婦人時報は年間購読料2000円(送料込み)です。購読希望の方メールで申込できます。 |
■2010年3月15日付 | |||||||||||||
|
■いのちと健康守る 食の安全・安定・安心 ブロック会議 第2弾 |
|||||||
東京地婦連ブロック会議の第2弾は「日本の農業の今を知る〜自給率を高めるには〜」をテーマに2月24日、全国婦人会館で開催しました=写真。講師は家庭栄養研究会副会長の蓮尾隆子さん。国内飼料で育てた鶏卵と輸入飼料で育てた鶏卵の生卵やゆで卵を見比べ、試食しながら色や食味を確かめ、安心・安全なくらしについて考え、国の食料政策に国民はもっと関心を持ち、気づいて声をあげていかなければいけないと講演しました。 |
|||||||
休耕田使って飼料米
輸入が途絶えてしまったら大変 私たちの食生活における自給率はカロリーベースで1965年度には73%ありましたが、2008年度には41%に下がっています。成人男子1日必要量の2500カロリーの食料からの摂取を考えると、1500カロリーは海外に依存、残り1000カロリーが自給です。 寝ているだけでも1200カロリーを消費しますから、輸入が途絶えてしまったら、大変です。「今の若者たちは、食料を戦時中のように分け合うようなことができるだろうか」と蓮尾さんは心配しました。 4大穀物の米、小麦、大豆、トウモロコシのうち、米を除いてほぼ外国に依存しています。1キロのブロイラーを作るには、4キロのエサ、大豆油1キロ採るには5キロの大豆が必要です。 原料を海外に依存し、そこで工場を稼動させ、安い労働力も確保して最終製品にし、日本に輸入というサイクルでますます自給率を下げていく構図は、日本の農業の衰退を招いてきた結果になっています。 農業の6次産業化政策も進める
休耕田利用の背景には、3年前世界で干ばつが続き、穀物価格は値上がり、22〜23国が輸出制限をしました。国内では卵や、肉類はじわじわと値上がりしましたが、しわ寄せは酪農家の廃業につながってしまいました。 65歳以上の生産者は、57%に達しています。農水省は畜産飼料穀物を休耕農地を利用して栽培する奨励を進めて、農業予算が投じられることになりました。 蓮尾さんは、「環境保全に大きな貢献を果たしてきた水田です。減反水田に超多収飼料米を作って、輸入トウモロコシの代替えとしてお米で家畜を育てよう。今までは食用の余ったもの(過剰米)やミニマムアクセス米を飼料用にしてきたが、食用米とは異なる家畜のえさ用に育成された飼料米は食用米の2倍近くの収量がある」と語り、「積極的にそういった生産に取り組んでくれる生産者を増やしていくためにも、買い支える消費者を増やしていかなければいけない。稲作農家と畜産の農家が共同して畜産堆肥を育てることもでき、超多収米が日本型循環畜産を切り開く」と説明を加えました。 「食の乱れ」考える 最後に蓮尾さんは、「私たちの食は豊食、飽食、放食、崩食、亡食になっていないか」と食の乱れについて言及しました。 「毎日の買い物の中で日常食べる頻度の高いものは安全を確認しながら自給率を高める国産品を、表示を見ながら選んでいこう。食べることは楽しいこと。国民の健康の面からも、厚生労働省は医療政策に増して、食料政策は大事にしなければならないとの提言もありますが、農水行政は省庁の中でも低く見られてはいないか。日本よりも自給率の低い先進国はありません」と憂慮し、「国の食料政策に国民はもっと関心を持ち、気づいて声をあげていかなければいけない」と結びました。 「食の意識の再確認ができた」「食べているものがほとんど海外のものだということに驚いた」「まずは地産地消を心がけ、伝えていきたい」「卵の黄身の色違いをはじめて知った」など、多くの感想が寄せられた有意義な学習会でした。
|
|||||||
▲back |
■戦争はいやです 〜映像と文章で自主制作。制作賛助費募る〜 |
|||||||||||||||||
あなたの生の声伝える 世代超えて悲惨さ話し合うツールに 戦後65年、戦争の記憶が薄れつつあります。戦争を体験した人々も高齢になり、今、戦争の記憶を風化させることなく、次世代へ語り継いでいくことが急務となっています。東京地婦連では、これまでも、「お花見平和のつどい」など、平和を語り継ぐ取り組みを積極的に広げてまいりましたが、より広く、多くの若い人びとに戦争を体験した生の声を伝えたいと、映像と文章による新たな教材を作ることになりました。 |
|||||||||||||||||
映像と文章で自主制作 5月末完成をめどに 「子どもゆめ基金」の助成を受けることを希望していましたが、2年連続で落選、しかし「これ以上待てない」と、自主制作に挑むことといたしました。 現在、戦争記録を残そうと、さまざまな取り組みがされています。東京地婦連としては、普通に生活をしていた女性や子どもたちが体験した戦争の悲惨さ、むごさを、体験した本人が語ることで、戦争は、軍隊、兵士だけが行うものではなく、すべての国民を巻き込んで行われるものであること、絶対に二度と戦争をしてはならないことを、きちんと伝えていきたいと考えています。 制作は、5月末の完成をめざし、桜映画社の協力で進めます。監督は、『四季を楽しもう〜うたとあそび〜』の秀高賢治さんです。7人の証言映像と田中里子さんの「私と地婦連」からのメッセージを納めたDVD、30人の作文を組み合わせた、B判版の冊子を作成する予定です。戦争のことを知らない世代に理解してもらうために、背景を分かりやすくするための資料も入れ込みます。 1口5000円で制作賛助費を募ります 制作には多額の費用がかかりますので、今回は、戦争体験を伝えることの大切さに共感していただける方々に、1口5000円の制作賛助費へのご協力をお願いすることになりました。 ぜひ、お力添えをお願いいたします。 ご協力を重ねてお願いいたします また、会員を対象に作文の募集も同時に行います。戦争体験のない人に、できるだけ具体的に伝えるために、「学童疎開」「食べ物がなくて苦しかったこと」「空襲の恐怖」「防空壕での体験」「近所の人々との関係」「防空訓練体験」「千人針」など、具体的なテーマで1000字の作文を募集しています。お書きいただける会員さんは、事務局までお申し出ください。 この教材をきっかけとして、戦争を知らない子どもやその親たちが、自分たちの住んでいる地域の平和や安全について関心を持ち、「平和」の大切さを考え、世代を超えて「戦争」の悲惨さを話し合うコミュニケーションツールとして利用していただくことを期待しています。 みなさまのご協力を重ねてお願いします。 |
|||||||||||||||||
▲back | |||||||||||||||||
■結核予防関係婦人団体中央講習会 健康は自分たちで作る |
|||||||||||||||||
密度濃く学んだ 第14回結核予防関係婦人団体中央講習会が、2月17・18日の両日、結核予防会総裁の秋篠宮妃殿下ご出席のもと、こまばエミナースで開催されました。テーマは「自分たちの健康は自分たちで作る〜国民運動の展開〜」です。(1)結核とは(2)結核のない世界にするための複十字シール運動(3)肺の生活習慣病(COPD)‐たばこ(4)更年期のヘルスケア(豆知識)(5)子宮頸がん予防ワクチンについて(ヒトパピロマウィルス)(6)何が何でも元気が一番(7)「ワハワッハッハ体操」、の七つの講演が行われました。 |
|||||||||||||||||
「結核予防婦人会について」「複十字シール運動」については、山下武子全結婦連事務局長が「日本は中蔓延国で、年間2000人が死亡している。アジア・アフリカでは170万人が死亡している。結核は早期発見早期治療が第一です」と呼びかけました。 「知っていますか? COPDについて‐たばこ病‐」では肺の生活習慣病についてCOPD共同研究員の加藤久幸さんが講演。長年たばこを吸い続けると肺がんや心筋梗塞になりやすい。5月9日は「呼吸の日」です、と街頭で行われている「肺年齢無料体験のイベント」の様子を映像で紹介し、早期発見の必要性を説明しました。 2日目は「子宮頸がんは予防できる‐子宮頸がんワクチンを中心に‐」と題して、自治医科大学産婦人科学講座教授の鈴木光明さんが1時間の講演を行いました。 「子宮がんには、子宮体がんと子宮頸がんと二つあります。日本では、子宮頸がんの発症は年間1万5000人で、3500人が死亡している。原因は皮膚や粘膜などにできるイボ、ごくありふれたウイルスの感染なので、ワクチン接種で70%は防げる」と説明しているときに、飛び入りで女優の仁科亜希子さんが登場しました。 ご本人が子宮頸がんで子宮摘出手術を受けたつらい体験談を話し、一人でもこのようなことがないように、ワクチン普及のため公費助成実現への思いを述べました。 3月2日、子宮頸がんワクチンの公費助成を求める実行委員会が発足した、との報道がありました。 情報交換会では、フェスティバルなどでシールの募金運動。外国人に結核の検診を行う。親子クラブでシールを渡し、予防を呼びかけるなどの報告がありました。宮様も話し合いに入られ、和やかなうちに終わりました。2日間は密度の濃い学習会で、結核予防の大切さや医療の現状を学びました。 |
|||||||||||||||||
▲back | |||||||||||||||||
■都道府県の消費者行政を考えるシンポジウム2010 | |||||||||||||||||
地方消費者行政の充実・強化のために、「都道府県の消費者行政を考えるシンポジウム2010」が2月20日、全国消団連の主催で主婦会館で開催されました。全国消団連が2001年から始めている、都道府県における消費者行政調査の結果報告をもとに、2部構成で開催したものです。 | |||||||||||||||||
それによると、(1)消費生活相談の処理体制などは、PIO‐NET末端を設置する市町村が倍増した(2)相談体制の充実に向けた動きがあり、09年度末には9割以上の市町村が相談を行うことになる(3)都道府県の消費者行政本課予算が、前年対比で188・3%の増加(4)相談員の有資格化や、研修などレベルアップへの積極的な取り組みがみられた(4)「地方消費者行政推進本部」などの地域の消費者行政の司令塔的な組織作りが進行している‐‐ことなどが挙げられました。 しかし、有資格者相談員の養成や増員の計画づくりは進んでいない。現場の消費生活センター予算は本課の予算に比べ低い進捗(前年比107・7%)であり、市町村消費者行政への支援のための独自予算は減っている、ことなども依然として挙げられています。 消費者行政予算はこの10年間、都道府県では半減、地方自治体でも減少の一途でした。今回の消費者庁・消費者委員会による流れの中で、少しは増えたといっても全く十分とはいえません。 =第2部= 閉塞感をどう解決 第2部のパネルディスカションでは、2年目となる地方消費者行政活性化計画に対し、活性化基金の閉塞感(人件費に使えない)をどう解決するか、消費者行政に係る地方交付税の仕組みにもふれながら、消費者問題が商工業振興の中に含まれるのではなく、消費者行政として独立した分野、専門課として位置づけられ、継続的な財源などを求める声が出されました。 消費者庁はホームページで活性化基金の活用について、各都道府県からの計画を情報公開しています。 センター新設、窓口開設などのハード面の充実には使いよいが、職員の養成などのソフト面はどうなっていくのか。市町村間では意識の差や温度差がある中で、都道府県として各市町村支援の役割分担は明確にしていけるのか。埋めていくには首長を動かすことが必要。地域で活動する消費者団体は市町村の中で現状を把握していることが強みだから、担当職員の悩みを理解し知恵を出し合い働きかけていくことが大事ではないか、など話し合われました。 |
|||||||||||||||||
▲back | |||||||||||||||||
■豆腐に使われる添加物の気になる情報A | |||||||||||||||||
内閣府が2009年3月に実施した、「食品表示等に関する国民生活モニターの意識調査」(有効回答数1807人)によれば、現在わが国では用途名だけの表示が認められている食品添加物の表示方法について、「用途名だけでなく、物質名も記載すべき」とする人は、70・1%で、「現在の用途名だけでよい」の12・8%を大きく上回りました。 豆腐の食品添加物についても、物質名を省略した「豆腐用凝固剤」「凝固剤」「消泡剤」などの表示では、「不十分」とする考え方と推測できます。私たちにとって、前号でお伝えしたような物質名の併記はもちろん不可欠ですが、新たな表示には出ない液状の乳化された添加物の問題が浮上してきましたので、取り上げてみたいと思います。 先般、匿名のはがきで「乳化された凝固剤・消泡剤の安全性に問題あり」との指摘がありましたので、食品添加物等の取扱業者である花王ケミカルに原料を問い合わせますと、乳化された豆腐用凝固剤にはコーン油が使用され、乳化剤などから造られる消泡剤には大豆油・ナタネ油・パーム油・ヒマシ油から抽出した成分が含まれているとのことでした。 現在の表示制度では、このような乳化された食品添加物の場合にも、原材料としては凝固剤または塩化マグネシウム・にがり、あるいは消泡剤もグリセリン脂肪酸エステルなどとなり、製品の豆腐からは私たちには乳化の有無の判別はつきません。 これは伝統的な豆腐を嗜好する消費者にとっては大きな問題であるとともに、とりわけナショナルブランドでもある花王の場合には、油脂を原料に乳化した食品添加物と聞けば出荷停止のエコナシリーズの事例もあり、安全性に懸念がないとはいえません。さらに欧米ではこのような高分子系の乳化剤には、規制ありといわれている点も気になるところです。
|
|||||||||||||||||
▲back | |||||||||||||||||
■地域ニュース | |||||||||||||||||
通い合う会話 向友会 今年はじめての向友会会合は、新年会をかねて2月14日、向山地域集会所で開催しました。前日までは小雪交じりの小雨が降り、胸をさすような寒さに案じておりましたが、当日は空も明るく、よい日和になり、出足もよくてホッとしました。久しぶりにみなさんに会え、とても楽しい時間をすごすことができて、安心しました。 会長のあいさつからはじまり、最近の世相やら自分たちの老後のことなど考えながら、「人数が少なくなってもできるだけ続けていきたい」と話し合いました。新しい人を誘うことができたら、本当にうれしい限りなのですが、期待して待ちましょう。 昼食をはさみながらの会話は、むずかしい話をするわけでもなく同年代の通い合う会話がとても楽しく、ウツやボケなどを解消してくれると思います。 ビンゴをやったり、頭の体操に絵を見ながらの間違いさがしや、体を動かす体操など勉強をして、最後は歌を聞かせていただき、雑談に花を咲かせながら、なごやかに心癒されるひとときでした。 仲間をつくることから始めてみよう 羽村市婦人会 「第30回羽村市消費者の日」の2月24日、「生かそう! 生ごみ〜生ごみ“資源C”をめざして〜」が開催され、85人が出席しました。消費者、市長をはじめ担当課を含め、農業関係者、市民の実践家が一堂に会し、瀬戸昌之さん(東京農工大学名誉教授、NPO法人有機農産物普及・堆肥化推進協会理事長)をコーディネーターに迎え、パネルディスカッションを行いました。 事例発表は熊谷みづほさん(ダンボール堆肥の実践家)、福島光二さん(オザム各店舗に大型生ごみ処理機を導入設置)、小林文三さん(NSS社長・有機廃棄物循環処理。韮崎市に新しい循環システムを提供し「スーパーやまと」に処理機を設置)、櫻本等さん(有機農業従事者。スーパーやまとの堆肥でアスパラガスを生産)の、5人のパネラーから体験を聞きました。 会場からは、ミミズ、EM菌、ピートモス、コンポスト、米ぬか、もみ殻くん炭を使っていると、いろいろな事例や失敗談がでたりして、一度は手がけてみた人たちが多いようでした。 休憩時には実物展示=写真=の説明があり、関心を深めました。「これなら、いける」と手ごたえを感じ、確信が持てました。 まずはどんな方法でもいい、手がけてみるために、仲間をつくることから始めてみようと思いました。前向きな反省会となり、1年かけて活動していく方針が決まり、次回への一歩が進められた日でした。 |
|||||||||||||||||
▲back |