしまうのは私だけでしょうか。何年も前ですが、都民大会後に警視庁音楽隊のすてきで力強い演奏があり、そのパワーに後押ししてもらった記憶があります。
 北方四島では、ロシア政府が大規模な予算を投入してインフラ整備が進み、スポーツ施設もでき、幼稚園では待機児童までいるそうです。ビザなし訪問団に新しい施設を次々と案内し、日本に領土返還を諦めさせる狙いがあるのかもしれません。四島の中で開発が後回しにされた色丹島でも、ロシア主導で中国企業等が開発を進めていて、ロシア政府は北方四島に国民を移住させる政策も続けています。「ロシア化」が着実に進められ、占領の既成事実だけが進んでいる現状。元島民の平均年齢も84歳を超え、私は何とも寂しい気持ちで会場を後にしました。
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■廃棄物埋立処分場 海と陸からの見学
廃棄物埋立処分場を見学
 7月17日、東京地婦連は、海上から廃棄物埋立処分場を見学する、公益財団法人東京都環境公社主催の「海と陸からの見学会」に参加しました。
 竹芝桟橋から視察船「新東京丸」に乗船し、東京湾内を見学しました。レインボーブリッジをくぐり、品川ふ頭の倉庫のはるかかなたに羽田空港から飛行機が飛び立つのが見えました。
 船の中から新海面埋立処分場周辺を見学しました。湾内には多くのコンテナ船(いろいろな物を運ぶ船)が行き来しています。近年設置された姿のいい東京ゲートブリッジの下をくぐり約20分の見学でした。
 昼食を済ませた後、環境局中防合同庁舎で映像による説明を受け、バスに乗り中央防波堤外側埋立処分場・廃棄物処理施設を見学しました。
 都内から集められたごみは、種類別に中間処理され、3メートルに積み上げられ、上に土を50センチメートルかけます。この工程を一定の高さまで繰り返し行っていきます。これはサンドイッチ工法という埋立方法で、この工法には、廃棄物の飛散防止、ごみの臭気拡散防止、害虫の発生防止(害虫の卵などのふ化を防ぐ)、ごみによる火災防止(空気をしゃ断する)効果があるそうです。
 埋め立てた廃棄物からはメタンガスが発生するため、パイプを打ち込んでガス抜きをし、地中のガス量を減らして埋立地等の安定化を促進しています。雨水がごみにしみ込むと汚水になるので、処理場で浄化してから下水道に放出します。また、一部施設の屋上に太陽電池を設置し発電を行い、発電した電気は全て埋立地内で利用するといった取り組みもしているそうです。
 家庭や企業から日々出されている膨大なごみが安全に処理されているのが分かる良い見学会でした。
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■都予算要望のヒアリング
2020年度東京都予算に関する要望@
 8月2日の午後、谷茂岡会長も代表委員に名を連ねる「東京消費者団体連絡センター」は、東京都生活文化局、都議会公明党、都民ファーストの会、日本共産党都議会議員団を訪れ、令和2年度東京都予算要望に対するヒアリングに臨みました。
 参加は9名、東京地婦連を含む7団体の7名と連絡センターの2名です。いずれのヒアリングでも自己紹介に続いて小浦事務局長から、小池都知事あての「2020年度東京都予算に関する要望」の骨子が説明されました。
 今回の4本の柱は消費者行政の充実・強化、食の安全・安心、子供や高齢者・若者など全世代への貧困対策、都民の安全・安心な暮らしの確保と持続可能な社会づくりです。
 具体的な項目は多岐にわたりました。悪質事業者の取り締まりの更なる強化、見守りネットワーク、成年年齢の引き下げと消費者教育、エシカル消費のすすめ、ゲノム編集技術利用食品問題、プラスチックごみ削減と給水機設置、フードドライブの推進、防災、スマートエネルギー化により原子力に依存しない持続可能な社会づくりを、水道事業は民営化を行わないことなど、消費者のいのちと暮らしを守る事業内容が含まれています。
 次回は22日の開催です。

都民ファーストの会とのヒアリング風景
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■二酸化窒素測定結果報告
汚染物質が微増

 令和元年度の6月6日から7日に実施した東京全域の大気汚染測定カプセル調査のうち東京地婦連が担当した結果のあらましを報告します。
 両日とも曇天、夕刻にはこぬか状の雨という梅雨のはしりのような天候でした。そのため空気が滞留したのか江戸川区以外は昨年の平均値より高い値を示しました。特に中央区は平均値で0.034PPM、最も高い地点では0.045PPMと深刻な汚染状況でした。全体の傾向とともに、微小粒子状物質PM2・5の増加も懸念されている現状を考えると、ぜんそく患者や肺疾患の方の健康状態が気になります。
 きれいな空気が当たり前になるために、測定を続け、監視を続けていきたいと思います。

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■食品照射 国と意見交換会
 照射食品反対連絡会は7月19日、恒例の厚生労働省との意見交換を行いました(於プラザエフ)。
 出席者は医薬・生活衛生局食品基準審査課の川村卓史さん、多田剛士さん、出口康之さん、福田未夢さんに連絡会世話人。
 最初の話題は、士幌農協のガンマ線照射ジャガイモをめぐる新たな問題です。
 @連絡会の調べで明らかになった照射直後(1〜2ヶ月)に市販されている照射ジャガイモの実態は、これを危険と示すデータがあり中止させるべきではないか。
 Aガンマ線の規定線量など検査内容は厚労省に通知されているのか。
 B当初の目的であったジャガイモの端境期対策については、コールドチェーンが確立し、品種改良も進んだ今日、すでに国内における端境期は解消しており、照射を継続する理由が成立しない。この際照射を禁止すべきではないか。
 @〜Bに対する厚労省の回答によれば、@については危険性についての認識はなく、明確な回答は得られないままです。
 Aについては、管轄していない立場であるとのことでした。
 Bは状況の変化は認めている口ぶりでしたが、食品衛生法の例外規定の在り方に踏み込んだ話にはなりませんでした。
 次にスパイスへの照射推進派のその後を尋ねると、目立った動きはなく、発がん促進作用が疑われる生成物、アルキルシクロブタノンへの研究も進んでいない様子でした。国は静観したままです。
 近年国家予算で実施されてきた生レバーへの照射を意図した研究については、一定の成果が出だということでした。O157などで命を脅かす生レバーを、照射しても食べたいという一部の声や、利害関係者に熱心に応えようとする厚労省の姿勢。連絡会は食の安全の新たな課題と受け止めました。
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■地域ニュース
2019年度総会
都民クラブ


 6月14日、都民クラブの2019年度総会が、渋谷区消費者センターで開催されました=写真。18年度の事業報告、決算報告、監査報告が行われ、19年度の事業計画案と予算について審議を行いました。
 総会議事は順調に進み、今年度は、東京地婦連として元島民による北方領土を語る会や食品表示に関する学習会が開催されるので積極的に参加しましょうと確認しました。
 役員の皆さまが用意くださったお弁当とお菓子を楽しみながらの昼食の時間には、都民クラブの見学会として、上野の小さな美術館を訪ねてみようという提案があり、皆でいろいろ話し合いました。秋の気候の良い日に、会員の多くが集うことが出来るよう企画を練ることとしました。
 私はこの3月まで仕事をしておりましたので、今まで都民クラブの会合には出席できませんでした。久しぶりに皆さまにお会いできて楽しいひと時を過ごすことができました。当日は都合で出席できなかった方もハガキで近況をお伝えいただいたりして、本当に懐かしい気持ちでいっぱいになりました。
 この後、長い間東京地婦連・都民クラブを支えてきてくださった稲川貴美子さんの訃報が届きました。きれいでやさしいお声でのお台所ダイヤルを今でも思い出します。これまでのご活躍に感謝申し上げ、心からご冥福をお祈りいたします。

ふれあい祭り
わか草婦人会


 7月20日、第31回九品寺前ふれあい祭りが葛飾区堀切6丁目で開かれました。子どもたちに田舎の夏祭りを味わわせてやりたいと町会と婦人会で始めたこのお祭りも今年で31回目となり、あっという間の30年だったなと思います。
 前日は雨で、お天気を心配していたのですが、運よく曇りで例年のように暑くなく体のことを考えると楽でした。朝、町会の人たちはテント張り、私たち婦人会はお昼のカレーをまず作り、葛飾産の枝豆を茹で、味噌おでんの準備で大忙しです。お昼になり、町会の人たちからカレーを食べ始めましたが、3回もおかわりする人もいて、作りがいのあることだと思いました。枝豆は全部茹で、味噌おでんの味噌も手作りです。
 例年より30分早い15時30分から販売が始まりました。婦人会の扱う品物は、福島県塙町の野菜とお花、枝豆、味噌おでん、ラムネ、わたあめ、ポップコーンですが、他の団体ではフランクフルトや焼きそば、イカ焼き、かき氷などいろいろなものを販売していました。婦人会の活動できる人もだんだん減ってきて準備するのも大変でしたが、95歳の谷茂岡会長が頑張っているので、私たちも負けるわけにはいきません。
 小谷の太鼓、東綾瀬と南綾瀬小学校の鼓笛隊、青葉中学校のブラスバンドの演奏がありましたが、私たちは自分の売り場にいるため見ることは出来ず、聴くだけです。枝豆や味噌おでんなどもお客さんの方が味をよく知っていて「これおいしいんだよね」と言いながら買ってくれました。ラムネも気候の割に売れ、わたあめやポップコーンも子どもたちが行列を作っていました。
 19時30分に販売が終わり、後片付けです。ふれあい祭りは何事もなく終わり一安心。年々疲れが増すようで、無事に終わってよかったと谷茂岡会長と話しました。
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