■2011年年頭のごあいさつ
 戦争をしない国としての矜持をもって、事に対処
特定非営利活動法人 東京都地域婦人団体連盟
会長 川島 霞子


 2011年新春にあたり、会員皆々様におかれましては、おかわりなく良き年をお迎えのことと存じお慶び申し上げます。
 一昨年の歴史的政権交代の後、政府の状況も大きく変貌し、鳩山内閣から菅内閣へと移行、事業仕分けや子ども手当なども少々迷走、後期高齢者医療制度の廃止も定かではありません。
 経済政策、外交政策なども、ともかくキチンとした政府の理念が少しも見えないありさまで、臨時国会の終始も失態つづきで国民の期待は大きくはずれました。加えて、もろもろの領土問題も政府の腰がすわらない感はいなめず、私どもはさまざまな意味で失望いたしております。

日本は戦争をしないことを選んだ国

 さて、私ども東京地婦連は、創立以来の活動の大きなエポックメーキングともなる「戦争を語りつぐ」DVDと体験文集を制作いたしました。これからの世代を担う若い人たちへの戦争を知る世代からの遺書です。多くの方がたに活用していただき、平和の大切さを学んでほしいと切望しております。とかく荒波の立つ最近の国際情勢の中でも、平和憲法のもと、戦争をしない国としての矜持をもって、事に対処したいものです。
 昨年テレビ討論の中でジャーナリスト今井一氏が大変素晴らしい発言をしていられました。「わが国は人類史上初の『憲法』を持っている国としての外交はどうあるべきかを皆で議論し考えてほしい。現在の国の対応は、普通の戦争をする国の外交と同じレベルである」。私どもの国は戦争ができない国ではなく、戦争をしないことを選んだ国であることを、確認したいものです。
 平和憲法とともに、私どもの国が世界に誇るべきものに「国民健康保険制度」があります。現在まで頑張って皆保険ともいうべき形を保ってきました。しかし小泉内閣以来制度は崩れてきています。その教育の場で診療の場で各現場で問題が起こっています。米国のオバマ大統領は政策の目玉であったこの制度で、各方面の大抵抗にあっています。わが国のせっかくの誇るべき制度です。私どもは今日まである意味でキチンと機能している制度を今後どうすべきかも議論をつくすときに来ています。高福祉高負担も視野に、もろもろの選択肢を……と考えます。

地域再生への手がかり

 地域主義といわれながら都会も地方も地域のきずなが希薄になっています。何ができるかをしっかり把握して、さまざまな知恵と手段で地域再生の手がかりを見つけたいものです。
 私どもはまた、平素の取り組みである教育・消費者・男女共同参画・環境などの問題も一年を通して頑張りましょう。東京都青少年健全育成条例に対する意見書を出し、照射食品への反対意見、容器リサイクル法についての見直しなど、このような地道な日々の活動を続け、この継続が私どもの命とくらしの安全・安心を守り、ひいては平和な国づくりへとつながることを信じております。
 本年も皆々様、地元の実情に即したよりよい活動を続けられますよう祈念いたしております。