製造物責任法強化の改正が必要
家庭内の製品の使用期間について調査
損害賠償期間延長を
冷蔵庫は10年以上も使用
 東京地婦連では、六月一日から十五日までの約二週間、「家庭内の製品の使用期間についての調査」を実施しました。六月二十六日に開催された「PLオンブズ会議」報告集会にあわせて実施したものです。
 
PLオンブズ会議報告集会で発表
 製造物責任法が施行されて、一二年がたちます。現在内閣府で、施行状況の評価と課題整理が行われていますが、私たちが大きな問題点として考えているのは、損害賠償の請求権の期間です。現在、製造物を引き渡してから一〇年となっていますが、しかし、新聞などに掲載される「社告」を点検すると、一〇年以上前に製造された製品の回収も多く目につきます。
 実は私たちの家庭にはもっと長く使用している製品があふれているのではないか、まず自分たちの身の回りから点検してみようと、緊急に調査を実施したものです。
 対象は冷蔵庫、テレビ、ホットカーペットなど一五点。二〇代から八〇代まで幅広い年代の三〇〇人を対象に、婦人会会員を通して調査票を配布し、回収は二六五枚(回収率88・3%)でした。
 調査結果は別表のとおりですが、冷蔵庫やこたつなどは平均の使用期間でさえ一〇年以上、エアコンや電子レンジも一〇年近くと、皆大事に使っている状況が分かりました。
 一番短い製品で、衣類乾燥機の六・二年、一一年以上使用している人の率は、17・3%から36・6%もあり、このままで何か事故が起こっても、損害賠償の請求ができない状況です。
 もし、PL法の損害賠償の請求権の期間が二〇年に延長されれば、かなりの製品が含まれることになり、その効果は大きいと考えられます。
 この調査結果は、二十六日の報告集会で発表され、請求期間の延長の大きな論拠として使われました。今後、内閣府で検討されるであろう「PL法の改正」についての論議に対し、大きな問題提起ができたものと考えます。
調査期間:2007年6月1日〜15日
調査用紙配付数:300枚
回収数:265枚(回収率  88.3%)
機器名 平均使用
期間
11年以上
使用者数
全使用者
中にしめ
る割合
21年以上
使用者数
全使用者
中にしめ
る割合
冷蔵庫 10.3年 97人 36.6% 15人 5.7%
テレビ 8.8年 64人 24.2% 6人 2.3%
掃除機 7.9年 57人 21.8% 10人 3.8%
エアコン 9.7年 79人 31.0% 8人 3.1%
石油ファンヒーター 7.9年 16人 21.1% 2人 2.6%
ガスファンヒーター 8.2年 19人 22.1% 0人 0.0%
こたつ 11.4年 48人 36.4% 11人 8.3%
台所用ガステーブル 7.3年 39人 18.0% 1人 0.5%
電気温水暖房便座 8.2年 37人 19.6% 2人 1.1%
ガス湯沸かし器 8.0年 37人 21.4% 1人 0.6%
ホットカーペット 8.6年 36人 24.8% 3人 2.1%
電子レンジ 9.6年 79人 30.2% 8人 3.1%
衣類乾燥機 6.2年 9人 17.3% 0人 0.0%
トースター 7.6年 41人 18.2% 6人 2.7%
ドライヤー 7.9年 49人 22.0% 10人 4.5%
・調査実施:特定非営利活動法人 東京都地域婦人団体連盟
・調査期間:2007年6月1日〜15日
・調査用紙配布数:300枚
・回収数:265枚(回収率88・3%)