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■2021年8月15日付
汚れていない大気願って 二酸化窒素測定結果報告
東京オリンピック2020 安全・安心はどこへ
子ども食堂・宅食への備蓄米提供拡大
介護、世話を担うヤングケアラー問題
公衆浴場対策協議会 大人料金10円値上げ
東京消防庁より 地震対策で「おうち時間」を安全・安心に過ごしましょう
地域ニュース
複十字シール 募金活動にご協力ください


■汚れていない大気願って 二酸化窒素測定結果報告
 2020年度6月測定はコロナ禍で、東京地婦連は中止となりましたが、今年は6月3〜4日に実施しました。測定箇所に杉並区、渋谷区が加わり、葛飾区が前回25カ所から40カ所へと拡充されました。
 初日は雨、翌日は一時小雨という天気でした。2021年度6月測定の平均値は“あまり汚れていない”という結果ですが、世田谷区、杉並区、葛飾区では、いずれも最高値が“少し汚れている”箇所がありました。
 この“一部箇所”の地域にお住いの方、肺疾患等を患っている方にとっては、とても生活しづらい環境だという点を見過ごしてはならないと思います。平均値ではなく最高値で“汚れていない”大気を目指し測定を続けなければと思います。
 世界は2050年までに脱炭素社会を目指し、さまざまな取り組みをしています。その救世主として脚光を浴びているのが電気自動車ですが、その部品の主力を占めるレアメタルの製造過程で大量の二酸化炭素が排出されることが分かってきました。中国では政府が生産奨励に舵を切ったことにより大量生産され、需要と供給のバランスが早くも崩れ、何万台という電気自動車があちこちの空き地に廃棄され、電気自動車墓場と呼ばれ社会問題化しています。縦割り行政ではなく、世界が環境や気候変動問題にワンボイスで進めていくことがより重要になると思います。
 小さな町の小さな大気の変化を継続的にキャッチしていくことがますます大事になっていくことと思います。

二酸化窒素測定結果区市別一覧 2021年6月3日(木)〜6月4日(金)
特定非営利活動法人 東京都地域婦人
(単位:PPM)
測定場所 有 効
測定数
平均値 最高値 最低値 2017年
平均値
2018年
平均値
2019年
平均値
2020年
平均値
世田谷区
北 区
杉並区
渋谷区
葛飾区
5
8
2
1
40
0.018
0.014
0.019
0.018
0.016
0.022
0.017
0.022
0.018
0.029
0.016
0.013
0.016
0.018
0.009
0.025
0.013


0.021
0.020
0.024


0.035
0.020
0.013


0.025




測定結果の判断基準
0.02PPM 以下=あまり汚れていない 0.021〜0.04PPM=少し汚れている
0.041〜0.06PPM=汚れている 0.061PPM 以上=大変汚れている

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■東京オリンピック2020 安全・安心はどこへ
 感染力が極めて強い新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」が世界各国で猛威をふるい、感染爆発が起こっています。そのため国によっては、市民活動の緩和措置を見直し、再び強化する対応策が継続されています。
 日本では国民が懸念し、専門家が「オリンピックを開催すれば東京の一日の感染者は4000人を超える」と警告していたように、すでにデルタ株による第5波の兆しが、「開催地」東京に忍び寄っていました。
 しかし政府はリスク評価をせず「2020東京オリンピック」を無観客で開催し、案の定桁違いの感染爆発を招き、各地で医療が逼迫する中で、続くパラリンピック開催の方針も見直されない模様です。
 オリンピックという「祭典」を開催したこと自体が、国民の一部には「自粛は不要」と解釈されました。自粛疲れからか一気に緩み、お盆の帰省や旅行、新たな「密」を形成するオリンピック施設巡りや場外での応援・観戦、職場の歓送迎会、久しぶりの親族・友人との飲み会、繁華街の路上飲酒などが止まず、さらに病床不足から、「家庭内感染」も全国的に増大し続けています。
 オリンピックによる感染拡大は起こらないと強調した「日本オリンピック委員会」の「バブル方式」は開始直後にほころびを見せ、さらに期間中に選手村内のクラスターも発生して、報道によれば440人近いオリンピック関係者の感染が明らかになりました。
 苦労を重ねて1年遅れで参加した選手たちは、輝ける技で酷暑に負けず熱戦を繰り広げましたが、「人類がコロナに打ち勝った証」としての、「安全・安心の」2020東京オリンピックは破綻し、大震災からの「復興五輪」への対応も不十分で曖昧でした。
 東京ではかつてない感染爆発により救急搬送が困難になりつつあり、医療崩壊の危機に見舞われています。東京都は「このままの状況が続けば、通常診療の制約を視野に入れざるを得ない」と通告しています。
 国は外国頼みのワクチンを予定通りに輸入できず、高齢者の約7割への接種は終わったものの、幅広い層への自治体の接種や、職域、大学などの集団接種はかけ声ばかりで順調に進みません。各方面から「梯子を外された」と政府への怒りの声が上がっています。
 デルタ株感染者の大半を占める働き盛りの世代や、20、30代などへの接種が急がれますが、一部には深刻なコロナ後遺症への認識に欠け、デマに惑い接種を避ける若者の問題も生じています。
 大半の国民は、旅行、会食、団体の社会活動、趣味の会や芸術鑑賞、年中行事などを控えて、長い自粛生活に耐えています。それにもかかわらず、政府は「GoToトラベル」「イート」の失敗に懲りず、しかもワクチン接種が遅れる中で、「オリンピック」開催を強行しました。
 失政による感染爆発、病床の逼迫による自宅待機者の急増は、国民の命を脅かし、平穏な暮らしを奪っています。
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■子ども食堂・宅食への備蓄米提供拡大
 子どもの貧困問題への取り組みとして、近年私たちは東京消費者団体連絡センターの仲間と、東京都、都議会に対し「子ども食堂への支援の拡充」を要請しています。
 農水省は昨年8月に子育て家庭への支援として「子ども食堂」運営者へ90キロ、今年2月に「宅食」運営者へ300キロ迄の備蓄米の無償提供を開始しましたが、先頃「学校給食等政府備蓄米交付要領」を改正し、ごはん食の推進のため適切に使い切れば追加申請できるとして、交付枠を拡充しました。
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■介護、世話を担うヤングケアラー問題
 近年、ヤングケアラーという言葉を耳にするようになりました。ヤングケアラーについて日本ケアラー連盟では「大人が担うようなケア(家事、家族の世話、介護など)を日常的に行っている18歳未満の子どものこと」と定義しています。

学業や進路への影響も

 「自分の時間がとれない」、「宿題や勉強をする時間がとれない」など、過度な負担から学業に支障がでたり、苦しい事情が周囲に伝わりにくく、孤立してしまう子どもが多いのが実状です。
 2021年4月、国として初めて実施した全国調査の結果が発表されました。全国の公立中学校に通う2年生や全日制高校の2年生、通信制高校の生徒らを対象にインターネットで実施。中学2年生で5558人、全日制高校の2年生で7407人が回答しました。
 中学2年生では、5・7%の319人が世話をする家族が「いる」と回答。頻度は45・1%が「ほぼ毎日」と答え、「週に3?5日」(17・9%)、「週に1〜2日」(14・4%)を上回りました。平日1日に世話に費やす時間は平均4・0時間。「3時間未満」が42・0%と最も多かったが、11・6%が「7時間以上」でした。
 全日制高校の2年生では4・1%の307人が世話をする家族が「いる」と答え、世話をする頻度は47・6%が「ほぼ毎日」でした。平日1日に世話に費やす時間は平均3・8時間。「7時間以上」は10・7%でした。
 調査を踏まえ地域社会でできることを考えましょう。
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■公衆浴場対策協議会 大人料金10円値上げ
 東京都公衆浴場対策協議会は、令和3年公衆浴場入浴料金統制額について、知事から検討を依頼され、社会経済の現状と今後の見通し、公衆浴場を取り巻く経済環境、利用者である都民の生活の安定を図る観点のほか、入浴料金統制額の試算結果を踏まえ、総合的見地から審議を行いました。
 本協議会の結論は、入浴料金統制額を改定すべきかどうかを総合的に検討した結果、現下の社会経済情勢や厳しい経済環境のなかで公衆浴場を維持するために、改定はやむを得ないものと判断しました。一方、感染収束に向けてワクチン接種が本格化し始め、今後社会生活平常化を期待されることから、本年の改定は大人料金を10円値上げするものとし、中人料金と小人料金は家計への影響を考慮し、据え置くことが適当であるとの結論にいたりました。
 公衆浴場業界は、公衆浴場の地域における交流拠点としての役割および有用性を十分認識し、公衆浴場業の将来的発展に向けて、利用者サービスの一層の向上や新規利用者拡大のため公衆浴場組合員が一丸となった取り組みにより、平成30年に浴場施設内の禁煙化100%の達成、ボディソープやシャンプーの無償提供、SNSではPR動画を活用して、若者や外国人向けに公衆浴場の魅力を積極的に発信するなど努めてきました。
 こうした努力を高く評価するとともに、今後もこうしたサービスや取り組みを維持、向上、発展させ、我が国の入浴文化や銭湯ならではの魅力を広めていきたいとの意見を協議会として表明しました。
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■東京消防庁より 地震対策で「おうち時間」を安全・安心に過ごしましょう
 近年、「首都直下地震」や「南海トラフ地震」の発生が危惧されていますが、大きな地震が発生すると、室内ではどのような危険が発生するかご存じでしょうか。地震から大切な命を守るため、地震時に起きる「3つの危険」を把握し、家具類の転倒・落下・移動防止対策を確認しましょう。

家具類の転倒・落下・移動がもたらす
「3つの危険」


@ケガ
 大きな地震が発生すると、揺れによって、室内の家具や家電が倒れて下敷きになったり、割れたガラスや破片が飛び散ることでケガをしたりすることがあります。近年、大きな地震が発生した際に東京消防庁が行った調査によると、地震でケガをした人のうち、約30〜50%の人が、家具類の転倒・落下・移動によるものでした。

A避難障害
 部屋の出入口付近や玄関までの経路に家具類を置いている場合、家具類が転倒・移動することによって、出入口を塞いで避難できなくなることがあります。家屋の倒壊や火災が発生すると、非常に危険です。

B火災
 転倒・落下した家具類や荷物が台所のガステーブルや暖房器具などに接触して、火災が発生することがあります。平成30年に発生した「大阪府北部地震」では、揺れによって台所のラックが倒れ、ラック内の収容物がガステーブルのスイッチを押すことで火災が発生しました。
図1 集中収納
図2 収納方法
図3 対策器具の設置例

家具転対策
「3つのステップ」


@集中収納
 納戸やクローゼット、据え付け収納家具への集中収納により、努めて生活空間に家具類を置かないようにしましょう(図1)。また、棚などの家具に物を収納する場合は、重いものを下に収納し、重心を低くすることで倒れにくくしましょう(図2)。

A家具類のレイアウトの工夫
 避難通路、出入口周辺に転倒・移動しやすい家具類を置かないようにしましょう。倒れた家具類により、ドアが開かなくなったり、つまずいてケガをしたり、避難の妨げになることがあります。また、家具類の位置や方向に注意することでケガの危険を減らせます。

B対策器具の設置
 家具類を置く場合は、家具転対策器具を設置しましょう。対策器具は、家具類の大きさや形に合わせ、それぞれに適した器具を設置しましょう(図3)。対策器具の効果は、L型金具のようにネジやボルトで家具類と壁面を固定するタイプの効果が高くなっています。また、ポール式とストッパー式を併用することで、L型金具と同等の効果を得ることができます。
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■地域ニュース
リサイクル事業について
わか草婦人会


 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、不要不急の外出や催し物の開催制限で、リサイクル事業も休止に追い込まれてしまいました。
 このリサイクル事業については、葛飾区婦人団体の谷茂岡会長の「明るく笑顔で元気にリサイクル活動をすることは、人と人とが対面することであり、地域の活力につながっていく」という考えで、葛飾区の委託で婦人会が平成元年から始めた事業です。月1回3日間で商品の受付と清算をし、土曜日に販売しています。
 30年も続いた事業が昨年のコロナ禍で5カ月も休止、今年は4月に1回だけの活動です。このような状態は初めての経験です。
 メンバー全員、2回目のワクチン接種も済み、ひと安心したのもつかの間、感染力の強いインド由来の変異株「デルタ株」が主流になり、従来のものより最大で7割感染が広がりやすいようです。東京都では新規感染者が6日間連続で数千人規模と爆発的に増え、8月31日まで緊急事態宣言が延長されました。
 3カ月振りにリサイクル事業を8月27日に計画していましたが、またも中止になってしまいました。消費生活センターへは毎日のようにリサイクル開催希望の電話があるそうです。皆さんも楽しみにしてくださっているようですが、私たちも活動ができず困っています。なんとしてもこの状況が収束しますようにと願っています。
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■複十字シール 募金活動にご協力ください
 結核予防の普及・啓発を図るため、公益財団法人結核予防会は、今年も8月1日から12月31日まで複十字シール運動を行います。
 昭和27年に始まった募金活動も今年で70回目を迎えます。昨年度は多くの制限がある中、感染状況を考慮し工夫をしながら運動にご協力いただき、ありがとうございました。
 令和元年の新規登録患者数は1万4460人、人口10万対比の結核罹患率は11・5に低下し、国内22県では10を下回りました。しかしながら高齢者の患者割合は依然として高く、外国出生者患者割合は20歳代において7割を超えるなど、高齢者と外国出生者の結核対策が重要になっています。
 さらに、新型コロナウイルスによる受診の自粛や検診の中止の影響により、患者発見の遅れが結核による死亡の増加につながる可能性があると、結核についてWHOでは警告しています。
 収益金は、結核や肺がん・COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの胸の病気の普及啓発、全国の結核予防団体の事業支援、開発途上国の結核対策支援、結核等の調査研究の活動に役立てられます。
 募金にご協力いただいた皆さまには、健康を願うメッセージが込められた複十字シールを差し上げています。詳細は東京地婦連事務局までお問い合わせください。ご協力をお願いいたします。
 また、9月24日〜30日は結核予防週間です。この機会に、結核に関する正しい知識を身に付けましょう。
 
    2021年複十字シール(小型)
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