婦人時報は年間購読料1800円(送料込み)です。購読希望の方メールで申込できます。

■2020年2月15日付
2019年度 第1回東京地婦連ブロック会議を開催
2019年度 第2回東京地婦連ブロック会議
二酸化窒素測定結果報告
第38回 北方領土の返還を求める都民大会
防災学習会 マイ・タイムラインで災害に備え
公正競争規約をめぐる意見交換会
23回北方領土返還要求運動推進功労者等表彰
地域ニュース


■2019年度 第1回東京地婦連ブロック会議を開催
野々村真希さんの講演
 東京地婦連では「世代を超えて地域の力」をテーマに掲げながら、消費者問題、高齢者問題、男女共同参画、平和、環境など様々な課題をテーマにブロック会議を開催しています。第1回目は昨年11月15日に葛飾ウイメンズパルで、「持続可能な消費と食品ロス問題等について」をテーマに、2部構成で開催されました。司会は黒崎照子理事です。
第1部
持続可能な消費と食品ロス問題等についての消費者意識調査

報告は都民クラブが行いました。調査期間は2019年10〜11月、アンケート用紙145枚を配布し、103枚回収(回収率71・0%)。回答総数103(内訳は、女性91人88・3%、男性12人11・7%)でした。

調査目的

 まだ食べられる食品がそのまま廃棄されることはもったいないだけでなく、環境負荷が増大し温暖化の一因に。この調査では国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)に含まれる「食品ロス等の削減」を中心に、消費者の意識を探りました。

調査結果のあらまし

問1 SDGs(持続可能な開発目標)に沿って私たちの生活を見直す必要がありますか。

 1位は「見直す必要が大いにあると思う」(47・6%)、2位は「自分ができるところから見直していきたい」(41・7%)。
 回答者の約9割がSDGsに沿った行動を考えています。少数派の3位には2・9%の「必要だと思うが、自分の生活は変えたくない」「何をしたらいいのか分からない」が並びました。
 ◇SDGsでは消費者の使う責任について、「2030年までに世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させ…(略)食品ロスを半減させる」としています。わが国でも「食品ロスの削減に関する法律」が10月から施行されました。

問2 ところであなたはこの1週間に食品を捨てましたか。

 1位は「いいえ」(60・2%)、2位は「はい」(39・8%)でした。
 捨てた人に理由を尋ねると、トップは「消費期限が過ぎていた」(63・4%)次いで「腐っていた」(31・7%)、「作りすぎてしまった」(29・3%)、これに「賞味期限が過ぎていた」(24・4%)が続きます(複数回答)。
 消費期限切れ、腐敗は食中毒の恐れがあるので止むを得ない廃棄ですが、管理・保存のミス。また、作りすぎたが約3割を占め、消費者の姿勢が問われます。賞味期限切れは工夫すればロスを生じません。
 食料品が家計に占める割合は世帯平均で25%を超えており、子どもを貧困から守る「子ども食堂」が増加する中で、もったいないことです。

問3 あなたが食品を捨てる場合、どのような捨て方が多いですか。

 1位は「食べ残し(買いすぎ、作りすぎで食べきれずに捨ててしまう)」(43・7%)、2位「直接廃棄(賞味期限や消費期限を過ぎたことで、手を付けずに捨ててしまう)」(28・2%)。
 無回答・その他を除外すると、3位は「過剰除去(調理の際に食べられる部分まで捨ててしまう)」(7・8%)でした。
◇食料自給率が37%台まで減少する中で、毎日茶碗1杯のご飯、約139g相当が廃棄されているという、1人当たりの食品ロス統計が出ています。暮らし方を見直したいものです。
 その他の具体的な回答は「好みでない試食品をもらった時」、「外食時に量が多すぎて残してしまう」など。

問4 あなたは食品の見切り品を利用していますか。

 「はい」(59・2%)、「いいえ」(32・2%)でした。見切り品は食品ロスを削減し家計にも優しく、上手に利用したいものです。コンビニでもようやく見かけるようになりました。

問5 飲食店の中には「ご飯を少なめに」と頼むと、その分を値引く店があります。残飯を防ぎ、食事の量の加減に応じる外食サービスについてどのようにお考えですか。

 多数の消費者の支持を得たのが1位は「合理的なので、このような店が増えるとよい」(93・2%)、少数派2位は「今のままでよい」(1・9%)という結果でした。SDGsは、事業者と消費者の協働作業で実現を図る必要があり、外食サービスは食品ロス削減のために、消費者の声に是非応えて頂きたいものです。
 ドギーバッグ(食べ残しの自己責任による持ち帰り袋)の普及を望む声もありました。

問6 あなたはフードドライブや、フードバンク活動に参加したことがありますか。

 「はい」は20・4%でした。いずれも福祉と食品ロス削減に繋がる活動ですが、私たちのフードドライブ参加は限定的で、これからの課題です。

問7 食生活上のプラスチック減量について、あなたが取り組めそうなことはどれでしょうか(複数回答)。

 圧倒的な支持は「マイバッグの持参」(87・4%)でした。いずれも、できるところから取り組むことが大切です。事業者と協働し、実行あるのみです。

 以上、アンケート調査の概要でした。

第2部
講演 「家庭の食品ロスと消費者行動」

講師 東京農業大学国際食料情報学部
助教 野々村真希 氏


 まず食品ロスに関する近年の動向に触れ、世界では食糧生産量のおよそ三分の一が廃棄されており、国内では食用仕向け用の約十分の一、年に643万トンが廃棄されていて、これは、世界の食糧援助量の400万トンを上回る廃棄量になる、と警鐘を鳴らしました。
 先生は、年間291万トンとされる家庭の食品ロスを減らすために、食べ残し、過剰除去、直接廃棄などの消費者の食品取扱行動について研究し、原因を探るために10日間、9人の廃棄食品調査を実施したそうです。
 ついつい買いすぎ、保存、在庫忘れ、調理時の過剰除去、食べ残し、廃棄処分など日常の行動への理解を深めて、消費者が継続的にロス削減に取り組む必要性を説かれ、最後に、AI技術を活用した在庫管理ができないかを考えている、と講演を締めくくられました。
▲back
■2019年度 第2回東京地婦連ブロック会議
 2月3日は午前と午後の2部構成で都庁見学と、都の防災対策について都庁防災部会議室での講演会です。
都議会議事堂を見学
「東京都庁を見学」
 1部は都庁の見学でした。案内係の方と一緒に第一本庁舎をスタートして、大きな熊手が飾られているコーナーでは豪華さや大きさに驚きました。続いて長い渡り廊下を歩き、都議会議事堂に行きました。当日、議会は閉会中ですが、傍聴席に座り、記念写真を撮りました。都庁は工事中で、見学箇所は限られましたが、都庁全体の見えるところで都庁の建物について説明を聞きました。その後展望台から東京の景色を眺めました。残念ながら富士山を見ることは出来ませんでしたが、東京湾やレインボーブリッジ、遠く房総半島の方を見たりと楽しいひと時を過ごし、午前の研修は無事終了しました。

講演
「東京都の防災対策について」
宮澤夏樹さんの講演を聴く

 午後は、東京都総務局総合防災部防災管理調整担当課長の宮澤夏樹氏の講演を聴きました。
 東京は、首都直下地震や台風などの自然災害に加え、テロや大規模事故、感染症拡大などの様ざまな脅威に直面している。災害の被害を最小限に抑えるためには、自助・共助・公助それぞれが災害対策対応力を高め連携することが重要である。

自然災害に対する備え

@ 「地震」=東京はこれまでも関東大震災などの大地震により大きな被害を受けている。南関東では200〜400年間隔で発生する関東大震災クラスの地震の間に、マグニチュード7クラスの直下地震が数回発生すると想定されている。
A 「風水害」=日本周辺では、過去30年に平均で約26個の台風が発生し、全国各地に強風や大雨による被害をもたらしている。
B 「火山」=東京都の区域内には、全国の活火山のうち、21の火山が存在している。全て島しょ地域に存在し、住民が居住している火山島は8か所、など東京の自然災害について話されました。
 特に地震発生時、大切な命を守るためには建物の耐震性と室内の安全確保、適切な行動が重要である。そのために、日頃から地震に関する正しい知識を持ち、様ざまな備えをしておくことが大切である、と強調されました。講演後に意見交換が行われました。
▲back
■二酸化窒素測定結果報告
  令和元年12月5日から6日にかけて実施した、東京都全域の大気汚染カプセル調査のうち東京地婦連が担当した結果の概略を報告します。
 初日はこぬか雨模様の微風で、冬特有の空気の滞留があったのか、上昇を示したのが練馬区でした。前回6月には0・019PPMだったのが0・032PPMと高い平均値です。今回の最高値は葛飾区の0・048PPMでした。
 汚染物質が原因なのか、いずれにしても多くのぜん息患者が苦しんでいる状況の今、きれいな空気の中で生活ができるよう、これからも測定監視を続けたいと思います。
▲back
■第38回 北方領土の返還を求める都民大会
挨拶する谷茂岡会長
 1月30日、第38回北方領土の返還を求める都民大会が新宿京王プラザホテルにて開催され、北方領土の返還を求める都民会議の谷茂岡正子会長が主催者挨拶をしました=写真。参加者の報告です。
講演
激動する東アジア情勢と日ロ関係の行方
防衛研究所 地域研究部長 兵頭慎治 氏

 激動する東南アジア情勢の中で、日本とロシアのこれからの行方は非常に難しいことになると予想されます。プーチン大統領が何を考えているかが難題です。今までプーチン氏は憲法を変えながら大統領を続けてきたが、2024年には任期を終え引退しても、国会の評議員になり横滑りすることが考えられます。
 日本は、中国や北朝鮮、韓国とも同じような領土主権問題を抱えています。
 2019年6月20日に、ロシアは短時間ですが日本の領空を2回侵犯しました。ロシアは第二次世界大戦で北方領土を獲得したと考えています。ロシアはオホーツク海の戦略的観点からみて、北方四島が重要とみています。
 付き合いにくいが歴史的な反日感情はなく、平和条約締結ができればと話されました。

都民会議に出席して

 今回で38回を数える大会に出席しました。
 会場は熱心な早期返還を願う人で埋まりましたが、長い運動の歴史のなか、島民や周りを支える人びとの高齢化が進み、精彩を欠く現状がみえるのも事実です。
 そんな中、夏休みに根室に研修で参加した杉並区の元気な中学生が訪問記を報告してくれました。「領土問題は大人の問題、自分には関係ないと思っていました。ロシアという国も歴史や地理の授業の中で学習しましたがあまり覚えていません。根室の学習会では知らない者同士ぎこちないあいさつから始まり、いつの間にか討論の場となりました。自然の中で得た貴重な学習交流会は良い体験となりました」と力強い発表があり、若い感性に期待が集まりました。日本国土を守り継ぐ若い世代への教育こそ重要、永年の悲願、平和条約の夢を一刻も早く果たそうではありませんか。
▲back
■防災学習会 マイ・タイムラインで災害に備え
防災学習会
 2019年は相次いで発生した台風で各地に甚大な被害が発生しました。もしもの時に命を守りつなぐために、12月20日全地婦連と共催で防災学習を行いました。
 まず、東京都の総合防災部計画調整担当課長の濱中哲彦さんから、「東京都の防災対策〜東京マイ・タイムラインで風水害にどう備えるか」、日頃より水害からの避難等を考えるための、新たな都の施策を伺いました。
 東京マイ・タイムラインは、都民の「自助」「共助」を促すための「避難行動の計画表」です。ガイドブックが付いており、日頃から危機感を持って、台風や長引く大雨、急な豪雨から自分や家族などの命を守るために、避難情報の入手、避難準備、避難に至るタイムスケジュールを各自が決め、計画表が作成出来るように、詳しい解説とシートなどがセットになったものです。濱中さんは、東京都が幅広い世代を対象に5種類作成し、多くの人が容易に作れるように工夫をしたこと、東京都以外の人も風水害への備えに活用できること、などメリットを熱く語りました。

災害対応用LPガスについて

 続いては(一財)エルピーガス振興センター広報室長野村晃久さんから、「もしもに備えるエネルギー、LPガス」の講演です。LPガスの特性を紹介され、どこにでも運べる分散型供給ができること、CO2排出量が石炭等より少なくパワフルで環境にやさしい、劣化せず保存性に富み災害に強い。北海道の停電時にもLPガスの災害対応バルクは全て稼働しており、災害対応バルクを導入していた病院、老人ホームなどの各施設、避難所などでは、LPガスが活躍した。
 そのため各地域のLPガス協会では、災害時のLPガスの調達・供給について、国からの補助を得て都道府県・市町村との協定を進めている。
 LPガス事業者は、地域の暮らしを支えるため今後ボンベを鋼製容器からFRP(強化プラスチック繊維)へと徐々に変えたいと考えており、規制緩和を求める。
 以上が、野村さんの講演の骨子でした。
▲back
■公正競争規約をめぐる意見交換会
 全国公正取引協議会連合会と消費者団体との東京地区での意見交換会が、1月22日に赤坂SKビルで行われました。消費者5団体が参加、私たち東京地婦連からは谷茂岡会長をはじめ5名が参加しました。
 まず出席者の紹介があり、その後公正競争規約制度について公正取引連合会の方から説明がありました。公正競争規約は2019年4月現在で101件あるそうです。今回は特に表示を中心に説明しますのでよろしくお願いしますとのことでした。
 次に公正競争規約の運用状況について3団体より説明がありました。
 1番目は旅行業公正取引協議会より「最近の活動状況及び旅行業における公正競争規約(概要)について」、2番目は自動車公正取引協議会より「運転支援機能の適正な表示の推進及び自動車運転機能に関する表示の推進のあり方の検討について」、3番目は全国はちみつ公正取引協議会より「はちみつ類の表示に関する公正競争規約の概要及び運用状況等について」を、これらの団体から説明を伺った後意見交換会に移りました。
 この3団体の中でも、自動車運転機能に関する表示のあり方について意見が多く寄せられました。特に自動ブレーキの広告の表示に関して誤解を招きかねないものが多く見受けられるので、適正な表示をして頂きたいなど。また、はちみつに関しては1歳以下の子どもに与えてはいけない事をもっと表示して欲しいとの意見もありました。多くの意見交換がなされ、意義ある会となりました。
▲back
■23回北方領土返還要求運動推進功労者等表彰
衛藤大臣と記念撮影
(前列左が谷茂岡会長)
 北方領土の返還を求める都民会議の谷茂岡正子会長は、北方領土返還要求運動の推進に尽力された功績を認められ、12月19日に内閣大臣室にて表彰されました。おめでとうございます。
 この度は独立行政法人北方領土対策協会の推薦をいただき、元島民の方、高等学校の生徒、校長先生とともに、衛藤晟一内閣府特命担当大臣より表彰されました。
 谷茂岡会長は「私たちはそれぞれの地域で若い世代、次世代へ積極的に働きかけ、北方領土問題をしっかりと教育、啓発していくことがますます重要と思っています。粘り強く運動を推進し、政府の外交交渉を後押ししていきたい」と決意を新たにしました。
▲back
■地域ニュース
秋の都民クラブ見学会
都民クラブ

 11月22日の都民クラブ見学会は、上野公園不忍池、池畔(池之端)にある、横山大観記念館を訪ねました。
 この記念館は日本画の巨匠、横山大観画伯の旧宅でもあり、89歳で亡くなるまでここで暮らし、多くの作品を制作、発表されました。
 和風の建物と自然の趣を大切にした広大な庭園の全ては、大観の創案、野趣に溢れています。けれども、昭和20年3月10日の東京大空襲で全てを焼失し、現在の建物は昭和28年に復元されたものだそうです。客間は和室の大広間、岡倉天心や菱田春草、下村観山などそうそうたる方々がいつも集い、制作の場、2階の画室は自然光が効率よく取り入れられるように造られています。
 展示室では、画室から生まれた「自画像」「りんどう」「富士山」等の他「天心の書」も近くで観賞できました。当美術館には大観を中心とした画家たちの作品、近代日本画家約300点、大観愛蔵の工芸品、古書画等2000点を所蔵して季節ごとに展示を入れ替えています。
 戦争の真っ只中を生き抜かれた巨匠、残された作品は令和に輝くお宝です。感謝しながら、紅葉の上野公園を後にしました。
▲back