子育ては大変!聞かせて あなたのSOS
−「地域発*2003全国に広めたい事業」東京地婦連がアンケート調査
どんな支援ができるのか 近くにいる人の役割

回収率82.3%の報告書
 二〇〇三年七月、「次世代育成支援対策推進法」が公布され、自治体やNPO団体、企業による子育て支援対策が次つぎと始まっています。東京地婦連では、地域の婦人会として何ができるかを探るために、乳幼児を抱える保護者の率直な声を聞こうと、全国地域婦人団体連絡協議会の「地域発*二〇〇三全国に広めたい事業」として、二一道府県市の調査協力を得ながら、アンケート調査「子育ては大変! 聞かせてあなたのSOS」を実施しましたが、このほど結果がまとまりました。

 調査項目は以下のとおりでした。

●こんなとき、どこから情報を得ますか。
  • 子どもが台所洗剤を誤飲した。
  • 小児科のある病院を探すとき。
  • チャイルドシートを購入するとき。
●近くに子育ての支援システムがありますか

●そのシステムを利用したことがありますか

●子育てをしていて「困った」とか「手助けしてほしい」と思うことがありますか? 
 それは、どんなときでしょうか 

調査のまとめ

核家族での子育ては大変
 今回の調査でも、半数は核家族でした。地域によってはほとんど、といっていいところもあります。今回の回答者の大半が「子育ては大変だけど楽しい、子どもは宝」という気持ちで子どもたちと接しながら、「これでだれにも助けを求めることができなかったらと思うと」と、昨今の児童虐待事件の多さに心を痛めています。
 忙しい生活の中で、たった一人あるいは二人で子育てを担っていると疲れがたまるのも、不安が大きくなるのも当たり前のことです。


大勢の家族の中での子育てにも苦労はいっぱい
 
大勢の家族に囲まれた育児で恵まれていると感じている人は多いと思いますが、子ども夫婦が仕事に出た後、育児を担っている祖母、子育てにいろいろ口を出されて困っている嫁や娘、こんな時間にお菓子を与えないでといくらいっても分かってくれないおじいちゃん、おばあちゃん。
 やはり悩みはつきません。また、育児とともに介護を担わなければならないという人も今後増えてくると思います。


子どもの少ない地域での、子育てはさびしい
 ふだん地域に同年齢の子どもがいないので、家で兄弟だけまたは大人とだけ接しているという子どもたちも多くいます。
 他の親子との接触は、子どもにとっても親にとっても大切な経験になります。どんな場を提供されているか、その人にあった情報をどう届けられるかが大切になります。

行政のサービスをもっと有効に利用するためには
 支援の場があっても、生活のリズムにあわなかったり、車での移動が中心の地域なのに駐車場が十分に確保されていなければ、参加したくても参加できないことになります。また「リフレッシュで子どもを預けるといやな顔をされる」「予約がいっぱいで利用できない」などの現状もあるようです。
 このような利用者の声を、行政へつなげていくことも地域団体の役割の一つではないでしょうか。


地域のみんなで子どもたちを大切に育てるということ
 アンケートの中に、一通だけでしたが「子どもが泣いていると、近所の人がどうしたの? と声をかけてくる。虐待を疑われているようで不愉快」との記入がありました。
 普段の人間関係がないままに、人の子育ての仲間入りを果たすことは難しいものです。互いに顔見知りであり、助け合える関係をどう作っていくか、地域密着型の団体としての力量が問われるところです。
 少子化対策として「次世代育成支援対策推進法」ができ、国や地方自治体でもいろいろな支援事業を展開しています。また、子育て支援NPOもできています。
 けれど日々の暮らしの中でちょっと困ったときの手助けは、「近くにいる人」の役割ではないでしょうか。まず、子育て中のみなさんの声をいろいろ聞きながら、今後の地域活動を見直していくことが地婦連の課題であると考えます。


*報告書希望の方には送料・税込み1000円で頒布します