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■2021年4月15日付
第2回ブロック会議 「暮らしの安全・防災一丁目一番地」
桜の満開を前に 福竜丸の証言者 大石又七さん逝去
第25回 結核予防関係婦人団体中央講習会
生団連課題別委員会 エネルギー・原発問題
東京都トラック協会 評議委員会に参加して
地域ニュース


■第2回ブロック会議 「暮らしの安全・防災一丁目一番地」
講師 東京消防庁 石川 直弥氏
 今回は緊急事態宣言の延長下でもあり、お出かけ前の検温を前提に開催時間・人数を制限して、3月18日に全国婦人会館で開催されました。あらましを報告します。
 テーマは三つで、日常生活での事故予防、東日本大震災から10年を経た今改めて地震への備え、そして近年増加している電気火災についての一時間セミナーです。谷茂岡会長の挨拶に続いて、消防庁制作の動画を視聴し講演を伺いました。

高齢者はバランスが取り難い

 石川さんは、東京消防庁渋谷消防署の警防課防災安全係で、地域防災担当の主任をされている方です。
 最初の動画は「高齢者の転ぶ事故」屋内編です。@立ったまま靴下を履こうとした男性が転ぶシーンでは、無理に片足立ちせずに腰掛けましょうと音声。Aは椅子から立ち上がった女性がよろけて床に倒れるシーンで、動画は近くのテーブルなどに、しっかりとつかまってから立ち上がりましょうと語りかけました。Bは部屋を移動中の男性が段差のある敷居につまずいて転ぶシーン。すり足で歩くと敷居などにつまずき易くなります。体力をつけてすり足を改善しましょうと動画の声。うっかりしやすい段差には目立つように、テープを貼って気付き易くするよう勧めています。
 屋外編の事例として、@バスで出かけた女性が下車した直後に、歩道の縁につまずいて転ぶシーンです。映像から乗り降り時には、足元をしっかり見ましょうと音声。続いてAは自転車の男性が、乗ったままで歩道の段差を越えようとして転倒する事例です。危険なので必ず降りましょうと警告しています。Bは両手に荷物の女性が、駅の下りエスカレーターを階段のように降りるひやりとするシーンです。映像では必ず手すりにつかまり、エスカレーター内で歩行しないよう強調しています。
 画面では転倒事故について、筋力・知力の低下により、高齢者はバランスが取り難くなりがちと警鐘を鳴らしています。
 石川さんによると、日頃消防署の救急出動で最も多いのが、高齢者の転倒事故だそうです。ほかに、高齢者の熱中症の危険性や、入浴時のヒートショック対策として、シャワーによるお湯張りで室温を上げる方法についても話されました。

地震その時 10のポイント
電気火災が増えています


 動画のキャラクター・ナマズ博士によると@地震発生時には家具が倒れて来ず、上から物が落下しないテーブルの下などでまず命を守る、A揺れが収まってから、火の元の確認・初期消火を行う、B慌てた行動はケガのもとなので、ガラスの飛散などに注意しながらスリッパを履き、急いで外へ飛び出さない、Cドアを開け逃げ道を確保する、D外で地震に遭ったら、門や塀から離れカバンなどで頭を隠す、E津波等は高台へ。火の手が上がっていない方角の避難場所へ避難する、F確かな行動が取れるように、家族の役割・連絡方法・集合場所を決めておく、G協力し合って近所の様子を確かめ、救出を行う、Hハザードマップなどで防災知識を得ておく、I家から避難する場合はブレーカーを切り、ガスの元栓を閉めるなど、10のチェックポイントを挙げて地震に備えて欲しいとしています。
 石川さんは関連して「家具転対策をしておけばよかった」という東京消防庁の広報を紹介されました。家具転は家具転倒の略。地震によるケガの3〜5割が、家具類の転・落下・移動に起因。(30年以内に首都直下地震が発生するとされ)身を守るためにもL字金具・ストッパー類、ガラス飛散防止フィルム等で今すぐに対策を、という主旨です。また普段から食品のローリングストックを実行し、ペットをどうするか、など震災をイメージすることが大切であると指摘されました。
 電気火災については、掃除ロボットがストーブを倒すケースやペットがストーブを倒す火災も発生したそうです。死者が出た住宅火災の原因の1位はタバコ、2位は電気ストーブ。近くに布団、燃えやすいものを置かない、洗濯物を乾かさない、そして火災警報器の維持管理を行うよう強調されました。
 都民クラブ(飛田)が司会を担当、千草婦人会(山下副会長)が閉会の辞を述べました。
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■桜の満開を前に
 福竜丸の証言者 大石又七さん逝去
 第五福竜丸展示館前に東京地婦連により植樹された八重紅大島桜とサトザクラ。今年は例年より2週間以上早く満開を迎えました。八重紅は20年を経て枝ぶりも大きく広がり、たくさんの花を付けました。サトザクラは2年目をむかえ、濃いピンクの花が映えました。
展示館前満開のサクラ
中学生に話をする大石さん
(2015年5月)
 去る3月7日、第五福竜丸の元乗組員で1983年以来、展示館や各地で被ばくの体験を証言してきた大石又七さんが亡くなりました。87歳でした。大石さんは、中学生に体験を聞かせてほしいと依頼されたことが契機となり、「子どもたちに話すのであれば間違ったことは言えない」と核兵器や被ばくの問題について学習を深め、これまで700回を超える講話を展示館や各地で続けました。
 最初に体験を話した中学生のなかに目の不自由な生徒がおり、船の形を伝えたいと福竜丸の模型を製作、以後七隻の模型船を広島・長崎の原爆資料館やマーシャル諸島に贈っています。
 大石さんは、体験を綴った『死の灰を背負って』(新潮社1991)をはじめ、4冊の著作を出しました。また、NHK・TVでは、ドキュメンタリー「又七の海」(1992)と、ノーベル文学賞作家の大江健三郎さんとの対談「核をめぐる対話」(2011)が放送され話題を呼びました。
 私たち第五福竜丸展示館のスタッフは、「大石さんは今も福竜丸に乗り込み、核なき平和な港にむけ、ともに航海を続けている」との想いで発信したいと決意しています。
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■第25回 結核予防関係婦人団体中央講習会
 第25回結核予防関係婦人団体中央講習会は、2月1日にオンラインにて開催されました。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、講演のみ4題が配信され、後日ホームページ上で限定公開されました。
 今回は、公益財団法人結核予防会結核研究所副所長の慶長直人さんによる、「非結核性抗酸菌症ってご存じですか?」について報告いたします。
 非結核性抗酸菌症とは、非結核性抗酸菌が原因となって生じる、慢性の感染症です。厚生労働省の研究班がおこなった全国調査によると、増加傾向にあり、問題となっています。
 非結核性抗酸菌は、水や土中に存在し、環境中から人に感染して発病すると考えられています。特に中高年の女性がかかりやすい傾向にあります。結核と間違えられることがありますが、結核とは異なり、隔離や入院の必要はありません。慢性の病気であるため、これといった特徴的な症状はみられず、喀痰や空咳、息切れなど呼吸器の病気でありがちな症状がでてくることもありますが、必ずでるとは限りません。
 いまのところ完璧な治療法はなく、菌がまた出てくることも多いので、定期的な検査を受け医師と相談しながら、うまく病気と付き合っていくことが大切です。
 予防策としては、浴室や加湿器など水回りを清潔にする、水垢や古い水の除去、土ぼこりが立つような環境時でのマスク着用が有効です。規則正しい生活を送ることも大切です。
 結核予防会の複十字病院は、この病気に関して日本で有数の診療施設で、非結核性抗酸菌症のよりよい診療のため研究を行っています。まだまだ不明なところも多い慢性感染症の病気のため、注視していくことが大切です。
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■生団連課題別委員会 エネルギー・原発問題
 生団連の目標とは、「国民の生活・生命を守る」ということ。生産・製造・流通サービスの業界と消費者団体が一体となって、研究・議論を尽くし切磋琢磨し、政府・行政の政策運営に対する発言力、提案、そして実現の確保に一生懸命向かっています。その一部、消費者部会に私たちは入り、その中の、エネルギー・原発問題の委員会に参加しています。大変難しく幅広い問題ですので、いろいろな方面の方の考えが聞けて、勉強になっています。今回は経過報告をいたします。
 2月25日、生団連の第5回「エネルギー・原発問題委員会」が開かれました。今年度の調査報告ならびに今後の外部への発信内容について議論を行いました。
 高レベル放射性廃棄物処分等が長年の課題となっています。「原発問題」については、広く国民全体でのファクトベースの議論が必要という観点から、その基礎となる「ファクト集」の作成を目指すということでした。
 また、エネルギー政策に関しては、国の「エネルギー基本計画」見直しの討論が始まっており、新計画が策定される見込みであることから、生団連として、2030年度電源構成の見直しを含む提言を早期に発信していけるように、事務局は大変頑張っています。
 私たちは、コストや技術的課題との兼ね合いもあることですが、エネルギー自給率の向上のことを考えれば、高効率の石炭火力も新設せず、再生可能エネルギーの最大限購入に尽力することを検討すべきではないでしょうか。
 ドイツでは、エネルギーに関する議論を40年以上続けて、やっと現在の再エネ推進の姿になってきているそうです。
 みんなで議論ができるよう、生団連がしっかり発信していければと頑張っています。
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■東京都トラック協会 評議委員会に参加して
 3月16日、四谷にある東京都トラック協会にて、令和2年度東京都貨物自動車運送適正化事業実施機関評議委員会が開かれました。各界代表の5名と一般消費者関係者として地婦連からは藤田が出席しました。また、参考人として、国土交通省関東運輸局から2名とトラック協会の方たちが出席されました。
 昨年はコロナの関係で中止になりましたので、2年ぶりです。委員も2名が交代し、1名はリモートでの出席です。
 一般社団法人東京都トラック協会会長の浅井隆氏と、評議委員会委員長の早稲田大学名誉教授の杉山雅洋先生からご挨拶があり、議事に入りました。
 令和2年度東京都貨物自動車運送適正化事業実施機関の事業実施結果について、協会より説明がありました。昨年はコロナの影響もあり、巡回件数が前年より約500件少なくて705件でしたが、総指導件数613件のうち指導率が前年比悪かったワースト5の該当件数が、267件(全体の43・6%)でした。内容は、@特定の運転者に対する特別な指導の未実施A特定の運転者に対する適性診断の未受診B健康保険、厚生年金の未加入C定期点検の未実施D乗務員に対する安全教育、指導の未実施です。パトロールも106日動いて指導件数は596件もありました。
 安全性優良事業所の認定状況や昨年の安全性評価事業(Gマーク)の認定状況についての話に移り、消費者代表として意見を求められました。評議委員会委員になって知った「Gマーク」ですが、水戸街道や大きな道路に出ると、青ナンバーのトラックの後部を見てGマークを確認するようになりました。確認しやすいように車の荷台いっぱいに大きなGマークを付けてほしいと発言しました。ワースト5がいくらかでも減少してほしいと思います。
 安全安心に輸送するためにトラック協会が心を砕いているのだと改めて感心しました。
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■地域ニュース
生前整理をやってみませんか

賢い生前整理術を学びましょう
わか草婦人会


 3月13日、葛飾区ウィメンズパルで、婦人会として消費者講座を開催しました=写真。
 講師は、生前整理アドバイザー認定指導員の徳山弘美先生です。
 「生前整理とは、誰の為にするのか。なぜするのか。自ら物・心・情報の3つに向かい合い、人生の棚卸しを生きているうちに、また、生きていくためにすること、大切な物は時間をかけて整理を。『思い出箱』を作って入れると良い。最終的には遺しても家族が困らない量で」と、徳山先生は自身の経験を交えながらのお話でした。
 昨年3月からのコロナ禍での外出制限や自粛で私は、毎日家の中でゴロゴロ退屈していたので、衣類の整理を始めようと子どもの服や思い出が詰まっているスーツ、親が丹精込めて作ってくれた着物はしつけ糸が付いたままごみ袋へ詰め込み、タンスが空になる程に処分してしまいました。今になってあの着物や洋服は?と頭の中を巡ったり、母の顔が時どき夢に出てきたり、もっと念を入れて分別すれば、と反省しています。
 生前整理のお話を聞いて、写真の整理を始めようと、アルバムや箱に詰まった中から100枚くらい選ぼうと1枚ずつ手にすると、思い出に浸ってしまい容易に選び出すことができません。これから何日費やすことになるでしょう。
 生前整理は決断力・分別力・管理力・判断力・体力が必要です。これから残される子どもたちが困らないように、上手に整理し、エンディングノートを書いて、人生の棚卸しをしようと思います。
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