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■2024年11月15日付
高すぎる新米 〜なぜ異常な高騰は続いているのか
公取委 独占禁止法の観点で 「三分の一ルール実態調査」を開始
結核・呼吸器感染症予防週間 啓発リーフ配布 無料検診を実施
2024年ノーベル平和賞受賞 日本被団協に決定
厚労省が福祉用具事故のデータベース化に着手


■高すぎる新米 〜なぜ異常な高騰は続いているのか
 この夏、スーパーの棚から消えた主食のコメ、ようやく新米が出回るようになり、ひと息ついたのも束の間でした。ことしの作柄は平年並みなのに、消費者物価指数では、8月のコメ類は前年同月価格と比べ28・3%上昇し、9月の平均価格は(農水省調査)前年同月と比べ48%も高くなり、食卓を脅かしています。
 高騰の背景には、国の減反政策で作付面積が減り、生産量が減っている上、昨年の猛暑による品質低下と供給減少、消費者の防災備蓄、肥料など資材の高騰、観光客の増加で外食産業消費がじわじわと増えていること、など複雑な要素が絡んでいるようです。
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■公取委 独占禁止法の観点で「三分の一ルール実態調査」を開始
 わが国に特有な仕入れの商慣行として三分の一ルールがあります。この商慣行が開始されたのは1990年代に遡りますが、加工飲料や加工食品の売れ残りを防止するために、製造業者や卸売業者は製造日から賞味期限までの期間を三等分して、最初の三分の一を超過すると品質に問題がなくても、小売業者へ納品出来ないというもので、事業者間で大量の返品・廃棄を生じ食品ロス問題とともに消費者利益にも反する内容です。

今頃になってどうして!

 公正取引委員会は9月中旬、独占禁止法の小売業者による優越的地位の濫用問題から、飲食料品の製造事業者・卸売業者・小売業者間の取引、「フードサプライチェーン」における商慣行の実態調査を開始しました。小売業者による製造・卸への圧力、不当な返品・受取拒否や返品コスト、補償金支払等優越的地位の濫用について、製造・卸売業者約8000社を対象とした調査で年内の集計を予定しているそうです。

食品ロス問題への影響は

 かなり以前、製造年月日表示について消費者庁で開催された「製造年月日の日付表示をめぐる事業者と消費者の意見交換会」では、製造・小売事業者等からは「製造年月日表示」を「製造年月のみ表示」への簡略化・緩和の要求に加え、商品の大量廃棄問題について「消費者の鮮度志向」への批判が強調されたことを思い出します。当時東京地婦連としては、小売業界の商慣行の三分の一ルールについて見直しを求めました。
 時を経て昨年の生団連の消費者部会では、消費者庁の食品ロス問題の講演があり、三分の一ルール問題に触れています。消費者として以前に伝えたことでもあり、食品ロスの取り組みへの期待を述べました。
 この度の公取委の調査が、フードサプライチェーン内の圧力から食品ロス問題へと波及効果を期待したいところです。私たちは消費者として調査結果に注目したいと思います。
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■結核・呼吸器感染症予防週間
 啓発リーフ配布 無料検診を実施
無料検診車の前で
 9月24日から30日は、全国一斉の結核・呼吸器感染症予防週間です。
 東京都結核予防会の協力を得て、9月28日(土)に秋葉原駅前の秋葉原UDXサボニウス広場で無料検診が行われ、東京地婦連から山下会長、藤田、黒崎が参加しました。
 若者や外国人が多い通りで、啓発リーフレットやポケットティッシュを手渡しながら「無料で今検診が受けられますよ」と声かけです。時々日本語と英語を交えて片言での声かけもしました。
 若者の中には「結核って何ですか」「肺に炎症が起きる病気ですよ」と答えると「心臓病ですか」。ビックリして「いいえ結核は呼吸器の病気です」「肺病ですか」など会話が暫く続きました。結核を知らない若者がいることを痛感しました。
 午後4時過ぎに結核予防会の発表で、リーフレットなど全部配布完了しました。当日の検診者45人その内1人が要精密検診者という結果でした。
 2年前、東京都は初めて低まん延状態となりましたが、秋葉原の賑やかな通りを見ると又新しい患者が発生してしまうのではないかと心配です。
 正しい知識を持って、シッカリ検診をして頂きたいと思いました。
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■2024年ノーベル平和賞受賞
 日本被団協に決定
 原爆投下により体と心に耐えがたい傷を受けながら、不屈の精神で核兵器なき世界を国内外で訴えて来られた、皆様の苦しい歳月のご尽力の賜物です。心ない近隣諸国の核の威嚇が続く暗い状況の中で、私たちにも感動的で嬉しい受賞のニュースでした。日本被団協さん、東友会さんおめでとうございます。どうか今後も世界に、若い世代に訴えを続けて下さい。
 日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)は、1945年8月に広島・長崎に投下された原爆による日本唯一の被爆者団体で、1956年の第2回原水爆禁止世界大会(於長崎)を契機に結成されました。東京地婦連の平和運動の歩みとも関わりの深い「東友会」は、日本被団協の東京のメンバーです。
 実は私たちの平和運動は、日本被団協が結成される3年前の「原水爆禁止署名運動」、翌年の「第1回原水爆禁止世界大会」参加に遡ります。
 ふり返ると被団協の発足後からは「東友会」や多くの仲間とともに、ビキニ水爆実験で被爆した「第5福竜丸」のエンジン保存運動に力を入れ、第5福竜丸展示館前の植樹桜の下では「お花見平和の集い」(終了)も回を重ねました。
 私たちはまた例年ウイメンズプラザのピースアクション東京で、表参道を「東友会」先頭の「ピースパレード」に参加するなど、ともに核兵器廃絶運動を展開しています。また東京の原爆犠牲者慰霊祭に参加し(以前は千羽鶴を献納)、今も変わらず被爆者の方々に心を寄せています。
 ノーベル平和賞決定を聞いた地婦連の仲間からは久しぶりに電話をいただき、喜びは2倍に膨らみました。
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■厚労省が福祉用具事故のデータベース化に着手
 厚生労働省は福祉用具などの施策を管轄していますが、高齢社会に伴い福祉用具の利用者は増加の一途を辿り、それにつれて利用に起因する事故も増えています。
 東京地婦連では、かつて身の回りの福祉用具に着目し、利用に伴う事故やヒヤリハット事例のトラブルなど、製品安全をめぐりアンケート調査を行った経緯があります。
 安全性をめぐっては、今までは製品評価技術基盤機構(NITE)や消費者庁・自治体それぞれが、福祉用具に関わる事故情報の収集を実施してきましたが、このほど遅ればせながら厚労省が電動の車いすや介護ベッドなど、多岐にわたる福祉用具及び介護テクノロジーの利用に伴う事故情報を、所管する立場で一つに集約することになりました。狙いは集約した情報を分析し、件数や事故の特徴など「最近の傾向」を定期的に国民に周知し注意喚起すること、それにより事故の発生を防止することにあります。
 新たにスタートした厚労省による事故情報のデータベース化が、福祉用具の改善に役立つよう願います。
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