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■2021年1月1日付
2020年度 第1回東京地婦連ブロック会議
2021年度 ピースアクション実行委員会 形式にこだわらず柔軟に開催する
GoToトラベル・GoToイートによる命に係わる失政
生団連 課題別委員会エネルギー・原発問題 真剣に考えるべきテーマ
生団連 2020年度 第2回常務理事会・理事会合同会議 会場とWEB併用で開催
情報格差と消費者問題


■2020年度 第1回東京地婦連ブロック会議
全地婦連会長出席のもとコロナ対策を学ぶ

 2020年度東京地婦連第1回ブロック会議が12月3日に、葛飾ウィメンズパルで開催されました。司会は藤田静江さんです。
 思いがけず、全地婦連の会長に就任された直後の櫻井よし子会長と夏目事務局長にご出席いただきました。櫻井会長は大柄で目立つ存在でもあり、以前より存じ上げていましたが、お話をうかがうのは初めてです。会議開催に先立ちご挨拶をいただき、茨城訛りを残しながら飾り気のない大らかなお人柄で、これから全国を飛び回りたいと決意を披露され、会場内は和やかな雰囲気になりました。

講演 「地域医療と新型コロナウイルス感染症対策について」

《講師》医療法人社団双泉会認知症医療センター
理事長 和泉武彦氏
医師 豊田氏、看護師 塩田氏


豊田氏の講演を聴く
 豊田先生より、非常事態宣言下で日本認知症学会専門医を対象にしたアンケートをもとに報告がありました。まず宣言下の現状の問題点と課題についての報告です。@感染予防対策としては空間・時間を分離、感染防護服の着用、換気手洗い、手指消毒、外出抑制、対人距離の確保を実施。その中で認知症患者にも同じような予防策を講じたが、中でも特に難しかったのが、マスクの着用とソーシャルディスタンスの確保。認知症の方は、自尊心は保たれているものの、次に起こる新しい行動に対して非常に恐怖心を持つといわれていて、介護従事者の対応が大変だった。A外来、入院診療の変化では制限を医療側からは行う割合は少なかったものの、受診者側からの受診控えが目立った。B介護サービスも通所系は利用が減少。C認知機能への影響。これが1番の問題点で、認知機能の低下と周辺症状(物忘れ、徘徊行動)の悪化の割合が増加した。Dストレス負荷は専門医、患者、介護者家族全ての人に高いことが分かった。Eコロナウイルス感染症に対する偏見。医療介護関係者のみならず、その家族への偏見が30%もあり、とても残念。
 続いて、いずみホームケアクリニック(以降当院)の感染予防対策について、塩田看護師から報告です。
 基本的な対策はマスク着用、検温、消毒等基本は徹底している。さらに3密を避けるために、予約制、待合室のソーシャルディスタンスの確保、換気の徹底。発熱患者への対応として、電話での事前問診、完全予約制、発熱外来室は専用の出入口を設置、専用の部屋は完全陰圧室に、対応する職員は防護服を着用。当院で行っているCOVID―19の検査については@抗原検査(感染後2〜9日目程度に検査をしないと正確な結果は出ない)、A血液の抗体検査(15分程度で結果が出る。かつてコロナにかかっていたか分かる)、B唾液のPCR検査(木曜日に受けると土曜日には結果が出る)。当院での検査には証明書を発行。陽性の場合は保健所へ連絡。
 こまかく丁寧にお話をいただきました。地域のクリニックで、ここまで対応してくれていることに驚きました。講演後の質疑応答では、消毒アルコールの適正濃度について和泉先生から、市販の無水エタノール100%に精製水を加えて70%程度にするのが適当と教えていただきました。
 とても有益なブロック会議でした。目に見えない細菌との闘いのため長丁場になると心も疲れますが、「正しく恐れて正しい予防」とアドバイスいただきましたので、ぜひ実践したいと思います。
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■2021年度 ピースアクション実行委員会
 形式にこだわらず柔軟に開催する
 2020年度ピースアクションは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となってしまいました。2021年度の開催に向けて10月15日に第1回実行委員会が開かれました。
 2021年の集会としては、いまだ新型コロナの感染収束はみえず、一堂に会することができないので、形式にこだわらず、確実に開催していく方向で計画していこうと確認されました。
 開催概要は、オンライン配信と、感染症の状況に応じて参集もあわせたハイブリッド(混合)型で実施する。また、集会後おこなっていたピースパレードについては、残念ながら今後の状況が見通せないので代替案を検討し、実施することになりました。
 会場については東京都生協連会館会議室に決定されました。日程については4〜5月ごろを予定しています。内容については例年通りとなりますが、今後のコロナウイルス感染症の状況に応じて計画していくことになります。また次号でお知らせいたします。
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■GoToトラベル・GoToイートによる命に係わる失政
 昨年12月のメディアやYAHOOの調査では、「GoToトラベルを中止すべき」という声が八割近くに達しており、こうした国民の声のみならず、政府の新型コロナウイルス感染症分科会(尾身茂会長)の専門家たちも、病床が逼迫する中で「GoToトラベルの見直しを再三提言したが、政府には危機感が伝わらない」と焦りをつのらせていた。
 日本医師会会長は「GoToトラベルで国民はゆるんでいる」と指摘し、東京都医師会会長は、「GoToトラベル一時中止の決断を」と提案した。
 しかし政府は、分科会の提言、医師会、看護師からの医療崩壊危機の訴え、そして「世論」にも聞く耳を持たず、業界の意向に沿い、来年6月までこの事業を続行する姿勢を変えようとしなかった。
 一方、10月からGoToトラベルとGoToイートの対象になった東京都は、若い都民の移動などで全国に感染が急激に拡大しているにも拘らず、「基礎疾患のある人・65歳以上の高齢者は旅行を控えること、飲食店は時短で営業を」など、消極的な施策のままで、政府と交渉を繰り返していた。
 ところが、政府が12月14日「年末年始(28日から1月11日)GoToトラベルを全国一斉で一時停止することを突如決定した」ことにより、都の方針も決まった。(内閣支持率の急低下による方向転換らしい。)
 GoToトラベルは、自治体の事情で、出発地と目的地・時短営業や期間の限定などを調整しても、政府が特定業界を支援し、感染を全国に拡散させてきた政策に他ならない。経済優先の失政が続き、国民の生命は危機にさらされている。
 AERAによれば、米国の調査では「感染リスクの高い場所の一位はレストラン」、英国でもクラスターの8〜17%が「8月の英国版GoToイート事業由来ではないか」という分析が出ている。
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■生団連 課題別委員会エネルギー・原発問題
 真剣に考えるべきテーマ
 10月15日、生団連の第4回「エネルギー・原発問題」委員会が開かれ、谷茂岡会長と出席しました。
 生団連では原発問題を2018年から調査研究を開始されたとのこと、今回委員会に初めて参加し、大変難しい問題だと実感しました。
 原発については、賛成・反対に意見が分かれています。今後の日本のエネルギー政策における原発の位置づけや課題について議論が行われる必要があり、きちんと向き合わなければならない問題だと思います。
 2011年の福島第一原発事故の後、再稼働済みの原発は9基に留まっており、現在運転中の原発は4基です。
 また、すでに発生している使用済み核燃料などの取り扱い、高レベル放射性廃棄物の最終処分については、私たち全員で真剣に考えていかなければならないことと思います。
 さらに勉強を重ねていきたいと思います。
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■生団連 2020年度 第2回常務理事会・理事会合同会議
 会場とWEB併用で開催
感染防止に留意して開催
 12月4日、ホテルニューオータニにて生団連の常務理事会・理事会合同会議が開かれました。今回は新型コロナウイルス感染症拡大防止等の観点から、初めて会場とWEBの併用形式での開催となりました。
 小川会長より、「国民の生命・生活を守るという観点で国は仕組みづくりを行うべきである。『国家感染症対策センター』を設置し、緊急事態下において関係官庁・分野を横断的に指揮できる司令塔機能を持たせることが必要である。また、保健所を中心とした『日本式公衆衛生モデル』の成果・課題についても検討し、グローバルな発信を考えていきたい」と、生団連の取り組み課題について心強い挨拶がありました。
 議題としては、重点課題として@国家財政の見える化の実現、A生活者としての外国人の受け入れ、Bエネルギー・原発問題、C災害情報ネットワーク等について多くの議論をしました。
 Bエネルギー・原発問題は、私が共同座長として、「わが国のエネルギー政策の姿を『ファクト(事実)』に基づいて描く」というテーマのもと、引き続き原発問題および再生可能エネルギーを軸として活動していくことを提案しました。
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■情報格差と消費者問題
 超高齢社会が到来し、高齢者の暮らしを支えるため、安否確認をはじめとして多方面で情報通信技術の活用が進められています。
 しかし、高齢者の消費生活に着目すると、例えば身近なスーパーなどで最近目にする機会が多いアプリクーポンによるサービスの受け手は、高齢者ではありません。長年のお得意様がそのようなサービスを受けられず、スマホ、パソコンなどの情報技術を使えない高齢の消費者は、様々な場面で金額を問わず、経済的に不利な状況を甘受せざるをえないのです。
 情報格差を個人の能力の差として、わが国の多くの高齢者の不利益を放置することは、デジタル時代の新たな消費者問題ではないでしょうか。
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