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■2024年5月15日付
第2回ブロック会議及び中央集会開催 食塩についての講演とJAXA見学報告
小林製薬紅麹サプリの重大事故 機能性表示食品制度は改正へ
2024ピースアクションinTOKYO&ピースパレード開催
抑止力政策に要警戒 憲法の専守防衛の道踏み外さぬよう
政治資金問題は迷走中 抜け穴をふさぐ対策が不可欠
小林製薬の紅麹サプリ 重大事故の再発を防ぐには
マイクロプラスチック流出を防ぐために
矢切の渡し「柴又チューリップいっぱい2023」 江戸川河川敷で元気に育つ


■第2回ブロック会議及び中央集会開催
 食塩についての講演とJAXA見学報告
食塩についての講演
 今年度の第2回ブロック会議と中央集会が、3月21日に葛飾ウィメンズパルで行われました。
 第2回ブロック会議は身近で大切な調味料である「食塩」についてお話しをしていただきました。食用塩公正取引協議会の方から塩の種類、作り方、使い勝手、表示などについて説明がありました。
 私たちは塩というとサラサラとした物を想像しがちですが、海水から作った海塩のほか、岩塩、湖塩の種類があり、それぞれに特徴があるそうです。海水から塩を作る場合1リットルの海水から30グラムの塩が出来るそうですが、実際には大きなタンクの様な工場で作られているとのことでした。
 塩には「食用塩の表示に関する公正競争規約」という表示に係わるルールがあり、「塩公正マーク」はそのルールに従った表示をしている塩の商品に添付されるマークだそうです。
 私たちは現在いろいろな塩を使っていると思いますが、その使い道によって海水塩、岩塩、湖塩などを上手に使い分け、より豊かな食生活が送れたら良いと思いました。
 講演会終了後、中央集会が行われ、第1回ブロック会議の報告がありました。
 第1回のブロック会議は「JAXA宇宙センターと筑波山のロープウェイの見学会」について高須さんから当日の写真を見ながら報告を聞きました。その後2023年度を振り返っていろいろと話し合いをし、終了しました。
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■小林製薬紅麹サプリの重大事故
 機能性表示食品制度は改正へ
 小林製薬紅麹サプリを常用し、腎機能が低下した複数の患者の症状から、ある主治医は、企業責任で健康への効能等をうたうことができる機能性表示食品制度について、「安全性を十分に確認してから発売してもらいたい。抜き打ち検査などで有害なものが入っていないか、チェックする必要があるのではないか」と指摘しています。
 事業者がガイドラインに従って届け出れば、国による有効性・安全性審査はなく、科学的な根拠としての、たとえばヒトに対する臨床試験は必須ではありません。市販品のデータは、半年に1度確認のため更新するはずが、未更新が14・5%に上るそうです。機能性の確認・品質の確保等々多くの問題点を受けて、消費者庁は現在制度の見直しに向けて検討中です。

サプリCMは健康効果の洪水

 健康不安を抱えた中高年層をターゲットに狙う健康食品類のテレビCMが大量に流れています。安全性も分からない、誇大広告まがいの内容で公共の電波を占領しています。小林製薬紅麹サプリ事件は、民放テレビ等の堕落・広告規制の甘さがその背景に見え隠れしています。
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■2024ピースアクションinTOKYO&ピースパレード開催
4年ぶりのピースパレード
 広島・長崎の被爆60周年を機に、2005年から核兵器の廃絶と戦争のない世界を願って、東京からその思いを発信する
 ピースアクションは、今年は4月14日に開催されました。主催は東友会(東京都原爆被害者協議会)・東京地婦連・東京都生活協同組合の3団体です。当日は東京ウイメンズプラザでの会場参加、オンライン参加で、後に動画配信もされました。
 会場では生協による開会・主催者挨拶に続いて、スクリーンでは広島市長と長崎市長から連帯のビデオメッセージが紹介された後、疎開先の広島で一家が被ばくした久保田朋子さんによる、悲惨な証言に一同は聞き入りました。

今年の活動報告は

 続いて参加団体のリレートーク。東京地婦連からは、第5福竜丸事件70周年に当たりますので、核実験による被ばくの脅威を次世代に伝えたい思いを込めて、私たちが継承する「第5福竜丸とエンジンを見守る運動」を中心に報告しました。
 かつて多くの団体の皆さんと核兵器廃絶を願い、心を一つにして取り組んだ「福竜丸エンジンを東京へ」という市民運動で活躍した故田中里子常任参与が、「第5福竜丸だより」1998年3月号に寄稿した記事の一部を抜粋し、田中さんのこの運動への思いを、紹介した次第です。
 冒頭のスクリーンの画面では、先ごろ亡くなられた第5福竜丸事件の生き証人で、船員だった大石又七さんを紹介しました。彼は、ビキニ環礁における水爆実験の死の灰を70年前の1954年に浴びて「原水爆の被害者は私を最後にして欲しい」と言い残して半年後に亡くなった、久保山愛吉無線長の同僚でした。1980年代の半ばから、核兵器や被ばく問題を精力的に語り、マグロ塚を建立した人です。
 大石さんの証言も署名運動の大成功、和歌山沖に沈んでいたエンジンの引き上げ、1998年の「第5福竜丸エンジンおかえりなさい」集会へとつながりました。市民団体の連携あってこその成功です。
 和歌山から長旅を経て東京へと到着したエンジンは、同年の3月19日に都庁で贈呈式が行われ、当時の青島都知事に贈呈されました。東京地婦連は第五福竜丸展示館(夢の島)に核のない世界を祈念して、八重紅大島桜を寄贈し植樹しました。

田中さんの寄稿から

 スクリーンの左右は桜に変わります。
 (当時の田中さんの思い)「死の灰の恐怖から、マグロばかりか魚全部を巻き込んで、母親は子どもに食べさせられない、魚屋は売れないという悲鳴が日本全国を駆け巡った。いのちと暮らしが脅かされる現実と、放射能の恐ろしさの報道が進むにつれて、原水爆禁止の世論は署名運動となって波紋を広げた。私の平和運動の原点が死の灰の第5福竜丸にあるのと同じように、核兵器廃絶のものいわぬ証人として、船体とエンジンが再会した第5福竜丸が、21世紀を生きる人々の心に平和の砦を築くことを願っている。」と田中さんは締めくくっています。

報告のおわりに


 画面には展示館前庭の満開の植樹桜が2本映ります。手前は5年前に私たちが70周年記念に新たにエンジンの傍らに植樹したサトザクラで、木柱には「第5福竜丸と平和な航海を」と記してあることを説明し、核廃絶への思いを述べました。
 私たちは今分断と対立の深まる世界の中で困難な状況に直面し、国民不在のまま、政府は危ない橋を渡ろうとしていますが、如何なる時も核への依存ではなく、核廃絶への歩みを進めましょう、平和を守りましょう、と締めくくりました。
 ピースアクションの最後に、東友会より東京からのアピールが提案されました。核兵器禁止条約に未だに日本が参加していないことや、まさに高まっている核の脅威など昨今の世界状況に触れて、「戦争の実相を次世代へと伝え、平和の取り組みをつなげましょう」という呼びかけなど満場一致で採択され、ケヤキ並木の表参道ピースパレードに移りました。
 コロナ禍で4年ぶりに開催されたパレードです。国内外からのお客様であたりは大賑わい、初夏のような晴天の中、山下さんとウグイス嬢のメッセージは響きました。
 先頭には東友会や生協さん、近くに私も加わりましたが、田中さんや、一緒にパレードをしたかつての地婦連の先輩たちを一人一人偲びながらの行進となりました。
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■抑止力政策に要警戒
 憲法の専守防衛の道踏み外さぬよう
 いつの世でも、戦争は国家のために国民の命が犠牲になり、国土や環境破壊を招くことは、ウクライナ戦争、イスラエルとパレスチナの紛争を見ても明らかです。わが国は今こそ近隣の権威主義者たちへの警戒を怠ることなく、あからさまな反撃能力保有政策への傾斜を自制すべきでしょう。
 しかしながら政府は、従来GDPの1%とされていた不文律の防衛費の枠を破り、「抑止力を高めるため、2027年度までに2%まで増大する」という防衛政策の大転換を、予算を確保して実行しつつあります。木原稔防衛相は記者会見で、「2024年度の防衛費は、関連する経費と合わせると国内総生産(GDP)との比率で1・6%になった」と説明しました。また、他国と共同開発した武器については、限定的に輸出を認める方針です。
 新たな政策決定は両刃の剣になり近隣諸国を刺激し、一層の核軍拡へと駆り立てる恐れがあります。平和なくらしを脅かしかねない規制緩和や防衛費の拡大には、私たちはストップをかけなければなりません。
 日本国憲法が示す専守防衛の道を踏み外しかねない昨今の国の政策は、要警戒です。
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■政治資金問題は迷走中
 抜け穴をふさぐ対策が不可欠
 自民党派閥による政治資金パーティー券収入をめぐるノルマ・還流(キックバック)や中抜き・裏金作りは、私たちの知るところとなり、巷では国民の政治不信は一層深まり、政治資金規正法改正の必要性の指摘や、政治資金の透明化を図るデジタル化など抜本的な提案も相次いでいます。
 自民党のアンケートによれば、議員82人と支部長3人の政治資金収支報告書への不記載額が、総額で何と5億8000万円に上りました。
 しかしながら、まさに形ばかりの衆参の政治倫理審査会を開き、透明性に欠け真相究明に至らないままで、自民党執行部は安倍派、二階派などの議員39人のみに処分を下しました。
 党内の不公平感や不満は高まり、自民党から離党者も出ました。また国民からの、甘い処分に対する批判が高まる中で、政治資金規正法をめぐる改正案が、野党5党の各案、公明党案が出そろった最後に、具体性に欠ける自民党案も出ました。今後の核心にせまる国会審議が待たれます。
 もしも政治資金パーティー・政策活動費・罰則強化について、抜本的な改正案が示されなければ、業界利権を生み、政治や選挙を歪め続けて来た、わが国の悪弊を絶つことは不可能です。政治家の脱税も然りです。
 ザル法といわれて久しい、政治資金規正法の細部に踏み込んだ、秘書まかせの責任回避など、抜け穴をふさぐ対策が不可欠です。
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■小林製薬の紅麹サプリ
 重大事故の再発を防ぐには
食品安全委員会の在り方は

 ホームページを遡って調べますと、当委員会の10年前の2014年3月の健康食品に関する危害情報に、「紅麹を由来とするサプリメントに注意(欧州で注意喚起)」との記事があり、消費者としてその内容に愕然としました。
 「血中のコレステロール値を正常に保つ」としてヨーロッパや日本などで販売されている「紅麹で発酵させた米に由来するサプリメント」の摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されています。EUは、一部の紅麹菌株が生産する有毒物質であるシトリニンのサプリメント中の基準値を設定しました。フランスは摂取前に医師に相談するように注意喚起しており、スイスでは紅麹を成分とする製品は、食品としても薬品としても売買は違法とされています、という厳しい内容の記事です。
 その当時日本でも販売されていたという紅麹サプリ類、わが国の食品安全委員会が「一部の紅麹菌株」と捉えて、厚労省・農水省・消費者庁等と連携せず被害の防止策も取らないまま、ヨーロッパ諸国の紅麹サプリ類への対応を傍観したとすれば、当委員会の存在意義が問われる今日の重大事故です。
 小林製薬では「原料の製造過程の安全管理と品質管理の(GMP)基準」を取得しておらず、今回の事故原因の究明も出来ていません。しかも事故情報の報告は約2カ月遅れ、死者5人、250人余りが入院した事故原因の、小林製薬の紅麹サプリの回収は8%台に留まるという有様です。
 食品安全委員会が、10年前に本来の使命を果たしていれば、と思うと暗澹たる思いに駆られます。
 氾濫する機能性表示食品には消費者の健康や生命へ影響を及ぼす危険性が潜み、食品衛生法では消費者を守れません。GMPの導入はじめ、新たな規制が待たれます。
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■マイクロプラスチック流出を防ぐために
 海洋生態系への影響が懸念されるマイクロプラスチック、多摩市内の川にプラスチックの破片が流出していて、テニスコートの人工芝であることが分かり、多摩市では排水溝にフィルターを設置して、流失を防ぐ対策を進めている、という報道がありました。
 環境省では、海洋プラスチックごみの中でも、5ミリ未満のマイクロプラスチックの排出・流失を抑制するために、広く協力を呼び掛けています。
 例えば合成繊維の衣料品などから出る繊維くずをなるべく出さない工夫として、生地を傷めないように、洗濯表示に従った洗濯とともに洗濯ネットの使用をすすめています。
 また、洗濯機のフィルター掃除を行うことにより、繊維くずをこまめにゴミ箱に捨てることで、マイクロプラスチックの原因となる繊維くずの流失を防ぐだけでなく、ぬめりやカビの防止にもつながります。
 人工芝の利用については、人工芝からマイクロプラスチックを出さないために、こまめに掃除機や粘着クリーナーで芝の破片を回収します、なお屋内用の人工芝は紫外線に弱いので、屋外では使用を控えます。芝が折れ始めたら、交換のサインですので、早めに交換しましょう。
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■矢切の渡し「柴又チューリップいっぱい2023」
 江戸川河川敷で元気に育つ
在りし日の谷茂岡会長と共に
 3月24日、江戸川の河川敷にて「柴又チューリップいっぱい2023」の開花お披露目会が開催されました。昨年の11月に球根の植栽会が行われた時のチューリップです。
 朝早くから24の後援団体がテントやのぼり旗を立てたりして式典の準備をしていました。式典は実行委員長の開会宣言で始まり、続いて葛飾区長の挨拶です。
 葛飾区は花いっぱい緑のまち、そして温室効果ガス削減・ゼロカーボン達成に向けた取り組みを進めており、住みよい『かつしか』にと話されました。
 友好関係にある新潟県五泉市から贈られたチューリップは江戸川の河川敷だけでなく里親として各家庭や小学校・幼稚園等で育てられているのでどこに行ってもきれいな花が見られる「葛飾」をとのことでした。
 司会の提案で、お顔とお声、お名前が一致するようにとマイクを来賓の一人ひとりに回して紹介し、「覚えられましたか」と。
 チューリップは今日を迎えるまで東亜造園の方がネットをかけてカラス対策をしてくれたおかげで立派に成長していましたが、異常気象で寒い日が続いたため花はポツンポツンと咲いている程度でした。式典後に団体ごとに記念撮影をして帰路につきました。
 チューリップ開花お披露目会は花が見られず残念でしたが、手入れをしてくださった方々のおかげで元気に育っていました。天候が安定して暖かくなればきれいな花を咲かせるでしょう。
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