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■2013年9月15日付
「食品へ課税見直し」を
国や消費増税で要望書提出
「これからのエネルギー問題について」消費者アンケート調査
概要の報告 その2
くらしフェスタ東京2013
東京都消費者月間事業のお知らせ
食の安全・安心を応援する東京都地域特産品認証食品
東京タクシーセンターがランク評価制度見直し
タクシーの優良マークが変わります

■「食品へ課税見直し」を
国や消費増税で要望書提出
 国の税制改革では、消費増税で財源の確保を図ろうとしています。暮らしに大きな負担を強いる、逆進性の高い消費税。各種世論調査では増税に反対する声なき声が数字に表われています。
 政府は8月26日から31日まで、有識者60人の意見を聞く「集中点検会合」を行い、多くの識者が消費税増税に賛成・積極的であったとしています。安倍政権は消費税増税を予定通り行うかを、10月1日に最終決断しようとしています。
 東京地婦連では9月9日、暮らしを取りまく厳しい環境を見据え「食品への課税を見直し、山積する課題解決への真摯な取り組みを」と意見表明、内閣総理大臣、社会保障・税一体改革担当、内閣府特命消費者担当大臣、税制調査会会長、各党などへ、要望書を郵送しました。

要望書の本文はこちら

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■「これからのエネルギー問題について」消費者アンケート調査
概要の報告 その2
調査の目的

 私たちは東日本大震災にともなう原子力発電所の事故を受けて、エネルギー問題に強い関心を持つようになりました。
 安全で安心な「環境によいエネルギーとは何か」、生活者の私たちはどのように考え推進していくべきかとの思いから、昨年11月には東京で「選ぼう、わたしたちのエネルギー」と題する、全地婦連と共催のシンポジウムを開催しました。
 このアンケート調査はさらに、消費者の日頃の節電行動やこれからのエネルギーの考え方への理解を深め、東京地婦連のエネルギー問題への取り組みに活かすことを目的に実施したものです。
  • 調査期間 2013年3月1日〜31日
  • 調査方法 アンケート用紙500枚を配布、留め置き、内440枚回収
  • 回収率 88・0%
  • 回答者の内訳 性別=女性299人(68・0%)/男性99人(22・5%)/無回答42人(9・5%)合計440人(100%)
  • *回答率=回答数を年代グループ別人数で割ったもの
     年代グループ別構成
    ▽20〜30代 77人(17・5%)
  • ▽40〜50代141人(32・1%)
  • ▽60歳以上221人(50・2%)
  • ▽無回答1人(0・2%)。合計440(100%)
問5 太陽光発電を普及させる手法の一つとして、「屋根貸しビジネス」があります。東京都では、屋根の借り手と貸し主を結びつける仲立ちを行っています。発電事業者は賃料を払う一方で、売電し収益を得る、建物所有者は屋根を貸して、地球温暖化に貢献しながら賃料収入になる、というメリットがあります。

 5‐(1) もしあなたがこの事業の対象になり、条件が合えば、太陽光発電事業者に「屋根貸し」をしてもいいと思いますか。



《全 体》
 1位の同意派「はい」は37・0%でしたが、2位の「いいえ」32・7%も3割を超えており、意見は分かれました。3位は「集合住宅で無理」20・2%、4位「建物所有者ではない」8・2%という結果です。「集合住宅」の屋上設置対策も急がれます。

《年代別》
 60歳以上に着目すると、全体では2位の「いいえ」が「はい」を上回り、「いいえ」と答えた人の59・7%を占めています。慎重派といえます。

 5‐(2) (1)の「屋根貸し」で「いいえ」に○をつけた方、その理由を。(複数回答)


《全 体》
 1位は「設置工事・契約後の保守点検などに不安がある」の58・3%、2位「太陽光発電システム・機器の品質に不安がある」29・9%、これに3位の「煩わしい」17・4%、4位「その他」18・1%が続きます。
 この屋根貸し制度を検討する以前に、消費者にとっては「そもそも太陽光発電の仕組み、システムとはどんなものか」「機器の品質保証はされるのか」「設置工事の専門家はいるのか」「設置後に雨漏りしないか」「点検はしてくれるのか」「安全性は大丈夫か」など、分からない点が多々あります。
 太陽光発電は「地産地消の再生可能エネルギー」として最も期待される一方で、重要な情報が不足しており、不安感を抱く消費者の姿が明らかになりました。
 「その他」の理由として、「家が古い」など、家の強度や屋根への影響を挙げる消費者が目立ちました。

問6 あなたは、東京都が「再生可能エネルギー」を積極的に導入するために、仮称「東京都再生可能エネルギー導入推進条例」を定めた方がいいと思いますか。


《全 体》
 1位は「はい」の60・7%、東京での条例化を求める声です。2位「どちらともいえない」は33・9%。3位「いいえ」は3・4%と少数派でした。

《年代別》
 全体1位の「はい」の回答率では、40〜50代が70・9%と高いのが特徴です。「どちらともいえない」理由としては「内容がよく分からない」(多数意見)「中身次第」「生活が苦しい上に生計に負担がかかる」などがありました。
 再生可能エネルギーの電気料金への上乗せを懸念する声も含まれます。

問7 電力の自由化は家庭など小口以外では徐々に進み、例えば発電事業を始めた新電力会社と契約する、自家発電を行っている工場が余った分を自治体に売るなど、全国的な広がりを見せています。
 しかし、家庭用では自由に電力会社を「選べない」のが現状です。あなたは「選べる」ようにすることに賛成ですか。



《全 体》
 1位は「はい」の69・3%、電力の自由化を選択した消費者は7割近くいました。2位「どちらともいえない」は26・8%。3位「いいえ」は2・7%とわずかでした。
 電力の自由化を図る、電力システム改革のためには電気事業法の改正が必要であり、国民の負託に応えるためには、国会での審議が急務です。

《年代別》
 1位の「はい」の回答率は、20〜30代が75・3%、40〜50代では76・6%とさらに高くなります。
 未来を担う世代、中堅世代の小口の電力自由化を求める声です。

電力自由化を図るシステムの改革を
消費者の自由意見


(抜粋)
◇節電・省エネ
□東日本大震災で数日停電を経験し、電気の大切さを知った。今後も少しずつ節約・節電を心がけ、住みやすい街に、日本にしていきたい。
□節電に取り組んできたが、最近の夜の街のにぎやかさを疑問に思う。
□節電はもう十分しているので、行政が明確な指標を示す時期だと思う。

◇LEDの普及
□LED電球を、無料で配ったらどうか。

◇再生可能エネルギー
□便利さの発想のもとで原発事故が起きたと思う。再生可能エネルギーについても同様で大量生産を目指すと、環境問題などが起きると思う。
□屋根貸しは国・自治体自身から始めたらどうか。
□集合住宅でも利用できる、発電システムがあればよい。

◇電力の自由化、その他
□限られた資源、家族単位でなく国全体で共有を考えるようになればよい。
□電力会社が選べたら、原子力のためにお金を使う会社は選ばない。
□家庭用の蓄電池がほしい。

 調査のあらましは、以上です。
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■くらしフェスタ東京2013
東京都消費者月間事業のお知らせ
 東京都と都内消費者団体は、協働して実行委員会をつくり、毎年10月を中心に東京都消費者月間事業「くらしフェスタ東京」を開催しています。
 東日本大震災から約2年半を経過して、今なお風評被害をはじめとする食の安全、環境、防災への取り組みなど、さまざまな問題が発生しています。
 今までの生活スタイルを見直し、持続可能な未来を築くための責任ある消費行動を一人ひとりが考える契機となるよう、今年度はメインテーマを「もっと広げよう コミュニケーションの輪〜未来につなげる消費行動」として、都内各地で講演会や交流会など催しを実施して消費者の権利を高めていきます。

くらしフェスタ東京2013ホームページ:http://kurashifesta-tokyo.org/
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■食の安全・安心を応援する東京都地域特産品認証食品
 東京都地域特産品認証食品は、東京都で認証している東京の食の安全・安心を応援する制度です。「都内産の原材料を使用している加工食品」「東京の伝統的な手法など生産方法に特徴があると認められる食品」について、商品に込めた思いやこだわり、味や品質等を審査し、都が認証した食品です。認証食品は今年の8月現在で、168の食品があります。
 都では、認証を受けた食品を、地域の原材料の良さを生かしている食品、地域の文化や製造技術にこだわった食品である「東京の特産品」として、各種イベントやホームページなどでPRしています。
 認証された食品には、東京都独自のマーク(通称「Eマーク」)を付けることができます。
 11月7日に開催予定の東京地婦連ブロック会議では、多摩地区の大多摩ハム小林商会を見学する予定ですが、ここで扱っているTOKYO‐10(ロースハム・ベーコン・ウインナーなど)は、(公財)東京都農林水産振興財団農林総合研究センターで開発・改良された畜産物を使った加工食品です。霜降り豚肉で、口の中でとろけるジューシーな良質脂肪が特徴です。
 お酒では、小澤酒造株式会社が、奥多摩の地酒として元禄15年創業以来300年にわたり親しまれてきた「澤乃井」です。くさやは八丈島、新島、三宅島でとれた新鮮な、青ムロアジ、トビウオなど独自の製法で加工しています。
 「にごりや」のジャムは、東京小平市の農家の主婦が、新鮮な自家野菜や地域で収穫できた野菜や果物で、ジャムを手作りしています。
 一部の商品は、都庁第一本庁舎1階と竹芝客船ターミナル内の東京愛ランドで購入することができます。

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■東京タクシーセンターがランク評価制度見直し
タクシーの優良マークが変わります
 東京23区、武蔵野市、三鷹市の法人タクシーの良質なサービスの促進のために、平成13年スタートした公益財団法人東京タクシーセンターの「ランク評価制度」は、発足後11年余りを迎え、制度の見直しを行いました。
 新たな名称は「法人タクシー事業者の安全・サービス等に関する評価制度」(略称:タクシー評価制度)になります。評価項目には今までの接客・サービス、安全・運行管理に関する情報等に、優良運転者の所属・優良事業者表彰等の「事業者の経営努力に関する情報」及び「環境、福祉、観光、防災等の社会貢献」が追加されました。
 ステッカー表示は「AA・Aランクのマーク」から100点満点で76点以上を取った事業者を「優良」評価として、8月から徐々に「優良マーク」に変わりつつあります。長方形の優良マークは、タクシーの正面のガラス内側に見えやすいように表示し、任意の補助表示は(楕円)は後部座席の窓近くに貼付されることになっています。
 カラーは青地で、黄色の楕円に白文字で「優良」と描かれているのが特徴です。法人タクシーの新しい目安として、注目したいものです。

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