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■2025年7月15日付 | |||||||||||
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■コメの高騰は農水省に原因が 〜ツケは消費者に | ||
昨夏からのコメの高騰と品薄は、高値のままの市販米がひと頃より店先に並ぶようになったものの、今なお購入数量を制限する店もあり、わずかばかりの値下げでは家計は圧迫されたままです。 大半の市販米の販売価格が、値上がり前の約2倍の5キロ4千円前後と高値で、主食のコメの代わりにやむを得ず麺類やパンで我慢する消費者も少なくない状況です。 混乱のさなか石破内閣の江藤大臣は失言で失脚し、二番手の小泉農水大臣になりました。 小泉さんは中間マージンを省いて価格高騰を抑えるため、「政治主導で備蓄米を放出する決定」を行いました。JAなど集荷団体や卸売り業者を通さずに、販売を申請する事業者に対して、国との「随意契約」で備蓄米を急ピッチで放出、まだ届かない所もありますが、その成果が少しずつ見えてきました。 備蓄米は国内消費の約1週間分に激減 備蓄米は放出開始後2カ月余りで、数量の限定はあるにせよ47都道府県で流通が始まった模様です。コンビニの大手3社も備蓄米販売に乗り出し、1キロ?2キロ単位での販売が開始されました。 備蓄米の取り崩しは、放出が進む一方で、かつて年間需要の2カ月分程の100万トンが目安とされていた在庫が、6月半ばには約10万トン(1週間分)までに激減している状況です。 備蓄米は本当に割安か 備蓄米の価格は、2022年産古古米は5キロ1980円、最も古い2020年産の古古古古米が、5キロ1700円ほどといわれています。消費者に人気があり、販売情報を聞きつけて、早朝から店の前に長蛇の列をなす人々のニュースが増えてきました。「急場しのぎの政策米」であり、決して割安と言えない古米に、人々が殺到するその有様には、同じ消費者として、複雑な思いがします。 農政の失敗〜ツケは農家にも また、大臣が「最低輸入義務米(ミニマム・アクセス米)の輸入を早々に行いたい」と発言したために、農家からは「新米の前に輸入米とは、日本のコメ作りの衰退に繋がる」と不安の声が上がっています。 一連の騒動で見えて来た農政の失敗要因は、減反のみならず正確さを欠いた生産統計、主食用のコメの収穫量の把握にありました。さらに、JAとの取引関係、また問屋が多重構造のままであるなど流通過程に問題があり、中間マージンが膨らんだことに起因します。 消費者は銘柄米の高騰に苦しみ、農家も存続に不安をいだく現状に対し、小泉大臣は生産実態とずれた「作況指数」を廃止し、「小売りを含めたコメの在庫量の大規模調査」を行うことを表明しました。調査に注目したいものです。 | ||
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■消費者の日特別講演 「まむし流!!こころとからだの健康法」 | ||
6月7日、葛飾ウィメンズパル多目的ホールにて消費者の日特別講演会が、葛飾区と葛飾区消費者団体連合会の共催で昨年に引き続き行われました。今年も応募者多数で抽選となったようです。 「まむし流!!こころとからだの健康法」―今回は橘家竹蔵師匠の落語も合わせて。会場は手話通訳、要約筆記、難聴の人には磁気テープがある席が用意され、小さなお子様の保育の場所も用意されていました。 今回の講演も抽選となったため、毒蝮さんにはもっと大きな会場を用意すれば良いのにと言われてしまいました。 はじめに主催者の青木克彦葛飾区長の挨拶があり、葛飾での子供支援、災害に備えての準備等がなされている事など話して下さいました。 続いて、来賓挨拶、そして講師の毒蝮三太夫さんの入場、涼しげな和服地の上着とおそろいの帽子、知り合いの呉服屋さんが作って下さったようで颯爽と入場。現在89歳になり、3日に亡くなった巨人の元監督の長嶋さんとは同い年、リハビリも頑張っていたのにと残念がっていました。 年寄りになると財布は妻に握られ、女性はランチに行っておしゃべりしたりして楽しい老後を過ごしている、男性も、体をきたえもっともっと楽しい毎日を過ごしてほしいと何度も話されていました。何かやってもらったらありがとうと言って下さいと結ばれました。 次に橘屋竹蔵師匠の落語、お弟子さんとカッポレを踊りました。 最後に毒蝮さんと竹蔵さんに花束贈呈があり大変よろこんでいただきました。 | ||
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■PFAS 新たに一種が廃絶へ | ||
近年の有機フッ素化合物PFAS類の規制については、わが国では水道の水質基準とミネラルウォーターの成分規格が見直され(2026年4月1日の施行予定)、PFOSとPFORの合計で1リットル当たり50ナノグラムとすることが、すでに決定されているところです。 ストックホルム条約締結国会議で新たな合意が しかしPFAS汚染は深刻で、5月に開かれた有害な化学物質を国際的に規制する「ストックホルム条約」の締結国会議では、PFASの一種、LC―PFCA(長鎖ぺルフルオロカルボン酸)と関連物質を、新たに廃絶することが合意されました。 半導体や自動車の交換用部品などの一部用途については、継続使用が認められますが、防水加工用などが廃絶対象とされたものです。 この国際合意を受けて、国内では6月20日から「薬事審議会・化学物質審議会・環境審議会」が共同で新たな特定化学物質の指定、残留性有機汚染物質に関する審査・製造など、規制を審議中です。ナノグラムとすることが、すでに決定されているところです。 | ||
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■ここにも値上げの原因が ごま油の製造販売業者に排除命令 | ||
私たちは食用油の値上げにも悩まされていますが、原因はひとえに、原材料価格の高騰にあると受け止めがちでした。 ところが5月中旬に公正取引委員会が、独占禁止法の不当な取引制限に当たるとして、かどや製油と竹本油脂に対して「2社が共同(共謀)しヱスビー食品・丸美屋食品・フンドーキン醤油へごま油の「渡し価格」を引き上げた行為は、公共の利益に反しごま油販売分野の競争を制限した」として排除命令を出したことで、ごま油の値上げの背景には、消費者に見えない業者間の取引でも利ザヤの不当な上乗せがあった事実が判明しました。 | ||
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■消費者被害防止キャンペーン 多発する詐欺被害に注意喚起 | ||
堀切菖蒲園は江戸の名所として古くから知られており、約200種6000株の植物が植えられていて、花の見頃は5月下旬から6月中旬頃までです。特に早朝や雨の日にしっとりとぬれた花菖蒲は情緒があると言われています。堀切菖蒲園の花の景観は歌川広重や鈴木春信らの錦絵にも描かれています。 キャンペーンは産業経済課長危機管理課、消費者センター、消費者団体連合会、消費生活支援サポーターの協力で行われました。 最初に消費者団体連合会の黒崎会長代行による挨拶がありました。 「最近、屋根の修理や水道の故障で呼んだ業者から法外な金額を請求される事例が多発しています。突然やって来る業者やネットで業者を呼ぶ際は気を付けてください。今回のキャンペーン活動が少しでも消費者被害未然防止につながればと思います」と話されました。続いて来賓の区議会議員よりご挨拶いただきました。 当日は5月末としては肌寒く感じられる日でしたが、ディサービスの方々が次々と見学に訪れ、また、かわいい保育園児も先生に引率され菖蒲を観に来ていました。 セレモニー終了後は啓発用のチラシとポケットティッシュを渡しながら被害防止を呼び掛け、チラシ200枚とポケットティッシュ300個を皆さんに受け取っていただき、無事終了しました。 最近は手の込んだ詐欺が増えており、警察官を名乗ったり銀行員に成りすましたりと巧妙な手口で騙されやすくなっています。高齢者が詐欺の被害に遭うだけでなく、若い人が闇バイトに応募しての事件もニュースになっています。昨年12月に政府が緊急対策として仮装身分検査の導入を決定しています。インターネットやスマホによるサイドビジネス商法の被害もでています。怪しいと思ったら家族や消費者センターに相談しましょう。 今回の消費者被害防止キャンペーンによって一人でも被害に遭う人が少なくなることを願います。 | ||
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