婦人時報は年間購読料1800円(送料込み)です。購読希望の方メールで申込できます。 |
■令和6年北方領土返還要求全国大会 平和条約締結、北方領土返還の早期実現を | ||||||||||||||||||
1855(安政元)年2月7日に国境を決めた通好条約が結ばれたことに由来する、「北方領土の日」の2月7日、全国大会は国立オリンピック記念青少年総合センターで開催されました。 挨拶に立った岸田文雄総理は「昨年、元島民と子どもから要望された4島交流事業などの事業再開に最大の熱意で臨み、平和条約を締結したい」、続いて上川陽子外務大臣も同じく「平和条約を締結し墓参りを実現させたい」と述べました。 また自見英子北方担当大臣も、「元島民は、望郷の思いや意志を募らせつつ約7割が帰天された。墓参りを最優先事項にしたい。また若い人への北方領土返還意識の喚起が大切だ」と自身の立場を表明しました。 今年の大会アピールでは「78年前、北方領土がソ連によって不法占拠されたまま今日に至っています。決して許されることではありません。 元島民の高齢化は深刻であり、一刻の猶予もありません。人道的観点からも現在中断されている元島民による北方領土墓参の再開を強く望みます。 北方領土問題を解決に向けて前進させるには、これからも歩みを止めることなく一丸となって訴え続けることが不可欠です」等々、参加者一同の固い決意が満場一致で採択されました。 今年度は国立劇場建て替えの関係で会場が変わり、参加者は代々木のセンター内の大ホールと小ホールに分かれ、ネットでも配信されました。 また大会プログラム開始の前に、元島民による北方4島の詳しい紹介がありました。個性的でゆたかな自然、それぞれの地域の人々の暮らしぶり、そしてソ連軍の択捉島上陸、占領下の様子、樺太での厳しい収容所生活などです。続いての国後出身の母を語る三世のメッセージとともに、参加者の心に響きました。 | ||||||||||||||||||
▲back | ||||||||||||||||||
■政治家のパーティー券は派閥の裏金作りに | ||||||||||||||||||
昨年、自民党派閥による政治資金パーティー券収入をめぐるノルマ・還流(キックバック)や中抜き・裏金作りが表面化して、国民の政治不信は一層深まり、巷では政治資金規正法改正の必要性の指摘や、政治資金の透明化を図るデジタル化など抜本的な提案も相次いでいます。 しかし政治資金パーティー券収入報告書不記載問題では、今までに国会議員3人と会計責任者や秘書7人が起訴されたものの、東京地検の動きはストップしたかのように見えてなりません。 岸田総理は派閥解散の方針を隠れミノにしたままで、政治資金規正法の課題については明言せず、不透明な政治とカネの解決の糸口ははっきりしません。 収入報告書不記載で摘発 いわゆる派閥のパーティーには、セミナー、勉強会、講演会、励ます会、出版記念会など様々な名称が付いていますが、有料の場合には、パーティー券購入者が政治団体であれば、支払った側も報告書に記載して公表する義務があります。派閥側は経費を差し引いた残りが収入になりますが、購入者(各種政治団体)の支払い記録と照合すると、派閥側の収入報告書には入金について記載されていないケースが目立ち、派閥側の政治資金規正法違反の摘発の証拠になりました。 国民感覚とかけ離れた杜撰さ 昨年末からの摘発は、「政治資金オンブズマン」の上脇博之神戸学院大教授が、5つの派閥の政治資金報告書を丹念に調べて、パーティー券収入のやり取りの不記載についてまとめ、東京地検に告発したことがきっかけです。 先頃自民党が実施したアンケート結果(衆議院予算委員会理事会への報告内容)によれば、現職議員82人と支部長3人の政治資金収支報告書への不記載額が、総額で何と5億8000万円に上りました。パーティー券収入をめぐる法の抜け道の問題は歴然としています。 アンケート後に大半の議員は、議員の政治団体への寄付だったなどと非課税の政治資金扱いに訂正したものの、収入金額、支出総額も不明という、監視されるべき「使い道が分からない杜撰さ」がはっきりとしたそうです。 国会では、裏金議員の、政治活動費として認められるか否か不明の資金(収支報告書に記載されていない残額)について問われた鈴木財務大臣は、「納税を行うかは政治家が判断すべき」と答弁しました。一般の国民の場合は雑収入として課税の対象になりますが、議員への税務調査には消極的な財務大臣の、とっさの一言でした。後で訂正しましたが裏金議員の脱税疑惑についても、私たちは今後の推移をしっかりと見守りたいものです。 | ||||||||||||||||||
▲back | ||||||||||||||||||
■二酸化窒素測定結果報告 過去と比べて低い数値 肺疾患の方には朗報 |
||||||||||||||||||
観測史上一番暑いといわれた夏も終わり冬の初測定です。 明け方に小雨が少々、北よりの弱い風の吹く天候。今回の測定ではおしなべて各区とも過去の数値と比較すると低い値です。ただし練馬区が昨年はかなり高い数値だったのが今回は未測定で比較ができず残念です。 空気がきれいということは肺疾患の方にとってこれ以上の朗報はありません。車の往来だけでなく日常生活の中でも空気を汚さない工夫をしなくてはと思います。 二酸化窒素測定結果区市別一覧(2023年11月30日〜12月1日)
特定非営利活動法人 東京都地域婦人団体連盟
(単位:PPM)
0.02PPM 以下=あまり汚れていない 0.021〜0.04PPM=少し汚れている 0.041〜0.06PPM=汚れている 0.061PPM 以上=大変汚れている | ||||||||||||||||||
▲back | ||||||||||||||||||
■駅のオーバーツーリズム 生活弱者への配慮が必要 | ||||||||||||||||||
国内外の観光客による賑わいが戻り、昨今、日本政府観光局ではインバウンド(訪日観光客)への、有名観光地以外の地域固有の魅力の発信にも力を入れ、地方の活性化と観光客の分散に努めています。しかし集客のみならず受け入れ態勢を整えることが前提です。 ところで、オーバーツーリズムと言えば、有名観光地などへの観光客の集中や、地元の人の暮らしへの様々な悪影響だけにとどまりません。 東京地婦連ではかつて駅のバリアフリー法が制定される前に、鉄道事業者と懇談してエレベーターやエスカレーターの設置などを要請し、高齢・福祉社会を見越して「駅のユニバーサルデザイン化の推進」に取り組んだ経緯があります。 都内のターミナル駅などではエレベーターも整備されてきましたが、大型・小型のスーツケースが行き交うオーバーツーリズム現象で、エレベーターの前には、たちまち行列が出来、杖をついた人や車いすの人が、遠慮がちに待機している光景も少なからず見受けられます。駅のオーバーツーリズム問題です。 | ||||||||||||||||||
▲back | ||||||||||||||||||
■日本規格協会の標準化セミナーを開催 変化する標準化について | ||||||||||||||||||
講師は日本規格協会「消費者系規格チーム」の若山まゆ子さんと小越菜恵さん、クイズをはさんでの分かりやすい講演でした。 若山さんは、はじめに近年国際規格(ISOなど)に合わせて見直されたJISの例を紹介し、経済のグローバル化等の影響が、JISの国際規格への整合性をもたらしていることを説明されました。 最近は衣類の大半が海外で生産されていることから、JISが歩み寄り、衣類の取扱い表示は海外と同一に変更されました。見慣れない新表示に、日本の消費者が馴染まなければならない事例です。 昨今の国内規格のJISには使いやすさと互換性・生産性向上に寄与する乾電池、品質確保のためのマスク・魔法瓶・浄水器(悪質商法にも効果あり)などが製品化され、安全・安心を確保するJISとして、子ども服用ひも・シートベルト・ヘルメットなどもあります。 環境配慮のJISには軽量化された包装容器、さらに視力の弱い方が使いやすい牛乳パックの切欠き・シャンプー容器のギザギザなどのアクセシブルデザイン、災害用など案内用図記号、ロボットサービスのJIS、レンタル福祉用具のメンテナンス要件のJISなど、変わりゆく様々なJISの動向についても、紹介されました。 小越さんからは各論として、平成28年12月からの衣類の取り扱い表示の改正JISの詳しい内容と、案内用図記号が発達した経緯など興味深い背景が紹介されました。 紙面の都合で案内用図記号(ピクトグラム)だけを紹介しますと、災害用などすでに一部消防や国土交通省の災害用避難誘導などJIS化された記号もありましたが、その後、2002年のサッカーワールドカップ大会には避難誘導表示の充実を図り、さらにISOの優先席表示やジェンダー配慮表示などの影響もありJISに採用しました。 小越さんによると、特に2020東京オリンピック・パラリンピックを契機にスポーツの案内用図が加わり、外国人の受け止め方に配慮しISOとの整合化を図り、ピクトグラムは50ほどに増加しました。異色なのは東京都発のヘルプマークで、現在はJISになっています。 最後に若山さんから、(背の低い引き出し家具)チェストの転倒防止JISについて、6歳未満の子どものよじ登りなど安定性の試験を行った経過の説明があり、充実したセミナーは閉会となりました。 | ||||||||||||||||||
▲back | ||||||||||||||||||
■食の安全安心についての意見交換会 人類 vs アニサキス 我々の美味しい食卓を守れ! | ||||||||||||||||||
1月22日、亀有地区センター内のホールにて「人類vsアニサキス我々の美味しい食卓を守れ!」をテーマに講演会がありました。 葛飾区保健所生活衛生課の方から区内の食中毒発生状況が報告され、ノロウイルス、カンピロバクター、アニサキスによる食中毒が増加しているとのことでした。 続いて東京海洋大学食品生産科学部門准教授・水産学博士でアニサキスアレルギー協会理事の嶋倉邦嘉先生による「アニサキス食中毒やアレルギーの真犯人」の講演がありました。新鮮な魚が食卓をにぎわせる一方でアニサキスによる食中毒やアレルギーが増えているとのことです。 アニサキスの特徴や対策について、最近5年間の食中毒やアレルギーの原因となる食品の1位にあげられるのは魚介類で、2位が肉類(加工品を含む)、また病因物質では1位が寄生虫、2位が細菌であり、食中毒統計上のアニサキスによる発生件数は毎年増加しているとのことでした。 アニサキスによる食中毒事例の原因の多くは魚介類でサバ、カツオ、アジ、イワシであり、サバによるものが特に多いそうです。 アニサキスによる症状は胃アニサキスの場合、食後数時間でみぞおちの激痛があり、腸アニサキス症は食後十数時間で下腹部の激痛が起こり共通して吐き気、嘔吐などがあるそうです。 アニサキスによる食中毒防止の対策としては、虫体を目視で除去すること、速やかにさばいて内臓を除去することですが、購入時にすでに筋肉内に寄生している場合もあるとのことです。マイナス20度以上で24時間以上、加熱は70度以上で。醤油や酢などの調味料やわさび、からしなどの香辛料では殺虫できないそうです。 耐熱性アレルゲンも存在し、魚肉を加熱調理しても発症の危険性があり、虫体構成成分を摂取しなくても排泄、分泌成分で汚染された魚肉も危険とのことです。 今回の講演でアニサキスの怖さを知り、食中毒の事例が多い魚介類を使用するときは十分に注意して調理をしなければと思いました。 | ||||||||||||||||||
▲back | ||||||||||||||||||
■「飲酒を誘発する」 アルコール飲料類のCM・広告の監視強化を | ||||||||||||||||||
厚労省公表の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」には説明の最後に、我が国における疾病別発症リスクと(男女別)飲酒量の表が添付されています。 表には、酒は百薬の長などと笑えない、飲み過ぎの健康被害が列挙されています。性別や飲酒量によりますが、少量でも飲酒をするとリスクが上がる高血圧はじめ、胃ガン・食道ガン・脳卒中・肺ガン・大腸ガン・肝臓ガン・前立腺ガン・乳ガンなど、1週間の飲酒量次第で発症する可能性ありと記載され、警鐘を鳴らしています。 また、国は令和六年開始「第三次健康日本21」で、生活習慣病のリスクを高める量とされる一日当たりの「純アルコール摂取量」で男性40g以上、女性20g以上を飲酒している人の減少を目指すということです。 ちなみに「純アルコール量」20gはビール中びん1本、日本酒1合、ウィスキーのダブル一杯に相当する量といわれています。 コロナ禍以来おうちでの一杯はついもう一杯になりがちな昨今です。 かつて子供向け時間帯のアルコール飲料CM規制に東京地婦連は取り組みましたが、今なお飲酒を誘発するアルコール飲料類のCM・広告類は氾濫しています。 アルコール飲料業界の監視を強化したいものです。 | ||||||||||||||||||
▲back |